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第五章 フランカ市
第132話
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考えがまとまらないまま、魔力を集めたのが良かったのか悪かったのか、結論から言えばナディアさんは凄く元気になりました。
「あんたねぇ…じつはワザとしてるでしょ?確かにやりなさいって言ったのは私だし、結果的には回復してるとは思うわよ?でも、ソレはないんじゃないの?」
「いや、僕もこうなるとか全く予想してなかった…」
「ユーマ君は、そういうの狙ってするタイプじゃないとは思うけどねぇ…」
こんな風に言われるのも、元気になったナディアさんが僕を見る目がアレです。いわゆるハート目になってるから。
結局、色々悩みながら集めた魔力に込められたのは、愛情を高める効果だったみたいです。
確かに愛情には色々あるからさ、狙ったんじゃないかって疑われても困るんだけどなぁ…
「まぁ、恋してる女の子は周りが見えなくなるもんだから、今回の対処としてはあながち間違いではないとは思うわ…
でも、やっぱりなんかねぇ…」
「ネル様、お気持ちはわかります。こう次々と増やされたらたまりませんし…
ただ、今回については目的を重視しておきましょう。
それよりむしろ、今後の彼女をどうすべきかを考えませんと、後々の都合がありますから」
「そうよね。王都に連れて行ったとして、騎士団やら軍辺りに引き渡すのもいい気はしないわ。
この子の素性を話したら、まともな扱いするわけないでしょうからね。
いっそ、グラルの時みたいに奴隷化してしまうのが早いような気がするわ」
僕とナディアさんを放置して、2人して小声でで話し合ってるけど、僕には内容が筒抜けですからね?
言いたい事は理解できるし、賛成は賛成なんだけどさぁ、僕の立ち位置がなんか悪役っぽく聞こえて仕方ないです…
「あのっ…お兄さん。さっきバーミルが来てた時色々言ってたかもしれないんだけど…
ワタシ、お兄さんにだったら何されても、いい…よ?」
「ナディアさん、お兄さんお兄さんって、僕はユーマって言うんだけど聞いてなかった?」
「えっ?あっ…そうだったかな?ごめんなさいっ!多分取り乱しててちゃんと聞いてなかったみたい…
ユーマさん、って呼んでいい?
それと、ワタシの事はナディアって呼んで欲しいなっ…」
うっ…か、かわいいんですけど…
それに何この上目遣い。キツ目の美人の上目遣いとか、もはや何かの凶器じゃん…
思わず狼狽えて目線を逸らした先には、ジト目のネルと呆れた顔のマイラさん…
やめて!僕の精神力は消滅寸前です…
「えっと…な、ナディア。これでいい?
僕の事は自由に呼んでくれたらいいよ」
「うふっ。嬉しいなっ!
あ、そうだ!ユーマさん!さっきはいきなり攻撃とかしちゃってごめんなさいっ!
ワタシ、もうクビになっちゃったけど、一応軍人だったから…」
「その辺はお互い様だから、気にしないで?
それよりも、これからの事どうしたい?
僕達と旅するんでもいいけど、何か希望があるなら極力叶えてあげたいし」
そう告げると、彼女はちょっと複雑な顔で首を傾げました。
「ちょっと!何いい雰囲気つくってんのよ?」
「アタシ達がいる事を忘れるのはどうかと思うねぇ…」
マイラさんとネルの声に背筋がゾクってなりました。
怖くて見れない…
さも気付かなかったような体で、ナディアとの会話を続けようと試みます。
「どうかな?多少無理目な話でもいいよ?」
「アイツ、気付かないフリしやがったわ。なかなかいい度胸してるわね。どうする?マイラ」
「そうですねぇ…話してる内容は重要な事ですから、ここは様子見しましょう。ユーマ君への処分は話の後ってどうですか?」
…ヤバイ、死んだかも。
こうなったら、聞こえてない体を貫くしか道は残されてないです。
ナディアに集中しよう…
「えっと…それだったら、一緒に行きたい。それで、いつか魔王国に行く事があれば、パパとママとお話ししたいな。
ユーマさんが一緒に居てくれたらきっと大丈夫だと思うから…ダメかな?」
「そっか、まだ行くかわからないけど、その時は一緒に行くよ。
そしたら、これからよろしくね!」
まぁ、この辺りが無難な対応だろうなぁ。
ナディア自身の口から両親の話題を出せたって事は、とりあえずトラウマにはなってないんだろうし。
現実問題としては、ナディアの扱いをどうするかなんだけど、さっきネルが言ってたように、奴隷化してしまうのが一番確実なんだよね、多分。
王都でクレイドル侯爵を訪ねれば、必然的に今回の襲撃事件の話になるわけで、そうなれば事の次第は説明する必要がでてくるはず。
ナディアが生き証人として身柄を押さえられる可能性は、決して低くないだろうから、それを回避する為には奴隷化しておくのが必須だろうね。
あ、でもナディアも変化術が使えるらしいから、魔族だとバレなければ大丈夫なのかな?
