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魔王城2 先代魔王様ご夫妻ご来城
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しおりを挟むそして、謁見の間にまたもや四つの影。現れたのはよく似た絶世の美女が二人に、白い翼を持つ巨大な白虎と金色の翼を持つ妖艶な豹。
「はぁ~い!親父も兄貴もレンさんもシグも久しぶり。兄貴の嫁とあたしの弟&精霊の猫ちゃん達を見に来たわよ!
あなたがアスラちゃんね?うんうん、可愛い。で、こっちがユイかしら?レンさんの若い頃そのものじゃない!!あっ、あたしはカグヤよ。こっちはココ。リイもルーもよろしくねっ!!」
「相変わらず軟弱な雄どもね。手合わせして鍛え直してあげましょうか?あっ、猫ちゃん達は別よ?仲良くしましょ!」
「あらあら、本当にレンそっくりね~。先代魔王様の好みがまるバレね。分かりやすいわぁ。アスラちゃんにユイくん、私はレンの姉のランです。で、この子はファー。リイもルーも仲良くしましょうね♡」
「ラン、それじゃ先代魔王様が顔だけで相手を選んでるみたいじゃない。失礼よ?何よキル?ランを嗜めてあげてるのに何でそんな顔してんの?」
うわぁ、うわぁ・・・カグヤちゃんとランさん降臨だよ。最初から絶好調だなっ!契約精霊がプラスされる分、前世よりも強烈かも知れない。
ココとファーに、ここにいる雄達が誰も敵わないってのが一瞬にして分かったよ。戦闘能力でもココが最強だな。多分、レイ、キル、ローよりも強い。
「で、国交断絶の主犯は分かったの?」
カグヤちゃんが聞く。
「あぁ、カイだな。」
キョウの言葉に驚く。俺、前世でそんな設定してなかったよ??!
前世のカイさんは、MAGに途中から参加した爆音ギタリストだ。完全なゲイでバリタチのはずが、十六歳年下の女性、カグヤちゃんに落とされた。その際の名言「あれは女ではない。カグヤだ。」は、前世の俺の中での名言ベストスリーに入る。
前世のカイさんはレンさんが好きで、レンさんがジュンさんと付き合った後も口説き続け、MAGの活動休止の一因になっていた困ったちゃん。それを一人で解決したのがカグヤちゃんだ。
前世のユイくんのこれまた名言、「固定観念の破壊神」なカグヤちゃんは、たった一回の機会でゲイのカイさんをその気にさせて落としたんだよ。
そのカイさんが今回の国交断絶の首謀者??!
この世界のカイさんは、ジュンさんに憧れていたみたい。よくよく考えてみれば、前世のカイさんも最初はジュンさんに憧れて音楽を始めたみたいだし、必然だったのかな。
「ふうん?実はあたし前からカイさんに興味あったのよね。ねぇ、この件あたしに任せてくれない?カイさんを懐柔してみせるわ。」
うわぁ!前世と一緒じゃん!カグヤちゃんのニヤリ顔怖っ?!みんな「うわぁ」って顔してるよっ・・・ランさん以外。
「あらぁ!いいんじゃない?カイも色々やり過ぎてるみたいだし、ここはカグヤちゃんにビシッとシメてもらいましょう。」
「・・はぁ、カグヤ、くれぐれもやり過ぎるなよ?!カイはあれでもなかなかの力を持つ上位魔族だし、他の者への影響力もあるんだからな。」
「分かってるって!!じゃあ、前は急げね?早速行ってくるからみんなはお茶でもしててねっ?」
一瞬でカグヤちゃんとココの姿が消える。
「ふわぁ!何か嵐みたいな人ですね。」
「・・あれもお前の姉だぞ?」
「ははっ、そうなんですよね。信じられないや。」
前世でもユイくんはカグヤちゃんに振り回されてたもんなぁ。
「魔王様方はまだ話し合いがあるんでしょ?レン、あっちの部屋でお茶にしましょう。アスラちゃんとユイくんもね。」
「そうだね。ジュンさん、隣の部屋に居るから。」
「おう・・アスラ、ユイ、すまねぇがラン姉ちゃんの相手してやってくれ。」
「ラン姉ちゃんはやめてくれない?私、先代魔王様よりずっと若いんですけど!」
あっ、ここでもラン姉ちゃんって呼ぶと怒るんだ。
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