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第一部~危急存亡~
『青春アタック』脚本⑩鶴鳴之士
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海野「やっぱり大此木くんが下がったか・・・花原さん、ネット際で両手を上げててくれる?」
花原さん「・・・?こう?」
海野「もし男子チームがアタックをしてきたら、そのまま上へジャンプして欲しいの。」
花原「・・・え?怖い・・・」
海野「大丈夫、ブロックは相手のスパイクを直接止めるというよりは、コースを絞るためのもの・・・
ボールは当たらないわ・・・花原さんの身長はじゅうぶん相手には脅威よ・・・」
花原「ま・・・まあ・・・上に飛ぶくらいなら・・・」
海野「ちおりちゃん、私がレシーブした球を練習のように花原さんにトスできる?」
ちおり「いいよ~!」
海野「花原さん・・・いつも山村くんにぶつけているアレをお願い。」
ニヤリとする花原「・・・オーケイ・・・」
山村「その山村は何をすればいいかな。」
海野「花原さんのとなりでブロックしてくれる?」
山村「2枚か・・・鍛え抜かれた我が大腿四頭筋が日の目を見る時が来たれり・・・」
ホイッスルがなる。
ジャンプサーブをする海野
「大此木くんには本気でかからないと・・・」
先ほどよりも強いボールを放つ海野。
大此木「なめるなあ!!」
飛び込んで海野のサーブをレシーブする大此木。
観客「すげえ!レシーブしたぞ!!」
「プロの試合みたい!!」
大此木「野球部、センターライン方向へトスだ!!」
野球部「御意!」
大此木がバックアタックをしてくる。
前方に飛んでくる大此木にビビる花原「ひいい怖い!!」
一人でブロックする山村「ぬう!裏切るか花原さん・・・!!」
花原を超えてボールが飛んでくる。
海野「さすが、大此木くん!バックアタックで返してきた・・・!」
体重が乗ったバックアタックを後方に飛びながら力を逃がしてレシーブして上げる海野。
海野「男子のボールは重い・・・!」
観客「あの二人ヤバいな!」
直ぐに起き上がる海野「生原さん・・・!」
冷静にをトスを上げる生原「ほい!」
花原「くらいやがれ・・・!」
大此木「ブロックだ!!」
ネット際で走り高跳びの要領で陸上部がブロックをする。
ネット越しで陸上部と花原の顔が近づく。
ドキッとする花原「イ・・・イケメンが至近距離に・・・!」
スパイクを空振り、下に落ちたボールを踏んづけて転び、床にゴチンと頭を打つ花原
「きゃ~!!」
海野「花原さん、だいじょうぶ!?」
大此木「な・・・なんてチョろいんだ・・・」
陸上部「・・・・・・。」
大此木「なんでお前もちょっとドキドキしてるんだよ!!
て・・・てめえら合コンしに来たんじゃねえんだぞ!!
思い出せ・・・!女子どもが我々モテない男子にどんな仕打ちをしてきたか・・・!」
野球部「大此木部長、すまない。運動部の主将はそういう経験が実はそんなにないんだ・・・」
サッカー部「2月にはけっこうチョコレートもらえるしな・・・」
大此木「・・・え?俺様だけ??」
海パン一枚の水泳部「俺もいるぞ・・・!」
大此木「水泳部・・・!」
海パンの中からボールを取り出す水泳部「スイミングで鍛えたこの肩から繰り出されるクロールサーブ・・・味わうがいい・・・!」
大此木「て、お前、どこからボール出してんだよ!」
ニヒルに笑う水泳部「どこでもドアも出せるぜ・・・?」
耳打ちする大此木「(コイツはモテないわ・・・)・・・水泳部よ、耳をかせ。」
スコアボードは「女子4―男子0」
病田「サーブ権は男子チームに移ります・・・!」
ホイッスルがなる。
綺麗なフォームでフローターサーブを打つ水泳部「スイムスイム!!」
よける乙奈「きゃああ!」
海野「乙奈さん・・・!」
乙奈「あんな速いボール無理です・・・!」
山村「いい打球だ・・・そしてあの発達した僧帽筋・・・勉強になる・・・」
花原「あいつサーブうまいわね・・・」
水泳部「ふはは・・・怯えておるわ・・・!だが悪夢はまだ始まったばかりだ・・・!!」
再び乙奈を狙ってくる水泳部。
再び避ける乙奈「きゃああ!!」
海野「乙奈さんレシーブしよう・・・!」
乙奈「こ・・・怖いです~!」
海野「ボールをよく見て・・・!練習通りにやれば返せるから・・・」
水泳部「踊れ踊れ・・・!!」
大此木「ぎゃはは!まるでドッチボールだな・・・!悔しかったらレシーブしてみい!!」
花原「乙奈さんばっかり狙うのは卑怯よ・・・!」
ちおり「そ~だよ!
