5 / 25
前世の記憶〜魔族学校
トワ4
しおりを挟むそして二時間後、談話室にルイがジャガーのベルと一緒に瞬間移動で現れた。
「トワくん?!本当にトワくんだ!!
僕、中学生でこの異世界小説を書いていた頃までの記憶しかないんだよ。だからびっくりして・・・」
ルイが俺が市姫叶和だと分かってくれてホッとする。
「いや、俺、昨日記憶が戻ったばっかりで、むちゃくちゃ混乱してんだけどさ・・・」
「そりゃそうだよね。ちょっと落ち着いて自己紹介しよう。僕はルイ、この世界では次代の魔王候補の一人。こっちは契約精霊でジャガーのベル。」
この世界のルイは金髪で、ますます美少年っぷりに磨きがかかっている。
ベルもジャガーだけあって迫力がすげぇ!デカっ!!つまり可愛い!!!あ~やっぱり謙遜せずに大型猛獣にしとけば良かった・・ってヤバっ!リンクが拗ねてる?!精霊には契約者の気持ちが分かるからね。
リンクを宥めてからルイとベルにあらためてあいさつをする。
ちなみに俺の髪の色はシルバー。白髪とはちょっと違う銀髪だ。これはリンクの毛並みにあわせた色合い。そう設定した記憶がある。ついでに言うとリューセーは、深い青色(紺ではない)の髪をしている。
「初めまして次期魔王候補のルイ様、そしてベル様。俺は人族の国から留学中のトワです。こっちはオオヤマネコのリンク。」
「もうっ!やめてよ。トワくん、普通に喋って?ショウとカグラも僕が前世の記憶を持ってるって知ってるし、別に他の魔族に聞かれても怒られてたりしないよ?まぁ、魔王様たちにトワくんも前世の記憶持ちだって、報告はしなきゃだけど。
リンクもよろしくね。ベルとは精霊界で仲良かったんでしょ?二匹で遊んでていいよ?ほら、母さん特製のマカロンがあるから食べなよ。」
精霊は基本、何も食べなくても大丈夫だが、甘いお菓子は嗜好品として好んで食べる。ベルと一緒にマカロンを嬉しそうに齧るリンクを見ながら俺はルイに向き直った。
「お、おう。じゃあ、普通に喋るぞ?俺は、高校の時にルイから小説を読ませてもらったんだよ・・って、あれ?中学までの記憶しかないなら、ショウと付き合ってる記憶はないのか??」
ルイの目が見開かれる。
「そうっ!それ!!それを聞きたかったのっ!!!僕たち高校で付き合ったのっ??!!!」
「お、おう。落ち着けルイ。お前とショウは高校に入って割とすぐに付き合ったぞ?ショウの親父さんたちのライブに行った後に、ショウから告白されたみたいだ。」
「そう・・良かった・・・それで付き合ってからのショウはどんな感じだった?」
なんだか恐る恐る聞いて来るルイ。
「何かびっくりするくらい溺愛してたぞ?あの長年の無視は何だったんだって、昔から知ってるヤツらはドン引きするくらい。あぁ、だからルイは俺に小説を読ませてくれたんだよ。すんごく照れながら、『見て?この小説、僕の願望を詰め込んで書いてたんだけど現実になったよ』って。」
ショウはルイへの思いを拗らせすぎて、誰が見てもルイの事が好きなのに、ルイを無視して避けていたんだ。けど、高校に入ってやっと自分の気持ちに向き合って、ルイに告白。そこからは本当にびっくりするくらいルイを溺愛してた。
長年二人を見守り、いや、ルイに関しては文字通り守って来たカグラは、やっと肩の荷がおりたってしみじみ言ってたっけ。
「ホントに?はぁ~良かったぁ・・僕、この世界でショウが優しいのは、僕がそう設定したからだって思いがずっとあって・・・何かショウの性格を変えてしまった気がしてたんだよね。」
そう言って涙を流すルイ・・・うん、美少年の涙、尊い。大森さんたち美見会(びけんかい。美しき推しをひたすら見守る会の略)の気持ちがちょっと分かったかも・・・
0
お気に入りに追加
104
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
失恋して崖から落ちたら、山の主の熊さんの嫁になった
無月陸兎
BL
ホタル祭で夜にホタルを見ながら友達に告白しようと企んでいた俺は、浮かれてムードの欠片もない山道で告白してフラれた。更には足を踏み外して崖から落ちてしまった。
