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第六章 王都
第168話
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「ダメなものはダメじゃ!ぬしにはまだ早い!」
「うぅ…そこをなんとか…」
「何度も言わすでない!えぇい!ユーマ様も情けは不用じゃよ?」
えー…ここお風呂では現在、僕は全裸の幼女にしがみつかれ、その幼女をシアが引き剥がさんとしています。
※事案です。
…違います。いや、ほんとだからね?
食事の後、いつも通りのお風呂タイムに事は起こりました。
湯船でくつろいでいると、少し遅れてやってきたシアの両腕に4、5歳位の見た目の女の子が抱えられています。
彼女はその子を抱えたまま湯船に浸かりました。
その姿は、まるで仲の良い母娘の様でほっこりしちゃうほどです。
「で、シア。どこで攫ってきたの?怒らないから言ってごらん?」
「ふあっ!?ほっこりしておった顔からの衝撃発言じゃっ!くふぁ…キタコレ…
って、違うのじゃ!攫ってなどおらぬわっ!
此奴は先程の泉の主じゃよ!
此奴に風呂の話をしたらの、入ってみたいと申すもんじゃから…」
「やっぱりそうなんだ?そんな気はしたんだけどね」
まぁ、誰でも思いつくでしょ。
「あ、あえての弄り…愛を感じるのじゃ…」
「で、なんで人化してるのさ?さっきの姿でもあのサイズなら入れるんじゃないの?」
「あ、それはの、竜身で入るよりも人化した方が気持ち良いからじゃよ?
せっかく初めての風呂じゃからして、此奴にも味あわせてやらねば」
へぇ、いいとこあるじゃん。なんだかんだ言っても眷属には優しいんだね。
まぁ実際のところ、お湯に浸かってくつろぎウーパールーパーとかあんまり見たくないから、結果的には良かった気もするけど。
「そっか。それでウーパーちゃん。どう?気持ち良いかな?」
「うむ、ルーテシア様の仰る通りであるのじゃ。これは良い。蕩けるようじゃ…」
「ほれ、ユーマ様。済まぬが此奴を抱えてやってもらえんかの?
我もお風呂を堪能したいのじゃよ」
シアはそう言いながらウーパーちゃんを渡してきました。
「え?え?いや、この子水の精霊竜でしょ?1人でも溺れるとかないんじゃ…」
「ぬふふ…我が見たいのじゃ。幼子を抱き抱えたユーマ様をの。
ほれ、まさに父娘のようじゃ。眼福眼福」
ぐぬっ…
「ユーマ殿、嫌じゃったかの?吾を抱えるのは…」
いや、それは嫌じゃないんだけどさ…なんていうか、その、犯罪臭がねぇ…
「事案ね」
「違うからっ!
あ、そういえば、ずっとウーパーちゃんって呼んでるけど、まだ名前聞いてなかったね。
なんて呼んだらいい?」
「ふぁっ!?ユーマ様!いかんのじゃ!」
え?いきなりどうしたの?
「此奴はまだ幼いゆえ、名前はないのじゃ。
じゃが、真名を教えるわけにはいかん!それはまだ早い!」
「そうなの?よくわかんないけど、本人が良ければいいんじゃないの?」
真名って、なんか特別な名前なんだっけか確か。
シアもルーテシアは真名じゃないのか。
「ユーマ殿、吾は構わぬのじゃ。吾の名はテ…」
「いかーん!許さぬ!まだ早いと言っておろう?さぁ、ユーマ様から離れるのじゃ」
「しかし、せっかくユーマ殿がこのように…」
って具合で冒頭にもどるわけです。
ほら、事案じゃないでしょ?アイム ノット ギルティ。
「ほれユーマ様、そやつの妄言に振り回されてはいかんのじゃ。
まだほんの幼生に過ぎぬゆえ、正常な判断が出来ておらぬだけじゃからのっ!」
「うーん…まぁ、シアがそこまで言うなら聞かないけどさ。けど、ウーパーちゃんって呼び続けるのもなんか申し訳なくて」
「そって!それならっ!せめて吾に名前を付けてたもれ!」
…え?大丈夫なの?
って言うか、シアに僕から引き剥がされたウーパーちゃんが、必死に手を伸ばしながら叫ぶ姿があまりにも切なさを伝えてきます。
「まだ言うか?ダメだと言うておろうに」
「真名じゃなくてもダメなの?もうなんか可哀想になってきたんだけど…」
「名付けなどしては、此奴をユーマ様の従魔にするのと同義じゃ。
我がおるんじゃし、此奴など不要なのじゃ」
え、そうなの?今まで従魔契約してから名前付けてたんだけど、逆もありなの?
あと、確かに不要っちゃ不要かな。シアの眷属なら多分シアの方が優秀だろうし、子供枠には風羽花がいるしなぁ…
「名前を付けてもらう事を望んで、付けられた名前を受け入れるって事は、隷属の契約の様なものよ?
ほら、名付け親とか言うじゃない。肉親の繋がりと変わらないわ。
まして、それをアンタがしたらまず間違いなく従魔契約になるわね。アンタの意思に関係なく」
「意思関係ないんだ…?」
「アンタの場合は、ね。だって正直言って制御出来てるようで、しきれてないじゃない。恐らく無意識でやらかすわよ?」
…ぐぬっ
ネルにそう言われても、否定できない自分が情け無いです。
「そういう事じゃよ。しかも此奴、そうなる可能性を考えて言うておったようじゃしの?のう?」
シアにそう言われて、目を合わせないウーパーちゃん。どうやら図星だった模様です。
でもなんで?そんな慕われるような覚えもないんだけどなぁ…
「うぅ…そこをなんとか…」
「何度も言わすでない!えぇい!ユーマ様も情けは不用じゃよ?」
えー…ここお風呂では現在、僕は全裸の幼女にしがみつかれ、その幼女をシアが引き剥がさんとしています。
※事案です。
…違います。いや、ほんとだからね?
