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DAY6
62
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「よお」
通話に出ると、中学の頃とあまり変わっていない飄々とした安西の声が聞こえてくる。
「安西、どうした?」
「週末だし、電話出れんじゃねえかと思ってよ」
「帰ってきてるのか?」
「今、羽田だ。さっき着いた」
広い空間と高い天井にあらゆる物音が詰め込まれているような、空港独特の喧噪と一緒に安西は言った。
「響野はどうしてる?」
「ぼちぼちやってる」
「そっか、俺もだよ。急だけど、明日焼香に行っていいか?」
遅れちまったけど、とつけ加えた安西の声を聞いて、飄々としていると思った相手が、それなりに気を遣っているらしいことに気が付いた。
響野はベッドに腰を下ろしながら「ありがとう」と礼を言う。
「前もって連絡しときゃ良かったんだけどな。別の日でもいいぜ」
「いや、大丈夫だ。けど……」
どのように伝えるべきかを迷って、響野は軽く唇を噛んだ。
「今、水元もいるんだ」
「ん?」
何を言われたのかわからなかったのか、安西が聞き返してくる。
通話に出ると、中学の頃とあまり変わっていない飄々とした安西の声が聞こえてくる。
「安西、どうした?」
「週末だし、電話出れんじゃねえかと思ってよ」
「帰ってきてるのか?」
「今、羽田だ。さっき着いた」
広い空間と高い天井にあらゆる物音が詰め込まれているような、空港独特の喧噪と一緒に安西は言った。
「響野はどうしてる?」
「ぼちぼちやってる」
「そっか、俺もだよ。急だけど、明日焼香に行っていいか?」
遅れちまったけど、とつけ加えた安西の声を聞いて、飄々としていると思った相手が、それなりに気を遣っているらしいことに気が付いた。
響野はベッドに腰を下ろしながら「ありがとう」と礼を言う。
「前もって連絡しときゃ良かったんだけどな。別の日でもいいぜ」
「いや、大丈夫だ。けど……」
どのように伝えるべきかを迷って、響野は軽く唇を噛んだ。
「今、水元もいるんだ」
「ん?」
何を言われたのかわからなかったのか、安西が聞き返してくる。
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