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第五章 フランカ市
第141話
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暴君山羊の一件から、素材の価値についてのお話は、まだ続いています。
「つまり、ユーマ君はほんとに何も知らなかったって事じゃないか…
ネル様に君についての話は聞いているから、知らない事が罪だなんて言うつもりはないよ?だけど逆に聞きたいのは、今まで何してたんだい?って事さ。
最低限の知識もなしに、よくこれまでやって来れたと感心するくらいだねぇ…」
「それ言っちゃいますか…」
だってねぇ…いきなり連れてこられてからこっち、その場凌ぎの簡単な説明しかしない誰かさんのせいで、思い付きと想像力と勢いでやりくりして来ましたけどなにか?
…一瞬目があったのに、露骨に視線を逸らしたね?ネル?
「マイラ!いいのよっ!私がちゃんと教えなかったのが原因なんだからっ!
それにユーマは自由にやらせた方が、きっといい結果になると思うのっ!」
「そうはおっしゃいますけどねぇ…流石に限度があるかと」
「そこはほらっ!マイラもフォローしてくれるじゃない?今だってユーマには勉強になってるわけだし?」
罪悪感があるんだろうなぁ。ネルが弁護してくれてます。なんかじわっとくるね。
「それはまぁ…アタシも出来る限りの事はするつもりですよ?
それに魔法技術だって、ユーマ君のおかげで、今まで越えられなかった壁を乗り越えられましたからねぇ…」
「そうでしょ?ユーマの発想とか知識って、今の世界にはとってもいい刺激になると思うの。
だから、やり過ぎを責めるよりも、ボロが出ない様にサポートした方がいいに違いないわっ!」
「なるほどですねぇ…そういう考え方も無くはないと思いますけど…」
お、ネルの支援攻撃が効いてるぞ。
「でしょ?ユーマにも多少の知恵はあるんだから、表に出す前にアンタと私で確認すれば大丈夫よ。
どうせ言ったって、やめるわけないんだもの。
表に出せない様なやつは、ユーマの収納に放り込んでおけば万事解決って事ねっ!」
ん?なんか風向きが…
「それしかないですかねぇ…わかりました。
ユーマ君、聞いたろ?そういう事だ。君の非常識には目を瞑るから、そのかわり何したのかはちゃんと説明してくれよ?
アタシとネル様で確認するからね?」
「そういう事よっ?いいわね?ユーマ!」
おうふ…いつの間にかネルがマイラさん側に回ってるし。
まぁいっか。逆に考えると内輪の話にすれば、何やってもいいって言われた様なもんだしねっ!
「へいへい。わかりましたよー」
「マイラ。ユーマもわかったみたいだからそゆこと。しっかり監督してよね」
「なんとなく負担が大きいような….いや、頑張ります」
と、まぁそんな話をしながらも馬車は進みます。
あの暴君山羊のせいかオーガとトロルの集団のせいか、その辺りははっきりしないけど、この周辺の危険な魔獣類は、どこか別の場所に移ったかの様に姿を見せません。
「旦那、お話中すいませんがね、そろそろ暗くなりますぜ?
陽が落ちてからこの山道を進むのは、流石にお勧め出来ねぇっすわ」
「え?ほんとだ…全然気付かなかった。よし、そしたら夜営しやすそうな場所見つけたら停めてね」
「了解っす」
しばらく進んでいた馬車は、ほどなく停車しました。
良さそうな場所あったのかな?
「旦那、とりあえず此処でいいっすか?もうこれ以上進むのはリスクが高い気がして」
「グラルの判断に文句は言わないよ、ってなかなかいいじゃん」
グラルの声に馬車を降りると、ちょうど峠道の頂上に程近い位置でそこそこ整地された広場でした。
端の方には炊事場なのか、石組みで作られた竃の跡があるので、きっと野営地として整備された場所なんだろうね。
「平らな場所っていうのがいいわ。ユーマなら何処でも平らにしそうだけどね。ここにしちゃいなさいな」
「うん。それは否定しないんだけど、目立っちゃわないかなぁ?なんだったら天幕と馬車で寝てもいいよ?どうする?」
「大丈夫よ。プラムの冒グル支所長のなんとかが、しばらくは交通を制限するとか言ってたじゃない?
絶対に来ないとは言えないけど…」
なんとかって…
ネルはどうでもいい人の名前って覚えないよね。
まぁ、あくまでも神様だから、個人に対する執着は薄いのかもしれないけどさ。
「それなんだよなぁ…交通が制限されてるからこそ、人目に付きたくない連中が移動して来たりしそうじゃない?」
「たしかにそれはあるかもしれないねぇ…
でも、今は普通の通行制限じゃないだろう?好き好んでオーガの群れに突入する様な阿呆はいないと信じよう」
「そうか!逆に考えると、今来る様な連中は絶対まともじゃないって事じゃん。そしたら遠慮なく対処できるね」
さすがにこっちから仕掛けるわけにはいかないけど、山賊・盗賊の類なら罪にならないもんね。
「じゃあ、拠点設営しちゃおう。あ、でも覗かれたら嫌だから小屋のお風呂は今日は無しの方向で」
「ええー!?なんでよー!?イヤよそんなのっ!」
「まぁまぁ。ちゃんと考えてるから。それより、急いで準備しないと真っ暗になっちゃうって。
晩御飯はさっきの暴君山羊にするからさ。楽しみにしてよ」
「あら?そう?アレってかなり美味しいらしいじゃない?わかったわ!さぁ、急ぎましょう!」
…すごい食い付きだな。
まぁ、実は僕も期待してるんだけどね!さぁ、準備しないと!
