光の部屋、花の下で。

三尾

文字の大きさ
上 下
224 / 377
五日目

40 ※

しおりを挟む
「まだいくなよ」
 制止とともに彼は後ろから自身を引き抜いた。支えを失った下半身がへなへなとベッドに崩れ落ちる。
 ノアさんは、脱力した俺を仰向けに転がし、上にのしかかってきた。シーツの上に伸びた俺の両脚をつかみ、膝を曲げて胸へと押し上げる。
 あられもない姿勢を取らされても、恥ずかしさを覚えるだけの理性は残っていなかった。さらけ出された場所に一刻も早く相手が欲しくて、自分から脚を広げ、腰を高くする。
 ゆるい微笑みを浮かべたノアさんが、片手で自身の昂ぶりを支えながら入ってきた。すっかり熟れた場所を迷いのない動きで進み、突き当りをノックするように先端で叩きはじめる。
「あ、あっ、あっ、あ……」
 規則正しいピストン運動につられて声がもれた。最奥への刺激に俺の内側は悦んでうねり、彼のものをすすろうと絡みつく。
 ああ、とノアさんが艶っぽい声をもらした。腰を揺らすごとに彼の動きから巧緻さが消え、抜き差しが荒々しくなっていくのがわかる。
 自分の身体がきちんと相手に快楽を与えられていることが嬉しかった。次第に余裕を失っていく彼に、こちらも昂ぶりを抑えきれなくなり、全身を波打たせて「もっと」とねだる。
「もっと、突いて……あぁ、あ……っ」
 汗で滑る俺の腰に爪を立ててノアさんが夢中で下半身を振り立てた。いつもの飄々とした笑みはあとかたもなく、欲望をたたえた両目が俺を見下ろす。深い穴のような黒い目に意識を吸い込まれて、視線を絡め合ったまま、結合部をみだらに揺らした。
 交わっている――というよりも、喰われているみたいだ、と思う。このまま貫かれ、かき回されながら、貪り尽くされてしまいたい。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

冴えないおじさんが雌になっちゃうお話。

丸井まー(旧:まー)
BL
馴染みの居酒屋で冴えないおじさんが雌オチしちゃうお話。 イケメン青年×オッサン。 リクエストをくださった棗様に捧げます! 【リクエスト】冴えないおじさんリーマンの雌オチ。 楽しいリクエストをありがとうございました! ※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。

寮生活のイジメ【社会人版】

ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説 【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】 全四話 毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

美しき父親の誘惑に、今宵も息子は抗えない

すいかちゃん
BL
大学生の数馬には、人には言えない秘密があった。それは、実の父親から身体の関係を強いられている事だ。次第に心まで父親に取り込まれそうになった数馬は、彼女を作り父親との関係にピリオドを打とうとする。だが、父の誘惑は止まる事はなかった。 実の親子による禁断の関係です。

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

処理中です...