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DAY6
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響野は手探りでメインPCの電源を入れた。デスク前の椅子に腰を下ろし、スマホの助けを借りながら、PC側の音声アシスタントとスクリーンリーダーを有効にする。指先にふれるキーボードの感触がやけに懐かしかった。
スクリーンリーダーの操作を覚えるついでに、山ほど溜まっていた未開封のメールを処理していった。
インターネットにも入ってみた。読み上げへの対応は、Webサイトによってまちまちだ。リーダーが引っかかって読み上げられないサイトも少なくない。
目の効かない状態だと、マウスよりもキーボードのほうがカーソル操作は楽だった。読み上げ専用のショートカットキーをいくつか新たに覚えた。カーソルが行方不明になったときは、キー操作でデスクトップ画面に切り替えてしまうのが手っ取り早いことも学んだ。
何度目かのデスクトップ画面に戻ったとき、合成音声がソースコードエディタの名前を読み上げる。
響野は手を止めて、ぼやけた画面を少し見つめた。
エンターキーを押すとエディタが開き、前回書きかけていたソースファイルの読み上げが始まる。PCのインターフェースやWeb上のコンテンツを読むときよりもスクリーンリーダーがスムーズに動いているように感じるのは、テキスト主体だからだろうか。
……今の自分にも、何か書けそうだった。
スクリーンリーダーの操作を覚えるついでに、山ほど溜まっていた未開封のメールを処理していった。
インターネットにも入ってみた。読み上げへの対応は、Webサイトによってまちまちだ。リーダーが引っかかって読み上げられないサイトも少なくない。
目の効かない状態だと、マウスよりもキーボードのほうがカーソル操作は楽だった。読み上げ専用のショートカットキーをいくつか新たに覚えた。カーソルが行方不明になったときは、キー操作でデスクトップ画面に切り替えてしまうのが手っ取り早いことも学んだ。
何度目かのデスクトップ画面に戻ったとき、合成音声がソースコードエディタの名前を読み上げる。
響野は手を止めて、ぼやけた画面を少し見つめた。
エンターキーを押すとエディタが開き、前回書きかけていたソースファイルの読み上げが始まる。PCのインターフェースやWeb上のコンテンツを読むときよりもスクリーンリーダーがスムーズに動いているように感じるのは、テキスト主体だからだろうか。
……今の自分にも、何か書けそうだった。
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