それに・・・ドッジボールだよ。」
大此木「・・・え?」
花原「ぷ~間違ってやんの、だっさ~」
ちおり「安室奈美恵のCAN YOU CELEBRATE?の出だしはカニサラダじゃないよ!」
大此木「う・・・うるさいわ・・・!!俺様は安室奈美恵なんか歌わん・・・!!
水泳部、容赦はするな・・・!あの運動音痴の乙奈をあと8回狙えば、我々男子の勝利だ・・・!」
海野「そうはいかないわ・・・!
向こうがサーブを打ったら、乙奈さんはすぐに前へ上がって。私が拾う・・・!」
乙奈「海野さん・・・本当にごめんなさい、私足手まといで・・・」
海野「アイドル時代に歌やダンスが苦手なメンバーになんて声をかけてた・・・?」
乙奈「・・・え?」
微笑む海野「・・・だいじょうぶ!」
メガネをなおす大此木「くだらねえ友達ごっこしてやがる・・・」
水泳部のサーブが飛んでくる。
すると標的が乙奈ではなく後衛レフトのブーちゃんになっている。
海野「しまった・・・!!」
大此木「足手まといは一人じゃねえだろ海野・・・!」
すると、ブーちゃんが水泳部のサーブを上手にレシーブしてセッターのちおりに運ぶ。
大此木「なんだと!!??」
海野「・・・!!!うまい・・・!!生原さんトス・・・!」
ちおり「やっ!」
ちおりは花原ではなく、今度は山村にトスを上げる。
山村「・・・え?俺・・・!?」
あわててアタックモーションに入る山村。
大此木「ブロックだ!!」
ネット際で走り高跳びの要領で陸上部がブロックをする。
ネット越しで陸上部と山村の顔が近づく。
ドキッとする山村「イ・・・イケメンが至近距離に・・・!」
スパイクを空振り、下に落ちたボールを踏んづけて転び、床にゴチンと頭を打つ山村
「きゃ~!!」
大此木「なんでお前までキュンキュンしてるんじゃ!!」
海野「ナイスレシーブ、ブーちゃん!」
乙奈「じょうずでしたわ・・・!」
コツをつかんだ様子のブーちゃん。
花原「それに引き換え、あんたは何してんのよ!」
山村「その言葉、そのままお返ししよう・・・恋する乙女よ・・・」
ちおり「・・・海野さん、前衛もわりと足手まといだよ!」
海野「え・・そんなことは・・・いや・・・そうかも・・・」
花原と山村「・・・え?(かばってくれない・・・!?)」
水泳部「おのれ、学食のおばちゃん・・・我がサーブを見切ったというのか・・・?」
大此木「気にするな、ただのまぐれだ。べつに無理にサービスエースを狙わなくてもいい。
前衛のバカ二人はイケメンを与えときゃ無効化できる・・・
テニスの王子様、お前もブロックに加われ!」
テニス部「ぼくは、マッスル山村はタイプじゃ・・・」
大此木「うるさい!」
海野「生原さん・・・クイック攻撃とかどこで習ったの・・・?」
ちおり「な~に、それ?」
海野(花原さんがときめいてスパイクが打てないことを見越して、とっさに山村くんにアタッカーを変えた・・・山村くんもときめいたけど・・・安定したトス、瞬時の判断力・・・
生原さんにはセッターの才能があるのかも・・・)
海野「生原さん・・・ちょっといいかな・・・?」
ニコニコするちおり「悪だくみ?」
海野「そう。」
水泳部がサーブを打つ。
レシーブする海野「モーションがきれいな分、弾道が読みやすいわ・・・!」
ボールは山なりにちおりのほうへ飛んでいく。
海野「生原さん・・・!」
ちおり「おっけー!」
大此木「ぐはは、誰にトスするっていうんだ!?」
すると、トスをすると見せかけて、ちおりがジャンプして相手コートにボールを入れる。
大此木「!!」
野球部「フェイントだ!!」
後衛から猛ダッシュするサッカー部「くそ、間に合わない・・・!こうなったら・・・!」
サッカー部がネット際の返球にスライディングをかます。
サッカー部「青き翼・・・シュート!!」
そのスライディングが、リカバーしようとした大此木の顔面に当たる。
大此木「ぎゃああああ!」
ホイッスルを鳴らす病田「女子チームにサーブ権がうつります・・・!」
海野「やったあ!作戦通り!!」
ちおり「わ~い」
サッカー部とケンカする血まみれの大此木
「だいたい、てめーはなんで体育館でスパイクなんか履いてやがるんだ!あぶねえだろ!」
サッカー部「バレーシューズなんてミッドフィルダーが持ってるわけないだろ・・・!」
野球部「あいつら、本当に素人か・・・?ずいぶん技巧的なプレーをするじゃないか・・・」
鼻血をふく大此木「海野だ・・・!あいつが悪知恵を与えやがったんだ・・・!!」
大此木の肩を叩くテニス部「大此木くん、お客さんが呼んでいるぞ・・・」
大此木「あ!?試合中に何考えて・・・」
見ると、コートのそばに華白崎が腕を組んで立っている。
スコアボード「女子4―男子3」
華白崎「あなた・・・素人の女子なんて10分もあればストレート勝ちできると言っていたわね・・・」
大此木「そ、それはだな・・・」
