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八章 パリカー
三
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遊ぶ気もなくなってしまったので、素直に帰る……いや、ノーイの中でエロトラップダンジョンを自分の棲家だと思うことにはかなり思うことがあるのだが、事実として帰ることにしたノーイである。
いやはや、大魔女の狂乱たるや。そういえば勇者が大魔女が結婚を焦っているとか何とか言っていた気がするが、それにしたってやりようとかこう、あるんじゃないかと思う。
そんなことを考えながら歩いていたからだろうか。ノーイはふと自分の上に影が落ちてきたことに気づいて空を見上げた。青い空、白い雲、大きな尻。どごっ、と岩同士をぶつけたような音と共に、ノーイの視界がすっ飛んだ。
何とか擬態が解けないよう気合を入れたノーイは、痛みに耐えながら起き上がろうとする。そうして、その前に自分の上に乗っかっている何かをどかさねばならないことに気づいて、それをどけた。
「きゃあ!?」
「ぎゃあ!?」
大魔女であった。ノーイの心臓が止まった。まぁ心臓を模した臓器もどきが止まろうとノーイにとっては何の問題もないのだが。それくらい驚いたし肝が冷えた。まぁ肝を模した以下略だが。
「お、お尻に触ったわね!!」
「触ってませんが!? 触ったとしたらいきなり落ちてきたお前をどうにかするためですが!?」
ノーイ、全力抗弁の構えである。そう、大魔女は空から落ちてきた。何故かはわからない。だがしかしここでこれを認めてしまえば全てが終わるような気がした。だからこその全力抗弁であった。
大魔女は顔を真っ赤にして、目を潤ませている。こうして見れば普通の女っぽいのだが、中身があらゆる意味で災厄である。ノーイは青褪めた顔で叫んだ。
「そもそもいきなり落ちてきたお前の下敷きになったオレはお前を助けたってことになりませんか!? なるよな!? そうとしか考えられないよな!?」
「えっ……」
そこで、大魔女が口ごもる。うつむいてみたり、そっぽを向いてみたり。怒りとは異なるその反応に、ノーイは活路を見出した。
「あぁそうだよオレはお前を助けたんだ!! 空から落ちて地面にぶつかったら痛いもんな!! そりゃまぁ尻に触った? かもしれないけど助けるためには仕方なかったというか戦略的損傷ってやつだから責められる理由はないっつーか……あの……何?」
このまま助けたとごり押ししようとしたノーイは、赤い顔をした大魔女に嫌な気配を感じた。人間は、怒った時に赤くなるはずである。だがしかし、今の大魔女は怒っているようには見えない。何だ、何が起きているんだ、とノーイが戸惑う最中。
「せ、責任を取って娶りなさい!!」
「何でそうなった!?」
いやはや、大魔女の狂乱たるや。そういえば勇者が大魔女が結婚を焦っているとか何とか言っていた気がするが、それにしたってやりようとかこう、あるんじゃないかと思う。
そんなことを考えながら歩いていたからだろうか。ノーイはふと自分の上に影が落ちてきたことに気づいて空を見上げた。青い空、白い雲、大きな尻。どごっ、と岩同士をぶつけたような音と共に、ノーイの視界がすっ飛んだ。
何とか擬態が解けないよう気合を入れたノーイは、痛みに耐えながら起き上がろうとする。そうして、その前に自分の上に乗っかっている何かをどかさねばならないことに気づいて、それをどけた。
「きゃあ!?」
「ぎゃあ!?」
大魔女であった。ノーイの心臓が止まった。まぁ心臓を模した臓器もどきが止まろうとノーイにとっては何の問題もないのだが。それくらい驚いたし肝が冷えた。まぁ肝を模した以下略だが。
「お、お尻に触ったわね!!」
「触ってませんが!? 触ったとしたらいきなり落ちてきたお前をどうにかするためですが!?」
ノーイ、全力抗弁の構えである。そう、大魔女は空から落ちてきた。何故かはわからない。だがしかしここでこれを認めてしまえば全てが終わるような気がした。だからこその全力抗弁であった。
大魔女は顔を真っ赤にして、目を潤ませている。こうして見れば普通の女っぽいのだが、中身があらゆる意味で災厄である。ノーイは青褪めた顔で叫んだ。
「そもそもいきなり落ちてきたお前の下敷きになったオレはお前を助けたってことになりませんか!? なるよな!? そうとしか考えられないよな!?」
「えっ……」
そこで、大魔女が口ごもる。うつむいてみたり、そっぽを向いてみたり。怒りとは異なるその反応に、ノーイは活路を見出した。
「あぁそうだよオレはお前を助けたんだ!! 空から落ちて地面にぶつかったら痛いもんな!! そりゃまぁ尻に触った? かもしれないけど助けるためには仕方なかったというか戦略的損傷ってやつだから責められる理由はないっつーか……あの……何?」
このまま助けたとごり押ししようとしたノーイは、赤い顔をした大魔女に嫌な気配を感じた。人間は、怒った時に赤くなるはずである。だがしかし、今の大魔女は怒っているようには見えない。何だ、何が起きているんだ、とノーイが戸惑う最中。
「せ、責任を取って娶りなさい!!」
「何でそうなった!?」
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