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目覚め
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騎士団が集まる施設だけあり、敷地内には訓練場も併設されている。場所にして、騎士団本部の裏側だ。
「お、お待たせしました」
髪を後ろで結び、ここに来た時にアカネから渡された訓練着に着替えたクーが、同じく訓練着を着たアカネに駆け寄った。周囲には他にも、似たような服を着た騎士たちが、各々訓練に励んでいた。
「はい。本日はよろしくお願いいたします」
「お、お願いします」
互いに挨拶を交わすと、アカネは手に持った紙の束をめくった。
「まずはマーニ様の基礎体力を確認致します。これから格種目を順番にこなしていただきます。途中休憩も挟みますが、何かあれば遠慮なく仰ってください」
「わ、わかりました」
返事をしたクーに、アカネは早速最初の種目について説明をする。時間内にどれだけ反復横跳びができるかという、俊敏性を調べるものだった。
それ以降も、クーは順に種目をこなしていった。走り続けて持久力を計り、球を投げて肩の力を調べ、前屈などで柔軟性を把握と、その内容は多岐にわたった。
一通り種目を終えると、時間はもう昼を過ぎていた。クーもへとへとになって、訓練場の端に座り込んでいた。
「よく頑張りました。お疲れさまでした」
アカネがねぎらいながら、クーにタオルと冷たいお茶を渡した。
「あ、ありがとうございます……」
受け取ったタオルで汗を拭き、お茶でのどを潤す。これまでで一番おいしいお茶に感じられた。
「見たところ、基礎は十分のようですね。むしろ平均より高いです」
「そ、そうなんですか……?」
「はい。失礼ながら、マーニ様は少々ひ弱かと思っていたので、予想外です」
アカネの正直な感想に、クーは苦笑いを浮かべる。確かに情けない姿ばかり見せていたので、そう思われても仕方なかった。
「それでは昼食を取ったのち、戦闘術の訓練を致しましょう。それにあたり、予めお伝えすることがあります」
アカネは訓練場の隅に向かうと、そこに置いてあった長い棒を手に取った。
「本日マーニ様にお教えするのは、棒術になります」
「棒術?」
「はい。文字通り、棒を使った戦闘術です」
アカネは手にした棒で突きと払いを披露し、体全体を使った演舞を見せると、最後に先端を地面に置いた。
「棒術は剣術や槍術と違い、刃に当てずとも有効打になりえます。また体術も合わせることで、幅広い戦闘を可能とします」
「は、はぁ……」
理屈としては理解できるが、あれほど華麗な動きを見せられた後では、自分にできるのだろうかという不安の方が先行してしまう。アカネ曰く基礎体力はあるとのことだが、それと技術は別問題だ。
「ともかく、まずは昼食です。寮内の食堂でいただくとしましょう」
アカネは持っていた棒を端に戻し、クーに「行きますよ」と声をかけた。クーも返事をして立ち上がると、彼女の後を追いかけた。
―――
食堂のメニューは豊富で、バイキング形式とっている。騎士団、研究者の双方が入っても窮屈に思えないほどに広く、実際クーが訪れた時も多くの人でにぎわいながらも、席に着くことは容易だった。
「食堂、あったんですね」
クーはトマトグラタンにスプーンを差し込みながら、そんな言葉を口にした。昨日、マイが町中まで繰り出して食事に行ったのだから、てっきり本部内に食堂は無いものかと思っていた。
「町に出たのは、気晴らしもあったのでしょう。何より、マーニ様も一緒でしたからね」
「私?」
「ええ。まあ、私から詳しく語るのは野暮というものでしょう」
微笑みを浮かべながら、アカネは箸を起用に使い、魚の身をほぐしていく。クーもまたグラタンを口に運び、その味を噛み締めた。
食事をしながら、ふとマイを想った。今も彼女は、自分の力や昨日の魔物を調べているのだろうか。そんな彼女を手伝うことなど、自分にはできない。ならば、自分のやるべきことをやるべきだろう。それは決して、強くなる事だけではなかった。
「アカネさん。一つ聞いてもいいですか?」
「はい。一つと言わず、いくらでもお答えいたしますよ」
「あ、ありがとうございます。えっと、その、マイの好きなものについてなんですけど」
「マイの好み、ですか」
「はい。昨日、マイに似合う髪飾りを作るって約束をして、どうせなら好きなもののデザインにしたいんですけど……」
昨日はその好みを探っている最中に、魔物の強襲に遭ってしまった。その後もゴタゴタとしてしまい、結局聞きそびれてしまった。