華白崎「ストレート勝ちどころか、接戦、しかも負けているじゃないの・・・」
大此木「うるせえな、このオレ様がバレーで負けるわけねえだろ・・・!」
華白崎「・・・ならいいけど。忘れてないわよね・・・?この試合の主旨を。」
そう言うとパイプ椅子を広げて、監督席に座る華白崎。
コートに戻る大此木「おい、スポンサーがもうお遊びはやめろとよ・・・」
野球部「・・・本当にこの試合に勝ったら部費を3倍にしてくれるんだろうな・・・?」
大此木「だが、負けたら全屋外運動部を廃部とか言い出しかねないぞ、あいつは。」
目の色が変わる男子チーム。
華白崎を見る花原「なんで生徒会がからんでいるのよ・・・」
海野「ただの観戦だと思うけど・・・」
乙奈「そうでしょうか・・・」
山村「気をつけた方がいいぞ・・・見ろ、委員長が来て、向こうの目の色が変わった・・・」
サーブエリアに立つ山村。
「筋肉なら水泳部に負けん・・・!」
海野「お願い、山村くん・・・!」
山村「ふん!!」
剛速球を打つ山村。
海野「うまい!」
気合でレシーブする大此木「おらああ!」
スパイクを打つテニス部「スマッシュ!!」
コートのスミを狙うテニス部。
レシーブが間に合わない海野「しまった・・・!」
黄色い歓声が上がる。
観客の女子「王子~~!!」
大此木「お友達をかばいすぎて隙だらけだぜ、海野・・・!」
海野「さすがテニス部・・・ラリーの読み合いがうまいな・・・」
乙奈「海野さん・・・」
海野「どんまい!」
大此木「オレのサーブで終わらせてやる・・・」
海野「くるよ・・・下がって・・・!」
腕を勢いよく振り上げ、風車のように振り回し、ボールに回転をかける大此木
「これがプロのサーブじゃあああ!!!」
ブーちゃんがレシーブしようとするが、ボールが突然落ちてレシーブができない。
海野「ドライブサーブだ・・・!」
ちおり「すげー!あんなのもあるんだ!海野さんできる?」
首を振る海野「私も初めて見た・・・」
大此木「もう一度くらえ!」
ブーちゃんが変化球に対応しようと前に出るが、今度は球が伸びてライン上に落下する。
観客「すげえ!!」
男子「あんなにスポーツができて、なんであいつはモテないんだ・・・!?」
女子「やっぱり顔がちょっと・・・オースチンパワーズDXに激似だし・・・」
大此木「うるせえぞ!!」
スコアボード「女子4―男子9」
大此木「どうだ海野!次でとどめだぞ!」
海野「私に打ってきてくれないかな・・・私なら・・・」
大此木「落ちぶれたもんだな海野・・・お前は大会でもそれを言うのか?」
海野「そ・・・それは・・・」
大此木「こっちは真剣にバレーをやってるんだ。
おめえらみたいな学生時代の思い出作りじゃねえ!」
乙奈「・・・・・・。」
大此木「ラストはお前じゃカナリア!
おめ~が挑発してこの戦争は始まったんだ、けつを持ちやがれ!」
海野「乙奈さん、大丈夫私がフォローする!」
乙奈「・・・海野さん・・・」
首を振る乙奈「わたくしにも意地というものがありますわ・・・」
大此木「そうか・・・それなら・・・」
全力でドライブサーブを打つ大此木
「死ぬがいい!!」
すると、ドライブサーブにぶつかっていく乙奈。
勢いで後ろに吹っ飛んで倒れる。
花原「乙奈さん・・・!?」
山村「交通事故か!」
うずくまる乙奈「ぐはっ・・・花原さん・・・決めてください・・・!」
猛ダッシュで上がったボールに追いつき、花原にトスをする海野「花原さん!!」
花原「乙奈さん・・・!あんたの死は無駄にはしない・・・!!」
ジャンプして、大此木のように腕を振るう花原。
花原を見上げる野球部「なんて高さだ・・・!」
花原「新必殺技・・・!名付けて・・・大此木のマネ!!!」
拳を握りしめて下に腕を振るう花原。
野球部「スパイクにドライブをかけただと!!??」
ボールに変化がかかり、慌てて野球部が腕を伸ばしボールを受けるが、球速を落とすことができずに、サッカー部の頭頂部にぶち当たる。
サッカー部「ぐえ!」
結果的にヘディングをしたようになり、ボールが野球のフライのように勢いよくコートの外へ飛んでいく。
大此木「負けるかああああ!!!」
ボールを追いかけ、体育館の壁にある肋木に素早くよじ登り、そこから三角跳びをしてボールに届く。
大此木「刮目せよ!!これが!天井アタックじゃあああ!!」
渾身のスパイクをする大此木。
そのまま地面に勢いよく落下する。
大此木「ぐえええええ!!!」
花原「なんつー執念よ、あいつは!」
しばらく動かなかったが、むくりと起き上がる大此木「ど・・・どうだあ・・・オレ様の勝ちだ・・・」
病田「あ・・・あの・・・4回ボールに触れているので、このラリーは女子チームの勝ちです・・・」
大此木「4回だと!!?」
病田「陸上部の子がブロックタッチを・・・し・・・してたような・・・」
大此木「おい、てめえ、審判・・・!女教師だからって女子に有利な判定をするのか!!
