9 / 25
魔王城
トワ3
しおりを挟む「だが、カグラが鎖国状態を解いて、ドラゴン王族が魔族の国に来るようになってから、王子たちが二人続けて魔族の番を見つけたんだ。
そしてサラ様も番を見つけたと言っているらしい。」
「はぁっ?!サラ様、もう番を見つけたのか??じゃあ、リューセーは・・・」
ショウの話を聞いてリューセーが大丈夫なのか不安になる。配偶者候補じゃなくなってもドラゴン族が住む最南の島に帰ったりしないよな??
「トワくん、心配しなくても一度留学生になったら、よっぽどの事がない限り留学が取り止めになったりしないよ。
ちょっとジャックを呼んで話を聞いてみる?ジャックはサラ様の兄だし、リュウセイくんの事も分かるかもよ?」
「えっ?けどドラゴン王族を呼びつけるなんて・・・」
「大丈夫。ジャックも今は休憩時間だし、昨日聞いたら快諾してくれたから。
ベル、クルーにジャックとここに来るように伝えてくれる?」
「は~い!・・・ん、すぐに来るって。」
そしてまた大きな影が現れた。ジャック様とウロボロスのクルー様だ。な、何かジロジロ見られてるんだけどっ?!
「・・ふうん?なかなか可愛いじゃないか。マーカスに会う前なら口説いてたな。君、名前は?」
「へ?あ、はい。はじめまして、トワと申します。こっちはオオヤマネコのリンクです。」
「トワね。で、あれか?トワはリュウセイの番なのか?」
えぇっ??!!!
「いえいえいえ!俺は人族なので番とかは分からないです。それにリューセーには多分嫌われて・・・」
「それはないな。リュウセイの事は昔から知っているが、トワはあいつの好みそのものだと思うぞ?」
「えっ?いや、でも、俺無視されてて・・・他の人族の女子に『可愛いと思う』とか言ってたし・・・」
「あいつはな、魔族の国に来て魔王様と王妃様に謁見した際に、王妃様に見惚れて魔王様を怒らせたんだ。
それで、最初はサラもリュウセイも魔王城で世話になる予定だったが、急遽ショウとカグラの実家で世話になる事になった。
サラはこっちでも良かったんだが、魔族最強で魔王様の妹君であられるカグヤ様(ショウとカグラの母親)に世話になるのに、リュウセイだけってのもって事で、王族であるサラも付けたって感じだな。」
はぁっ??!リューセー何やってんのっ?!!
「リュウセイは根っからの騎士体質なんだ。誰かに忠誠を誓って守りたい。だがサラはリュウセイより強いしな・・・見た目もリュウセイのタイプじゃない。ただ、昔から配偶者候補だっただけだ。まぁ、数年前までならサラもリュウセイもそれを受け入れたんだろうが・・・今はティムやオレのように魔族や人族に番がいるかもしれないと、あいつらも探してるんだよ。
で、サラは見つけた。だからリュウセイも遠慮なく探すはずだ。」
番・・・番かぁ。そんな設定はしてないし・・・こっちのリューセーの気持ちが分からないからなぁ。
「あいつは元気な小動物系で、ちょっとツンデレなタイプが好きなんだよ。王妃様やトワみたいな。」
えっと、何でこんな短時間で俺がツンデレとかバレてんの??別にツンデレじゃないんだけど・・・あからさまに好き好き言うのが苦手なだけで。
俺が不思議そうな顔をしていたからか、ジャック様が付け加える。
「あぁ、サラに聞いたんだ。トワは、リュウセイに無視されても睨み返すくらい気が強いんだろ?
リュウセイは騎士体質だが、仕える主人に振り回されるくらいがいいんだよ。そしてそんな主人を組み伏せる事に興奮するタイプだな。」
あっ、前世のリューセーと同じだわ。普段は大型ワンコなのに、エロスイッチが入るとSモードになるんだよな・・・
そうか、やっぱり性格や人となりは前世と変わらないのか。
なら・・俺の事も・・・?
