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しおりを挟む「わー!!美味しそう~!」
無事(?)入浴タイムを終えた次は、お楽しみの食事タイムである。
和室に次々と運び込まれる、繊細な和食の数々は、見ているだけでも楽しめる。
零は下座に陣取り、女中さんとのみごとなコンビネーションで配膳を進めていた。
「え~・・・では。この一年お疲れ様でしたー!!」
由佳の気分はすっかり宴会部長である。
地酒を杯に注ぐと、皆で乾杯をする。
「くわぁ~!!旨い酒、美味い飯、そしてイイ男達!!さいっっこおおおお!!!」
オヤジ化している由佳の杯に、隣の裕貴は上品に酒を注ぐ。
本来であれば立場が逆の二人である。
「くすくす。由佳さん、本当に美味しそうにお酒飲むよね~」
正面に座る永瀬も、熱燗の瓶を傾けている。
「この地酒も美味しいから、永瀬君も飲んでみ~?」
由佳は自分が飲んでいる冷酒の瓶を、19歳の永瀬に渡す。
未成年の飲酒は法律で禁止されています。
お品書きの最後まで食べ終えると、あとはひたすら飲みまくる。
男性陣は3人とも酒には強いため、由佳に付き合い杯を進める。
由佳もワインで無ければ意識をなくす事も無い。
「そう言えば、こうやって4人で飲むなんて、本当に久しぶりだよね?」
「そうですね。以前こうした集まったのは、代表がまだビッグサービスを子会社として立ち上げる前でしたね」
「そうそう!みんなで頑張ろーって気合い入れたよね」
「零サンも、あの頃に比べたらやっとその"良い子ぶりっこ"が様になってきたよね~」
「・・・・・・」
「永瀬、橘は今誓約書で縛られているんだ。あまり挑発してやるな」
「そんなの、別に今日は気にしなくていいよ~?ほら、零も無礼講、無礼講!!」
「・・・代表、私は大丈夫です」
由佳の斜め前にいる零の杯に、酌をしようとして立ち上がる。
・・・あ、ちょっと酔っ払ってきたかも・・・
足下が若干おぼつかない。
裕貴の肩に捕まりながら零の側に寄ると、よっこらせ、と隣に座る。
普段の癖で何も考えずに胡座をかいて座った由佳は、浴衣の裾がはだけている。
零の視線は、由佳のパンティーへと注がれていた。
その零の変態的な目付きに気が付いた裕貴は、横から由佳の裾を直すように手を伸ばした。
「・・・あっ!」
裕貴の腕に由佳の手が当たり、酌をするために傾けていた瓶口から酒がこぼれる。
溢れ出た酒は零の胸元に飛び散った。
「あちゃー。ごめん、零」
近くにあったお手ふきで、零の襟元にこぼれた酒を拭き取る由佳。
乱雑な布巾の動きで、零の浴衣がはだけて胸板が見えてくる。
・・・すごく、色っぽい・・・
余分な脂肪のない、引き締まった胸筋に、酒の水滴が厭らしく垂れている。
その姿が、何だかとても美味しそうで。
・・・舐め取ってしまいたい・・・
―――由佳の中で、何かが外れた
花の蜜に誘われる蝶のように、由佳は零の胸にしたたる酒に舌を伸ばした。
「・・・!?」
突然の出来事に、零は呼吸をすることも忘れ自分の胸元に顔を寄せる由佳を凝視する。
由佳の舌が、零の肌をねっとりと這う。
零は、自分の股間が張り出してきたのを感じていた。
動けずにいる零をからかうように、由佳は舌先を乳首へと滑らす。
・・・ふふふ、固まってる。仕返しするのも楽しいかも。
基本的に性に対しても奔放な由佳である。
前回はこの3人に責められっぱなしだったが、自分から仕掛ける事も平然とできる。
・・・由佳は完璧にエロモードに突入していた。
一気に怪しい雰囲気になっている二人に、裕貴も永瀬も驚きながらも目を離せずにいた。
由佳に対して触れる事が許されたのは、先日が初めてで。
しかもこちらから頼み込むように説得して、やっと許されたようなものだ。
由佳が性欲発散と称して『男狩り』をしていた時代があるのは知っているが、それが自分達に向けられる事は無いだろうと思っていた。
・・・やはり、先日触れ合った影響なのだろうか?
それとも酒の勢いだろうか?
まさか由佳から誘うような行動に出るなんて。
もちろん大歓迎ではあるのだが、由佳のことだ、こちらがその気になった瞬間に手を打ち払われそうで。
もしかしたらこれは理性を試されているのかもしれない。
他の恋敵も同席の中、誰もが手を出せずにただ眺めていた。
二人の目の前で、恥ずかしげも無く舌を這わせ、色香を漂わせている由佳。
あの零でさえ、何も出来ずにだらしなく鼻血を垂らしている。
由佳は零の乳首をカリ、と甘噛みする。
「・・・ッ!」
声も出せずに悶える零を、由佳は面白そうに上目遣いで見つめる。
周りを見てみれば、裕貴も永瀬も、同じように熱の籠もった目で由佳を見ている。
その様子はまるで、"待て"を必死に守ろうとしているペットのようだ。
そんな姿が、なんとも愛おしく思えてくる。
・・・今日は、無礼講。酒池肉林にふけるのも、また一興。
酒という燃料を投下されている由佳は、エロエロモードに驀進中である。
由佳は先程こぼした酒の徳利に、直接口付けて飲み干すと、男達に向けて目を細めるように笑いかける。
「挿入なし、口にキスなし。・・・その約束が守れるなら、君たちに私に触れる事を許してあげよう」
立て膝に頬杖をついて、男らしくそう言い放つ由佳。
男性的な物言いにも関わらず、淫らにはだけた浴衣と艶やかな瞳が、誘惑的な美しさとなって男達を惑わす。
―――さぁ。美しい獣たちよ。
わたしの下に、傅きなさい。
男達は、街灯に寄せられる蛾のように。
由佳の側へと、集うのであった。
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