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第五章 フランカ市
第146話
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おはようございます。僕です。
昨日は凄かったです。ナディアが。
なんていうか、凄かったんです。アレとかソレとか色々と…
「おはよー!ユーマ!昨日はお楽しみでしたね」
「やめーいっ!アンタは宿屋のオヤジかっ!」
「ふふっ、冗談よぅ。私がナディアにベッドで待ってなさいって言ったんだもの。
ちゃんと聞き耳立てておいたから安心して?」
…何してんだよ、アンタは。エロオヤジか。
「そんな事より、お腹が空いたわ。ささっと準備して、朝食済ませましょ?
ふーちゃん達の事、見ないといけないんだから」
「そうだね。じゃあ、簡単なもので済ませるよ。ネルはみんなと待っててね。
エリーヌ!シア!朝食の支度、手伝って!」
とりあえず、昨日残ったスープを温め直し、たまに作り置きしてる平パンを軽く炙ったものを中に投入します。
パン粥みたいな物が出来上がったので試してみると、炙った平パンの香ばしさが加わってて美味しい。これはたまに食べたくなるやつかも。
みんなも気に入ってくれたようで、鍋はすっかり空になりました。
「それじゃあ、昨日の進化の確認をしたいと思います!
風羽花、銀、耳牙爪、集合!」
呼びかけに集まる5人。改めて見ると銀の変わりっぷりが凄いです。
「銀は随分変わったけど、自分ではどう変わったのかわかる?
見た目はもちろんなんだけど」
『それがしは魔法が使えるようになってござる。あとは、牙や爪に魔力の刃を纏わせられるようにもなり申した』
「凄いな!どんなの?使ってみてよ」
銀は頷くと、予想以上の瞬発力で飛び出しました。
一瞬足元に魔力が集っていたので、もしかすると脚力強化とかの身体強化系魔法なのかも。
瞬く間に50メートル位移動すると、近くの岩に向けて何かを飛ばしました。
次の瞬間、岩に3メートル近くありそうな鋭い切れ込みが入っています。どうやら見えない斬撃を飛ばしたみたいです。
そして、その岩に近寄りながら以前より太くなった前脚を振るうと、岩には先程よりも細く鋭い筋が3本刻まれました。
銀が前脚を振るう毎に岩肌は削られ、ついには全体的にヒビ割れ崩れ落ちます。
『いかがでござろうか?初めてやりましたゆえ、いまいち加減がわからず…』
「いやいや!加減とかいいってば!凄い威力じゃん!」
『お褒めにあずかり光栄にござるよ!この力を以って、更に殿のお役に立ちたいと思いまする』
いやぁ…びっくりだね。あの岩だって、見た感じ結構な硬さだと思うけどさ、それこそ土壁かっていうくらいに削れてたもんなぁ。
「ユーマ君、どうやら銀は銀牙狼の中でも相当上位のようだよ。
銀牙狼が使う魔法は見ての通りだけど、あれ程の威力と強化状態の持続力は持ってないはずだからねぇ。
これは予想なんだけど、恐らくユーマ君との魔力的な繋がりが影響してるんじゃないかな」
「え?どういう事ですか?」
「他のケースを知ってるわけじゃないから、あくまでも推論でしかないけどねぇ。
従魔契約をしてる君と銀は、常に魔力的に繋がっているわけだろう?言い換えれば、銀は常に君の普通じゃない魔力に影響されてるって事じゃないかい?
きっと銀自身の魔力操作力だったり、魔力量そのものも普段から鍛えられてるんだろうと思う」
なるほど…よくわからないけど、簡単に言えば僕と従魔契約してると強くなるって事?