世紀の誤審だぞキサマ・・・!!」
病田「ひいい・・・ごめんなさい・・・殺さないで・・・!」
陸上部が腫れた指を見せる。
大此木「・・・・・・。」
パタリと気絶する大此木。
木の枝で大此木をつつくちおり「・・・動かなくなったよ?」
体育館に駆けてくるさくら先生「体育館の2階から飛び降りたバカはこいつ?」
海野「はい・・・」
大此木の瞳孔をライトで確認するさくら
「マッスルくん、海パンマン、あまり頭を揺さぶらないようにして保健室に運んでちょうだい。」
山村「了解した・・・」
水泳部「せ~ので上げるぞ・・・!」
二人で大此木を運んでいく。
さくら「乙奈ちゃんもボロボロじゃない・・・!手当てするからおいで・・・!」
乙奈「でも、試合が・・・」
さくら「両者痛み分けで中止よ!!病田先生ゴングを鳴らして!」
意識が戻る大此木「ま・・・待ってくれ・・・勝負はまだ終わってねえ・・・」
海野「男子チームの勝ちでいいよ・・・私のまけ。」
大此木「そうはいかねえ・・・
・・・男子バレー部は全国に部数が少ないから、地区大会で1回勝てば関東大会に出れるだろ、などと軽んじられていたんだ・・・オレはバレーボールという球技は決して女子だけのものじゃないことを・・・この試合を通じて・・・高らかに宣言し・・・この偏見に一石を・・・」
海野「・・・ん?ごめん、何を言っているのかよく聞き取れない・・・」
両腕を振って野次馬を追い返すさくら「解散よ!撤収!!」
残った女子と男子。
野球部「国体出場選手をあそこまで追い込んだんだ・・・誇りを持てよ。」
握手をする海野「ありがとう・・・こっちも久々に楽しい試合ができたわ。」
サッカー部「よかったら、また一緒に遊ぼうよ!」
ちおり「うん!」
キュンキュンする花原
「あ・・・あの、よかったら今度、国立科学博物館の大寄生虫展にでも行きませんか・・・?」
ドン引きする陸上部「・・・い、いや・・・けっこうです・・・」
椅子から立ちあがる華白崎「・・・くだらないわ・・・」
海野「華白崎さん・・・」
野球部「両者勝者なしだから、今回の話は無かったことにさせてもらうぜ。」
華白崎「・・・とんだ茶番だったわね・・・
まあ、海野部長がいなかったら試合にもならなかったと思うけど・・・」
花原「あんたでしょ、あいつをけしかけて体育館を私たちから取り上げようとしたのは・・・!」
華白崎「・・・あなたは、跳躍力とパワーはあるけど・・・ブロックもパスもできないのは話にならない。
バレーボールはチームでボールを繋いでいくスポーツなの・・・
アタッカーだって後衛に行く・・・レシーブは?サーブは打てるの・・・?」
花原「・・・それは・・・」
華白崎「海野部長。大会で優勝する気があるのなら、花原さんと乙奈さんは戦力外通告よ。
まあ、どのみち、メンバーが足りなくてエントリーできないでしょうけど・・・」
海野「それは・・・」
ちおり「・・・お姉さんもいっしょにやろうよ・・・!」
華白崎「・・・なんですって・・・?」
ちおり「いっしょにやりたいんでしょ!バレーボールも詳しそうだし。」
華白崎「あなたに私の何がわかるのよ・・・」
その時、華白崎のほうに剛速球のアタックが飛んでくる。
とっさにオーバーで剛速球の力を逃がし、トスを上げる華白崎「!」
剛速球が飛んできた方を振り向く華白崎。
バウンドするバレーボール。
大此木「・・・衰えてねえじゃねえか・・・」
立ち去る華白崎「・・・わたしはお遊びでスポーツはしない・・・」
大此木「海野・・・あいつをメンバーに入れろ。
本気で試合に勝ちたいなら・・・華白崎はきっと力になってくれる・・・」
海野「知らなかった・・・華白崎さんがバレーをしてたなんて・・・」
花原さん「・・・?こう?」
海野「もし男子チームがアタックをしてきたら、そのまま上へジャンプして欲しいの。」
花原「・・・え?怖い・・・」
海野「大丈夫、ブロックは相手のスパイクを直接止めるというよりは、コースを絞るためのもの・・・
