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第六章 王都
第161話
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小屋の増築と寝具関連が一段落したので、少し休憩してます。
日の位置は少し傾き始めているものの、まだまだ日没までは充分時間がありそうです。
そういえば、まだ解体台を収納してないや。
ついでに暴君山羊の解体もしとこうかな?
「ユーマさん、空とか眺めてどうしたんですか?ワタシで良かったらお話相手するよ?」
「あ、ナディア。そういえばあんまり話出来てないなぁ…少しは楽になってきた?」
「え?うん!もう落ち込んだりしないよ!ワタシはワタシだもんね。
ユーマさんに拾って貰えて良かったなって、いつも思ってる」
そう語るナディアの目は、前よりずっと力強くて、初めて会った時の雰囲気とはまた違う光が宿ってる感じがします。
「それに他のみんなとも仲良くなれたから。もう国に戻ってもビクビクしたりしないと思う」
「そりゃ良かった。もちろん絶対見捨てたりしないからね!何かあればいつでも遠慮なく頼ってよ。
あ、そうだ。今から暴君山羊の解体しようと思ってたんだ。ナディアも手伝ってくれるかな?」
「もちろんだよ!あ、でもマイラさんにも来て欲しいかも」
それは同感。呼んでこようかな。
「とりあえず暴君山羊を出しておくから、皮剥がし始めてよ。助っ人呼んでくるからさ」
解体台に暴君山羊を置き、ウッドデッキに向かいましょう。
「…それでね、私は言ったのよ。アンタの世界はバランスが悪過ぎるからって。でもソイツったらガン無視よ?
で、結局1サイクルも維持出来なかったわけ。ウケるでしょ?」
「ネル様はやはり優秀なのじゃなぁ」
「あったり前じゃない!なにせ私よ?」
…おーい、なんて話をしてんだい?神様の昔話とか大丈夫なもんなの?
「あら?ユーマ?またお風呂入るの?何か用事?」
「うん、そこで伸びてるマイラさんを呼びに来たんだけどさ。あれからずっと入ってたの?」
「まぁね。もちろん湯当たりしない程度に出入りしてたんだけどさ、マイラだけ逆上せちゃったみたい」
もしかしたら、途中で水分補給してないんじゃないの?軽い脱水症状かも…
マイラさんの様子を見ると、顔を赤くしながら浅い呼吸を繰り返してる。
専門家じゃないから合ってるかわかんないけど、熱中症になりかけた現場作業員もこんな感じだったような…
「マイラさん、大丈夫?」
「んっ…うふぅ…」
辛うじて反応はあるけど、ちょっと自力で動くのは無理そうだなぁ…
収納からコップを取り出し、魔力で生成した水を注ぐと、マイラさんの口元にあてがいます。
「うっ…うぐっ…」
一旦口内に入りかけた水が、唇から溢れ流れ出てしまいました。
よし、こうなったら…
「うむっ…んんっ…ちゅぱっ」
「あっ!ユーマ!何いきなしキスしてんのよっ!」
キスしたって…口移ししただけだからね。
少量でも流し込めたせいか、少しだけ様子がマシになったようだけど、まだ足り無さそうだね。
もう一度…足りないか。
じゃあ、もう一度…って、おい。マイラさんや?
