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第五章 フランカ市
第152話
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「それで、ユーマ君はそりゃもう人と思えない様な魔力があるだろ?その魔力さえあれば、ある程度の深さまで探れるだろうからねぇ」
…人と思えないは余計です。
「でも、さっき無理だったって言いましたよね?」
「アタシも魔力が強過ぎるんだって言ったろ?もっと調整してみるといい。
量と深さの関係性は、掘らないとわからないだろうけど、少なくとも無駄撃ちはなくなるはずだねぇ。
それにだ、ユーマ君は探す対象を選んでなかったんじゃないかい?それだと対象が多くて結局やらないのと同じさ。
まずは、探したい金属の反応だけ感じる様にしたらどうだい?」
「うーん…一度やってみますかね。とりあえず此処は、金が多少は出てたんですよね?じゃあ金の反応にだけ集中してみます」
…えっ?ん?まじか?
「えーとですね…多分ちょっとだけ掘ると金が出ます。それもわりと沢山…」
「本当かい?それなら試してみようか。楽しみだねぇ」
よし、僕も実はもう一つ考えてたのがあるんですよね。
岩壁に手を当てて魔力を馴染ませます。範囲は広くなり過ぎない様に慎重に…こんなもんかな?
次はイメージ。岩を砂利にするように。
…ピシッ!ザラザラッ!
おぉ!?上手くいって良かった。これは掘削魔力術とでも名付けましょう。
「はぁ…相変わらずだねぇ…そんな事が出来るなら、鉱山で死ぬまで働かされるんじゃないかい?
犯罪奴隷にならない様に気をつけるんだよ?ふふっ」
…なんつー恐ろしい事をいいますかね?
って、よく見ると岩壁に金みたいなのが見えます。さっきの掘削魔力術は大体、手の平中心に1メートルをイメージしたから、探索魔力術の方もなんとなく掴めました。
しかも、金の部分だけ砕けて無いってことは…ふむ、こりゃ便利だぞ。
こうして、この場所以外からも何箇所か金属類を採取。おかげで探査魔力術の精度もあがりました。
しかも、ほんの親指の爪程度だけど、偶然アダマンタイトも見つけちゃったし。
まぁ地図が変わる様な採掘の仕方はしてないので、クレイドル侯爵にも言わなきゃバレないと思うけどね。
あと、余談ですが、金属鉱石も知ってれば魔力眼で判別出来るようになりました。
それと、鉱石を収納して取り出しに金属を指定すると、純度の高い塊になる事も判明。
どうやら僕1人で鉱山開発から精錬まで完了するみたいです…
「なかなか楽しかったよ。予想外の拾い物も出来たし」
「さっそく何か企んでる顔してるわね?どうせ、そのアダマンタイトの粒をどうにかしようとしてるんでしょ?
正直な話、それくらいの大きさなら、いくら知性ある金属だと言っても、どうにかなるとは思わないけど」
「そうだよ?ユーマ君。例えば剣にする様なサイズであれば、君の思うような物が出来上がるかもしれないけどねぇ」
まだどうしたいとか、全く何も言ってないです。
もちろん、2人の言う様な可能性だって考えてはいるんだけどさ。それでも何かに役立たずかもしれないよね。
それにとりあえずのプランは考えてるし。
「まぁ、いいじゃない。やって失敗しても困る事はないし、もしかしたら、いい物が出来るかもしれないわ」
「そうですねぇ…ネル様もこう仰っているし、ユーマ君もほどほどにするんだよ?」
「へいへい。わかりましたよー」
ちょっと悔しいから、絶対びっくりする様なもの作ってやろう。
それよりも、さっきから気になってる事があるんだよね。
『殿!街の中に何者かが入ってきた様ですぞ!』
お、銀は流石だね。
人数は20人くらいかな?