ボールは当たらないわ・・・花原さんの身長はじゅうぶん相手には脅威よ・・・」
花原「ま・・・まあ・・・上に飛ぶくらいなら・・・」
海野「ちおりちゃん、私がレシーブした球を練習のように花原さんにトスできる?」
ちおり「いいよ~!」
海野「花原さん・・・いつも山村くんにぶつけているアレをお願い。」
ニヤリとする花原「・・・オーケイ・・・」
山村「その山村は何をすればいいかな。」
海野「花原さんのとなりでブロックしてくれる?」
山村「2枚か・・・鍛え抜かれた我が大腿四頭筋が日の目を見る時が来たれり・・・」
ホイッスルがなる。
ジャンプサーブをする海野
「大此木くんには本気でかからないと・・・」
先ほどよりも強いボールを放つ海野。
大此木「なめるなあ!!」
飛び込んで海野のサーブをレシーブする大此木。
観客「すげえ!レシーブしたぞ!!」
「プロの試合みたい!!」
大此木「野球部、センターライン方向へトスだ!!」
野球部「御意!」
大此木がバックアタックをしてくる。
前方に飛んでくる大此木にビビる花原「ひいい怖い!!」
一人でブロックする山村「ぬう!裏切るか花原さん・・・!!」
花原を超えてボールが飛んでくる。
海野「さすが、大此木くん!バックアタックで返してきた・・・!」
体重が乗ったバックアタックを後方に飛びながら力を逃がしてレシーブして上げる海野。
海野「男子のボールは重い・・・!」
観客「あの二人ヤバいな!」
直ぐに起き上がる海野「生原さん・・・!」
冷静にをトスを上げる生原「ほい!」
花原「くらいやがれ・・・!」
大此木「ブロックだ!!」
ネット際で走り高跳びの要領で陸上部がブロックをする。
ネット越しで陸上部と花原の顔が近づく。
ドキッとする花原「イ・・・イケメンが至近距離に・・・!」
スパイクを空振り、下に落ちたボールを踏んづけて転び、床にゴチンと頭を打つ花原
「きゃ~!!」
海野「花原さん、だいじょうぶ!?」
大此木「な・・・なんてチョろいんだ・・・」
陸上部「・・・・・・。」
大此木「なんでお前もちょっとドキドキしてるんだよ!!
て・・・てめえら合コンしに来たんじゃねえんだぞ!!
思い出せ・・・!女子どもが我々モテない男子にどんな仕打ちをしてきたか・・・!」
野球部「大此木部長、すまない。運動部の主将はそういう経験が実はそんなにないんだ・・・」
サッカー部「2月にはけっこうチョコレートもらえるしな・・・」
大此木「・・・え?俺様だけ??」
海パン一枚の水泳部「俺もいるぞ・・・!」
大此木「水泳部・・・!」
海パンの中からボールを取り出す水泳部「スイミングで鍛えたこの肩から繰り出されるクロールサーブ・・・味わうがいい・・・!」
大此木「て、お前、どこからボール出してんだよ!」
ニヒルに笑う水泳部「どこでもドアも出せるぜ・・・?」
耳打ちする大此木「(コイツはモテないわ・・・)・・・水泳部よ、耳をかせ。」
スコアボードは「女子4―男子0」
病田「サーブ権は男子チームに移ります・・・!」
ホイッスルがなる。
綺麗なフォームでフローターサーブを打つ水泳部「スイムスイム!!」
よける乙奈「きゃああ!」
海野「乙奈さん・・・!」
乙奈「あんな速いボール無理です・・・!」
山村「いい打球だ・・・そしてあの発達した僧帽筋・・・勉強になる・・・」
花原「あいつサーブうまいわね・・・」
水泳部「ふはは・・・怯えておるわ・・・!だが悪夢はまだ始まったばかりだ・・・!!」
再び乙奈を狙ってくる水泳部。
再び避ける乙奈「きゃああ!!」
海野「乙奈さんレシーブしよう・・・!」
乙奈「こ・・・怖いです~!」
海野「ボールをよく見て・・・!練習通りにやれば返せるから・・・」
水泳部「踊れ踊れ・・・!!」
大此木「ぎゃはは!まるでドッチボールだな・・・!悔しかったらレシーブしてみい!!」
花原「乙奈さんばっかり狙うのは卑怯よ・・・!」
ちおり「そ~だよ!
