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DAY7
15
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頭からびしょ濡れになっても、頭の芯には眠気と疲労がこびりついていた。顔と髪をまとめて拭きながら、今晩も睡眠薬は必要なさそうだな、と考える。薬を飲んだあとのふらつきの残る感じが苦手だったから、これは良い兆候だろう。
人感センサー以外の明かりを点けずに家の中を進んでいくと、キッチンやダイニングのスモール照明が、響野の歩みにあわせて、ぽっ……ぽっ……と点灯した。
階段のフットライトを同じように点灯させながら二階にたどり着く。自室の扉に手をかけたところで、自分でも理由がわからないまま動きを止めた。ドアハンドルに置いた手を下ろしてホールの奥の暗闇をながめる。
何も見えない空間をそろそろと横切って、家族の部屋がある通路の先へと向かった。
ホールを通りすぎると、響野の動きを感知して壁の間接照明が灯る。壁を這わせていた手に木製のドアがふれた。
通路の一番手前にあるにも関わらず、妹の部屋にはほとんど入ったことがなかった。事故のあと、遺影のための写真を探しに入ったきりだ。
……その前は、いつだったろう。
仲の悪い兄妹ではなかったと思うが、大人になってからは、響野から未希の生活に積極的に関わろうとすることは、ほとんどなかった。
未希のほうは、時折、兄の部屋をたずねてくることがあった。余った文房具がないかと探しにきたり、スマホの操作を聞きにきたり、お金を貸してくれという頼みごとであったりと、いずれも些細なことだ。
人感センサー以外の明かりを点けずに家の中を進んでいくと、キッチンやダイニングのスモール照明が、響野の歩みにあわせて、ぽっ……ぽっ……と点灯した。
階段のフットライトを同じように点灯させながら二階にたどり着く。自室の扉に手をかけたところで、自分でも理由がわからないまま動きを止めた。ドアハンドルに置いた手を下ろしてホールの奥の暗闇をながめる。
何も見えない空間をそろそろと横切って、家族の部屋がある通路の先へと向かった。
ホールを通りすぎると、響野の動きを感知して壁の間接照明が灯る。壁を這わせていた手に木製のドアがふれた。
通路の一番手前にあるにも関わらず、妹の部屋にはほとんど入ったことがなかった。事故のあと、遺影のための写真を探しに入ったきりだ。
……その前は、いつだったろう。
仲の悪い兄妹ではなかったと思うが、大人になってからは、響野から未希の生活に積極的に関わろうとすることは、ほとんどなかった。
未希のほうは、時折、兄の部屋をたずねてくることがあった。余った文房具がないかと探しにきたり、スマホの操作を聞きにきたり、お金を貸してくれという頼みごとであったりと、いずれも些細なことだ。
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