「それでしたら、蝶がよろしいかと思います」
「蝶、ですか」
「はい。マイは蝶やトンボのように、幼虫から成虫への姿の変化が大きい生物が好きなんです」
「そうなんだ……」
マイの好みを把握すると、クーは食事の手を止めて、思考の海へと潜っていった。
「蝶ならバレッタとか……でもマイはツインテールだったし、ヘアゴムに小さい蝶を付けたりとか……」
髪飾りのデザインを一生懸命考えるクーの様子を、アカネは優しく見守る。そんな二人に近づく、一つの影があった。
「すまない。隣いいかな?」
声をかけられ、クーが現実へと戻ってくる。どうぞ、と伝えようとしたが、その言葉は出てこなかった。代わりに「ひっ」という恐怖の声が漏れてしまった。
「……何をそんなに怯える」
怪訝な顔をしたのはオスカーだった。眉間にしわを寄せ、鋭い目つきをした彼の顔は、以前クーを襲った狼の魔物を彷彿とさせた。
「す、すみません。その、隣、どうぞ……」
クーが怯えながら席を引くと、オスカーは一礼をして席に座る。トレーの上にはサンドイッチとカップ入ったコーヒーが乗せられている。向かい側に座るアカネは、警戒するように彼に視線を向けていた。
「オスカー隊長。どうしてわざわざこちらに?」
「大した理由はない。たまたまこの席が空いているのを見かけただけだ」
「そうですか」
オスカーはカップを一口啜ると、隣のクーに視線を移した。
「オスカー・ブロッサムだ。第七部隊の隊長を務めている」
「く、クートリウィア・マーニです……」
名乗られたので、名乗り返す。ごく自然なやり取りだが、クーはやたら緊張した。
「マーニくんか。昨日、マイくんと一緒にいたが、一体どういった関係かな?」
「え、えっと……わ、私、昨日マイに助けられて、それで、ここで保護してもらってて……」
昨日の研究室で、マイに言われた通りの説明をする。オスカーは「ふむ」と相槌を打ち、カップをトレーの上に戻す。
「彼女は確か遠方へフィールドワークに出ていたが、どうしてこのジーニアスまで連れてきたのだろうか?」
「そ、それは……」
「マイの研究所はまさに研究の為の場所ですから。そこでは落ち着かないだろうと、ここまで連れてきたのですよ」
クーが答える前に、アカネが横やりを入れる。オスカーがアカネに睨むような視線を向けるが、何も言わず、再びクーを見た。
「ところで君の出身はどこだい?」
「し、シエロセルのサンスという町です」
「そうか」
再び黙ると、サンドイッチを一口かじる。その間も横目でクーを見ており、まるで値踏みされているような視線に、クーは居心地が悪さを覚えた。
「オスカー隊長。しつこく女性をにらむのはいささか無作法かと」
「……それは失礼した」
アカネの指摘に、オスカーはクーから視線をはずす。それでも緊張感は相変わらずで、クーは食事が進まなかった。
その後は特に話すこともなく、オスカーはすぐに食事を終え、席を立った。
「それでは失礼」
最後にそう言い残し、オスカーはその場を離れていった。ようやく緊張がほぐれ、クーは思わず息を吐いた。
「マーニ様。ご不快な思いをさせて、申し訳ありません」
「そ、そんな。アカネさんは悪くないです」
「いえ。昨日エンドゥ隊長から、オスカー隊長に気を付けるように言伝を預かっておりました。にもかかわらず接近を許してしまい、私の不徳の致すところです」
心底悔やむようなアカネに、クーは何と言っていいかわからず、
「あ、あの、さっきの人ってどういう人なんですか?」
たった今、頭によぎったことを質問してみる。アカネは少し考えてから答えた。
「……そうですね。愛国心が強く、この国の為ならどんな事でもする方、でしょうか」
「どんな事でも……」
騎士というのは善の印象があるが、その言葉の響きからは善悪を超越したものを思わせる。先程のオスカーの相貌も相まって、クーは末恐ろしいものを感じた。
「私は詳しい話を聞いてはおりませんが、どうやら昨日からマーニ様を警戒しているようです」
アカネの言葉に、クーはスプーンを持つ右手に視線を落とす。昨日マイからもらったグローブはまだ身に着けており、中指には指輪もはまっていた。そしてその向こうにあるのは、勇者の証である月の紋章。昨日この紋章のある右手が光り、魔物から放たれた光を吸収した。警戒とは、間違いなくその件の事だろう。
あれから今に至るまで、体の調子は相変わらずだ。体力測定をしている時も、調子の良し悪しは感じなかった。
そこでクーは、考えるのを止めた。その件はマイにすべて任せよう。当然、何か手伝いを求められれば応じるが、今の自分の目的は少しでも強くなることだ。