それに・・・ドッジボールだよ。」
大此木「・・・え?」
花原「ぷ~間違ってやんの、だっさ~」
ちおり「安室奈美恵のCAN YOU CELEBRATE?の出だしはカニサラダじゃないよ!」
大此木「う・・・うるさいわ・・・!!俺様は安室奈美恵なんか歌わん・・・!!
水泳部、容赦はするな・・・!あの運動音痴の乙奈をあと8回狙えば、我々男子の勝利だ・・・!」
海野「そうはいかないわ・・・!
向こうがサーブを打ったら、乙奈さんはすぐに前へ上がって。私が拾う・・・!」
乙奈「海野さん・・・本当にごめんなさい、私足手まといで・・・」
海野「アイドル時代に歌やダンスが苦手なメンバーになんて声をかけてた・・・?」
乙奈「・・・え?」
微笑む海野「・・・だいじょうぶ!」
メガネをなおす大此木「くだらねえ友達ごっこしてやがる・・・」
水泳部のサーブが飛んでくる。
すると標的が乙奈ではなく後衛レフトのブーちゃんになっている。
海野「しまった・・・!!」
大此木「足手まといは一人じゃねえだろ海野・・・!」
すると、ブーちゃんが水泳部のサーブを上手にレシーブしてセッターのちおりに運ぶ。
大此木「なんだと!!??」
海野「・・・!!!うまい・・・!!生原さんトス・・・!」
ちおり「やっ!」
ちおりは花原ではなく、今度は山村にトスを上げる。
山村「・・・え?俺・・・!?」
あわててアタックモーションに入る山村。
大此木「ブロックだ!!」
ネット際で走り高跳びの要領で陸上部がブロックをする。
ネット越しで陸上部と山村の顔が近づく。
ドキッとする山村「イ・・・イケメンが至近距離に・・・!」
スパイクを空振り、下に落ちたボールを踏んづけて転び、床にゴチンと頭を打つ山村
「きゃ~!!」
大此木「なんでお前までキュンキュンしてるんじゃ!!」
海野「ナイスレシーブ、ブーちゃん!」
乙奈「じょうずでしたわ・・・!」
コツをつかんだ様子のブーちゃん。
花原「それに引き換え、あんたは何してんのよ!」
山村「その言葉、そのままお返ししよう・・・恋する乙女よ・・・」
ちおり「・・・海野さん、前衛もわりと足手まといだよ!」
海野「え・・そんなことは・・・いや・・・そうかも・・・」
花原と山村「・・・え?(かばってくれない・・・!?)」
水泳部「おのれ、学食のおばちゃん・・・我がサーブを見切ったというのか・・・?」
大此木「気にするな、ただのまぐれだ。べつに無理にサービスエースを狙わなくてもいい。
前衛のバカ二人はイケメンを与えときゃ無効化できる・・・
テニスの王子様、お前もブロックに加われ!」
テニス部「ぼくは、マッスル山村はタイプじゃ・・・」
大此木「うるさい!」
海野「生原さん・・・クイック攻撃とかどこで習ったの・・・?」
ちおり「な~に、それ?」
海野(花原さんがときめいてスパイクが打てないことを見越して、とっさに山村くんにアタッカーを変えた・・・山村くんもときめいたけど・・・安定したトス、瞬時の判断力・・・
生原さんにはセッターの才能があるのかも・・・)
海野「生原さん・・・ちょっといいかな・・・?」
ニコニコするちおり「悪だくみ?」
海野「そう。」
水泳部がサーブを打つ。
レシーブする海野「モーションがきれいな分、弾道が読みやすいわ・・・!」
ボールは山なりにちおりのほうへ飛んでいく。
海野「生原さん・・・!」
ちおり「おっけー!」
大此木「ぐはは、誰にトスするっていうんだ!?」
すると、トスをすると見せかけて、ちおりがジャンプして相手コートにボールを入れる。
大此木「!!」
野球部「フェイントだ!!」
後衛から猛ダッシュするサッカー部「くそ、間に合わない・・・!こうなったら・・・!」
サッカー部がネット際の返球にスライディングをかます。
サッカー部「青き翼・・・シュート!!」
そのスライディングが、リカバーしようとした大此木の顔面に当たる。
大此木「ぎゃああああ!」
ホイッスルを鳴らす病田「女子チームにサーブ権がうつります・・・!」
海野「やったあ!作戦通り!!」
ちおり「わ~い」
サッカー部とケンカする血まみれの大此木
「だいたい、てめーはなんで体育館でスパイクなんか履いてやがるんだ!あぶねえだろ!」
サッカー部「バレーシューズなんてミッドフィルダーが持ってるわけないだろ・・・!」
野球部「あいつら、本当に素人か・・・?ずいぶん技巧的なプレーをするじゃないか・・・」
鼻血をふく大此木「海野だ・・・!あいつが悪知恵を与えやがったんだ・・・!!」
大此木の肩を叩くテニス部「大此木くん、お客さんが呼んでいるぞ・・・」
大此木「あ!?試合中に何考えて・・・」
見ると、コートのそばに華白崎が腕を組んで立っている。
スコアボード「女子4―男子3」
華白崎「あなた・・・素人の女子なんて10分もあればストレート勝ちできると言っていたわね・・・」
大此木「そ、それはだな・・・」
