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第一部~危急存亡~
『青春アタック』脚本④鍛冶研磨
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体育館
ステージの上でポージングをしているマッチョマン。
マッチョマン「俺は誰よりも強く・・・そしてビューティフル・・・」
コートでネットを設営している海野たちに気付く。
ちおり「わ~ここがたいいくかんか~!」
機具庫からポールを運んでくる海野「織戸高校の体育館と比べるとせまいけどね・・・」
ちおり「わ~海野さん力持ち~すご~い!」
ポールを設置する海野「肉体労働しか私はできないから・・・」
ブーちゃんと一緒にポールを運んでくる乙奈「このポールはこちらに差せばいいかしら?」
海野「うん」
ちおり「だれ?」
海野「ああ、私の古い友人で・・・人数足りないから協力してくれるんだ。」
微笑む乙奈「ごきげんよう、おちびちゃん」
ちおり「よろしくね!」
体育館にすごい気まずそうに入ってくる花原「・・・・・・。」
ちおり「あ!花原さんだ!!」
海野「女子バレー部にようこそ、花原さん!」
花原「バレー部に入部したわけじゃない・・・」
海野「・・・?どうしたの???」
体育着姿が絶妙に似合っていない花原。
花原「このブルマってやつを考えた奴を殴ってやりたいわ・・・」
海野「恥ずかしいなら、ハーフパンツにすれば・・・?」
花原「ハーパンに逃げるのもな・・・」
ちおり「ミニスカートは履くのに、ブルマは恥ずかしいんだ!かわいい!」
花原「うるさいな。」
海野(もしかして、花原さんがスポーツが嫌いな理由って・・・)
花原「・・・で?私は何をすればいいの??1億円のためならドーピングでもするわ。」
海野「そんなことやったら失格になっちゃうから・・・花原さんはバレーボールは・・・?」
花原「もちろん調べてきたわ・・・19世紀末にアメリカマサチューセッツ州で・・・」
海野「歴史・・・!?ルールは・・・?」
花原「え・・・?」
ステージでダブルバイセップスを決めるマッチョマン。誰も眼中にはない。
海野「・・・バレーボールはコートにボールを落とさないように3球以内に相手コートへ返球し合うスポーツです。」
花原「・・・なんで?」
海野「な・・・なんでと言われても・・・そういうゲーム性を大切にしているとしか・・・
・・・まずは基本動作のオーバーハンドパスを練習してみようか・・・」
トスをやって見せる海野。
「こういう感じでボールに手を添えて・・・高く上げるパスです。」
花原「ククク・・・その程度なら運動音痴の私でもできそうね・・・」
ちおり「花原さんすごいね!」
花原「とりゃあ!(ボールを上げる)」「へい!(ボールを掴む)」「ほりゃあ!(もう一度上げる)」
ちおり「かっけー!」
海野「いやいやいや、それだとホールディングだから・・・!」
花原「おかしなことを言うわね・・・同じようにやったつもりだけど・・・?」
海野「ボールをしっかり掴んじゃダメなのよ・・・
だから基本的なパスのわりに初心者には結構難しいの・・・」
花原の手の方にボールを乘せる海野「こう、ボールが来たら肘を軽く曲げて、手首は柔らかくして・・・一番肘が曲がった時にボールに触って・・・体全体の伸びでボールを上げる・・・!」
花原「ああ、そういうことね。」
海野「この動作を一瞬でやるって感じ。じゃあ、私がパスを送るからボールを返してみて!」
海野が花原にボールをトスする。
海野「ボールの下に入ってさっきの動作をすれば返せるよ!」
花原「ええと・・・これは初速Voの斜方投射だから落下点の位置は・・・」
乙奈「すごいですわ・・・物理の計算をしておられます・・・!」
ボールの方へ移動する花原「ここだ!」
思い切りボールを顔面に受ける花原
乙奈「ご自身の身長を計算式に考慮しておられなかったのですわ・・・!」
床に倒れてピクピクしている花原。
海野「だ・・・大丈夫!?花原さん!」
起き上がる花原「・・・私バレーに向いてない。」
海野「練習すればできるって・・・!」
ちおり「できるよ!花原さん天才だもん。」
花原「まあ・・・確かにな。」
海野(そう誘導するのか・・・)
花原「ねえ・・・もっと天才の私にあったカッコいいやつってないの?」
海野「・・・じゃあスパイクでもやってみる?
