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山狼族
ラウ2*
しおりを挟むここは生い茂る高い木の上に建てられた小さな小屋。
オレとサンの家は山の中にいくつもある。山の中心部の洞窟、山をある程度見渡せるこの小屋、二の滝付近の大岩裏の天幕、他にも山の要的な場所に隠蔽魔法をかけて作ってあるんだ。
元々サンが山の管理をする為によく出現していた場所に、オレも住めるよう簡単な家として形を整えたという感じ。
その中からここを選んだのはお月様に近い場所だったから。お世話になったお月様に見守られながら繋がろうと、サンと決めたから。
それに、満月の夜に交わるのは山狼族の儀式でもある。
「・・・・・・」
オレとサンは黙ってただただ見つめ合う。
言葉はなくてもいい。
前世の狼のラウと同じく、オレもラウとなっている間はいつでもサンと繋がれる。お互いの気持ちは自分の事のように分かるんだ。それでもまだ体を繋げていないから、完全同化とはいかないけれど。
窓から差し込む月明かりがサンの白い顔を照らしている。
オレはそんなサンの頬を優しく撫で、少し屈んで口付けをする。
最初は優しく啄むように・・・
けれどサンがオレの背中に手を回し、ギュッと抱きついて来た瞬間、早くも理性が飛びそうになった。
オレはサンの口腔内をすべて味わうべく、隅から隅まで舌を這わす。歯列をなぞり内頬を突き上顎を舐め上げる。
その瞬間、サンの昂った感情がおれになだれ込んで来た・・・ラウ、ラウ、あぁやっとだね・・・好き、好き、大好きだよ・・・
クチュクチュとお互いの唾液を貪り合う音が、やたらと大きく小屋に響き渡る。
おずおずとオレに絡んでくるサンの舌に容赦なく絡み返し、オレの口内へと誘導した。ふと、今のサンの顔を見たくなり、そこで一旦顔を離すと頬を赤く染めながら舌を突き出したサン・・・そのあまりに煽情的な表情に、一気に下半身へと血が集まる。
・・・?!やだ、なんで・・・
途中でキスを止めたオレに不満をぶつけるサン。
・・・ごめん。でもサンのその顔が見たくて・・・あぁ、堪んないよ・・・好き、好きだよサン。本当に大好き。あぁ、やっとサンを抱けるんだ。オレ、がんばったよね・・・?
オレはサンの機嫌を取るべく、頭や顔、耳に軽いキスをしまくる。するとサンは声に出して言ってくれた。
「ふふ、ラウはすごく頑張ったよ。もちろんユラもウルもね。僕も嬉しいよ。やっとラウを受け入れ・・・んんっ・・・」
その言葉が嬉しくて、オレは再度サンの口を塞ぐ。そのままサンの唇から口腔内を貪りつつ寝床に押し倒し、服を剥ぎ取った。
窓から入る月明かりのみの小屋で・・・サンの肉体は艶かしくオレを誘っていて・・・
我慢なんてとっくに限界だ。それにこれ以上我慢する必要もない。その事実にオレのなけなしの理性が溶かされていく。
さらに、サンから・・・好き、ラウが好き・・・そんな感情がひっきりなしに流れ込んで来るんだ。
最早限界。
オレは本能のまま、目の前の美味そうなピンク色の粒にむしゃぶりつく。
「あ、んん・・・んはぁっ!!」
サンの体は性格と同じく素直だ。
快感に弱く、オレがなす事すべてを受け入れてくれる。
小さな粒はすぐに赤く熟れ、芯を持った突起となって健気に勃ち上がった。
摘みやすくなったそれを指先でコリコリと扱いてやるとサンの体が跳ねる。
「ん・・・はぁっ!!それ・・・やっ、やぁぁぁぁぁぁっ!!!」
オレの背中に回った手に体が引き寄せられた。そして、オレに縋り付くように密着したままサンの腰が動く。
「サン、オレの腹に何を押し付けてるの?硬いのが当たってるよ?」
「だ、だってラウが・・・」
「オレが何?」
心が繋がっているから分かっているけれど・・・サンの口からオレを求める声が聞きたくて・・・
「ぼ、僕が触って欲しい場所を触ってくれないから・・・」
ハァハァと息を荒げ、潤んだ目でオレを見つめながらそう言うサン・・・くっそっ!!エロ可愛い過ぎんだろっ!!!
優しくしたいのに、快楽に泣き叫ぶサンを見たいとも思ってしまう。
「・・・そっか、サンはここを触って欲しかったんだね?」
そう言ってオレは、サンのモノを掴んだ。すでに先端から溢れ出ている蜜を手に馴染ませ、ゆっくりと扱きながら言う。
「けど・・・ここも触って欲しいんでしょ?」
もう片方の手で赤く熟れた粒を捏ねる。そして、コロリと取れてしまいそうなほど勃ち上がったその粒に、ゆっくりと舌を這わせた。
「ひっ!!ん、ん、んぁっ・・・や、やぁぁぁぁん・・・」
サンの嬌声を聞きながら、右手でサンのモノを、左手で乳首を扱き、もう片方の乳首は尖らせた舌先で穿るように刺激する。
「んはぁっっ!!や、やだぁぁ、全部一緒にしちゃ・・・あっ、あっ、もう出ちゃう・・・」
「ん、いいよ?出して?」
トロトロと蜜が溢れ出る先端に塗り込むようにして、親指でクルクルと刺激してやる。そして、サンのモノを握る手の力を強め速度も速くする。
手に馴染んだ蜜が立てるグチュグチュという音を聞きながら、オレはしみじみと幸せを噛み締めた。
サンは魔族でも人族でもない、山の意思の化身だ。だから、再会した頃は姿形は魔族と同じでも、食事も排泄もしていなかった。
ただ、血が通う体の温もりと、口から出る唾液は狼のラウで学習済みだったので、山の民に紛れていても不審がられる事はなかったらしい。
けど、オレ(ユラも含む)と生活をし始めてからは、食事を楽しむ事を覚えた。狼のラウが仕留めた獲物の生肉を食べる気にはならなかったみたいだが、調理された肉は好んで食べる。
そして、口から栄養素や水分を摂取し排泄する仕組みを知ると、オレたちと同じように用を足すようになった。
排泄はない方が楽だと思うんだが、肉体の維持には肉をがっつり食べると出した方がいいようだ。果物なんかだと「気」に転換出来るみたいだけど。
サンの体は山の意思によって変化する。
つまりはサンの意思だ。
山ではサンが望めば大抵の願いは叶う。山とサンの意思が食い違うなんて事は、よっぽどでない限りない(つまり犬科動物の精霊界と繋がる事はよっぽどだったんだ)。
サンは望んだんだ。
オレやユラと同じ肉体を持ちたいって。
その結果、サンの肉体は快感を得ると蜜を垂らし精まで吐き出すようになった。
「あっ、あっ、あぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
オレの手の中で果て、ビュクビュクと白濁を撒き散らすサン・・・
・・・あぁ、いい・・・最高だよサン・・・好き、大好き、愛してる・・・お願い、オレを受け入れて・・・
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