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四日目
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部活動が全面休止になるのは、定期テストの一週間前からだった。そういうわけで、テスト十日前に当たる金曜の放課後、校内はまだ最後の部活に励む生徒たちでにぎわっている。
どの部にも所属していない俺のような生徒は、さっさと家に帰ってテスト勉強に着手するのがかしこい選択だ。頭では理解していたけれど、結局はいつものように帰りのホームルームが終わった足で空き教室に向かい、ラジオのヒットチャートを聴いてだらだらとすごしていた。
窓ぎわでは安西が昼寝スペースに寝転がって同じく何もしていない。チャートで好きな曲がかかるときだけ、ラジオの音楽にハミングが重なり、組んだ脚のつま先に引っかけた汚い上履きがぷらぷらと揺れる。
くっくー、とくぐもった鳴き声が教室のすみから聞こえてきた。
声の主は鳩だ。昨日の体育の時間に、ケガをして地面にうずくまっているところを和田が保護した。
グラウンドのすみの木の下にいた鳩を発見するなり、和田はランニングの足を止め、ジャージの上着でそっと鳩をくるんで「すぐに戻ります」と飼育棟までケージを取りにいってしまった。
体育教師やクラスメイトたちのあっけにとられた顔はそれなりに面白かったけれど、授業のあと呼び出された和田は、次に同じことをやったら体育の成績は問答無用で“1”にすると厳重注意を受けたらしい。
ウサギ用だという中型のケージは、鳩がおびえないように一面を残して周囲を布で覆ってあった。布のあいだから見える鳩は、左の翼の付け根が少し毛羽立っている。和田が言うには、そこに犬か猫のような動物に噛まれた傷があるという話だ。
どの部にも所属していない俺のような生徒は、さっさと家に帰ってテスト勉強に着手するのがかしこい選択だ。頭では理解していたけれど、結局はいつものように帰りのホームルームが終わった足で空き教室に向かい、ラジオのヒットチャートを聴いてだらだらとすごしていた。
窓ぎわでは安西が昼寝スペースに寝転がって同じく何もしていない。チャートで好きな曲がかかるときだけ、ラジオの音楽にハミングが重なり、組んだ脚のつま先に引っかけた汚い上履きがぷらぷらと揺れる。
くっくー、とくぐもった鳴き声が教室のすみから聞こえてきた。
声の主は鳩だ。昨日の体育の時間に、ケガをして地面にうずくまっているところを和田が保護した。
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