「じゃあ何で俺を無視したんだろう?ピンクさんには優しかったくせに。くっそ、何かムカついて来た・・・」
「ははっ!いいね。何なら今からリュウセイに文句を言いに行くか?瞬間移動でカグヤ様の城に連れて行ってやるぞ?」
そう言って面白そうにニヤニヤ笑うジャック様に、俺はお願いしたんだ。
「・・・よろしくお願いします。」
0
お気に入りに追加
104
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
失恋して崖から落ちたら、山の主の熊さんの嫁になった
無月陸兎
BL
ホタル祭で夜にホタルを見ながら友達に告白しようと企んでいた俺は、浮かれてムードの欠片もない山道で告白してフラれた。更には足を踏み外して崖から落ちてしまった。
そこで出会った山の主の熊さんと会い俺は熊さんの嫁になった──。
チョロくてちょっぴりおつむが弱い主人公が、ひたすら自分の旦那になった熊さん好き好きしてます。
異世界転移で、俺と僕とのほっこり溺愛スローライフ~間に挟まる・もふもふ神の言うこと聞いて珍道中~
兎森りんこ
BL
主人公のアユムは料理や家事が好きな、地味な平凡男子だ。
そんな彼が突然、半年前に異世界に転移した。
そこで出逢った美青年エイシオに助けられ、同居生活をしている。
あまりにモテすぎ、トラブルばかりで、人間不信になっていたエイシオ。
自分に自信が全く無くて、自己肯定感の低いアユム。
エイシオは優しいアユムの料理や家事に癒やされ、アユムもエイシオの包容力で癒やされる。
お互いがかけがえのない存在になっていくが……ある日、エイシオが怪我をして!?
無自覚両片思いのほっこりBL。
前半~当て馬女の出現
後半~もふもふ神を連れたおもしろ珍道中とエイシオの実家話
予想できないクスッと笑える、ほっこりBLです。
サンドイッチ、じゃがいも、トマト、コーヒーなんでもでてきますので許せる方のみお読みください。
アユム視点、エイシオ視点と、交互に視点が変わります。
完結保証!
このお話は、小説家になろう様、エブリスタ様でも掲載中です。
※表紙絵はミドリ/緑虫様(@cklEIJx82utuuqd)からのいただきものです。
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
【完結】ままならない男-追ってきた男2-
長朔みかげ
BL
「俺に抱かれる覚悟、無かったことになってないよね?」
映画の共演を機に出会った、駆け出し俳優の仁木義嗣と超人気若手俳優の八朔レオ。
前世の記憶を持つ八朔に「あんたは俺が前世で愛した人の生まれ変わりだ」と迫られて、
いつの間にか絆されてしまった仁木は、紆余曲折ありながらも八朔と付き合い始めた。
念願の初Hに向けて盛り上がる二人だが、何かと邪魔が入って悶々とする日々。
さらに周囲では薬物事件が浮上し、またもや騒動に巻き込まれてしまい…!?
年齢差や自制心に悩みながらも距離を縮めていく二人を描いた、芸能界お仕事(+前世)BL第二弾‼
※こちらは『追ってきた男』の続編です。前作を読んでいない方はそちらを先にどうぞ。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/290392773/811817645
※ムーンライトノベルズでも投稿しています
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ただの新米騎士なのに、竜王陛下から妃として所望されています
柳葉うら
恋愛
北の砦で新米騎士をしているウェンディの相棒は美しい雄の黒竜のオブシディアン。
領主のアデルバートから譲り受けたその竜はウェンディを主人として認めておらず、背中に乗せてくれない。
しかしある日、砦に現れた刺客からオブシディアンを守ったウェンディは、武器に使われていた毒で生死を彷徨う。
幸にも目覚めたウェンディの前に現れたのは――竜王を名乗る美丈夫だった。
「命をかけ、勇気を振り絞って助けてくれたあなたを妃として迎える」
「お、畏れ多いので結構です!」
「それではあなたの忠実なしもべとして仕えよう」
「もっと重い提案がきた?!」
果たしてウェンディは竜王の求婚を断れるだろうか(※断れません。溺愛されて押されます)。
さくっとお読みいただけますと嬉しいです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
捨て猫はエリート騎士に溺愛される
135
BL
絶賛反抗期中のヤンキーが異世界でエリート騎士に甘やかされて、飼い猫になる話。
目つきの悪い野良猫が飼い猫になって目きゅるんきゅるんの愛される存在になる感じで読んでください。
お話をうまく書けるようになったら続きを書いてみたいなって。
京也は総受け。
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる