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DAY5
6
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わかった、と響野はうなずいた。
スプリングを軽くきしませて水元がベッドを立つ。
「俺もここ数日で一生分くらい響野とすごしてる気がする。色んな響野伸也を見たな」
どういう意味だろう?
「告白した件なら忘れてもいいぞ。水元を困らせたかったわけじゃないから」
「どうして? それこそ一生の思い出にするよ」
冗談にしても悪趣味だと腹が立ったが、相手をやり込める言葉が出てこない。
「……ことわったくせに」
響野は壁のほうを向いた。手の中のスマートフォンを再起動しているあいだに、水元は静かにベッドを離れて部屋を出ていった。
* * * * *
好きだ、と告げた瞬間、相手の身体がびくりとふるえたのがわかった。
その反応だけで先を続ける気力が萎みかけた。今度こそ水元に引き剥がされそうな予感がして、響野は相手に回した腕を自分からほどく。
ソファの前に膝をついていた水元は、響野が身体を離すと、近づきも遠ざかりもせずにフローリングの床に腰を下ろした。
スプリングを軽くきしませて水元がベッドを立つ。
「俺もここ数日で一生分くらい響野とすごしてる気がする。色んな響野伸也を見たな」
どういう意味だろう?
「告白した件なら忘れてもいいぞ。水元を困らせたかったわけじゃないから」
「どうして? それこそ一生の思い出にするよ」
冗談にしても悪趣味だと腹が立ったが、相手をやり込める言葉が出てこない。
「……ことわったくせに」
響野は壁のほうを向いた。手の中のスマートフォンを再起動しているあいだに、水元は静かにベッドを離れて部屋を出ていった。
* * * * *
好きだ、と告げた瞬間、相手の身体がびくりとふるえたのがわかった。
その反応だけで先を続ける気力が萎みかけた。今度こそ水元に引き剥がされそうな予感がして、響野は相手に回した腕を自分からほどく。
ソファの前に膝をついていた水元は、響野が身体を離すと、近づきも遠ざかりもせずにフローリングの床に腰を下ろした。
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