恐竜大陸サウラシア~Great Dinosaur Rush~

田代剛大

文字の大きさ
上 下
10 / 10

最終幕 ヒーハー!

しおりを挟む
ジュラシックピット。
「第1試合!ステゴサウルス18500ポンド!対するはモノクロニウス!16000ポンド!」
「さあ500ドルからかけてくれ!」
「もうすぐ賭けは閉め切りだ!」
恐竜トレーナーがホルスターから薬莢をピットに投げつける。
割れた薬莢から恐竜が現れる。
「おおっとモノクロニウスかなり入れ込んでます!」
「どちらも気合十分・・・!それでは試合開始!」
ステゴサウルスが突進するモノクロニウスにむけて尻尾をふる。
尻尾の攻撃をまともに食らいモノクロニウスのフリルの一部が吹き飛ぶ。歓声。
怒り狂ったモノクロニウスは大きなくちばしでステゴサウルスの首にかみつく。
観客「やれ~ぶっころせ~!」

ジュラシックピットVIP席
カーネギー「どうです?ミセスブラウン。あなたには最高の席でショーを楽しんでいただきたいと思いましてね
この商売は間違いなく当たりますよ。ここ以外に闘竜場ジュラシックピットはニューヨーク、サンディエゴ、ロンドンにも建設を予定してましてね・・・」
アニー「おとなしい恐竜を錯乱状態にして殺し合いをさせるなんて・・・これは神に対する冒涜です」
カーネギー「いいや違う。連中はもともと私たちの時間軸には存在しない動物だ。存在しないものはどう使おうが知ったこっちゃない。トラやサイを戦わせるよりもずっと健全ですよ。」




フィリップ「!こ・・・こいつって・・・」
サーカスのアンガトラマ
フィリップ「おめえじゃねえか~!」
リズリー「あ、サーカスの!売られてこんなとこに来たのね・・・」
団長「いや~なんだかしらんが出れるようじゃな!」
リズリー「あ・・・グレゴリー団長!!」
団長「お・・・お前たち~!!」
コープ「誰?」
フィリップ「なに団長まで身売りしてんだよ!」
グレゴリー「だってお前がいないとショーにならないんだもん」
フィリップ「やっとわかったかこのオレのスター性・・・」
グレゴリー.「また空中ブランコをやっておくれリズリー」
フィリップ「おいハゲ」
リズリー「ほかの恐竜は?」
団長「2フロア下にいる。こいつらいかれてやがるぞ、ショーとはいえあんな過激なことを動物にやらせるとは、命を愛するわしとしては許せん・・・」
リズリー「ええと・・・いこうフィリップ」
フィリップ「おうよ」



VIP席に慌てて飛び込んでくるスタッフ。
スタッフ「会長大変です!Bエリアで恐竜が檻から逃げてます!」
カーネギー「ばかもの!さっさと戻さんか!?種類はなんだ?」
スタッフ「サーカスで使われていた恐竜共でして・・・」
カーネギー「あああのろくな戦力にもなりそうにないバカ恐竜か。なら殺しても構わん。
今は大事なときなんだ。絶対客の安全は守れ!」
スタッフ「は!」
アニー「フィリップ・・・」



サーカスの恐竜を逃すフィリップ
バッカーのスピーカーのハンドルを回すフィリップ
草食竜が誘導される。フィリップ「よーし逃げろ逃げろ~!」
銃撃するハンター「待てー!」
「げっ撃ってきた!」
リズリー「恐竜に当たっちゃう!」
銃で応戦するコープ
コープ「早く恐竜を逃がせ!!」

フィリップ「あ、あれ??」
リズリー「どうしたの?」
フィリップ「なんか胸がもぞもぞ・・・なんだ?」
胸のポケットから薬莢を取り出す
フィリップ「あ、これって・・・ティラノサウルスを撃った時の空薬莢だ」
コープ「!お、お前薬莢にヒビが入っているじゃねえか!」
フィリップ「おかしいな。俺別に何にもしてねえけど」
コープ「早くそいつを捨てろ!!」
「なんで!?」
「貸せ!!」