一瞬魔族かなって思ったけど、気配を隠したりする雰囲気はなかったから違うみたい。
「みんな、一応馬車に入れる様に動いて。誰かが近付いてきてる」
「え?本当かい?」
「はい、マイラさんも警戒してて下さい」
みんなが馬車に寄ったあたりで、僕達に向けて数本の矢が飛んできました。
問答無用かよ。
「そこの馬車!この街で何をしている!今からフランカは領主命令で封鎖される事になっているぞ」
ありゃ?盗賊かなんかだと思ったのに、どうやら違うみたいです。
「盗賊、山賊の類とは違うようだが何者かっ!
我々はクレイドル侯爵家第二騎士団である。まずは両手を頭の上で組み、その場から動くな!
これは警告である!」
まさかの騎士団でした。
「抵抗する意思はありません。僕達はハイネン男爵家家宰バロー様の依頼で、王都のクレイドル侯爵家家宰モーム様宛の書状を。また、プラム村のアービン村長および監査役オーフェン様のご指示で、クレイドル侯爵様宛の書状をそれぞれ預かって、王都へ向かう途中です」
「ふむ、ならば証拠の書状を見せよ。怪しい動きをすれば抵抗したものと見做す。
ケイト!その者を見張りつつ書状を受け取ってこい」
「はっ!」
騎士の1人が、若干緊張した雰囲気でこちらに近付いてきました。片手が腰の剣の柄に添えられてるのは、警戒の証なんだろうけど。
そのケイトと呼ばれた騎士は、どうやら若い女性のようです。
15~6歳じゃないかな…見習い騎士とかかもね。
「両手はそのまま!書状の場所に移動しなさい!その箱?ゆっくり取り出して!」
書状はもちろん収納してるので、箱を目隠しにしながら取り出します。
「そのままゆっくり置きなさい!置いたら両手を頭に戻して動かないで?」
彼女は書状を手に取ると、僕をじっとみながら隊列に戻っていきます。
「ご苦労。下がって控えておれ!
ふむ、確かに2通とも封蝋がされているのは確認した。添え書きを見る限り宛先に間違いはないようだな。
改めて問う。貴殿の名を名乗りたまえ。
私はこの隊を率いている、第二騎士団副団長兼第三隊隊長のギルバート・モームである」
え?もしかして、目的の人の身内?
こりゃまた何かありそうな雰囲気がしてきた様な気がします。
…人と思えないは余計です。
「でも、さっき無理だったって言いましたよね?」
「アタシも魔力が強過ぎるんだって言ったろ?もっと調整してみるといい。
量と深さの関係性は、掘らないとわからないだろうけど、少なくとも無駄撃ちはなくなるはずだねぇ。
それにだ、ユーマ君は探す対象を選んでなかったんじゃないかい?それだと対象が多くて結局やらないのと同じさ。
まずは、探したい金属の反応だけ感じる様にしたらどうだい?」
「うーん…一度やってみますかね。とりあえず此処は、金が多少は出てたんですよね?じゃあ金の反応にだけ集中してみます」
…えっ?ん?まじか?
「えーとですね…多分ちょっとだけ掘ると金が出ます。それもわりと沢山…」
「本当かい?それなら試してみようか。楽しみだねぇ」
よし、僕も実はもう一つ考えてたのがあるんですよね。
岩壁に手を当てて魔力を馴染ませます。範囲は広くなり過ぎない様に慎重に…こんなもんかな?
次はイメージ。岩を砂利にするように。
…ピシッ!ザラザラッ!
おぉ!?上手くいって良かった。これは掘削魔力術とでも名付けましょう。
「はぁ…相変わらずだねぇ…そんな事が出来るなら、鉱山で死ぬまで働かされるんじゃないかい?
犯罪奴隷にならない様に気をつけるんだよ?ふふっ」
…なんつー恐ろしい事をいいますかね?