マイが少しでも傷付かない為にも、この後も頑張ろう。再度をきあいを入れて、クーは残りのグラタンに手をつけた。
「お、お待たせしました」
髪を後ろで結び、ここに来た時にアカネから渡された訓練着に着替えたクーが、同じく訓練着を着たアカネに駆け寄った。周囲には他にも、似たような服を着た騎士たちが、各々訓練に励んでいた。
「はい。本日はよろしくお願いいたします」
「お、お願いします」
互いに挨拶を交わすと、アカネは手に持った紙の束をめくった。
「まずはマーニ様の基礎体力を確認致します。これから格種目を順番にこなしていただきます。途中休憩も挟みますが、何かあれば遠慮なく仰ってください」
「わ、わかりました」
返事をしたクーに、アカネは早速最初の種目について説明をする。時間内にどれだけ反復横跳びができるかという、俊敏性を調べるものだった。
それ以降も、クーは順に種目をこなしていった。走り続けて持久力を計り、球を投げて肩の力を調べ、前屈などで柔軟性を把握と、その内容は多岐にわたった。
一通り種目を終えると、時間はもう昼を過ぎていた。クーもへとへとになって、訓練場の端に座り込んでいた。
「よく頑張りました。お疲れさまでした」
アカネがねぎらいながら、クーにタオルと冷たいお茶を渡した。
「あ、ありがとうございます……」
受け取ったタオルで汗を拭き、お茶でのどを潤す。これまでで一番おいしいお茶に感じられた。
「見たところ、基礎は十分のようですね。むしろ平均より高いです」
「そ、そうなんですか……?」
「はい。失礼ながら、マーニ様は少々ひ弱かと思っていたので、予想外です」
アカネの正直な感想に、クーは苦笑いを浮かべる。確かに情けない姿ばかり見せていたので、そう思われても仕方なかった。
「それでは昼食を取ったのち、戦闘術の訓練を致しましょう。それにあたり、予めお伝えすることがあります」
アカネは訓練場の隅に向かうと、そこに置いてあった長い棒を手に取った。
「本日マーニ様にお教えするのは、棒術になります」
「棒術?」
「はい。文字通り、棒を使った戦闘術です」
アカネは手にした棒で突きと払いを披露し、体全体を使った演舞を見せると、最後に先端を地面に置いた。
「棒術は剣術や槍術と違い、刃に当てずとも有効打になりえます。また体術も合わせることで、幅広い戦闘を可能とします」
「は、はぁ……」
理屈としては理解できるが、あれほど華麗な動きを見せられた後では、自分にできるのだろうかという不安の方が先行してしまう。アカネ曰く基礎体力はあるとのことだが、それと技術は別問題だ。
「ともかく、まずは昼食です。寮内の食堂でいただくとしましょう」
アカネは持っていた棒を端に戻し、クーに「行きますよ」と声をかけた。クーも返事をして立ち上がると、彼女の後を追いかけた。
―――
食堂のメニューは豊富で、バイキング形式とっている。騎士団、研究者の双方が入っても窮屈に思えないほどに広く、実際クーが訪れた時も多くの人でにぎわいながらも、席に着くことは容易だった。
「食堂、あったんですね」
クーはトマトグラタンにスプーンを差し込みながら、そんな言葉を口にした。昨日、マイが町中まで繰り出して食事に行ったのだから、てっきり本部内に食堂は無いものかと思っていた。
「町に出たのは、気晴らしもあったのでしょう。何より、マーニ様も一緒でしたからね」
「私?」
「ええ。まあ、私から詳しく語るのは野暮というものでしょう」
微笑みを浮かべながら、アカネは箸を起用に使い、魚の身をほぐしていく。クーもまたグラタンを口に運び、その味を噛み締めた。
食事をしながら、ふとマイを想った。今も彼女は、自分の力や昨日の魔物を調べているのだろうか。そんな彼女を手伝うことなど、自分にはできない。ならば、自分のやるべきことをやるべきだろう。それは決して、強くなる事だけではなかった。
「アカネさん。一つ聞いてもいいですか?」
「はい。一つと言わず、いくらでもお答えいたしますよ」
「あ、ありがとうございます。えっと、その、マイの好きなものについてなんですけど」
「マイの好み、ですか」
「はい。昨日、マイに似合う髪飾りを作るって約束をして、どうせなら好きなもののデザインにしたいんですけど……」
昨日はその好みを探っている最中に、魔物の強襲に遭ってしまった。その後もゴタゴタとしてしまい、結局聞きそびれてしまった。
「それでしたら、蝶がよろしいかと思います」
「蝶、ですか」
「はい。マイは蝶やトンボのように、幼虫から成虫への姿の変化が大きい生物が好きなんです」
「そうなんだ……」