フィリップから奪った薬莢をハンター達の方へ投げるコープ
薬莢が割れて中からティラノサウルスのオスが現れる

「!!」
サーカスの恐竜が猛スピードで逃げていく
ハンター「ティ・・・ティラノサウルスだああああ!!」
銃撃するハンター達に襲い掛かるティラノサウルス

フィリップ「どうなってんだこれ!?」
リズリー「逃げないと・・・!」
コープ「そうか・・・薬莢の中にずっと閉じ込めておくことは出来ないんだ!」
コープ「そうなると・・・早く知らせないと大変なことになる!フィリップ!オレは会場の客を避難させる!!お前はアニーを救え!!」



VIP席
「会長!恐竜搬入通路にティラノサウルスがあらわれました!!早くショーを中止して観客を避難させてください!!」
カーネギー「なんだと!?どういうことだあああ!!!」
ライフルを掴むカーネギー「ええいディノトランス弾でもう一度捕まえればいいだろうが!もういいわしがやる!!お前も来い!」
アニーを強引に引っ張るカーネギー
アニー「きゃあああ」



ジュラシックピット
「さあそれでは第二試合です。今度は血湧き肉踊る肉食竜対決!」
ゴガア(ティラノサウルスの咆哮)
大歓声
ピットにティラノサウルスが入ってくる
観客「ティラノサウルスだあああ!」
Tレックスコール
係員が逃げ出す
ざわつく観客「?なんか様子がおかしいぞ・・・」
トレーナーにかぶりつくティラノサウルス
会場内が悲鳴に包まれる
トレーナーを荒々しく振り回しトレーナーが持っていた薬莢を散乱させるティラノサウルス。
会場内に散った薬莢が次々に割れていき恐竜たちが放たれる。

会場は大パニック。警報
ハンター「なんだこりゃああああ!!」
「皆殺しにしろ!!!」
ライフルを撃ちまくるハンター。
鞭のような尻尾を振り回して会場の柱をへし折るアパトサウルス。
巨大な足でハンターを踏みつぶす。
ハンターたちを追いまわすパキケファロサウルス。パキケファロサウルスの頭が銃弾をはじく。
「弾が効かねえ!」頭突きでつぶれるハンター。
オルニトミムスが素早い身のこなしで次々に人間たちを追い抜いていく。
基地をあきらめ逃げ出すハンター「駄目だああ!数が多過ぎる!ここは壊滅だ~!!」

避難通路に太っちょの鳥のヒナのような珍妙な恐竜がつったっている。
銃を向けるハンター「どけ!ペンギン野郎!殺すぞ!」
キリンのような首をかしげるノスロニクス「くけ?」
腕を広げると巨大なかぎづめが現れる。ハンターをひと薙ぎにするノスロニクス。
「ぎゃあああああ!」

観客に突進してくるパキケファロサウルスの群れ
リズリーが乗ったブラキオサウルスが体を盾にして食い止める
「頑張って!」

「早く逃げろ!」
観客を出口に誘導するコープ。

逃げる観客と逆走するフィリップ「アニー!どこだ!」
フィリップを見つけ叫ぶアニー「フィリップ!」



カーネギーの博物館
カーネギーに捕まっているアニー
博物館に入ってくるフィリップ「アニー!」
カーネギー「お前のせいだ!お前のせいでわしのビジネスはめちゃくちゃだ!」
フィリップ「俺が知るかよ恐竜のことなんて!俺だけじゃねえあいつらは誰の思い通りにもならないんだ!」
カーネギー「だがまだ終わったわけじゃないぞ・・・まだワシのコレクションは残っている」
フィリップ「そんな危ないもんとっとと捨てたほうがいいぞ!」
カーネギー「黙れ!これは誰にも渡さん!」

ムスサウルスが隙をついてカーネギーの薬莢のボックスをくすねる
カーネギー「貴様!返さんか!!」
ボックスを抱えるフィリップ「お前初めて役に立ったぞ!」
「アニーさんを離せ!さもなきゃこいつは下に捨てる!」割れたガラス窓から薬莢の箱を吊るすフィリップ
博物館の下のピットではティラノサウルスが暴れている
アニー「フィリップ・・・!」
カーネギー「そうか・・・ならお前も取りにいけ!」
ピットにアニーを放り投げるカーネギー
フィリップ「!」
アニー「きゃああああ」
フィリップ「アニー!」
箱を放り投げピットへ飛び降りるフィリップ

