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DAY7
30
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しばらくプレイヤーの音楽にふたりで耳をすませていると、ポケットでスマホの通知音が鳴った。
同じ時代に同じ曲を聴いていた、もうひとりの人間からのLINEだった。
「マズい。忘れてた」
「どうしたの?」
「安西からだ」と答えると、事情を知らない水元は目を丸くする。
相手が一時帰国中で、家へくる予定だったことを手短に説明するが、話の途中で扉がノックされて看護師が病室に入ってきた。
検査の結果が出たと告げられ、水元が診察に呼ばれて部屋を出ていく。
病室に取り残された響野は、とりあえずLINEの送り主に水元が脱線事故に巻き込まれたことを知らせた。すると、驚いた安西が今度は電話をかけてきたので、病院内の携帯通話エリアへ移動する羽目になる。
「何事だよ?」
電話に出るや否や、キレ気味の第一声が聞こえてきた。どうにも自分が周囲の人間をことごとく仰天させている気分になる。
「悪かった。話すのが遅れた」
「水元は?」
「検査入院中だけど……元気は元気だよ。もう家を出てるのか?」
「いや、ホテルだけどよ」
仕事でこっちきてんのに実家なんか帰るかよ、と当たり前のように言われる。
同じ時代に同じ曲を聴いていた、もうひとりの人間からのLINEだった。
「マズい。忘れてた」
「どうしたの?」
「安西からだ」と答えると、事情を知らない水元は目を丸くする。
相手が一時帰国中で、家へくる予定だったことを手短に説明するが、話の途中で扉がノックされて看護師が病室に入ってきた。
検査の結果が出たと告げられ、水元が診察に呼ばれて部屋を出ていく。
病室に取り残された響野は、とりあえずLINEの送り主に水元が脱線事故に巻き込まれたことを知らせた。すると、驚いた安西が今度は電話をかけてきたので、病院内の携帯通話エリアへ移動する羽目になる。
「何事だよ?」
電話に出るや否や、キレ気味の第一声が聞こえてきた。どうにも自分が周囲の人間をことごとく仰天させている気分になる。
「悪かった。話すのが遅れた」
「水元は?」
「検査入院中だけど……元気は元気だよ。もう家を出てるのか?」
「いや、ホテルだけどよ」
仕事でこっちきてんのに実家なんか帰るかよ、と当たり前のように言われる。
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