「えっと、ネルもマイラさんも待たせちゃってごめん。聞いて貰ってた通り、ナディアも同行させるね。
それで、ナディアの扱いについてなんだけどさ…」
「へぇ…何も無かったかの様に振る舞うつもりね?なかなかいい度胸してんじゃない?」
…さりげなくスルーしようとしてみたけど、ダメだったみたいです。
「あんたねぇ…じつはワザとしてるでしょ?確かにやりなさいって言ったのは私だし、結果的には回復してるとは思うわよ?でも、ソレはないんじゃないの?」
「いや、僕もこうなるとか全く予想してなかった…」
「ユーマ君は、そういうの狙ってするタイプじゃないとは思うけどねぇ…」
こんな風に言われるのも、元気になったナディアさんが僕を見る目がアレです。いわゆるハート目になってるから。
結局、色々悩みながら集めた魔力に込められたのは、愛情を高める効果だったみたいです。
確かに愛情には色々あるからさ、狙ったんじゃないかって疑われても困るんだけどなぁ…
「まぁ、恋してる女の子は周りが見えなくなるもんだから、今回の対処としてはあながち間違いではないとは思うわ…
でも、やっぱりなんかねぇ…」
「ネル様、お気持ちはわかります。こう次々と増やされたらたまりませんし…
ただ、今回については目的を重視しておきましょう。
それよりむしろ、今後の彼女をどうすべきかを考えませんと、後々の都合がありますから」
「そうよね。王都に連れて行ったとして、騎士団やら軍辺りに引き渡すのもいい気はしないわ。
この子の素性を話したら、まともな扱いするわけないでしょうからね。
いっそ、グラルの時みたいに奴隷化してしまうのが早いような気がするわ」
僕とナディアさんを放置して、2人して小声でで話し合ってるけど、僕には内容が筒抜けですからね?
言いたい事は理解できるし、賛成は賛成なんだけどさぁ、僕の立ち位置がなんか悪役っぽく聞こえて仕方ないです…
「あのっ…お兄さん。さっきバーミルが来てた時色々言ってたかもしれないんだけど…
ワタシ、お兄さんにだったら何されても、いい…よ?」
「ナディアさん、お兄さんお兄さんって、僕はユーマって言うんだけど聞いてなかった?」
「えっ?あっ…そうだったかな?ごめんなさいっ!多分取り乱しててちゃんと聞いてなかったみたい…
ユーマさん、って呼んでいい?
それと、ワタシの事はナディアって呼んで欲しいなっ…」
うっ…か、かわいいんですけど…
それに何この上目遣い。キツ目の美人の上目遣いとか、もはや何かの凶器じゃん…
思わず狼狽えて目線を逸らした先には、ジト目のネルと呆れた顔のマイラさん…
やめて!僕の精神力は消滅寸前です…
「えっと…な、ナディア。これでいい?
僕の事は自由に呼んでくれたらいいよ」
「うふっ。嬉しいなっ!
あ、そうだ!ユーマさん!さっきはいきなり攻撃とかしちゃってごめんなさいっ!
ワタシ、もうクビになっちゃったけど、一応軍人だったから…」
「その辺はお互い様だから、気にしないで?
それよりも、これからの事どうしたい?
僕達と旅するんでもいいけど、何か希望があるなら極力叶えてあげたいし」
そう告げると、彼女はちょっと複雑な顔で首を傾げました。
「ちょっと!何いい雰囲気つくってんのよ?」
「アタシ達がいる事を忘れるのはどうかと思うねぇ…」
マイラさんとネルの声に背筋がゾクってなりました。
怖くて見れない…
さも気付かなかったような体で、ナディアとの会話を続けようと試みます。
「どうかな?多少無理目な話でもいいよ?」
「アイツ、気付かないフリしやがったわ。なかなかいい度胸してるわね。どうする?マイラ」
「そうですねぇ…話してる内容は重要な事ですから、ここは様子見しましょう。ユーマ君への処分は話の後ってどうですか?」
…ヤバイ、死んだかも。
こうなったら、聞こえてない体を貫くしか道は残されてないです。
ナディアに集中しよう…
「えっと…それだったら、一緒に行きたい。それで、いつか魔王国に行く事があれば、パパとママとお話ししたいな。
ユーマさんが一緒に居てくれたらきっと大丈夫だと思うから…ダメかな?」
「そっか、まだ行くかわからないけど、その時は一緒に行くよ。
そしたら、これからよろしくね!」
まぁ、この辺りが無難な対応だろうなぁ。
ナディア自身の口から両親の話題を出せたって事は、とりあえずトラウマにはなってないんだろうし。
現実問題としては、ナディアの扱いをどうするかなんだけど、さっきネルが言ってたように、奴隷化してしまうのが一番確実なんだよね、多分。
王都でクレイドル侯爵を訪ねれば、必然的に今回の襲撃事件の話になるわけで、そうなれば事の次第は説明する必要がでてくるはず。
ナディアが生き証人として身柄を押さえられる可能性は、決して低くないだろうから、それを回避する為には奴隷化しておくのが必須だろうね。
あ、でもナディアも変化術が使えるらしいから、魔族だとバレなければ大丈夫なのかな?
「えっと、ネルもマイラさんも待たせちゃってごめん。聞いて貰ってた通り、ナディアも同行させるね。
それで、ナディアの扱いについてなんだけどさ…」
「へぇ…何も無かったかの様に振る舞うつもりね?なかなかいい度胸してんじゃない?」
…さりげなくスルーしようとしてみたけど、ダメだったみたいです。
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