ピット
下でブラキオサウルスが二人をキャッチする
リズリー「落としたわよ」
フィリップ「リズリー・・・」
ピットの奥からティラノサウルスが接近してくる
リズリー「前より怒ってる・・・!」



博物館
カーネギー「わしのコレクション・・・!」
フィリップが投げた薬莢のケースは壁に当たり中身がばらける
「はああ!スーパーサウルス、エパンテリアス・・・!」
椅子の下に転がっていくティラノサウルスの薬莢
「ティラノサウルス・・・!捕まえた!」
薬莢にヒビが入る
「な・・・?」
薬莢を捨てるカーネギー
薬莢から出てきたのはティラノサウルスの子供だった
カーネギー「は~・・・お前か・・・」
窓の外から叫ぶフィリップ「おい早く逃げたほうがいいぜ!」
カーネギー「うるさい!こんなやつ敵ではないわ!」
フィリップ「後ろ後ろ!!」
子供を蹴飛ばす「くピピー!」
カーネギー「いいか!お前のハッタリに乗るほどわしは」
背後から母親のティラノサウルスにかぶりつかれるカーネギー「ぎゃああああ」
カーネギーを咥えながらピットの方へ歩き出す母親。
ピットの方から父親が突進してくる。
カーネギー「やめろおおおお!!!」



第五鉱区にサイレンが鳴り響く
バッカー「アニキ!保安官を呼んできた!あとは公務員に任せましょう!」
シェリフ「まだ恐竜に食われてない悪党は全員逮捕だ~!」



壊滅する第五鉱区
コープ「結局またティラノサウルスの巣に戻ったってことか・・・」
アニー「私・・・残りの資産をすべて売却して鉱山労働者の給料にします。きっと・・・あの人が生きていたら、きっと同じことをしたと今は思えるから。」
フィリップ「そうか・・・」
アニー「そしてラムとここで恐竜を保護する活動をするつもりですわ」
コープ「柄じゃないがな」
フィリップ「いや案外似合ってるぜ」
アニー「フィリップ・・・ありがとう。」

リズリ―「フィリップ・・・」
フィリップ「ん?」
リズリ―「よかったらサーカスに戻らない・・・?
それとも・・・そんな小汚い所似合わないか・・・」
フィリップ「・・・契約しだいだな。」
リズリ―「え?」
フィリップ「お前と一緒にやりたい。」
手を握る



数年後
「ヘルクリークサーカス」のテント。
団員「よってらっしゃい!みてらっしゃい!空中ブランコに曲撃ちショー、猛獣使い・・・!ここでしかみられない曲芸ばかりだよ!」
テントに客が集まっている。立ち見もいる大盛況ぶり。
アクロバットショーのリズリ―。
銃を早撃ちするコープ「オラオラオラオラオラオラオラ!!」
大歓声が上がる会場。
団長「・・・どこでスカウトしてきたんだあの曲撃ち師・・・テクが半端ねえ・・・」
「さあそれでは空中ブランコ、曲撃ち芸とお楽しみ頂いた次はいよいよ我がサーカスの目玉・・・!恐竜使いミスター・フィリップ・バックランドの猛獣ショーです!」
生意気なガキ「ママ、あいつまた懲りずに魚しか食べない恐竜で猛獣ショーやるみたいだよ。」
観客「もうネタばれてんぞーフィリップ!」
観客「なんでそいつが目玉なんだー!いい加減そいつをひっこめろ団長!」
地面が大きく振動する。ステージにティラノサウルス・レックスの巨体が現れる。
失禁する生意気なガキ。
微笑むリズリ―とアニー。
フィリップ「イッツァショータイムだ・・・!ヒ~ハ~!!」
おわり
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

日日晴朗 ―異性装娘お助け日記―

優木悠
歴史・時代
―男装の助け人、江戸を駈ける!― 栗栖小源太が女であることを隠し、兄の消息を追って江戸に出てきたのは慶安二年の暮れのこと。 それから三カ月、助っ人稼業で糊口をしのぎながら兄をさがす小源太であったが、やがて由井正雪一党の陰謀に巻き込まれてゆく。 月の後半のみ、毎日10時頃更新しています。

世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記

颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。 ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。 また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。 その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。 この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。 またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。 この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず… 大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。 【重要】 不定期更新。超絶不定期更新です。

