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DAY6
13
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「ゆっくり休んで。本当に、そう思ってる。あとは男の意地みたいなものだよ」
「意地?」
「……好きな人のことは守りたいだろ」
「俺の意地はどうなるんだよ」
「響野は普段がいじっぱりだから、今は一回休みとかでいいんじゃないか?」
何が一回休みだ、と抗議しかけたとき、肩に置かれた水元の手に、ぐいと力がこもった。
それほど強い力ではなかったが、なぜか抵抗できずに、あっさりと布団の上に倒される。
見上げると、こちらを押し倒した本人は、自分も驚いたように動きを止めていた。
「ごめん」と呆けた声があやまる。
響野は自分の身体の上にいる水元に手を伸ばした。指先がTシャツの肩にふれ、硬い骨と、じんわりと高い皮膚の熱を伝えてくる。
「時間、まだ平気か?」
「あまりないよ」
そんな答えとは裏腹に、肩の手をうなじに回すと、すぐに茶色い頭が降りてきた。
本気になりすぎないよう、努めて軽いキスを交わす。顔の角度を変えて相手の唇をついばみ、じゃれるように舌先でくすぐり合った。ふざける体裁で始めたキスは、けれども次第に熱意と真剣さを増して呼吸が荒くなっていく。昨夜の快楽を思い出し、全身の細胞が目を覚ました。
「意地?」
「……好きな人のことは守りたいだろ」
「俺の意地はどうなるんだよ」
「響野は普段がいじっぱりだから、今は一回休みとかでいいんじゃないか?」
何が一回休みだ、と抗議しかけたとき、肩に置かれた水元の手に、ぐいと力がこもった。
それほど強い力ではなかったが、なぜか抵抗できずに、あっさりと布団の上に倒される。
見上げると、こちらを押し倒した本人は、自分も驚いたように動きを止めていた。
「ごめん」と呆けた声があやまる。
響野は自分の身体の上にいる水元に手を伸ばした。指先がTシャツの肩にふれ、硬い骨と、じんわりと高い皮膚の熱を伝えてくる。
「時間、まだ平気か?」
「あまりないよ」
そんな答えとは裏腹に、肩の手をうなじに回すと、すぐに茶色い頭が降りてきた。
本気になりすぎないよう、努めて軽いキスを交わす。顔の角度を変えて相手の唇をついばみ、じゃれるように舌先でくすぐり合った。ふざける体裁で始めたキスは、けれども次第に熱意と真剣さを増して呼吸が荒くなっていく。昨夜の快楽を思い出し、全身の細胞が目を覚ました。
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