となると、レシーブ役がほしいなあ・・・」
ステージを降りてくるマッチョマン「この体育館も変わらねえなあ・・・」
乙奈「あ・・・!あの方は・・・!誰もいない体育館で毎日ポージングにいそしむ孤高のナルシスト・・・マッスル山村さんですわ・・・!」
小声で花原「・・・あいつは関わっちゃいけない系の人じゃない?」
乙奈「自分の腹筋を見せつけたいだけで基本的には人畜無害ですわ・・・」
筋肉をつつくちおり「かっこい~」
海野「山村君・・・バレーボールできる?」
マッスル山村「俺にできないスポーツはない・・・特にバレーボールはボディビルに次いで我が得意とするき・・・」
海野「じゃあレシーブお願い」
無視されるマッスル山村「御意・・・」
海野「生原さん、わたしにこの前みたいなトスを送ってくれる?」
トスを上げる生原「いいよ。やっ」
海野「じょうずよ!」
飛び上がって、勢いよくボールを叩き込む海野。
海野が放った剛速球をレシーブする山村「馬鹿な・・・おなごにこのような力が・・・!」
後ろに吹っ飛ぶ山村「うわああああ!」
生原「かっこいー!」
海野「これがスパイクです。で、生原さんがくれたパスをトス。山村くんが受けたのをレシーブというの。」
花原「・・・ちょっと待って。ということはさっきのあれを我々も受けなきゃいけないってこと・・・?」
乙奈「あれ、痛そうですわね・・・」
海野「・・・え?ええ・・・まあそういうことに・・・」
乙奈「あざとかできないんですか・・・?」
気まずそうに海野「それは日常茶飯事・・・」
花原「冗談じゃないわ・・・!これは球技の名を借りた暴力に他ならない・・・!」
得意げなちおり「花原さん。知らなかったの?すべてのスポーツは暴力だよ。
もともとバレーはボールじゃなくて敗北した武将の生首でやってたらしいし。
しろったま子さんがそう言ってた。」
花原「誰だよ、それ!」
山村「あのアニメは今季一番面白いよな。特にボールが爆弾になっていてコートに落ちると起爆するというアイディアは秀逸であった・・・」
生原「青春アタックを知ってるんですか!?ぜひ、我がチームに・・・!」
山村「よかろう・・・!これでメンバーの数は6人・・・!はーはは、喜べ!これで6億円の大会に出場できるぞ!」
海野「知ってたんだ、それ・・・」
花原「あんたはムキムキだからいいけど、こっちはか弱い乙女なのよ・・・」
山村「心配するな。私がカール・ゴッチ式スクワットを伝授するので、3か月後には諸君らも立派なレスラーだ。」
海野「・・・冗談はさておき、両手でちゃんとボールを受ければ大丈夫だし、練習ではもっと弱く打つから・・・乙奈さんやってみる?」
乙奈「・・・え?」
花原「やめときなさい、これは放課後のレクリエーションの域を超えているわ・・・」
ブ-ちゃんが手を挙げる。
海野「ブーちゃん・・・!」
乙奈「ブーちゃんが挑戦するって言ってます・・・!」
山村「道開くもの・・・勇者・・・」
海野「よし、ブーちゃんやろっ!」
すごい弱くブーちゃんにボールを送る海野。
たやすくレシーブをするブーちゃん。
海野「じょうず!」
花原「な~んだ・・・あんなに弱く打つのか・・・あれなら私にも楽勝ね・・・」
山村(俺への剛速球はいったい・・・)
花原「はいはいは~い!次、わたし!」
海野「よ~し・・・じゃあいくよ!えい!」
みぞおちにボールを受ける花原「ぐえええ!」
海野「だ・・・大丈夫!?花原さん・・・!」
山村「何故かがまない、長身の少女よ・・・!!」
海野「か・・・花原さんはボールを受けるよりも打つ方が向いてるよ!」
花原「そ・・・そうかな・・・」
海野「そうよ・・・!バレーの花形スターはアタッカーよ!その背の高さはアタッカー向きよ!」
花原「アタッカー・・・スター・・・?」
気を使う海野「うん!そうよ!スーパースター!バレー界の主役!」
花原「やってみるか・・・」
海野(・・・)
海野「じゃあ、私がトスを上げるのでさっきの私のようにジャンプしてボールをはたいてみて!」