「つまり、ユーマ君はほんとに何も知らなかったって事じゃないか…
ネル様に君についての話は聞いているから、知らない事が罪だなんて言うつもりはないよ?だけど逆に聞きたいのは、今まで何してたんだい?って事さ。
最低限の知識もなしに、よくこれまでやって来れたと感心するくらいだねぇ…」
「それ言っちゃいますか…」
だってねぇ…いきなり連れてこられてからこっち、その場凌ぎの簡単な説明しかしない誰かさんのせいで、思い付きと想像力と勢いでやりくりして来ましたけどなにか?
…一瞬目があったのに、露骨に視線を逸らしたね?ネル?
「マイラ!いいのよっ!私がちゃんと教えなかったのが原因なんだからっ!
それにユーマは自由にやらせた方が、きっといい結果になると思うのっ!」
「そうはおっしゃいますけどねぇ…流石に限度があるかと」
「そこはほらっ!マイラもフォローしてくれるじゃない?今だってユーマには勉強になってるわけだし?」
罪悪感があるんだろうなぁ。ネルが弁護してくれてます。なんかじわっとくるね。
「それはまぁ…アタシも出来る限りの事はするつもりですよ?
それに魔法技術だって、ユーマ君のおかげで、今まで越えられなかった壁を乗り越えられましたからねぇ…」
「そうでしょ?ユーマの発想とか知識って、今の世界にはとってもいい刺激になると思うの。
だから、やり過ぎを責めるよりも、ボロが出ない様にサポートした方がいいに違いないわっ!」
「なるほどですねぇ…そういう考え方も無くはないと思いますけど…」
お、ネルの支援攻撃が効いてるぞ。
「でしょ?ユーマにも多少の知恵はあるんだから、表に出す前にアンタと私で確認すれば大丈夫よ。
どうせ言ったって、やめるわけないんだもの。
表に出せない様なやつは、ユーマの収納に放り込んでおけば万事解決って事ねっ!」
ん?なんか風向きが…
「それしかないですかねぇ…わかりました。
ユーマ君、聞いたろ?そういう事だ。君の非常識には目を瞑るから、そのかわり何したのかはちゃんと説明してくれよ?
アタシとネル様で確認するからね?」
「そういう事よっ?いいわね?ユーマ!」
おうふ…いつの間にかネルがマイラさん側に回ってるし。
まぁいっか。逆に考えると内輪の話にすれば、何やってもいいって言われた様なもんだしねっ!
「へいへい。わかりましたよー」
「マイラ。ユーマもわかったみたいだからそゆこと。しっかり監督してよね」
「なんとなく負担が大きいような….いや、頑張ります」
と、まぁそんな話をしながらも馬車は進みます。
あの暴君山羊のせいかオーガとトロルの集団のせいか、その辺りははっきりしないけど、この周辺の危険な魔獣類は、どこか別の場所に移ったかの様に姿を見せません。
「旦那、お話中すいませんがね、そろそろ暗くなりますぜ?
陽が落ちてからこの山道を進むのは、流石にお勧め出来ねぇっすわ」
「え?ほんとだ…全然気付かなかった。よし、そしたら夜営しやすそうな場所見つけたら停めてね」
「了解っす」
しばらく進んでいた馬車は、ほどなく停車しました。
良さそうな場所あったのかな?
「旦那、とりあえず此処でいいっすか?もうこれ以上進むのはリスクが高い気がして」
「グラルの判断に文句は言わないよ、ってなかなかいいじゃん」
グラルの声に馬車を降りると、ちょうど峠道の頂上に程近い位置でそこそこ整地された広場でした。
端の方には炊事場なのか、石組みで作られた竃の跡があるので、きっと野営地として整備された場所なんだろうね。
「平らな場所っていうのがいいわ。ユーマなら何処でも平らにしそうだけどね。ここにしちゃいなさいな」
「うん。それは否定しないんだけど、目立っちゃわないかなぁ?なんだったら天幕と馬車で寝てもいいよ?どうする?」
「大丈夫よ。プラムの冒グル支所長のなんとかが、しばらくは交通を制限するとか言ってたじゃない?
絶対に来ないとは言えないけど…」
なんとかって…
ネルはどうでもいい人の名前って覚えないよね。
まぁ、あくまでも神様だから、個人に対する執着は薄いのかもしれないけどさ。
「それなんだよなぁ…交通が制限されてるからこそ、人目に付きたくない連中が移動して来たりしそうじゃない?」
「たしかにそれはあるかもしれないねぇ…
でも、今は普通の通行制限じゃないだろう?好き好んでオーガの群れに突入する様な阿呆はいないと信じよう」
「そうか!逆に考えると、今来る様な連中は絶対まともじゃないって事じゃん。そしたら遠慮なく対処できるね」
さすがにこっちから仕掛けるわけにはいかないけど、山賊・盗賊の類なら罪にならないもんね。
「じゃあ、拠点設営しちゃおう。あ、でも覗かれたら嫌だから小屋のお風呂は今日は無しの方向で」
「ええー!?なんでよー!?イヤよそんなのっ!」
「まぁまぁ。ちゃんと考えてるから。それより、急いで準備しないと真っ暗になっちゃうって。
晩御飯はさっきの暴君山羊にするからさ。楽しみにしてよ」
「あら?そう?アレってかなり美味しいらしいじゃない?わかったわ!さぁ、急ぎましょう!」
…すごい食い付きだな。
まぁ、実は僕も期待してるんだけどね!さぁ、準備しないと!
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