マイの好みを把握すると、クーは食事の手を止めて、思考の海へと潜っていった。
「蝶ならバレッタとか……でもマイはツインテールだったし、ヘアゴムに小さい蝶を付けたりとか……」
髪飾りのデザインを一生懸命考えるクーの様子を、アカネは優しく見守る。そんな二人に近づく、一つの影があった。
「すまない。隣いいかな?」
声をかけられ、クーが現実へと戻ってくる。どうぞ、と伝えようとしたが、その言葉は出てこなかった。代わりに「ひっ」という恐怖の声が漏れてしまった。
「……何をそんなに怯える」
怪訝な顔をしたのはオスカーだった。眉間にしわを寄せ、鋭い目つきをした彼の顔は、以前クーを襲った狼の魔物を彷彿とさせた。
「す、すみません。その、隣、どうぞ……」
クーが怯えながら席を引くと、オスカーは一礼をして席に座る。トレーの上にはサンドイッチとカップ入ったコーヒーが乗せられている。向かい側に座るアカネは、警戒するように彼に視線を向けていた。
「オスカー隊長。どうしてわざわざこちらに?」
「大した理由はない。たまたまこの席が空いているのを見かけただけだ」
「そうですか」
オスカーはカップを一口啜ると、隣のクーに視線を移した。
「オスカー・ブロッサムだ。第七部隊の隊長を務めている」
「く、クートリウィア・マーニです……」
名乗られたので、名乗り返す。ごく自然なやり取りだが、クーはやたら緊張した。
「マーニくんか。昨日、マイくんと一緒にいたが、一体どういった関係かな?」
「え、えっと……わ、私、昨日マイに助けられて、それで、ここで保護してもらってて……」
昨日の研究室で、マイに言われた通りの説明をする。オスカーは「ふむ」と相槌を打ち、カップをトレーの上に戻す。
「彼女は確か遠方へフィールドワークに出ていたが、どうしてこのジーニアスまで連れてきたのだろうか?」
「そ、それは……」
「マイの研究所はまさに研究の為の場所ですから。そこでは落ち着かないだろうと、ここまで連れてきたのですよ」
クーが答える前に、アカネが横やりを入れる。オスカーがアカネに睨むような視線を向けるが、何も言わず、再びクーを見た。
「ところで君の出身はどこだい?」
「し、シエロセルのサンスという町です」
「そうか」
再び黙ると、サンドイッチを一口かじる。その間も横目でクーを見ており、まるで値踏みされているような視線に、クーは居心地が悪さを覚えた。
「オスカー隊長。しつこく女性をにらむのはいささか無作法かと」
「……それは失礼した」
アカネの指摘に、オスカーはクーから視線をはずす。それでも緊張感は相変わらずで、クーは食事が進まなかった。
その後は特に話すこともなく、オスカーはすぐに食事を終え、席を立った。
「それでは失礼」
最後にそう言い残し、オスカーはその場を離れていった。ようやく緊張がほぐれ、クーは思わず息を吐いた。
「マーニ様。ご不快な思いをさせて、申し訳ありません」
「そ、そんな。アカネさんは悪くないです」
「いえ。昨日エンドゥ隊長から、オスカー隊長に気を付けるように言伝を預かっておりました。にもかかわらず接近を許してしまい、私の不徳の致すところです」
心底悔やむようなアカネに、クーは何と言っていいかわからず、
「あ、あの、さっきの人ってどういう人なんですか?」
たった今、頭によぎったことを質問してみる。アカネは少し考えてから答えた。
「……そうですね。愛国心が強く、この国の為ならどんな事でもする方、でしょうか」
「どんな事でも……」
騎士というのは善の印象があるが、その言葉の響きからは善悪を超越したものを思わせる。先程のオスカーの相貌も相まって、クーは末恐ろしいものを感じた。
「私は詳しい話を聞いてはおりませんが、どうやら昨日からマーニ様を警戒しているようです」
アカネの言葉に、クーはスプーンを持つ右手に視線を落とす。昨日マイからもらったグローブはまだ身に着けており、中指には指輪もはまっていた。そしてその向こうにあるのは、勇者の証である月の紋章。昨日この紋章のある右手が光り、魔物から放たれた光を吸収した。警戒とは、間違いなくその件の事だろう。
あれから今に至るまで、体の調子は相変わらずだ。体力測定をしている時も、調子の良し悪しは感じなかった。
そこでクーは、考えるのを止めた。その件はマイにすべて任せよう。当然、何か手伝いを求められれば応じるが、今の自分の目的は少しでも強くなることだ。
マイが少しでも傷付かない為にも、この後も頑張ろう。再度をきあいを入れて、クーは残りのグラタンに手をつけた。
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