「こらー!マイラ!何を人前で堂々と!?」
3度目の口移しを始めたところで、マイラさんの細い腕が僕の頭を抱え、そのままキス状態に…
「でぇーい!離れろー!このやろ!このやろっ!」
ちっちゃなネルが、げしげしとマイラさんを足蹴にするなか、たっぷり1分近くマイラさんの唇に吸い付かれ続け…
「ぷはぁっ……んふっ」
腕が解かれ解放された僕を、艶めいた目で見るマイラさんと視線が絡みます。
「うふっ…ありがとう、ユーマ君」
「あっ、いえ、だ、大丈夫ですか?」
「ふふっ。大丈夫じゃないねぇ…もっと欲しいよ」
何言ってんすか。もちろん嫌じゃないけどさ。ただ、今は先に解体して欲しいんですが…
というわけで、マイラさんに回復魔法をかけます。
「ふぅ…楽になったよ。ありがとう、ユーマ君」
「いえ、遠慮なく。それで解体を手伝ってもらってもいいですか?なんか病人を酷使するみたいですけど」
「もちろんさ、病人じゃないし。
まぁ、もう少しユーマ君に優しく介抱されていたかったけどねぇ」
マイラさんが、チラリと上目遣いをしながらそんな事を言ってきます。
やだ、かわいいじゃないですか。
「マーイーラー?アンタあざといわよっ!元気になったなら、さっさといけー!」
「おおっと、ネル様に怒られてしまったねぇ。ふふふっ、行こうかユーマ君」
「ぐぬぬぬっ…ユーマも早く行きなさいよっ!夕食にあの山羊が出なかったら許さないんだからねっ」
とりあえずネルも見逃してくれるらしいので、着替えたマイラさんと解体場に向かいましょう。
「あ、ユーマさん!おかえりなさい!」
作業を続けてくれていたナディアが、暴君山羊の巨体の陰から顔を覗かせました。
凄いな!この短時間で半分くらいは毛皮を剥がしてます。
「ナディアは手際がいいねぇ。これならアタシも捗るよ」
「まだマイラさんにはとても及ばないですよ?もっと上手くなって、ユーマさんの役に立ちたいですから」
健気だ…ナディアを仲間に出来て良かったです。
「よし!じゃあみんなで、出来るとこまでおわらせよっか」
「了解だよ。ナディアのおかげで、粗方終わらせる目処が立ちそうだねぇ!」
山羊の解体に没頭する事数時間。日が遠くに見える山際にかかり始めたところで、作業は終わりにしましょう。
2人の頑張りで、後は骨周りの肉や筋を残すだけまで解体できました。明日、残りもやってしまおうかな。
「2人ともありがとう!今日はここまでにしよっか。明日続きしたいから、またお願いね。
そしたら、夕食の準備する前にお風呂入ってさっぱりしよう」
頷く2人をお風呂に向かわせると、解体場ごと暴君山羊を収納して、僕もお風呂入るとしましょう!
日の位置は少し傾き始めているものの、まだまだ日没までは充分時間がありそうです。
そういえば、まだ解体台を収納してないや。
ついでに暴君山羊の解体もしとこうかな?
「ユーマさん、空とか眺めてどうしたんですか?ワタシで良かったらお話相手するよ?」
「あ、ナディア。そういえばあんまり話出来てないなぁ…少しは楽になってきた?」
「え?うん!もう落ち込んだりしないよ!ワタシはワタシだもんね。
ユーマさんに拾って貰えて良かったなって、いつも思ってる」
そう語るナディアの目は、前よりずっと力強くて、初めて会った時の雰囲気とはまた違う光が宿ってる感じがします。
「それに他のみんなとも仲良くなれたから。もう国に戻ってもビクビクしたりしないと思う」
「そりゃ良かった。もちろん絶対見捨てたりしないからね!何かあればいつでも遠慮なく頼ってよ。
あ、そうだ。今から暴君山羊の解体しようと思ってたんだ。ナディアも手伝ってくれるかな?」
「もちろんだよ!あ、でもマイラさんにも来て欲しいかも」
それは同感。呼んでこようかな。
「とりあえず暴君山羊を出しておくから、皮剥がし始めてよ。助っ人呼んでくるからさ」
解体台に暴君山羊を置き、ウッドデッキに向かいましょう。
「…それでね、私は言ったのよ。アンタの世界はバランスが悪過ぎるからって。でもソイツったらガン無視よ?
で、結局1サイクルも維持出来なかったわけ。ウケるでしょ?」
「ネル様はやはり優秀なのじゃなぁ」
「あったり前じゃない!なにせ私よ?」
…おーい、なんて話をしてんだい?神様の昔話とか大丈夫なもんなの?