華白崎「ストレート勝ちどころか、接戦、しかも負けているじゃないの・・・」
大此木「うるせえな、このオレ様がバレーで負けるわけねえだろ・・・!」
華白崎「・・・ならいいけど。忘れてないわよね・・・?この試合の主旨を。」
そう言うとパイプ椅子を広げて、監督席に座る華白崎。
コートに戻る大此木「おい、スポンサーがもうお遊びはやめろとよ・・・」
野球部「・・・本当にこの試合に勝ったら部費を3倍にしてくれるんだろうな・・・?」
大此木「だが、負けたら全屋外運動部を廃部とか言い出しかねないぞ、あいつは。」
目の色が変わる男子チーム。
華白崎を見る花原「なんで生徒会がからんでいるのよ・・・」
海野「ただの観戦だと思うけど・・・」
乙奈「そうでしょうか・・・」
山村「気をつけた方がいいぞ・・・見ろ、委員長が来て、向こうの目の色が変わった・・・」
サーブエリアに立つ山村。
「筋肉なら水泳部に負けん・・・!」
海野「お願い、山村くん・・・!」
山村「ふん!!」
剛速球を打つ山村。
海野「うまい!」
気合でレシーブする大此木「おらああ!」
スパイクを打つテニス部「スマッシュ!!」
コートのスミを狙うテニス部。
レシーブが間に合わない海野「しまった・・・!」
黄色い歓声が上がる。
観客の女子「王子~~!!」
大此木「お友達をかばいすぎて隙だらけだぜ、海野・・・!」
海野「さすがテニス部・・・ラリーの読み合いがうまいな・・・」
乙奈「海野さん・・・」
海野「どんまい!」
大此木「オレのサーブで終わらせてやる・・・」
海野「くるよ・・・下がって・・・!」
腕を勢いよく振り上げ、風車のように振り回し、ボールに回転をかける大此木
「これがプロのサーブじゃあああ!!!」
ブーちゃんがレシーブしようとするが、ボールが突然落ちてレシーブができない。
海野「ドライブサーブだ・・・!」
ちおり「すげー!あんなのもあるんだ!海野さんできる?」
首を振る海野「私も初めて見た・・・」
大此木「もう一度くらえ!」
ブーちゃんが変化球に対応しようと前に出るが、今度は球が伸びてライン上に落下する。
観客「すげえ!!」
男子「あんなにスポーツができて、なんであいつはモテないんだ・・・!?」
女子「やっぱり顔がちょっと・・・オースチンパワーズDXに激似だし・・・」
大此木「うるせえぞ!!」
スコアボード「女子4―男子9」
大此木「どうだ海野!次でとどめだぞ!」
海野「私に打ってきてくれないかな・・・私なら・・・」
大此木「落ちぶれたもんだな海野・・・お前は大会でもそれを言うのか?」
海野「そ・・・それは・・・」
大此木「こっちは真剣にバレーをやってるんだ。
おめえらみたいな学生時代の思い出作りじゃねえ!」
乙奈「・・・・・・。」
大此木「ラストはお前じゃカナリア!
おめ~が挑発してこの戦争は始まったんだ、けつを持ちやがれ!」
海野「乙奈さん、大丈夫私がフォローする!」
乙奈「・・・海野さん・・・」
首を振る乙奈「わたくしにも意地というものがありますわ・・・」
大此木「そうか・・・それなら・・・」
全力でドライブサーブを打つ大此木
「死ぬがいい!!」
すると、ドライブサーブにぶつかっていく乙奈。
勢いで後ろに吹っ飛んで倒れる。
花原「乙奈さん・・・!?」
山村「交通事故か!」
うずくまる乙奈「ぐはっ・・・花原さん・・・決めてください・・・!」
猛ダッシュで上がったボールに追いつき、花原にトスをする海野「花原さん!!」
花原「乙奈さん・・・!あんたの死は無駄にはしない・・・!!」
ジャンプして、大此木のように腕を振るう花原。
花原を見上げる野球部「なんて高さだ・・・!」
花原「新必殺技・・・!名付けて・・・大此木のマネ!!!」
拳を握りしめて下に腕を振るう花原。
野球部「スパイクにドライブをかけただと!!??」
ボールに変化がかかり、慌てて野球部が腕を伸ばしボールを受けるが、球速を落とすことができずに、サッカー部の頭頂部にぶち当たる。
サッカー部「ぐえ!」
結果的にヘディングをしたようになり、ボールが野球のフライのように勢いよくコートの外へ飛んでいく。
大此木「負けるかああああ!!!」
ボールを追いかけ、体育館の壁にある肋木に素早くよじ登り、そこから三角跳びをしてボールに届く。
大此木「刮目せよ!!これが!天井アタックじゃあああ!!」
渾身のスパイクをする大此木。
そのまま地面に勢いよく落下する。
大此木「ぐえええええ!!!」
花原「なんつー執念よ、あいつは!」
しばらく動かなかったが、むくりと起き上がる大此木「ど・・・どうだあ・・・オレ様の勝ちだ・・・」
病田「あ・・・あの・・・4回ボールに触れているので、このラリーは女子チームの勝ちです・・・」
大此木「4回だと!!?」
病田「陸上部の子がブロックタッチを・・・し・・・してたような・・・」
大此木「おい、てめえ、審判・・・!女教師だからって女子に有利な判定をするのか!!