花原「む・・・難しそうね・・・」
海野「スターなら簡単!」
ちおり「スター!」
花原「・・・楽勝・・・」
トスを上げる海野「はいっ!」
走り出す花原
海野「ボールの方に走りこんで・・・そこでジャンプ!」
山村「おおっ!」
ちおり「かっこいい!!」
花原「くらえ!これがスーパースター・・・はたき!!」
力任せにボールをたたきつける花原
海野「すごい・・・!」
一同「・・・ってボールがこっちにくる・・・!」
剛速球をよける乙奈たち。
やっぱり山村にぶち当たる「馬鹿な・・・理系女子にこのような力が・・・うわああああああ!!」
海野「すごいわ!花原さん本当にアタッカーの才能があるかも・・・!」
乙奈「思い切りアウトですけどね・・・」
遠くで倒れている山村を眺めるブーちゃん。
花原「へ・・・へへ・・・バレーがんばっちゃうぞ~~!!」
海野「それでは、2つのグループに分かれて練習しましょう。
乙奈さん、ブーちゃん、私の3人でパスとレシーブの練習をしましょう。
花原さん。生原さん、山村くんは引き続きスパイクの練習をしててね。」
生原「は~い!」
海野さん「生原さんがトスを上げて・・・花原さんがスパイクを打って・・・山村くんが・・・受けてね」
山村「い・・・いやだ・・・!」
花原「山村・・・すべてのスポーツは暴力よ・・・腹をくくりなさい。」
・
日が落ちてくる。
外から体育館の中の様子を盗み見ている病田先生。
ちおりが気づく「海野さん、なんか知らない女の子がこっちを覗いているよ?
仲間に入れていい?お~い、おいで~怖くないよ~」
海野「あ・・・あれ顧問の先生なんだ・・・」
乙奈「病田代和香先生は、体が弱すぎて受け持ったすべての学級を崩壊させてきた伝説の教師ですわ・・・」
花原「なんでそんな人が運動部の顧問しているのよ・・・」
乙奈「さあ・・・」
ちおり「あたしと同い年じゃないの?」
花原「あの見た目で28歳らしいよ・・・」
おどおどしている気弱な病田「あ・・あの・・・美帆子ちゃん・・・華白崎さんから聞きました・・・
本当にあの大会に出場するんですか・・・?」
海野「はい。みんなバレーは初めてなんですけど素質があると思うんです。」
病田「でも・・・このままでは大会には出場できないと思いますよ・・・」
パイプいすを出してやる山村「先生いすどうぞ」
病田「あ・・・ありがとうございます・・・」
花原「なんで出場できないのよ先生」
病田「に・・・人数が足りません・・・」
山村「はっはっは・・・おかしなことをおっしゃる・・・ここにいるのはどう数えても6人・・・」
病田「あ・・あの・・・今更こんなことを打ち明けるのもなんですけど・・・あの大会は女子しか出場できません・・・」
ショックを受ける山村「!!!」
ちおり「え~マッスル出れないの?」
花原「・・・じゃあ、もう用無しね。じゃあねマッスル。」
山村「た・・・たのむ!俺を見捨てないでくれたもう・・・!」
花原「仕方ないでしょう、ちんちんあるんだから!」
山村「うう・・・そーだ!俺をせめてこのチームのマネージャーにしてくれ・・・!」
花原「なぜ、そこまでして参加したいんだ!賞金はやらねえぞ・・・!」
山村「・・・入学してこの日まで体育館でずっとポーズを決めていたのに、話しかけてくれたのは諸君らだけだった・・・その恩に報いたいのだ・・・!」
ちおり「・・・なんか可愛そうだから混ぜてやろうよ。」
花原「あんたがそう言うなら・・・」
乙奈「しかし・・・こうなると代わりの女子が一名必要になりますよね・・・」
花原「あの病田先生にブルマーはかせれば誤魔化せない?」
ちおり「いけるいける。」
乙奈「まあ、なんて破廉恥な。ブルセラですわ」
困る病田「あ・・・あはは・・・美帆子ちゃん・・・ちょっといいかな・・・」
海野「あ、はい・・・みんなは練習を続けてて。」
ステージの上でポージングをしているマッチョマン。
マッチョマン「俺は誰よりも強く・・・そしてビューティフル・・・」
