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シグ シグの部屋

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 眠ってしまったユイを抱き上げベッドに下ろします。
あぁ、本当になんて可愛いんでしょう?
ふふっ、この可愛いユイが私の恋人となりました。この幸せをどう表現したら良いのでしょうか?!

そうそう、親衛隊員に私とユイが付き合い出した事を公表しないと!他の男にはユイを諦めて頂かないといけませんからね。
まずは数人に根回しを。そして指示を送りましょう。まぁ、この辺りは秘密の部分でございます。

さて、私、がんばった自分を褒めてあげたいと思います。話をして二日で恋人になれたんですよ?上出来ではありませんか?
ノンケ(まぁ、無自覚なゲイだったと思いますが)で処女で童貞な、そのルックスだけでも最上級な、しかもキョウ様の弟様という逸材を!!

この手に!恋人として!!抱けたんですよ!!!

もう幸せすぎて、最後の兜合わせの時には素に戻り、普通に「愛しています」と言ってしまいました。

仕方ないと思います。イキそうになった瞬間に「シグ、シグ、お願いキスして」ですよ?拒否して虐めるなんて出来ますか?

今までのたいした愛情もなく抱いていた相手になら出来たでしょう。しかし、ユイには無理です。あぁ、心の底から愛おしい。
今日泊まっていってくださるのも最高に嬉しいです。一晩中でも寝顔を見ていられますね。

あぁしかし、買い物に行かねば。
ユイのためのワックスと歯ブラシに下着、くつ下も要りますね。今後の為にゴムとローションも新品を買いだめしましょう。今ある残りをユイに使うなんて出来ません!

後は食料ですね。何が好きで嫌いか聞いておけばよかった。私とした事が!やはり舞い上がっているからでしょうか?

私は近所のスーパーに行き、手早く買い物を済ませて家に戻りました。
ユイはまだ眠っているようでホッといたしました。

買って来た物を片付け、料理の下拵えをしていると、ユイが目を覚ましたようです。手を洗ってユイを抱きしめに行きましょう。

「おはようございます。気分はいかがですか?」

「うわっ!シグ?そうだ俺・・・」

突然真っ赤になるユイ。先程の行為を思い出したんでしょう。あぁ、可愛い。

「喉が渇いたでしょう?ミネラルウォーターでいいですか?それともお茶の方がいい?緑茶とほうじ茶のペットボトルがありますよ。」

「じゃあ、ほうじ茶で。」

「はい、どうぞ。」

冷蔵庫からほうじ茶を出してユイに渡します。

「お腹が空きませんか?簡単な物しか出来ませんが作りますよ。嫌いな食べ物は?アレルギーはありませんか?」

「えっ?シグが作るの?すげぇ!
俺、ご飯なのに妙に甘い物は苦手。砂糖が多めの酢の物とか?後、酢豚に入ってるパイナップルとか、果物が入ったサラダとかも嫌い。他は大体大丈夫。
アレルギーは小さい頃は牛乳と卵がダメだったけど、今は平気。あっ、でも牛乳だけをそのままゴクゴク飲むのは無理。カフェオレやミルクティー、牛乳使った料理とかスイーツはいけるけど。」

「なるほど。では、私が作れる、パスタ、チャーハン、焼きそばなどはどれも大丈夫そうですね?とりあえず今日は焼きそばでいいですか?」

「うん。焼きそば大好き!」

「あぁ、もう!気軽に大好きとか言わないでください。また襲いますよ?」

「えっ?そ、それは・・もう今日は無理・・・」

「ふふ、気を付けてくださいね。ではユイはゆっくりしていてください。あっ、宿題などはありませんか?先に済ませたらいかがです?分からない所があれば、教えますよ?」

「あ~そうだな。面倒くさいけどやるわ。」

机の上のパソコンを寄せ、ノートを広げるスペースを作りました。

狭いワンルームなので、勉強机とキッチンもすぐそばにあります。私は料理をしながら、ユイの質問に答えて教える事が出来ました。五歩くらいの距離ですしね。

そうしてユイの宿題も終わり、焼きそばも出来上がりました。それだけでは足りないと思い、から揚げとおにぎりも買ってあります。
ローテーブルに置いていただきます。

「いただきま~す!・・・美味っ!シグ、これマジで美味いわ!!目玉焼きが乗ってるのも最高!!」

「それは良かったです。ちょっと良いソースを使ってるんですよ。知ってますか?この近所にソースを作っている工場があるんです。所謂地ソースってヤツですね。」

「へー?知らなかったよ。いや、マジ美味っ!あっ、母さんのご機嫌取りのために明日にでも買って帰ろうかな?その工場で買えるの?」

「工場でも買えますが、近所のスーパーでも買えますよ。この地域の名産コーナーに置いてありますから。」

「へぇ?じゃあ明日の放課後にスーパーに寄って買って帰ろう。ちょっとは怒りが収まるかな。」

「怒ってらっしゃるんですか?」

「ん?泊まる事に関しては別に。ただ、あの人、晩飯を作ってたのに急にいらないって言うと怒るんだよ。先に連絡しておけば大丈夫なんだけど。」

「そうですか。でも、あの時点ではユイは帰るつもりでしたしね。まさか私と付き合うようになって泊まって行くとは思いませんもんね?」

ユイ、また真っ赤になってますよ!
もう本当にどれだけ可愛いんですか?!
今晩処女を頂くのは流石に無理ですよねぇ・・!
私、我慢出来るのでしょうか??
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