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DAY7
6
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「……頭……」
「脳震盪だって」
包帯を巻いた水元の頭に、指先でそっとふれる。
「痛みは?」
「今はないよ。薬を飲んだから」
「ご家族にはもう連絡してあるの?」
ふいに背後で伯母の声がして、響野はこの場にいるのが自分たちだけではないことを思い出した。水元と、ほとんど抱き合うような格好で話していたのが気まずい。
佳子の問いかけに水元は明らかに狼狽する様子を見せた。
雰囲気を察したのだろう。伯母は深く追求しようとはしなかったが、まだなら一応連絡はしておいたほうがいい、と告げる。
「佳子さんにも、ご迷惑をかけてすみませんでした」
「入院に必要そうな物を持ってきたから置いていくわね」
伯母はベッドの横に袋を置くと、喉が渇いたから飲み物を探してくる、と言って病室を出ていった。あからさまに気を遣われたことを感じて、恥ずかしさと申し訳なさが入り混じった気分になる。
「響野も座れよ。確か……どっかに椅子があった……」
同じように気恥ずかしさを感じたのか、横を向いて水元が言った。椅子を探してベッドを降りようとするので、あわてて制止して場所を聞く。丸いパイプ椅子がベッドの下に見つかった。
「脳震盪だって」
包帯を巻いた水元の頭に、指先でそっとふれる。
「痛みは?」
「今はないよ。薬を飲んだから」
「ご家族にはもう連絡してあるの?」
ふいに背後で伯母の声がして、響野はこの場にいるのが自分たちだけではないことを思い出した。水元と、ほとんど抱き合うような格好で話していたのが気まずい。
佳子の問いかけに水元は明らかに狼狽する様子を見せた。
雰囲気を察したのだろう。伯母は深く追求しようとはしなかったが、まだなら一応連絡はしておいたほうがいい、と告げる。
「佳子さんにも、ご迷惑をかけてすみませんでした」
「入院に必要そうな物を持ってきたから置いていくわね」
伯母はベッドの横に袋を置くと、喉が渇いたから飲み物を探してくる、と言って病室を出ていった。あからさまに気を遣われたことを感じて、恥ずかしさと申し訳なさが入り混じった気分になる。
「響野も座れよ。確か……どっかに椅子があった……」
同じように気恥ずかしさを感じたのか、横を向いて水元が言った。椅子を探してベッドを降りようとするので、あわてて制止して場所を聞く。丸いパイプ椅子がベッドの下に見つかった。
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