「あら?ユーマ?またお風呂入るの?何か用事?」
「うん、そこで伸びてるマイラさんを呼びに来たんだけどさ。あれからずっと入ってたの?」
「まぁね。もちろん湯当たりしない程度に出入りしてたんだけどさ、マイラだけ逆上せちゃったみたい」
もしかしたら、途中で水分補給してないんじゃないの?軽い脱水症状かも…
マイラさんの様子を見ると、顔を赤くしながら浅い呼吸を繰り返してる。
専門家じゃないから合ってるかわかんないけど、熱中症になりかけた現場作業員もこんな感じだったような…
「マイラさん、大丈夫?」
「んっ…うふぅ…」
辛うじて反応はあるけど、ちょっと自力で動くのは無理そうだなぁ…
収納からコップを取り出し、魔力で生成した水を注ぐと、マイラさんの口元にあてがいます。
「うっ…うぐっ…」
一旦口内に入りかけた水が、唇から溢れ流れ出てしまいました。
よし、こうなったら…
「うむっ…んんっ…ちゅぱっ」
「あっ!ユーマ!何いきなしキスしてんのよっ!」
キスしたって…口移ししただけだからね。
少量でも流し込めたせいか、少しだけ様子がマシになったようだけど、まだ足り無さそうだね。
もう一度…足りないか。
じゃあ、もう一度…って、おい。マイラさんや?
「こらー!マイラ!何を人前で堂々と!?」
3度目の口移しを始めたところで、マイラさんの細い腕が僕の頭を抱え、そのままキス状態に…
「でぇーい!離れろー!このやろ!このやろっ!」
ちっちゃなネルが、げしげしとマイラさんを足蹴にするなか、たっぷり1分近くマイラさんの唇に吸い付かれ続け…
「ぷはぁっ……んふっ」
腕が解かれ解放された僕を、艶めいた目で見るマイラさんと視線が絡みます。
「うふっ…ありがとう、ユーマ君」
「あっ、いえ、だ、大丈夫ですか?」
「ふふっ。大丈夫じゃないねぇ…もっと欲しいよ」
何言ってんすか。もちろん嫌じゃないけどさ。ただ、今は先に解体して欲しいんですが…
というわけで、マイラさんに回復魔法をかけます。
「ふぅ…楽になったよ。ありがとう、ユーマ君」
「いえ、遠慮なく。それで解体を手伝ってもらってもいいですか?なんか病人を酷使するみたいですけど」
「もちろんさ、病人じゃないし。
まぁ、もう少しユーマ君に優しく介抱されていたかったけどねぇ」
マイラさんが、チラリと上目遣いをしながらそんな事を言ってきます。
やだ、かわいいじゃないですか。
「マーイーラー?アンタあざといわよっ!元気になったなら、さっさといけー!」
「おおっと、ネル様に怒られてしまったねぇ。ふふふっ、行こうかユーマ君」
「ぐぬぬぬっ…ユーマも早く行きなさいよっ!夕食にあの山羊が出なかったら許さないんだからねっ」
とりあえずネルも見逃してくれるらしいので、着替えたマイラさんと解体場に向かいましょう。
「あ、ユーマさん!おかえりなさい!」
作業を続けてくれていたナディアが、暴君山羊の巨体の陰から顔を覗かせました。
凄いな!この短時間で半分くらいは毛皮を剥がしてます。
「ナディアは手際がいいねぇ。これならアタシも捗るよ」
「まだマイラさんにはとても及ばないですよ?もっと上手くなって、ユーマさんの役に立ちたいですから」
健気だ…ナディアを仲間に出来て良かったです。
「よし!じゃあみんなで、出来るとこまでおわらせよっか」
「了解だよ。ナディアのおかげで、粗方終わらせる目処が立ちそうだねぇ!」
山羊の解体に没頭する事数時間。日が遠くに見える山際にかかり始めたところで、作業は終わりにしましょう。
2人の頑張りで、後は骨周りの肉や筋を残すだけまで解体できました。明日、残りもやってしまおうかな。
「2人ともありがとう!今日はここまでにしよっか。明日続きしたいから、またお願いね。
そしたら、夕食の準備する前にお風呂入ってさっぱりしよう」
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