そこで出会った山の主の熊さんと会い俺は熊さんの嫁になった──。
チョロくてちょっぴりおつむが弱い主人公が、ひたすら自分の旦那になった熊さん好き好きしてます。
異世界転移で、俺と僕とのほっこり溺愛スローライフ~間に挟まる・もふもふ神の言うこと聞いて珍道中~
兎森りんこ
BL
主人公のアユムは料理や家事が好きな、地味な平凡男子だ。
そんな彼が突然、半年前に異世界に転移した。
そこで出逢った美青年エイシオに助けられ、同居生活をしている。
あまりにモテすぎ、トラブルばかりで、人間不信になっていたエイシオ。
自分に自信が全く無くて、自己肯定感の低いアユム。
エイシオは優しいアユムの料理や家事に癒やされ、アユムもエイシオの包容力で癒やされる。
お互いがかけがえのない存在になっていくが……ある日、エイシオが怪我をして!?
無自覚両片思いのほっこりBL。
前半~当て馬女の出現
後半~もふもふ神を連れたおもしろ珍道中とエイシオの実家話
予想できないクスッと笑える、ほっこりBLです。
サンドイッチ、じゃがいも、トマト、コーヒーなんでもでてきますので許せる方のみお読みください。
アユム視点、エイシオ視点と、交互に視点が変わります。
完結保証!
このお話は、小説家になろう様、エブリスタ様でも掲載中です。
※表紙絵はミドリ/緑虫様(@cklEIJx82utuuqd)からのいただきものです。
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
【完結】ままならない男-追ってきた男2-
長朔みかげ
BL
「俺に抱かれる覚悟、無かったことになってないよね?」
映画の共演を機に出会った、駆け出し俳優の仁木義嗣と超人気若手俳優の八朔レオ。
前世の記憶を持つ八朔に「あんたは俺が前世で愛した人の生まれ変わりだ」と迫られて、
いつの間にか絆されてしまった仁木は、紆余曲折ありながらも八朔と付き合い始めた。
念願の初Hに向けて盛り上がる二人だが、何かと邪魔が入って悶々とする日々。
さらに周囲では薬物事件が浮上し、またもや騒動に巻き込まれてしまい…!?
年齢差や自制心に悩みながらも距離を縮めていく二人を描いた、芸能界お仕事(+前世)BL第二弾‼
※こちらは『追ってきた男』の続編です。前作を読んでいない方はそちらを先にどうぞ。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/290392773/811817645
※ムーンライトノベルズでも投稿しています
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ただの新米騎士なのに、竜王陛下から妃として所望されています
柳葉うら
恋愛
北の砦で新米騎士をしているウェンディの相棒は美しい雄の黒竜のオブシディアン。
領主のアデルバートから譲り受けたその竜はウェンディを主人として認めておらず、背中に乗せてくれない。
しかしある日、砦に現れた刺客からオブシディアンを守ったウェンディは、武器に使われていた毒で生死を彷徨う。
幸にも目覚めたウェンディの前に現れたのは――竜王を名乗る美丈夫だった。
「命をかけ、勇気を振り絞って助けてくれたあなたを妃として迎える」
「お、畏れ多いので結構です!」
「それではあなたの忠実なしもべとして仕えよう」
「もっと重い提案がきた?!」
果たしてウェンディは竜王の求婚を断れるだろうか(※断れません。溺愛されて押されます)。
さくっとお読みいただけますと嬉しいです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
捨て猫はエリート騎士に溺愛される
135
BL
絶賛反抗期中のヤンキーが異世界でエリート騎士に甘やかされて、飼い猫になる話。
目つきの悪い野良猫が飼い猫になって目きゅるんきゅるんの愛される存在になる感じで読んでください。
お話をうまく書けるようになったら続きを書いてみたいなって。
京也は総受け。
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる