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DAY5
35
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自動車保険の担当者は山崎賢吾と名乗った。
事故を報告してから一時間もたたないうちにスマホに着信があったが、そのときは簡単な挨拶と事故の様子について話した程度で、すぐに通話は終わった。まだ警察の調書がまとまっていない段階で、それ以上は話すべき内容がなかったというのもある。
響野自身も実況見分の直後から急にやることが増えていた。
未希は病院内の集中治療室で息を引き取ったため、すぐに死亡診断書を書いてもらえたが、事故現場で即死の状態だった両親は、警察の検視と医師の検案がすむまでは、遺体の引き取りも葬儀の手配もできなかった。医師から死体検案書を渡されて、ようやく役所に死亡届を出し、火葬許可証を発行してもらうことができた。
遺体を引き取ったあとは、葬儀会社と打ち合わせをするかたわら、両親と妹の関係者に連絡をして回った。警察や検察から連絡がくれば、そのつど対応しなければならなかったし、遺言状の検認のために公証役場へ出向く必要もあった。
文字通り、息をつく暇もなかった。忙しすぎた四日間の記憶は、今もところどころ穴あきのままだ。
事故から五日目の夕方に三人の葬儀をおこなった。山崎の二回目の電話は、その日の午前中にかかってきた。
事故を報告してから一時間もたたないうちにスマホに着信があったが、そのときは簡単な挨拶と事故の様子について話した程度で、すぐに通話は終わった。まだ警察の調書がまとまっていない段階で、それ以上は話すべき内容がなかったというのもある。
響野自身も実況見分の直後から急にやることが増えていた。
未希は病院内の集中治療室で息を引き取ったため、すぐに死亡診断書を書いてもらえたが、事故現場で即死の状態だった両親は、警察の検視と医師の検案がすむまでは、遺体の引き取りも葬儀の手配もできなかった。医師から死体検案書を渡されて、ようやく役所に死亡届を出し、火葬許可証を発行してもらうことができた。
遺体を引き取ったあとは、葬儀会社と打ち合わせをするかたわら、両親と妹の関係者に連絡をして回った。警察や検察から連絡がくれば、そのつど対応しなければならなかったし、遺言状の検認のために公証役場へ出向く必要もあった。
文字通り、息をつく暇もなかった。忙しすぎた四日間の記憶は、今もところどころ穴あきのままだ。
事故から五日目の夕方に三人の葬儀をおこなった。山崎の二回目の電話は、その日の午前中にかかってきた。
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