「大体マイラの言う通りじゃよ。我もユーマ様と契約を結んでよりこっち、魔力量は増え続けておる。
当然、魔力操作の水準も上がらねば身体が保たんようになるゆえ、言うなれば日常的に鍛えられておるのじゃ。
銀もまた然りじゃろうなぁ」
「あ、そういえばそうだったね。シアが従魔だっていうの、すっかり忘れてたよ」
「それだけシアの人化術が優秀ってことじゃないかねぇ。
ほら、ナディアの変化を見るとわかりやすいよ。あれは単に特徴的な部分を隠すのが精一杯だろう?しかも、訓練と慣れで維持出来ているけど、いずれ魔力の限界がくれば解けてしまうんだ。
シアの場合は、本人の意思で自由に出来るんじゃないかい?」
確かに言われてみれば、この間の飛竜戦以外はずっと人化したままだよね。
巴も、もしかしたらそうなのかも。
「我や巴の場合、姿を変えるというよりも『人になる』という方が近いのじゃ。
とはいえ、元の身体に引っ張られるのは仕方がない事じゃからのぅ。
仮にそこまで変えようとすれば、存在そのものが曖昧になりすぎて、型すら維持できぬやもしれん。
まぁ、あくまでも我自身が、我であると認識出来るのが前提という事じゃな」
「そんな要求しないから大丈夫だって。むしろ、僕としては今くらい特徴が残ってる方がいいし」
まぁ、姿形がどうこうよりも、シアはシアらしくて、巴は巴らしいって事が一番大切な気がする。
「少し話が逸れたけど、肝心なところは銀やふーちゃんも、もしかしたら人化出来る可能性があるって事かもしれないねぇ。
それはどうなんだい?シア」
「うむ。我にもなんとも言えぬがの、可能性という意味であれば出来るやもしれぬのぅ。
我は精霊でもあり魔物でもあるからして、魔力量も多くあったのじゃ。生来、人化の術も持っておったしのっ。
巴とて、神の騎獣とも言われた魔物の、言わば先祖返りじゃ。十分力は持っておる。
言葉は悪いが、風羽花達は所詮ただの魔獣よ。
じゃが、彼奴らはユーマ様の従魔でもある。それこそが一番の可能性じゃな」
なるほどなぁ…進化させるだけじゃ人化は無理だけど、いきなり出来るようになるかもしれないのか。
新しい楽しみが増えたかもね!
昨日は凄かったです。ナディアが。
なんていうか、凄かったんです。アレとかソレとか色々と…
「おはよー!ユーマ!昨日はお楽しみでしたね」
「やめーいっ!アンタは宿屋のオヤジかっ!」
「ふふっ、冗談よぅ。私がナディアにベッドで待ってなさいって言ったんだもの。
ちゃんと聞き耳立てておいたから安心して?」
…何してんだよ、アンタは。エロオヤジか。
「そんな事より、お腹が空いたわ。ささっと準備して、朝食済ませましょ?
ふーちゃん達の事、見ないといけないんだから」
「そうだね。じゃあ、簡単なもので済ませるよ。ネルはみんなと待っててね。
エリーヌ!シア!朝食の支度、手伝って!」
とりあえず、昨日残ったスープを温め直し、たまに作り置きしてる平パンを軽く炙ったものを中に投入します。
パン粥みたいな物が出来上がったので試してみると、炙った平パンの香ばしさが加わってて美味しい。これはたまに食べたくなるやつかも。
みんなも気に入ってくれたようで、鍋はすっかり空になりました。
「それじゃあ、昨日の進化の確認をしたいと思います!
風羽花、銀、耳牙爪、集合!」
呼びかけに集まる5人。改めて見ると銀の変わりっぷりが凄いです。
「銀は随分変わったけど、自分ではどう変わったのかわかる?
