【本編完結】伝説の最強ドラゴンは心優しき白猫を溺愛す

ルコ

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出会い

ティム1

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 ティムが魔族の国に来る直前のお話。
前作「双子の兄×幼馴染(男)のカプを横目で見ながらあたしは好きに生きます」からの流れの説明回になります。

ーーーーーーーーー

 オレの名前はティム。最南の島に住むドラゴン王族の長男だ。

長年見捨てていたドラゴンの谷が、魔族の娘カグラによって面白い事になったようで、その功労者たちが島に来た。

その中の一体、エリンは昔から知っている。ドラゴンの谷を捨て放浪している際におふくろに出会い、成体であるにもかかわらず黄龍と契約した、デタラメな強さと性格の稀有なドラゴン。
意気投合したおふくろは、別荘の管理も任せているようだ。

実は幼体の頃に、おふくろの家出に付き合って別荘に行き、エリンに会った事があるのだが、何と言うか・・色々と規格外のドラゴンだった。幼体のオレより無邪気で、悪意はないが容赦もない。そして、戦闘モードに入るととてつもなく強かった。

普通、精霊と契約するのは幼体の頃。精霊は無垢な魂が好きだし、他の精霊に自分が見つけた契約者を取られたくないから、そのドラゴンに物心がつくとすぐに契約しに来る。

伝説のドラゴンの精霊は、基本我々王族としか契約をしない。なぜなら精霊が好むほど魔力が高いドラゴンは、ほぼ王族なんだ。もしくはその伴侶候補。

王族もそんなに数は多くないので、誰とも契約していない精霊もそれなりにいるようだが、最南の島以外で魔力の多いドラゴンを探すなんて発想は、精霊にはないようだ。ノンが言うには「私以外の精霊は、みんな出不精で人見知り」だそう。

ちなみに親父の契約精霊はバハムート。おふくろのはリヴァイアサン。最強の夫婦だろ?
まぁ、テュポンも負けてはいないが。

そんな状況の中で、成体なのに黄龍と契約したエリンの存在は衝撃だった。

しかも、今回のドラゴンの谷の件で、エリンの息子と娘も成体でそれぞれ青龍と赤龍と契約したと言う。
そして、その息子と娘が契約出来たのは、魔族最強の存在であるカグヤと、その娘カグラのおかげらしいのだ。

そいつらが揃って最南の島に来たんだ。興味がないわけがない。

それにオレは、ノンの影響で幼体の頃から番を探しているんだ。ノンの番はドラゴンの精霊にはいないらしい。オレの番の契約精霊がノンの番である可能性が高いので、ドラゴン族の精霊にいないのなら、魔族の精霊にいるのかも?と、昔からノンとよく話していた。

だから、魔族と会える日を楽しみにしていたんだ。

オレはエリンの息子イアンとカグラに話しかけた。
イアンの人型はなかなかに好みだが、ちょっと性格が合わないかな?カグラに絶対服従しているようだが、元々の性格は決して大人しくはなさそうだ。

カグラに好みのタイプを聞かれたので、見た目が可愛くて、性格も優しい人型の男がいいと伝えると、その理想にぴったりな、エナという魔族がいると教えてくれた。

エナだと?

しかも契約精霊の名がドナ。

エナとドナ。

エキドナ。テュポンの番のエキドナに似た名前を持つ魔族と精霊。何か運命を感じる。横ではノンが「ドナ・・・」と呟いている。

オレはどうしてもエナに会ってみたくなった。

オレは、親父に魔族の国へ留学に行きたいと直訴した。話し合いの結果、まずドラゴンの谷を統一し、その後、国交開始とともに留学出来るよう魔王様に打診する事となる。

オレの妹のレニと弟のマニがドラゴンの谷へ派遣され、イアンの妹、ミランとともに統一をする予定だ。
だが、それが終わるまでとても待てないオレは、先に魔王様にそれらの報告をし、今後の国交開始と留学の許可をいただくため、大使として魔族の国に来たんだ。

そして、無事魔王様と謁見し、許可を取り付け、一ヶ月の滞在許可もいただいた。

後は自由に動ける。

オレはやっとエナに会いに行ける。

カグラに頼んで、エナが営むエドナ診療所に連れて来てもらった。そこで見たエナに一目惚れをすると同時に確信する。

これはオレの番だ。

ドラゴン族には番伝説がある。
会うと引き寄せられる運命の番。
唯一無二の存在。

そんな御伽話を信じているのは幼体くらいかもしれない。だがオレは昔から番の存在を信じていた。ノンにエキドナの話を何度も聞いて、どこかにオレの番が存在すると信じていたんだ。

そして今日、エナを見て確信した。

ノンが「会えば分かるよ。コイツしかいないって」と言った意味を理解した。

エナはオレの番。オレの唯一。

・・・コイツしかいない。

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