光の部屋、花の下で。

三尾

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五日目

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 受け入れる側と受け入れられる側なら、本当は後者のほうが好きだ。
 でも丁寧にゆるめられ、官能のくすぶる箇所を執拗に刺激されると、普段の嗜好はどこかへ行ってしまって、相手を求めることしか考えられなくなる。
 ねだるように背後に突き出した俺の腰を捕らえて、ノアさんが十分やわらかくなったそこに自分を押し当て、ぐっと体重をかけた。肉を割って侵入してくる熱のかたまりを、声をこらえ、抱え込んだ枕をもみしだくようにして受け入れる。
 しばらくのあいだ、自身をなじませるために静止してから、ノアさんは俺の腰を抱えて抽送をはじめた。前後する動きはいつもよりぶっきらぼうで、指が快楽を植え付けた部分を怒ったようにこすり上げる。
 彼が動くたびに欲望が体内で膨れ上がっていくのを感じた。反対に頭はもやがかかったようにぼんやりして、自制心と羞恥心が薄れていく。背後の律動に合わせて自然と腰が揺れ、背骨が反り返った。
「あ……あ、あぁ……あっ」
 枕から顔を上げて喘いでいると、腰を支える手を離してノアさんが覆いかぶさってくる。俺の両肩をつかみ、首筋に荒々しいキスを落とす合間に歯を立てた。
「あっ……」
 皮膚に走った痛みに驚き、それがたちまち甘い官能へと変わっていくことにもう一度驚く。腰を揺すられながら、今度は肩口と背中を噛まれた。交わりのせいで感覚がおかしくなっているのか、肌に食い込む刺激は、痛みでなく痺れるような愉悦をもたらして全身を追い詰める。
「あ……だめ……」
 つぶやくと、ノアさんは前に手を伸ばした。両脚のあいだで透明な蜜を滴らせている俺の屹立をつかみ、射精できないように先端を握る。
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