見た目はもちろんなんだけど」
『それがしは魔法が使えるようになってござる。あとは、牙や爪に魔力の刃を纏わせられるようにもなり申した』
「凄いな!どんなの?使ってみてよ」
銀は頷くと、予想以上の瞬発力で飛び出しました。
一瞬足元に魔力が集っていたので、もしかすると脚力強化とかの身体強化系魔法なのかも。
瞬く間に50メートル位移動すると、近くの岩に向けて何かを飛ばしました。
次の瞬間、岩に3メートル近くありそうな鋭い切れ込みが入っています。どうやら見えない斬撃を飛ばしたみたいです。
そして、その岩に近寄りながら以前より太くなった前脚を振るうと、岩には先程よりも細く鋭い筋が3本刻まれました。
銀が前脚を振るう毎に岩肌は削られ、ついには全体的にヒビ割れ崩れ落ちます。
『いかがでござろうか?初めてやりましたゆえ、いまいち加減がわからず…』
「いやいや!加減とかいいってば!凄い威力じゃん!」
『お褒めにあずかり光栄にござるよ!この力を以って、更に殿のお役に立ちたいと思いまする』
いやぁ…びっくりだね。あの岩だって、見た感じ結構な硬さだと思うけどさ、それこそ土壁かっていうくらいに削れてたもんなぁ。
「ユーマ君、どうやら銀は銀牙狼の中でも相当上位のようだよ。
銀牙狼が使う魔法は見ての通りだけど、あれ程の威力と強化状態の持続力は持ってないはずだからねぇ。
これは予想なんだけど、恐らくユーマ君との魔力的な繋がりが影響してるんじゃないかな」
「え?どういう事ですか?」
「他のケースを知ってるわけじゃないから、あくまでも推論でしかないけどねぇ。
従魔契約をしてる君と銀は、常に魔力的に繋がっているわけだろう?言い換えれば、銀は常に君の普通じゃない魔力に影響されてるって事じゃないかい?
きっと銀自身の魔力操作力だったり、魔力量そのものも普段から鍛えられてるんだろうと思う」
なるほど…よくわからないけど、簡単に言えば僕と従魔契約してると強くなるって事?
「大体マイラの言う通りじゃよ。我もユーマ様と契約を結んでよりこっち、魔力量は増え続けておる。
当然、魔力操作の水準も上がらねば身体が保たんようになるゆえ、言うなれば日常的に鍛えられておるのじゃ。
銀もまた然りじゃろうなぁ」
「あ、そういえばそうだったね。シアが従魔だっていうの、すっかり忘れてたよ」
「それだけシアの人化術が優秀ってことじゃないかねぇ。
ほら、ナディアの変化を見るとわかりやすいよ。あれは単に特徴的な部分を隠すのが精一杯だろう?しかも、訓練と慣れで維持出来ているけど、いずれ魔力の限界がくれば解けてしまうんだ。
シアの場合は、本人の意思で自由に出来るんじゃないかい?」
確かに言われてみれば、この間の飛竜戦以外はずっと人化したままだよね。
巴も、もしかしたらそうなのかも。
「我や巴の場合、姿を変えるというよりも『人になる』という方が近いのじゃ。
とはいえ、元の身体に引っ張られるのは仕方がない事じゃからのぅ。
仮にそこまで変えようとすれば、存在そのものが曖昧になりすぎて、型すら維持できぬやもしれん。
まぁ、あくまでも我自身が、我であると認識出来るのが前提という事じゃな」
「そんな要求しないから大丈夫だって。むしろ、僕としては今くらい特徴が残ってる方がいいし」
まぁ、姿形がどうこうよりも、シアはシアらしくて、巴は巴らしいって事が一番大切な気がする。
「少し話が逸れたけど、肝心なところは銀やふーちゃんも、もしかしたら人化出来る可能性があるって事かもしれないねぇ。
それはどうなんだい?シア」
「うむ。我にもなんとも言えぬがの、可能性という意味であれば出来るやもしれぬのぅ。
我は精霊でもあり魔物でもあるからして、魔力量も多くあったのじゃ。生来、人化の術も持っておったしのっ。
巴とて、神の騎獣とも言われた魔物の、言わば先祖返りじゃ。十分力は持っておる。
言葉は悪いが、風羽花達は所詮ただの魔獣よ。
じゃが、彼奴らはユーマ様の従魔でもある。それこそが一番の可能性じゃな」
なるほどなぁ…進化させるだけじゃ人化は無理だけど、いきなり出来るようになるかもしれないのか。
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