コートでネットを設営している海野たちに気付く。
ちおり「わ~ここがたいいくかんか~!」
機具庫からポールを運んでくる海野「織戸高校の体育館と比べるとせまいけどね・・・」
ちおり「わ~海野さん力持ち~すご~い!」
ポールを設置する海野「肉体労働しか私はできないから・・・」
ブーちゃんと一緒にポールを運んでくる乙奈「このポールはこちらに差せばいいかしら?」
海野「うん」
ちおり「だれ?」
海野「ああ、私の古い友人で・・・人数足りないから協力してくれるんだ。」
微笑む乙奈「ごきげんよう、おちびちゃん」
ちおり「よろしくね!」
体育館にすごい気まずそうに入ってくる花原「・・・・・・。」
ちおり「あ!花原さんだ!!」
海野「女子バレー部にようこそ、花原さん!」
花原「バレー部に入部したわけじゃない・・・」
海野「・・・?どうしたの???」
体育着姿が絶妙に似合っていない花原。
花原「このブルマってやつを考えた奴を殴ってやりたいわ・・・」
海野「恥ずかしいなら、ハーフパンツにすれば・・・?」
花原「ハーパンに逃げるのもな・・・」
ちおり「ミニスカートは履くのに、ブルマは恥ずかしいんだ!かわいい!」
花原「うるさいな。」
海野(もしかして、花原さんがスポーツが嫌いな理由って・・・)
花原「・・・で?私は何をすればいいの??1億円のためならドーピングでもするわ。」
海野「そんなことやったら失格になっちゃうから・・・花原さんはバレーボールは・・・?」
花原「もちろん調べてきたわ・・・19世紀末にアメリカマサチューセッツ州で・・・」
海野「歴史・・・!?ルールは・・・?」
花原「え・・・?」
ステージでダブルバイセップスを決めるマッチョマン。誰も眼中にはない。
海野「・・・バレーボールはコートにボールを落とさないように3球以内に相手コートへ返球し合うスポーツです。」
花原「・・・なんで?」
海野「な・・・なんでと言われても・・・そういうゲーム性を大切にしているとしか・・・
・・・まずは基本動作のオーバーハンドパスを練習してみようか・・・」
トスをやって見せる海野。
「こういう感じでボールに手を添えて・・・高く上げるパスです。」
花原「ククク・・・その程度なら運動音痴の私でもできそうね・・・」
ちおり「花原さんすごいね!」
花原「とりゃあ!(ボールを上げる)」「へい!(ボールを掴む)」「ほりゃあ!(もう一度上げる)」
ちおり「かっけー!」
海野「いやいやいや、それだとホールディングだから・・・!」
花原「おかしなことを言うわね・・・同じようにやったつもりだけど・・・?」
海野「ボールをしっかり掴んじゃダメなのよ・・・
だから基本的なパスのわりに初心者には結構難しいの・・・」
花原の手の方にボールを乘せる海野「こう、ボールが来たら肘を軽く曲げて、手首は柔らかくして・・・一番肘が曲がった時にボールに触って・・・体全体の伸びでボールを上げる・・・!」
花原「ああ、そういうことね。」
海野「この動作を一瞬でやるって感じ。じゃあ、私がパスを送るからボールを返してみて!」
海野が花原にボールをトスする。
海野「ボールの下に入ってさっきの動作をすれば返せるよ!」
花原「ええと・・・これは初速Voの斜方投射だから落下点の位置は・・・」
乙奈「すごいですわ・・・物理の計算をしておられます・・・!」
ボールの方へ移動する花原「ここだ!」
思い切りボールを顔面に受ける花原
乙奈「ご自身の身長を計算式に考慮しておられなかったのですわ・・・!」
床に倒れてピクピクしている花原。
海野「だ・・・大丈夫!?花原さん!」
起き上がる花原「・・・私バレーに向いてない。」
海野「練習すればできるって・・・!」
ちおり「できるよ!花原さん天才だもん。」
花原「まあ・・・確かにな。」
海野(そう誘導するのか・・・)
花原「ねえ・・・もっと天才の私にあったカッコいいやつってないの?」
海野「・・・じゃあスパイクでもやってみる?
