【完結】異世界でも姫が可愛くないはずがないっ!!!〜俺が悪役令息でピンクがヒロイン?!ありえねぇ!!〜

ルコ

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オレの番

リュウセイ3

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 魔族学校へ入学した初日、オレは早くも理想の相手を見つけた。

人族からの留学生、トワだ。男であった事は大した問題じゃない。ティム様の番もジャック様の番も男だしな。
そして人族ながらもトワにはオオヤマネコの契約精霊リンクがいた。ヤヤは一目でリンクを番だと認識したらしい。

「リンクはおれの番だよ。トワはリュウセイの番じゃないのか?」

ヤヤにそう聞かれたが、オレはトワの事を番だと思ったものの、はっきりそう断言出来なかった。
何と言うか、見た目は完璧に好みだし、運命的な何かは感じるんだが、匂いが薄い感じ??

サラ様も魔族のユウヤという男を見て、「見ぃつけた!」と、ドラゴンが獲物を狙う目をしてニヤリと笑った。そしてユウヤのチーターの契約精霊の名前がヤプスだと知り、完全にアプスだと確信したようだ。ライア様もすぐにヤプスを番だと認識した模様。おそらくサラ様もライア様もすぐにユウヤとヤプスを手に入れるだろう。 

ユウヤは、ドラゴンのオレにも気さくに話しかけて来るような人懐っこい男で、すぐに友だちになった。いいヤツそうで一安心。契約精霊もチーターで、魔族としてはそこそこ強そうだが、ドラゴン族には敵わないだろう。だがそこは問題じゃない。

ユウヤは、サラ様が望んで番となり、添い遂げられる存在になれそうで・・それが全てだ。

正直肩の荷が降りた気がしてホッとしている。

 オレの周りにも魔族や人族の女子が群がって来たが、トワの他に興味をそそられる子はいなかった。特に積極的なのはミスズ ピンクという人族の女子。顔は確かに可愛いが全く好みではない。まぁ、弱いので守ってやらなきゃならない、という守護欲?のようなものは湧くので邪険には扱わないが、興味はない。

そうして一週間ほど経ったある日、ピンクさんがサラ様に向かって「リュウセイくんとミスズの真実の愛を邪魔しないで!」と言ってのけたんだ。

オレとピンクさんの間にいつ「真実の愛」なんてものが出来たんだろう?全く身に覚えがないんだが。それはさておき、ドラゴン王族であるサラ様にその口の利き方はないだろう。しかもオレはまだ一応サラ様の配偶者候補だし。

流石に対処に困っていると、トワがピンクさんを止めに来た。そのトワの顔を見た瞬間、「あぁこれはオレの番だ」と確信したんだ。匂いもブワッとむせかえるほどに強くなっている。初対面の時に分からなかったのが嘘のようだ。これは番以外の何者でもないじゃないか。

オレは、電流に撃たれたように硬直し、トワから目を逸らしてしまう。だって、好みすぎて、愛おしすぎて、直視出来ない。今すぐ襲ってしまいそうだ。ドラゴンの姿に戻って頭からバリバリと喰ってしまいたいほどの激情に、自分でも戸惑いどうしていいか分からなかったんだ。

ピンクさんが叫ぶ。

「悪役令嬢だけじゃなく、悪役令息までいるのぉ?みんな意地悪しないでよ!リュウセイくんとミスズは運命の恋人なんだからぁ!」

サラ様が悪役令嬢でトワが悪役令息?!
流石にこれはないと思い、

「あなたの事は可愛いと思いますし、お気持ちは大変ありがたいですが、オレにはサラ様をお守りする使命がありますので。」

と断ったんだが、ピンクさんには通じていない様子。トワがショックを受けた顔をして、その後頑なに目を逸らすオレを睨みつけて来た。その光景に心が痛むと同時に、気の強そうな眼差しにゾクゾクした。

あぁ、今すぐトワを組み伏せて啼かせたい・・そう、オレは、急に番と認識してしまったトワに対してどう接したらいいのか分からなかったんだ・・・


 そんなトワを番だと認識した翌日の昼下がり。オレは今、ホームステイ先のカグヤ様の城でサラ様とお茶をしている。そんな最中、カグラ様が瞬間移動で現れた。

「リュウセイ!今、トワに会って来たわ。あの子はアスラ様とルイと同じで前世の記憶持ち。その事をつい最近思い出したそうよ?で、リュウセイとは前世で番みたいな関係だったようね。
教えてあげた事に感謝しなさい。
あたしはトワを気に入ったの。
前世ではあたしとも友だちだったみたいだし、トワを傷付けるような事があればあたしがリュウセイをシメるわよ?」



ーーーーーーーーー

 明日からやっとR18シーンに入ります!


ルコ
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