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第五章 フランカ市
第128話
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いつもの様に拠点設営を終え、夕食の準備の為に林に立ち入った時、事件は起きました。
「この様な場所に人族が来るとは…少々抜かったか」
「えーと…お邪魔してます?」
林の中には、ちょうど25メートルプールくらいの泉が湧いていたので、水辺に自生する可食植物を探そうと岸辺を歩いていたんだよね。
泉が湾曲して、背の低い木が目隠しになっているところを覗き込んだ時にその人が居ました。全裸で…
で、その人とバッチリ目が合ったんですよね。
恐らく水浴びをしていたんだろうけど、見られて悲鳴を上げるどころか、ハスキーボイスでさっきのセリフ。
「こんな場所に人族が何の用事か知らんが、見られたからには、ただで返すわけにはいかんな。ハッ!」
その人は片手をこちらに向けると、差し出した手から、魔力の波動っぽいのが僕に向かって飛んできました。
「うわっ!………って、何?」
「むっ!?抵抗しただとっ!ならばこれでどうだっ!」
再び何かの波動が飛んできます。
うん…なんかぶつかってきてるのはわかるんだけどね。
「なぜだ!?なんなんだ!?ハッ!ハッ!ハァッ!」
…両手使い始めたし。
「なんなんだっ!なぜ効かん!?」
「えーと…よくわからないんですけど、とりあえず服着てもらってもいいですか?
流石に、目の前でバインバインされてると目に毒なんで…」
流石にその言葉に我に返ったみたいで、ちょっと赤面しながら水から上がり、岸に置かれた服に手をかけながらこっちをチラ見してきます。
「貴様、いったい何なのだ…というか、ジッと見られると流石に恥ずかしいんだが…」
「あ、さーせん。思わず見とれちゃいました」
そりゃ見るわ。
だってねぇ、その人、めっちゃスタイルいいし。見た感じシアと同じレベル。
肌が小麦色で、少し巻いても肩にかかる髪は燃える様な赤。顔立ちも整って鼻も高く、誰の目からみても美人の範疇。ちょっと目付きがキツ目なのも、また魅力的だとも言えるでしょう。
で、凄く目立つのが髪の間から伸びる羊みたいなツノと、背中にはコウモリみたいな羽。
そんな人が、ちょっとモジモジしながら服を着ようとしてたら見るよね?
「見とれるっ!?ワタシにか?人族のくせに?」
「え?そりゃ、こんな美人のお着替えとかご褒美ですが、なにか?ってレベルですが」
「…変なヤツ。
まぁいい、おかげでコッチは万全だ。では、改めて喰らえっ!」
今度は魔力っぽいヤツじゃなくて、風刃的なヤツだったので、腕に魔力を集めて思い切り下からカチ上げてみたら、林の木の枝を何本か斬り飛ばしながら上空へ抜けていってくれました。
「ふぁっ!?弾いた…」
「びっくりするじゃないですか。アレ当たったら流石に痛いですから。やめて下さいね?」
「は、ははっ…あははは…」
なんか乾いた笑い声を上げながら、腰が抜けたかの様にしゃがみ込んでます。
「なんなんだ…なんなんだ…ワタシの魔法ってこんなに弱かったのか?そんなはずはない…それなのに…」
虚ろな表情をしながらブツブツ呟いてるので、パッと見危ない人にしか見えません。
とは言え、こんな状態のまま放置するのもよろしくないだろうと近づくと…
「ひぃぃっ!?…た、助けてぇ…殺さないでぇ」
…なんもしてないじゃん。傷つくわぁ。
「ユーマ様?誰かおったんかの?…むっ?事後か。こりゃお邪魔してしもうたかの?」
「事後って何!?なんもしてないわっ!つか、むしろ僕がされた方だからっ!」
「事後ではなく痴女を返り討ちにしたんじゃな?なるほど」
なんでそういう理解になるのっ!?