って、よく見ると岩壁に金みたいなのが見えます。さっきの掘削魔力術は大体、手の平中心に1メートルをイメージしたから、探索魔力術の方もなんとなく掴めました。
しかも、金の部分だけ砕けて無いってことは…ふむ、こりゃ便利だぞ。
こうして、この場所以外からも何箇所か金属類を採取。おかげで探査魔力術の精度もあがりました。
しかも、ほんの親指の爪程度だけど、偶然アダマンタイトも見つけちゃったし。
まぁ地図が変わる様な採掘の仕方はしてないので、クレイドル侯爵にも言わなきゃバレないと思うけどね。
あと、余談ですが、金属鉱石も知ってれば魔力眼で判別出来るようになりました。
それと、鉱石を収納して取り出しに金属を指定すると、純度の高い塊になる事も判明。
どうやら僕1人で鉱山開発から精錬まで完了するみたいです…
「なかなか楽しかったよ。予想外の拾い物も出来たし」
「さっそく何か企んでる顔してるわね?どうせ、そのアダマンタイトの粒をどうにかしようとしてるんでしょ?
正直な話、それくらいの大きさなら、いくら知性ある金属だと言っても、どうにかなるとは思わないけど」
「そうだよ?ユーマ君。例えば剣にする様なサイズであれば、君の思うような物が出来上がるかもしれないけどねぇ」
まだどうしたいとか、全く何も言ってないです。
もちろん、2人の言う様な可能性だって考えてはいるんだけどさ。それでも何かに役立たずかもしれないよね。
それにとりあえずのプランは考えてるし。
「まぁ、いいじゃない。やって失敗しても困る事はないし、もしかしたら、いい物が出来るかもしれないわ」
「そうですねぇ…ネル様もこう仰っているし、ユーマ君もほどほどにするんだよ?」
「へいへい。わかりましたよー」
ちょっと悔しいから、絶対びっくりする様なもの作ってやろう。
それよりも、さっきから気になってる事があるんだよね。
『殿!街の中に何者かが入ってきた様ですぞ!』
お、銀は流石だね。
人数は20人くらいかな?
一瞬魔族かなって思ったけど、気配を隠したりする雰囲気はなかったから違うみたい。
「みんな、一応馬車に入れる様に動いて。誰かが近付いてきてる」
「え?本当かい?」
「はい、マイラさんも警戒してて下さい」
みんなが馬車に寄ったあたりで、僕達に向けて数本の矢が飛んできました。
問答無用かよ。
「そこの馬車!この街で何をしている!今からフランカは領主命令で封鎖される事になっているぞ」
ありゃ?盗賊かなんかだと思ったのに、どうやら違うみたいです。
「盗賊、山賊の類とは違うようだが何者かっ!
我々はクレイドル侯爵家第二騎士団である。まずは両手を頭の上で組み、その場から動くな!
これは警告である!」
まさかの騎士団でした。
「抵抗する意思はありません。僕達はハイネン男爵家家宰バロー様の依頼で、王都のクレイドル侯爵家家宰モーム様宛の書状を。また、プラム村のアービン村長および監査役オーフェン様のご指示で、クレイドル侯爵様宛の書状をそれぞれ預かって、王都へ向かう途中です」
「ふむ、ならば証拠の書状を見せよ。怪しい動きをすれば抵抗したものと見做す。
ケイト!その者を見張りつつ書状を受け取ってこい」
「はっ!」
騎士の1人が、若干緊張した雰囲気でこちらに近付いてきました。片手が腰の剣の柄に添えられてるのは、警戒の証なんだろうけど。
そのケイトと呼ばれた騎士は、どうやら若い女性のようです。
15~6歳じゃないかな…見習い騎士とかかもね。
「両手はそのまま!書状の場所に移動しなさい!その箱?ゆっくり取り出して!」
書状はもちろん収納してるので、箱を目隠しにしながら取り出します。
「そのままゆっくり置きなさい!置いたら両手を頭に戻して動かないで?」
彼女は書状を手に取ると、僕をじっとみながら隊列に戻っていきます。
「ご苦労。下がって控えておれ!
ふむ、確かに2通とも封蝋がされているのは確認した。添え書きを見る限り宛先に間違いはないようだな。
改めて問う。貴殿の名を名乗りたまえ。
私はこの隊を率いている、第二騎士団副団長兼第三隊隊長のギルバート・モームである」
え?もしかして、目的の人の身内?
こりゃまた何かありそうな雰囲気がしてきた様な気がします。
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