御懐妊

戸沢一平
歴史・時代
 戦国時代の末期、出羽の国における白鳥氏と最上氏によるこの地方の覇権をめぐる物語である。  白鳥十郎長久は、最上義光の娘布姫を正室に迎えており最上氏とは表面上は良好な関係であったが、最上氏に先んじて出羽国の領主となるべく虎視淡々と準備を進めていた。そして、天下の情勢は織田信長に勢いがあると見るや、名馬白雲雀を献上して、信長に出羽国領主と認めてもらおうとする。  信長からは更に鷹を献上するよう要望されたことから、出羽一の鷹と評判の逸物を手に入れようとするが持ち主は白鳥氏に恨みを持つ者だった。鷹は譲れないという。  そんな中、布姫が懐妊する。めでたい事ではあるが、生まれてくる子は最上義光の孫でもあり、白鳥にとっては相応の対応が必要となった。

新撰組のものがたり

琉莉派
歴史・時代
近藤・土方ら試衛館一門は、もともと尊王攘夷の志を胸に京へ上った。 ところが京の政治状況に巻き込まれ、翻弄され、いつしか尊王攘夷派から敵対視される立場に追いやられる。 近藤は弱気に陥り、何度も「新撰組をやめたい」とお上に申し出るが、聞き入れてもらえない――。 町田市小野路町の小島邸に残る近藤勇が出した手紙の数々には、一般に鬼の局長として知られる近藤の姿とは真逆の、弱々しい一面が克明にあらわれている。 近藤はずっと、新撰組を解散して多摩に帰りたいと思っていたのだ。 最新の歴史研究で明らかになった新撰組の実相を、真正面から描きます。 主人公は土方歳三。 彼の恋と戦いの日々がメインとなります。

枢軸国

よもぎもちぱん
歴史・時代
時は1919年 第一次世界大戦の敗戦によりドイツ帝国は滅亡した。皇帝陛下 ヴィルヘルム二世の退位により、ドイツは共和制へと移行する。ヴェルサイユ条約により1320億金マルク 日本円で200兆円もの賠償金を課される。これに激怒したのは偉大なる我らが総統閣下"アドルフ ヒトラー"である。結果的に敗戦こそしたものの彼の及ぼした影響は非常に大きかった。 主人公はソフィア シュナイダー 彼女もまた、ドイツに転生してきた人物である。前世である2010年頃の記憶を全て保持しており、映像を写真として記憶することが出来る。 生き残る為に、彼女は持てる知識を総動員して戦う 偉大なる第三帝国に栄光あれ! Sieg Heil(勝利万歳!)

わが友ヒトラー

名無ナナシ
歴史・時代
史上最悪の独裁者として名高いアドルフ・ヒトラー そんな彼にも青春を共にする者がいた 一九〇〇年代のドイツ 二人の青春物語 youtube : https://www.youtube.com/channel/UC6CwMDVM6o7OygoFC3RdKng 参考・引用 彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大芸術家や」(5ch) アドルフ・ヒトラーの青春(三交社)

三国志 群像譚 ~瞳の奥の天地~ 家族愛の三国志大河

墨笑
歴史・時代
『家族愛と人の心』『個性と社会性』をテーマにした三国志の大河小説です。 三国志を知らない方も楽しんでいただけるよう意識して書きました。 全体の文量はかなり多いのですが、半分以上は様々な人物を中心にした短編・中編の集まりです。 本編がちょっと長いので、お試しで読まれる方は後ろの方の短編・中編から読んでいただいても良いと思います。 おすすめは『小覇王の暗殺者(ep.216)』『呂布の娘の嫁入り噺(ep.239)』『段煨(ep.285)』あたりです。 本編では蜀において諸葛亮孔明に次ぐ官職を務めた許靖という人物を取り上げています。 戦乱に翻弄され、中国各地を放浪する波乱万丈の人生を送りました。 歴史ものとはいえ軽めに書いていますので、歴史が苦手、三国志を知らないという方でもぜひお気軽にお読みください。 ※人名が分かりづらくなるのを避けるため、アザナは一切使わないことにしました。ご了承ください。 ※切りのいい時には完結設定になっていますが、三国志小説の執筆は私のライフワークです。生きている限り話を追加し続けていくつもりですので、ブックマークしておいていただけると幸いです。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

処理中です...