世紀の誤審だぞキサマ・・・!!」
病田「ひいい・・・ごめんなさい・・・殺さないで・・・!」
陸上部が腫れた指を見せる。
大此木「・・・・・・。」
パタリと気絶する大此木。
木の枝で大此木をつつくちおり「・・・動かなくなったよ?」
体育館に駆けてくるさくら先生「体育館の2階から飛び降りたバカはこいつ?」
海野「はい・・・」
大此木の瞳孔をライトで確認するさくら
「マッスルくん、海パンマン、あまり頭を揺さぶらないようにして保健室に運んでちょうだい。」
山村「了解した・・・」
水泳部「せ~ので上げるぞ・・・!」
二人で大此木を運んでいく。
さくら「乙奈ちゃんもボロボロじゃない・・・!手当てするからおいで・・・!」
乙奈「でも、試合が・・・」
さくら「両者痛み分けで中止よ!!病田先生ゴングを鳴らして!」
意識が戻る大此木「ま・・・待ってくれ・・・勝負はまだ終わってねえ・・・」
海野「男子チームの勝ちでいいよ・・・私のまけ。」
大此木「そうはいかねえ・・・
・・・男子バレー部は全国に部数が少ないから、地区大会で1回勝てば関東大会に出れるだろ、などと軽んじられていたんだ・・・オレはバレーボールという球技は決して女子だけのものじゃないことを・・・この試合を通じて・・・高らかに宣言し・・・この偏見に一石を・・・」
海野「・・・ん?ごめん、何を言っているのかよく聞き取れない・・・」
両腕を振って野次馬を追い返すさくら「解散よ!撤収!!」
残った女子と男子。
野球部「国体出場選手をあそこまで追い込んだんだ・・・誇りを持てよ。」
握手をする海野「ありがとう・・・こっちも久々に楽しい試合ができたわ。」
サッカー部「よかったら、また一緒に遊ぼうよ!」
ちおり「うん!」
キュンキュンする花原
「あ・・・あの、よかったら今度、国立科学博物館の大寄生虫展にでも行きませんか・・・?」
ドン引きする陸上部「・・・い、いや・・・けっこうです・・・」
椅子から立ちあがる華白崎「・・・くだらないわ・・・」
海野「華白崎さん・・・」
野球部「両者勝者なしだから、今回の話は無かったことにさせてもらうぜ。」
華白崎「・・・とんだ茶番だったわね・・・
まあ、海野部長がいなかったら試合にもならなかったと思うけど・・・」
花原「あんたでしょ、あいつをけしかけて体育館を私たちから取り上げようとしたのは・・・!」
華白崎「・・・あなたは、跳躍力とパワーはあるけど・・・ブロックもパスもできないのは話にならない。
バレーボールはチームでボールを繋いでいくスポーツなの・・・
アタッカーだって後衛に行く・・・レシーブは?サーブは打てるの・・・?」
花原「・・・それは・・・」
華白崎「海野部長。大会で優勝する気があるのなら、花原さんと乙奈さんは戦力外通告よ。
まあ、どのみち、メンバーが足りなくてエントリーできないでしょうけど・・・」
海野「それは・・・」
ちおり「・・・お姉さんもいっしょにやろうよ・・・!」
華白崎「・・・なんですって・・・?」
ちおり「いっしょにやりたいんでしょ!バレーボールも詳しそうだし。」
華白崎「あなたに私の何がわかるのよ・・・」
その時、華白崎のほうに剛速球のアタックが飛んでくる。
とっさにオーバーで剛速球の力を逃がし、トスを上げる華白崎「!」
剛速球が飛んできた方を振り向く華白崎。
バウンドするバレーボール。
大此木「・・・衰えてねえじゃねえか・・・」
立ち去る華白崎「・・・わたしはお遊びでスポーツはしない・・・」
大此木「海野・・・あいつをメンバーに入れろ。
本気で試合に勝ちたいなら・・・華白崎はきっと力になってくれる・・・」
海野「知らなかった・・・華白崎さんがバレーをしてたなんて・・・」
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