となると、レシーブ役がほしいなあ・・・」
ステージを降りてくるマッチョマン「この体育館も変わらねえなあ・・・」
乙奈「あ・・・!あの方は・・・!誰もいない体育館で毎日ポージングにいそしむ孤高のナルシスト・・・マッスル山村さんですわ・・・!」
小声で花原「・・・あいつは関わっちゃいけない系の人じゃない?」
乙奈「自分の腹筋を見せつけたいだけで基本的には人畜無害ですわ・・・」
筋肉をつつくちおり「かっこい~」
海野「山村君・・・バレーボールできる?」
マッスル山村「俺にできないスポーツはない・・・特にバレーボールはボディビルに次いで我が得意とするき・・・」
海野「じゃあレシーブお願い」
無視されるマッスル山村「御意・・・」
海野「生原さん、わたしにこの前みたいなトスを送ってくれる?」
トスを上げる生原「いいよ。やっ」
海野「じょうずよ!」
飛び上がって、勢いよくボールを叩き込む海野。
海野が放った剛速球をレシーブする山村「馬鹿な・・・おなごにこのような力が・・・!」
後ろに吹っ飛ぶ山村「うわああああ!」
生原「かっこいー!」
海野「これがスパイクです。で、生原さんがくれたパスをトス。山村くんが受けたのをレシーブというの。」
花原「・・・ちょっと待って。ということはさっきのあれを我々も受けなきゃいけないってこと・・・?」
乙奈「あれ、痛そうですわね・・・」
海野「・・・え?ええ・・・まあそういうことに・・・」
乙奈「あざとかできないんですか・・・?」
気まずそうに海野「それは日常茶飯事・・・」
花原「冗談じゃないわ・・・!これは球技の名を借りた暴力に他ならない・・・!」
得意げなちおり「花原さん。知らなかったの?すべてのスポーツは暴力だよ。
もともとバレーはボールじゃなくて敗北した武将の生首でやってたらしいし。
しろったま子さんがそう言ってた。」
花原「誰だよ、それ!」
山村「あのアニメは今季一番面白いよな。特にボールが爆弾になっていてコートに落ちると起爆するというアイディアは秀逸であった・・・」
生原「青春アタックを知ってるんですか!?ぜひ、我がチームに・・・!」
山村「よかろう・・・!これでメンバーの数は6人・・・!はーはは、喜べ!これで6億円の大会に出場できるぞ!」
海野「知ってたんだ、それ・・・」
花原「あんたはムキムキだからいいけど、こっちはか弱い乙女なのよ・・・」
山村「心配するな。私がカール・ゴッチ式スクワットを伝授するので、3か月後には諸君らも立派なレスラーだ。」
海野「・・・冗談はさておき、両手でちゃんとボールを受ければ大丈夫だし、練習ではもっと弱く打つから・・・乙奈さんやってみる?」
乙奈「・・・え?」
花原「やめときなさい、これは放課後のレクリエーションの域を超えているわ・・・」
ブ-ちゃんが手を挙げる。
海野「ブーちゃん・・・!」
乙奈「ブーちゃんが挑戦するって言ってます・・・!」
山村「道開くもの・・・勇者・・・」
海野「よし、ブーちゃんやろっ!」
すごい弱くブーちゃんにボールを送る海野。
たやすくレシーブをするブーちゃん。
海野「じょうず!」
花原「な~んだ・・・あんなに弱く打つのか・・・あれなら私にも楽勝ね・・・」
山村(俺への剛速球はいったい・・・)
花原「はいはいは~い!次、わたし!」
海野「よ~し・・・じゃあいくよ!えい!」
みぞおちにボールを受ける花原「ぐえええ!」
海野「だ・・・大丈夫!?花原さん・・・!」
山村「何故かがまない、長身の少女よ・・・!!」
海野「か・・・花原さんはボールを受けるよりも打つ方が向いてるよ!」
花原「そ・・・そうかな・・・」
海野「そうよ・・・!バレーの花形スターはアタッカーよ!その背の高さはアタッカー向きよ!」
花原「アタッカー・・・スター・・・?」
気を使う海野「うん!そうよ!スーパースター!バレー界の主役!」
花原「やってみるか・・・」
海野(・・・)
海野「じゃあ、私がトスを上げるのでさっきの私のようにジャンプしてボールをはたいてみて!」
