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「女ッ子会だぁ~~~!!」
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しおりを挟む『なに?』
不機嫌な声で美里が電話に出たのは、22回しつこくコールしてからだった。
「やっほー美里ちーん!今から家行っていいー?」
『却下』
「だよねー、そうだと思って私の家にお菓子を用意したんだ!おいでよ!」
『……もっといやよ。なんで今からわざわざでかけなきゃなんないの』
「その返答も予測済みの詩絵子ちゃんは、実は美里の家の近くのコンビニに来てるよ!降りてきなよ!」
『……なに?なんなの?なにかあったの?』
私は声のトーンを落とした。
「主任、浮気してたんだ……」
電話の向こうは、少し長めの無音となった。そのあとで、『……マジ?』と美里は信じられないように呟く。
「しかも相手は舞ちゃん」
『うわ~……きっつ……。てか主任が浮気なんて信じられないんだけど』
「ね?がぜん話が聞きたくなってきたでしょ?とりあえずコンビニで合流しよっ」
美里は了承し、私たちはすぐに合流した。
「あ、美里ー!」
コンビニで立ち読みをしていた私は、美里の姿が見えたのですぐに店をでた。美里はキャミソールにショートパンツというラフな格好をしていた。手にはカーディガンをかけている。
「なに。元気そうじゃないのよ」
「おー、詩絵子殿ではないか」
美里の前まで来たとき、見覚えのある人物が横から声をかけてきた。今日はスーツ姿のサンドラさんだ。その見た目に騙されて、いっしゅん美青年と脳が認識してしまったのは悔しいが、私はすぐに一歩後ずさった。
「さ、サンドラさん……」
ということは……もちろん……。
「ああ、美雪殿か?美雪殿なら車で待っておる」
聞いてもいないのに答えてくれる。サンドラさんの後方に控えている車の後部座席の窓が開き、美雪さんが小さく手をふる。私も曖昧に笑って手を振り返しつつ、美里の手を掴んだ。
「こんなとこで会うなんて奇遇っすね!では!これにて!」
人差し指を立て、ドロンと消える忍者の真似事をし、私は美里を連れて走った。
「ちょっと、なに逃げてんのよ」
「悪い予感しかしないよ~!あの人たちがコンビニに用があるとは思えないし!待ち伏せされたんだよ!」
そうして逃げる私たちを、当然サンドラさんは追ってくると思われた。しかし彼女はそこから一歩も動かずに、懐から吹き矢を取り出した。ふっ、と息によって発射されたものが私のうなじあたりにさっくり当たり、私はその場に倒れ込んだ。
「え、なにこれ!詩絵子!?大丈夫!?」
美里はめずらしく狼狽した。地面に這いつくばり、私は美里へ手を伸ばす。
「み、美里……私は……、もう、だめ……せめて……その胸の中で死なせて……」
「なんだ、平気そうね」
「これは吹き矢だが、中身はストローにしておる。もちろん毒も塗っておらん」
……ストローだと?そんな攻撃力2くらいしかなさそうなもので、私は倒れちゃったわけ?けっこう痛かったんだけど。
「今日は迎えに上がったしだいじゃ」
朗らかに言ったあとで、サンドラさんは美里へ顔を向ける。
「そこのハレンチなアバズレも一緒でいいとのことじゃ」
「ハレ……!?アバ……!?」
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