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第五章 フランカ市
第147話
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「次は風羽花の番だね。風羽花は自分でどう変わったのか把握出来てる?」
『多分、はいなのです!ふうかも少し魔法使えるようになったですよっ!
でも、ふうかも初めてするので、どのくらいなのかはわからないのです…』
「そうなんだ?じゃあ、試してみようか。ここなら周りも広いし、思い切りやっても大丈夫だからさ」
風羽花も僕の言葉で腹が決まったみたいで、気合を入れるかのように小さく鳴いて飛び立ちました。
銀の様な強化があるのかもと一瞬思ったんですが、飛び立つ速さは前と変わらないくらい…と見せかけて、上空から急降下。こりゃまた凄いスピードだね。しかも、全く羽音もありません。
次の瞬間、僕の目には分からなかったけど、地面に沢山の小さなクレーターが…
「おぉ!風玉じゃなく風弾だね。一つ一つの威力はそんなでもないのかな?しかし、この数は脅威かもしれないねぇ」
『強いのもやっていいですかー?』
「いいよ!やってみて!」
僕の声に再度上昇した風羽花は、またしても急降下。よく見ると風羽花は魔力を纏わせてるように見えます。
「マイラさん、アレ見えますか?風羽花の身体」
「うん、多分だけど風の障壁なんじゃないかな?恐らく、アレで風の圧力と風切音を無くしてるんだと思うねぇ…」
そして急降下する風羽花から、今度はさっきより明らかに大きい魔力が放たれたのを感じました。
…ドンッ!!
鈍い音と共に、辺りに細かな石が飛び散り、砂埃が舞い上がります。
風に砂煙が散らされると、そこには3メートル程のクレーターが出来ていました。
「風弾を爆発させた…?」
「普通とは違うんですか?」
「うん…アタシ達エルフは風属性の魔法が得意な種族なんだけどね、さっきの様な魔法は初めて見たよ。
風属性は、銀が使ってた様な斬撃系や貫通力が高い魔法が攻撃魔法で、後は障壁を作ったり、移動速度を上げるような補助魔法なんだよねぇ…」
風羽花の放った魔法は、確かにマイラさんの話の限り、一般的な風属性魔法には当てはまらないみたいです。
『主人様!どうだったですかっ?…って、マイラおねーさんも機嫌悪いです?主人様も2人とも…
もしかして、ふうかダメダメのダメです?』
「いやいや!全然駄目じゃなくて、2人とも風羽花が凄すぎて、かなりビックリしてるだけだよ!
特に最後のやつとか、マイラさんも見た事無いってさ!アレってどうやったの?」
『そうなのです?えへへっ!ふうか頑張ったですっ!
あれは…えーっと…うーんと…ぎゅーってしてばーんなのですっ!』
………?
風羽花の説明が漠然とし過ぎるので、もう少し細かく聞いてみました。
要は圧縮空気を開放したって事みたいですね。
「ぎゅー」で集めた空気を圧縮して槍状に固めて射出し、「ばーん」で目標に当たった風弾を開放して弾けさせるという流れみたい。
…スゲェよ風羽花。
風羽花がイメージしたのは、敵に突き刺さった風弾が内部で炸裂する事だそうで…
そのイメージに近いのはスラッグ弾かなぁとも思ったんですけど、あのクレーターを見て気付きました。バン◯ーバスターじゃん。アレです。地下施設とか破壊するやつね。
それの小型版を例えばオークの腹に…おぅふ、スプラッタだわ。
「まさかそんな発想とはねぇ…
主人が非常識だと、従魔も影響されてしまうのかねぇ…全く」
…僕のせいっ!?
と思いましたが、更に話を聞いたところ僕のせいでした…
風羽花が想定したのは、僕がオークジェネラルの頭を撃ち抜いた岩弾のようです。
そういえば、何気なく質問された事があったような…
多分雑談の中で、岩をぎゅっと固めて硬くするんだよとかなんとか言ったかも。
『一杯来たら小さいのを撃つです!でっかいの来たら大きいやつ撃つですっ!』
…あ。
上空から無音で急降下してきた風羽花が、ゴブリンの群れに向けて風弾をばら撒く。って機銃掃射じゃん…
そして指揮個体に急降下爆撃…
どうやらウチの可愛いアイドルは、小型バン◯ーバスターを搭載したステルス攻撃機にクラスチェンジしたらしいです…
「ふーちゃんも銀も凄く強くなってるわねっ!それに耳牙爪の3人も以前の銀が3倍になった様なものだわ。
みんなこれから先も頼りにさせて貰うわ!」
ネルが風羽花達にそう伝えると、みんな嬉しそうに頷いてくれています。
「あ、そういえば耳牙爪達なんだけどさ、あいつらもテイムしておいた方がいいんじゃないのかな?」
「そう?銀の言う事は聞くんだから、無理にテイムしなくても大丈夫なんじゃないの?」
「あ、いや、ネル様。アタシもテイムするべきかと」
やっぱそうだよね。3人も今や銀狼に進化したわけで、その身体も一回り大きくなって、正直目立つ。
今までは街の外で自由に待っててくれたけど、やはりこれから先は人目につくと討伐対象にされちゃいそうなんだよね。
「王都周辺には腕利きの冒険者も数居りますので、恐らく放置しておくと狩られてしまうかと。
ですからテイムした上で、従魔の証を装備させておけばその可能性も減りますし、仮に間違って狩られてしまった場合でも、相手に賠償請求する事も出来ます」
「ふーん。まぁそう言う事なら仕方ないわね。
銀、あの子達にテイムされる意志があるかどうか確認してくれないかしら?」
『承知でござるよ。暫しお待ち下され』
これであいつらも街に入れるよね。
気持ちよくテイムされてくれるといいなぁ…
『多分、はいなのです!ふうかも少し魔法使えるようになったですよっ!
