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DAY1
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てきぱきとした水元の提案を聞きながら、響野はふと、自分がスマートフォンを持ったままだったことに気がついた。ガラス製の筐体を確かめるように一度握ってポケットにしまう。
……何だか、不思議な気分だ。
まるでBluetoothかなんかみたいだなと思う。
今しがた自分の出した信号が、何の障害もなく相手に届いて受け止められたことがわかった。
共通のプロトコルも通信ポートもない人間同士が、いったいどのようなシステムでこの種の交信を成立させているのかは、よくわからない。
わかるのは……おそらく、人と人では、このような交信が起きるケースは、そう多くはないのではないか、ということ。
誰かとつながることが得がたい奇跡のように感じられるのは、きっとそのせいだろう。
〈DAY1 了〉
……何だか、不思議な気分だ。
まるでBluetoothかなんかみたいだなと思う。
今しがた自分の出した信号が、何の障害もなく相手に届いて受け止められたことがわかった。
共通のプロトコルも通信ポートもない人間同士が、いったいどのようなシステムでこの種の交信を成立させているのかは、よくわからない。
わかるのは……おそらく、人と人では、このような交信が起きるケースは、そう多くはないのではないか、ということ。
誰かとつながることが得がたい奇跡のように感じられるのは、きっとそのせいだろう。
〈DAY1 了〉
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