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DAY6
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「伯母さんは、何て言うか……あまり驚かないね」
「何が? あなたたちのこと?」
「まあ、そう」
「驚いたわよ。女性だと思ってたんだから」
女性って水元を?と言いかけて響野ははっとする。そっくり同じやり取りを少し前にも伯母としたことを思い出したからだ。
「……じゃあ、“性差的偏見”って、そういう意味だった?」
「“そういう意味”って?」
怪訝そうに、佳子は質問を返してくる。
「電話で最初に水元君のことを教えてくれたとき、あなた全然、声が違ったでしょう。わかりやすかったわよ」
そんなにわかりやすかったか?と響野は愕然とした。どちらかと言えば、佳子が超能力者だというほうが納得できる気がする。
「良かったわね、きちんと話せて」
先ほどと同じセリフをもう一度、伯母は言った。ぼやけて見えない相手の顔は、なぜだか今は微笑んでいる確信があった。
声を聞けば、人間の感情はだいたいわかる。言葉や表情よりもわかりやすいくらいだ。
「何が? あなたたちのこと?」
「まあ、そう」
「驚いたわよ。女性だと思ってたんだから」
女性って水元を?と言いかけて響野ははっとする。そっくり同じやり取りを少し前にも伯母としたことを思い出したからだ。
「……じゃあ、“性差的偏見”って、そういう意味だった?」
「“そういう意味”って?」
怪訝そうに、佳子は質問を返してくる。
「電話で最初に水元君のことを教えてくれたとき、あなた全然、声が違ったでしょう。わかりやすかったわよ」
そんなにわかりやすかったか?と響野は愕然とした。どちらかと言えば、佳子が超能力者だというほうが納得できる気がする。
「良かったわね、きちんと話せて」
先ほどと同じセリフをもう一度、伯母は言った。ぼやけて見えない相手の顔は、なぜだか今は微笑んでいる確信があった。
声を聞けば、人間の感情はだいたいわかる。言葉や表情よりもわかりやすいくらいだ。
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