とはいえ、ここでシアが来てくれたのはありがたいです。
「僕からは何もしてないからね?魔法攻撃されたから弾いただけで。
で、よくわかんないけど腰抜けて歩けないみたいだからさ、悪いけど運んであげてくれないかな?」
「むぅ、ユーマ様を攻撃するとは…なんと無謀な。そりゃ傷付くじゃろうなぁ…
ふむ。ほれ、立てぬか。仕方ないの…」
「無謀って…まぁいいや、とりあえず連れて行こう」
「ユーマ、あんたまた凄いの拾ってきたわね…」
「拾ってないし。ってか、凄いのって何よ?あの人なんか珍しい種族なの?
まぁなんとなくだけど、ツノとか羽とか生えてるし、変わった獣人とか魔族とかそういうヤツかなって思ってたけど」
「獣人なわけないじゃない。魔族よ。この辺りに住んでるはずは無いから、多分何かしらの都合で来たんだと思うけど」
やっぱり魔族なんだね。
恐らくそうなんだろうなとは思ってたけどさ、見た事ないんだから決め付けるわけにもいかないし。
「そっか。なんか『人族が来るとは、抜かったわ』とか言ってたからさ、きっと内緒で水浴びしてたんだろうけど」
「あんたねぇ…わざわざ水浴びにくるわけないでしょうがっ!
水浴びしてたのはたまたまで、他の理由があって来たに決まってるじゃない」
「そう?まぁ、魔法攻撃もめちゃくちゃ弱かったから、わざわざ水浴びの為に来る様な人じゃないのは間違いないと思うけどね」
というより、こんな場所に用事があるとか、思い当たる事って一つしかない。
「あんな人が?って思うけど、魔族だっていうなら、多分最近の襲撃事件の関係者なんだろうなぁ…」
「そうね。私もそれしかないと思うわ。落ち着いた頃に聞き出してみましょうよ」
幸いにも、僕達って尋問の手段には事欠かないしね!
あれ?なんか悪役っぽい…
「この様な場所に人族が来るとは…少々抜かったか」
「えーと…お邪魔してます?」
林の中には、ちょうど25メートルプールくらいの泉が湧いていたので、水辺に自生する可食植物を探そうと岸辺を歩いていたんだよね。
泉が湾曲して、背の低い木が目隠しになっているところを覗き込んだ時にその人が居ました。全裸で…
で、その人とバッチリ目が合ったんですよね。
恐らく水浴びをしていたんだろうけど、見られて悲鳴を上げるどころか、ハスキーボイスでさっきのセリフ。
「こんな場所に人族が何の用事か知らんが、見られたからには、ただで返すわけにはいかんな。ハッ!」
その人は片手をこちらに向けると、差し出した手から、魔力の波動っぽいのが僕に向かって飛んできました。
「うわっ!………って、何?」
「むっ!?抵抗しただとっ!ならばこれでどうだっ!」
再び何かの波動が飛んできます。
うん…なんかぶつかってきてるのはわかるんだけどね。
「なぜだ!?なんなんだ!?ハッ!ハッ!ハァッ!」
…両手使い始めたし。
「なんなんだっ!なぜ効かん!?」
「えーと…よくわからないんですけど、とりあえず服着てもらってもいいですか?
流石に、目の前でバインバインされてると目に毒なんで…」
流石にその言葉に我に返ったみたいで、ちょっと赤面しながら水から上がり、岸に置かれた服に手をかけながらこっちをチラ見してきます。
「貴様、いったい何なのだ…というか、ジッと見られると流石に恥ずかしいんだが…」
「あ、さーせん。思わず見とれちゃいました」
そりゃ見るわ。
だってねぇ、その人、めっちゃスタイルいいし。見た感じシアと同じレベル。
肌が小麦色で、少し巻いても肩にかかる髪は燃える様な赤。顔立ちも整って鼻も高く、誰の目からみても美人の範疇。ちょっと目付きがキツ目なのも、また魅力的だとも言えるでしょう。
で、凄く目立つのが髪の間から伸びる羊みたいなツノと、背中にはコウモリみたいな羽。
そんな人が、ちょっとモジモジしながら服を着ようとしてたら見るよね?