でも、ふうかも初めてするので、どのくらいなのかはわからないのです…』
「そうなんだ?じゃあ、試してみようか。ここなら周りも広いし、思い切りやっても大丈夫だからさ」
風羽花も僕の言葉で腹が決まったみたいで、気合を入れるかのように小さく鳴いて飛び立ちました。
銀の様な強化があるのかもと一瞬思ったんですが、飛び立つ速さは前と変わらないくらい…と見せかけて、上空から急降下。こりゃまた凄いスピードだね。しかも、全く羽音もありません。
次の瞬間、僕の目には分からなかったけど、地面に沢山の小さなクレーターが…
「おぉ!風玉じゃなく風弾だね。一つ一つの威力はそんなでもないのかな?しかし、この数は脅威かもしれないねぇ」
『強いのもやっていいですかー?』
「いいよ!やってみて!」
僕の声に再度上昇した風羽花は、またしても急降下。よく見ると風羽花は魔力を纏わせてるように見えます。
「マイラさん、アレ見えますか?風羽花の身体」
「うん、多分だけど風の障壁なんじゃないかな?恐らく、アレで風の圧力と風切音を無くしてるんだと思うねぇ…」
そして急降下する風羽花から、今度はさっきより明らかに大きい魔力が放たれたのを感じました。
…ドンッ!!
鈍い音と共に、辺りに細かな石が飛び散り、砂埃が舞い上がります。
風に砂煙が散らされると、そこには3メートル程のクレーターが出来ていました。
「風弾を爆発させた…?」
「普通とは違うんですか?」
「うん…アタシ達エルフは風属性の魔法が得意な種族なんだけどね、さっきの様な魔法は初めて見たよ。
風属性は、銀が使ってた様な斬撃系や貫通力が高い魔法が攻撃魔法で、後は障壁を作ったり、移動速度を上げるような補助魔法なんだよねぇ…」
風羽花の放った魔法は、確かにマイラさんの話の限り、一般的な風属性魔法には当てはまらないみたいです。
『主人様!どうだったですかっ?…って、マイラおねーさんも機嫌悪いです?主人様も2人とも…
もしかして、ふうかダメダメのダメです?』
「いやいや!全然駄目じゃなくて、2人とも風羽花が凄すぎて、かなりビックリしてるだけだよ!
特に最後のやつとか、マイラさんも見た事無いってさ!アレってどうやったの?」
『そうなのです?えへへっ!ふうか頑張ったですっ!
あれは…えーっと…うーんと…ぎゅーってしてばーんなのですっ!』
………?
風羽花の説明が漠然とし過ぎるので、もう少し細かく聞いてみました。
要は圧縮空気を開放したって事みたいですね。
「ぎゅー」で集めた空気を圧縮して槍状に固めて射出し、「ばーん」で目標に当たった風弾を開放して弾けさせるという流れみたい。
…スゲェよ風羽花。
風羽花がイメージしたのは、敵に突き刺さった風弾が内部で炸裂する事だそうで…
そのイメージに近いのはスラッグ弾かなぁとも思ったんですけど、あのクレーターを見て気付きました。バン◯ーバスターじゃん。アレです。地下施設とか破壊するやつね。
それの小型版を例えばオークの腹に…おぅふ、スプラッタだわ。
「まさかそんな発想とはねぇ…
主人が非常識だと、従魔も影響されてしまうのかねぇ…全く」
…僕のせいっ!?
と思いましたが、更に話を聞いたところ僕のせいでした…
風羽花が想定したのは、僕がオークジェネラルの頭を撃ち抜いた岩弾のようです。
そういえば、何気なく質問された事があったような…
多分雑談の中で、岩をぎゅっと固めて硬くするんだよとかなんとか言ったかも。
『一杯来たら小さいのを撃つです!でっかいの来たら大きいやつ撃つですっ!』
…あ。
上空から無音で急降下してきた風羽花が、ゴブリンの群れに向けて風弾をばら撒く。って機銃掃射じゃん…
そして指揮個体に急降下爆撃…
どうやらウチの可愛いアイドルは、小型バン◯ーバスターを搭載したステルス攻撃機にクラスチェンジしたらしいです…
「ふーちゃんも銀も凄く強くなってるわねっ!それに耳牙爪の3人も以前の銀が3倍になった様なものだわ。
みんなこれから先も頼りにさせて貰うわ!」
ネルが風羽花達にそう伝えると、みんな嬉しそうに頷いてくれています。
「あ、そういえば耳牙爪達なんだけどさ、あいつらもテイムしておいた方がいいんじゃないのかな?」
「そう?銀の言う事は聞くんだから、無理にテイムしなくても大丈夫なんじゃないの?」
「あ、いや、ネル様。アタシもテイムするべきかと」
やっぱそうだよね。3人も今や銀狼に進化したわけで、その身体も一回り大きくなって、正直目立つ。
今までは街の外で自由に待っててくれたけど、やはりこれから先は人目につくと討伐対象にされちゃいそうなんだよね。
「王都周辺には腕利きの冒険者も数居りますので、恐らく放置しておくと狩られてしまうかと。
ですからテイムした上で、従魔の証を装備させておけばその可能性も減りますし、仮に間違って狩られてしまった場合でも、相手に賠償請求する事も出来ます」
「ふーん。まぁそう言う事なら仕方ないわね。
銀、あの子達にテイムされる意志があるかどうか確認してくれないかしら?」
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気持ちよくテイムされてくれるといいなぁ…
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