食事の後、いつも通りのお風呂タイムに事は起こりました。
湯船でくつろいでいると、少し遅れてやってきたシアの両腕に4、5歳位の見た目の女の子が抱えられています。
彼女はその子を抱えたまま湯船に浸かりました。
その姿は、まるで仲の良い母娘の様でほっこりしちゃうほどです。
「で、シア。どこで攫ってきたの?怒らないから言ってごらん?」
「ふあっ!?ほっこりしておった顔からの衝撃発言じゃっ!くふぁ…キタコレ…
って、違うのじゃ!攫ってなどおらぬわっ!
此奴は先程の泉の主じゃよ!
此奴に風呂の話をしたらの、入ってみたいと申すもんじゃから…」
「やっぱりそうなんだ?そんな気はしたんだけどね」
まぁ、誰でも思いつくでしょ。
「あ、あえての弄り…愛を感じるのじゃ…」
「で、なんで人化してるのさ?さっきの姿でもあのサイズなら入れるんじゃないの?」
「あ、それはの、竜身で入るよりも人化した方が気持ち良いからじゃよ?
せっかく初めての風呂じゃからして、此奴にも味あわせてやらねば」
へぇ、いいとこあるじゃん。なんだかんだ言っても眷属には優しいんだね。
まぁ実際のところ、お湯に浸かってくつろぎウーパールーパーとかあんまり見たくないから、結果的には良かった気もするけど。
「そっか。それでウーパーちゃん。どう?気持ち良いかな?」
「うむ、ルーテシア様の仰る通りであるのじゃ。これは良い。蕩けるようじゃ…」
「ほれ、ユーマ様。済まぬが此奴を抱えてやってもらえんかの?
我もお風呂を堪能したいのじゃよ」
シアはそう言いながらウーパーちゃんを渡してきました。
「え?え?いや、この子水の精霊竜でしょ?1人でも溺れるとかないんじゃ…」
「ぬふふ…我が見たいのじゃ。幼子を抱き抱えたユーマ様をの。
ほれ、まさに父娘のようじゃ。眼福眼福」
ぐぬっ…
「ユーマ殿、嫌じゃったかの?吾を抱えるのは…」
いや、それは嫌じゃないんだけどさ…なんていうか、その、犯罪臭がねぇ…
「事案ね」
「違うからっ!
あ、そういえば、ずっとウーパーちゃんって呼んでるけど、まだ名前聞いてなかったね。
なんて呼んだらいい?」
「ふぁっ!?ユーマ様!いかんのじゃ!」
え?いきなりどうしたの?
「此奴はまだ幼いゆえ、名前はないのじゃ。
じゃが、真名を教えるわけにはいかん!それはまだ早い!」
「そうなの?よくわかんないけど、本人が良ければいいんじゃないの?」
真名って、なんか特別な名前なんだっけか確か。
シアもルーテシアは真名じゃないのか。
「ユーマ殿、吾は構わぬのじゃ。吾の名はテ…」
「いかーん!許さぬ!まだ早いと言っておろう?さぁ、ユーマ様から離れるのじゃ」
「しかし、せっかくユーマ殿がこのように…」
って具合で冒頭にもどるわけです。
ほら、事案じゃないでしょ?アイム ノット ギルティ。
「ほれユーマ様、そやつの妄言に振り回されてはいかんのじゃ。
まだほんの幼生に過ぎぬゆえ、正常な判断が出来ておらぬだけじゃからのっ!」
「うーん…まぁ、シアがそこまで言うなら聞かないけどさ。けど、ウーパーちゃんって呼び続けるのもなんか申し訳なくて」
「そって!それならっ!せめて吾に名前を付けてたもれ!」
…え?大丈夫なの?
って言うか、シアに僕から引き剥がされたウーパーちゃんが、必死に手を伸ばしながら叫ぶ姿があまりにも切なさを伝えてきます。
「まだ言うか?ダメだと言うておろうに」
「真名じゃなくてもダメなの?もうなんか可哀想になってきたんだけど…」
「名付けなどしては、此奴をユーマ様の従魔にするのと同義じゃ。
我がおるんじゃし、此奴など不要なのじゃ」
え、そうなの?今まで従魔契約してから名前付けてたんだけど、逆もありなの?
あと、確かに不要っちゃ不要かな。シアの眷属なら多分シアの方が優秀だろうし、子供枠には風羽花がいるしなぁ…
「名前を付けてもらう事を望んで、付けられた名前を受け入れるって事は、隷属の契約の様なものよ?
ほら、名付け親とか言うじゃない。肉親の繋がりと変わらないわ。
まして、それをアンタがしたらまず間違いなく従魔契約になるわね。アンタの意思に関係なく」
「意思関係ないんだ…?」
「アンタの場合は、ね。だって正直言って制御出来てるようで、しきれてないじゃない。恐らく無意識でやらかすわよ?」
…ぐぬっ
ネルにそう言われても、否定できない自分が情け無いです。
「そういう事じゃよ。しかも此奴、そうなる可能性を考えて言うておったようじゃしの?のう?」
シアにそう言われて、目を合わせないウーパーちゃん。どうやら図星だった模様です。
でもなんで?そんな慕われるような覚えもないんだけどなぁ…
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