「見とれるっ!?ワタシにか?人族のくせに?」
「え?そりゃ、こんな美人のお着替えとかご褒美ですが、なにか?ってレベルですが」
「…変なヤツ。
まぁいい、おかげでコッチは万全だ。では、改めて喰らえっ!」
今度は魔力っぽいヤツじゃなくて、風刃的なヤツだったので、腕に魔力を集めて思い切り下からカチ上げてみたら、林の木の枝を何本か斬り飛ばしながら上空へ抜けていってくれました。
「ふぁっ!?弾いた…」
「びっくりするじゃないですか。アレ当たったら流石に痛いですから。やめて下さいね?」
「は、ははっ…あははは…」
なんか乾いた笑い声を上げながら、腰が抜けたかの様にしゃがみ込んでます。
「なんなんだ…なんなんだ…ワタシの魔法ってこんなに弱かったのか?そんなはずはない…それなのに…」
虚ろな表情をしながらブツブツ呟いてるので、パッと見危ない人にしか見えません。
とは言え、こんな状態のまま放置するのもよろしくないだろうと近づくと…
「ひぃぃっ!?…た、助けてぇ…殺さないでぇ」
…なんもしてないじゃん。傷つくわぁ。
「ユーマ様?誰かおったんかの?…むっ?事後か。こりゃお邪魔してしもうたかの?」
「事後って何!?なんもしてないわっ!つか、むしろ僕がされた方だからっ!」
「事後ではなく痴女を返り討ちにしたんじゃな?なるほど」
なんでそういう理解になるのっ!?
とはいえ、ここでシアが来てくれたのはありがたいです。
「僕からは何もしてないからね?魔法攻撃されたから弾いただけで。
で、よくわかんないけど腰抜けて歩けないみたいだからさ、悪いけど運んであげてくれないかな?」
「むぅ、ユーマ様を攻撃するとは…なんと無謀な。そりゃ傷付くじゃろうなぁ…
ふむ。ほれ、立てぬか。仕方ないの…」
「無謀って…まぁいいや、とりあえず連れて行こう」
「ユーマ、あんたまた凄いの拾ってきたわね…」
「拾ってないし。ってか、凄いのって何よ?あの人なんか珍しい種族なの?
まぁなんとなくだけど、ツノとか羽とか生えてるし、変わった獣人とか魔族とかそういうヤツかなって思ってたけど」
「獣人なわけないじゃない。魔族よ。この辺りに住んでるはずは無いから、多分何かしらの都合で来たんだと思うけど」
やっぱり魔族なんだね。
恐らくそうなんだろうなとは思ってたけどさ、見た事ないんだから決め付けるわけにもいかないし。
「そっか。なんか『人族が来るとは、抜かったわ』とか言ってたからさ、きっと内緒で水浴びしてたんだろうけど」
「あんたねぇ…わざわざ水浴びにくるわけないでしょうがっ!
水浴びしてたのはたまたまで、他の理由があって来たに決まってるじゃない」
「そう?まぁ、魔法攻撃もめちゃくちゃ弱かったから、わざわざ水浴びの為に来る様な人じゃないのは間違いないと思うけどね」
というより、こんな場所に用事があるとか、思い当たる事って一つしかない。
「あんな人が?って思うけど、魔族だっていうなら、多分最近の襲撃事件の関係者なんだろうなぁ…」
「そうね。私もそれしかないと思うわ。落ち着いた頃に聞き出してみましょうよ」
幸いにも、僕達って尋問の手段には事欠かないしね!
あれ?なんか悪役っぽい…
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