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DAY6
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トラブルの内容を調べていると、「脱線」という単語が耳に飛び込んできた。詳しく知りたくて、運行情報からネットニュースに切り替える。
最新のトピックスで、県内の私鉄の事故が報じられていた。走行中の電車が線路上で停車していたトラックに衝突した、というニュースだ。車両の一部が横倒しになって乗客と運転手に死傷者が出ている。
突然、リビングの液晶テレビが点いて驚いた。
いつのまにか伯母がソファの近くまできて自分の横に立っている。彼女はリモコンを操作して地元の局にチャンネルを合わせた。画面は見えないが、音声を聞いてネットニュースと同じ脱線事故を報道していると悟る。
「水元君は何線を使ってるの?」
「わからないけど、うちに帰ってくるなら……」
この家の最寄り駅に帰ってくるつもりなら、テレビに映っている電車と同じ路線だ。佳子がそれを知らないはずがない。わざわざ聞くのは、彼女自身も同じ不安を感じているからではないのか。
「十七時二十分頃だったみたいだけれど」と伯母は続けた。
その頃合いの電車に乗っていそうか?と聞かれていることはわかった。
だが、答えられない。一本早いか遅い電車に乗っていれば、臨時停車をした車内にいるはずだ。
最新のトピックスで、県内の私鉄の事故が報じられていた。走行中の電車が線路上で停車していたトラックに衝突した、というニュースだ。車両の一部が横倒しになって乗客と運転手に死傷者が出ている。
突然、リビングの液晶テレビが点いて驚いた。
いつのまにか伯母がソファの近くまできて自分の横に立っている。彼女はリモコンを操作して地元の局にチャンネルを合わせた。画面は見えないが、音声を聞いてネットニュースと同じ脱線事故を報道していると悟る。
「水元君は何線を使ってるの?」
「わからないけど、うちに帰ってくるなら……」
この家の最寄り駅に帰ってくるつもりなら、テレビに映っている電車と同じ路線だ。佳子がそれを知らないはずがない。わざわざ聞くのは、彼女自身も同じ不安を感じているからではないのか。
「十七時二十分頃だったみたいだけれど」と伯母は続けた。
その頃合いの電車に乗っていそうか?と聞かれていることはわかった。
だが、答えられない。一本早いか遅い電車に乗っていれば、臨時停車をした車内にいるはずだ。
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