花原「む・・・難しそうね・・・」
海野「スターなら簡単!」
ちおり「スター!」
花原「・・・楽勝・・・」
トスを上げる海野「はいっ!」
走り出す花原
海野「ボールの方に走りこんで・・・そこでジャンプ!」
山村「おおっ!」
ちおり「かっこいい!!」
花原「くらえ!これがスーパースター・・・はたき!!」
力任せにボールをたたきつける花原
海野「すごい・・・!」
一同「・・・ってボールがこっちにくる・・・!」
剛速球をよける乙奈たち。
やっぱり山村にぶち当たる「馬鹿な・・・理系女子にこのような力が・・・うわああああああ!!」
海野「すごいわ!花原さん本当にアタッカーの才能があるかも・・・!」
乙奈「思い切りアウトですけどね・・・」
遠くで倒れている山村を眺めるブーちゃん。
花原「へ・・・へへ・・・バレーがんばっちゃうぞ~~!!」
海野「それでは、2つのグループに分かれて練習しましょう。
乙奈さん、ブーちゃん、私の3人でパスとレシーブの練習をしましょう。
花原さん。生原さん、山村くんは引き続きスパイクの練習をしててね。」
生原「は~い!」
海野さん「生原さんがトスを上げて・・・花原さんがスパイクを打って・・・山村くんが・・・受けてね」
山村「い・・・いやだ・・・!」
花原「山村・・・すべてのスポーツは暴力よ・・・腹をくくりなさい。」
・
日が落ちてくる。
外から体育館の中の様子を盗み見ている病田先生。
ちおりが気づく「海野さん、なんか知らない女の子がこっちを覗いているよ?
仲間に入れていい?お~い、おいで~怖くないよ~」
海野「あ・・・あれ顧問の先生なんだ・・・」
乙奈「病田代和香先生は、体が弱すぎて受け持ったすべての学級を崩壊させてきた伝説の教師ですわ・・・」
花原「なんでそんな人が運動部の顧問しているのよ・・・」
乙奈「さあ・・・」
ちおり「あたしと同い年じゃないの?」
花原「あの見た目で28歳らしいよ・・・」
おどおどしている気弱な病田「あ・・あの・・・美帆子ちゃん・・・華白崎さんから聞きました・・・
本当にあの大会に出場するんですか・・・?」
海野「はい。みんなバレーは初めてなんですけど素質があると思うんです。」
病田「でも・・・このままでは大会には出場できないと思いますよ・・・」
パイプいすを出してやる山村「先生いすどうぞ」
病田「あ・・・ありがとうございます・・・」
花原「なんで出場できないのよ先生」
病田「に・・・人数が足りません・・・」
山村「はっはっは・・・おかしなことをおっしゃる・・・ここにいるのはどう数えても6人・・・」
病田「あ・・あの・・・今更こんなことを打ち明けるのもなんですけど・・・あの大会は女子しか出場できません・・・」
ショックを受ける山村「!!!」
ちおり「え~マッスル出れないの?」
花原「・・・じゃあ、もう用無しね。じゃあねマッスル。」
山村「た・・・たのむ!俺を見捨てないでくれたもう・・・!」
花原「仕方ないでしょう、ちんちんあるんだから!」
山村「うう・・・そーだ!俺をせめてこのチームのマネージャーにしてくれ・・・!」
花原「なぜ、そこまでして参加したいんだ!賞金はやらねえぞ・・・!」
山村「・・・入学してこの日まで体育館でずっとポーズを決めていたのに、話しかけてくれたのは諸君らだけだった・・・その恩に報いたいのだ・・・!」
ちおり「・・・なんか可愛そうだから混ぜてやろうよ。」
花原「あんたがそう言うなら・・・」
乙奈「しかし・・・こうなると代わりの女子が一名必要になりますよね・・・」
花原「あの病田先生にブルマーはかせれば誤魔化せない?」
ちおり「いけるいける。」
乙奈「まあ、なんて破廉恥な。ブルセラですわ」
困る病田「あ・・・あはは・・・美帆子ちゃん・・・ちょっといいかな・・・」
海野「あ、はい・・・みんなは練習を続けてて。」
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