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第四章 プラム村
第107話
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「どうやら避難誘導が始まったみたいですね。アタシ達はどうしますか?」
「そうね…グラルとエリーヌは一緒に避難しなさい。私はふーちゃんに乗って様子を見るわ。
マイラは、単独でもオーク程度なら倒せるんでしょ?」
「もちろんです。あれだけの数を相手にした事はないですけど、1対1なら負けはしません。
あとは、魔力が続く限りって感じですかねぇ。単独で動いてもいいんですか?」
マイラは任せても大丈夫ね。私も上から見ておけば間違いないだろうし。
「出来るだけ数を減らしなさいよね。
あ、そうだ!前にユーマに貰った髪飾り使いなさい?アレはいいものよ」
「あ、あれを使うんですか?恐れ多いですって!」
「何よ?私の名前が入った物にいちゃもんつけるわけ?元の持ち主がいいって言ってんだからいいのよ!私は使ってないけど」
全く、時と場合を考えて欲しいわね。マイラに万一の事があったら、ユーマに何言われるかわかったもんじゃないわ。
とにかく、安全第一にしておかないと…
「う…わかりましたよう。でもアレ存在感が半端ないんですよね…」
「つべこべ言うなー!それ付けてたらオーク程度の攻撃なら傷一つ付かないんでしょ?
それとも、オークに傷物にされた姿でユーマに会いたいわけ?
あ、まさか…わざとやられてユーマに慰めて貰おう、とか考えちゃったりしてるわけー?
マイラって意外とヤラシーのねぇ?」
「そ、その手がありました!って、言いませんからねっ!
オークに傷物にされた姿なんて、絶対見せられませんからっ!
着けますよぅ…」
髪飾りを身に付けたマイラは、いつも以上に輝いていて、ちょっとムッとしたのは秘密ね。
まぁ、みに着けた者をあれだけ引き立てる装飾品を作ったユーマが凄いのと、それになんたって私のだからね!初めて見たけど。
「あ、これ凄い!ものすごい安心感…」
なによ!その笑顔!羨ましいじゃない…言わないけど。
「では、アタシは村の外に向かいますね」
「存分に殺って来なさいよね!
グラルはエリーヌを頼むわよ?
エリーヌ!あんたも割り切って、今度はグラルに守ってもらいなさい?」
「うぅ…ですけど身体が勝手に反応してしまいます」
エリーヌの気持ちはわからないわけじゃないのよね。
無理矢理される寸前だった相手を受け入れるなんて、普通ならあり得ない話。
でも慣れて貰わないと困るし。
「未遂でしょうが。オークに初物捧げるのが夢だったって言うなら構わないけど」
「ひっ!?そんなのはダメですわ!せめてユーマ様に…」
「ユーマがどうするか知らないけど、その希望があるならさっさと行きなさい!
グラルは巴に夢中なんだから、心配ないわよっ!」
巴は巴でユーマに捧げたいらしいけど。
まぁ、これでどうにか全員対応できたわね。あとは私も動かなきゃだわ。ふーちゃん!いくわよっ!
朝の休憩からおよそ5時間。そろそろ森を抜ける頃のはずなんだけど、目の前にはまだ森が広がっています。
「ライサさん、ミラさん、そろそろじゃないんですか?」
「はい!もうすぐです!この森ギリギリまで植生が濃いんですよね。あっ!」
ミラさんが小さく声を上げかけたところで、慌てて手で口を塞ぎ足を止めました。
彼女は人差し指を唇の前に立て、その手で今度は空気を押し下げる様なジェスチャーを送って来ます。どうやらしゃがめと言っているみたい。
「さっきチラッとオークの姿が見えたような気がします。確認出来ますか?」
囁くような声でそう言うと、先の方を指差しました。
いた!太い木の横に、2匹のオークが立っています。でも何してるんだろう?
「きっと、本隊の背後を見張ってるんだと思います。って事は恐らく本隊が村に攻め入ってる…」
どうやら突撃前に追い付く事は出来なかったみたいです。まだ村が持ち堪えてくれてたらいいんだけど…
「じゃあ、とりあえずあの2匹は今僕が仕留めるよ。2人は動かないで」
「この距離でですか?そんな…外したら危険です!」
「大丈夫、見てて」
僕は、岩弾をいつもより細く硬く生成すると、魔力眼を発動しました。魔力眼の働きで、スコープの様にオークが大きく見えてきます。
2匹を視界に捉えると、ロックオンのイメージでターゲットを固定。岩弾を連動させるかのように目標に向けて発射します。
岩弾は、少しのタイムラグでオーク達の頭部に着弾し、2匹はほぼ同時に地に倒れ伏しました。
「銀、確認お願い。僕達も行こう」
オーク達の生死確認に銀を先行させながら、僕達も急ぎ駆けつけます。
『殿!お見事にござります!それがしがとどめを刺す必要もなく、絶命しておりました』
オークの側にたどり着き、改めて森の向こうを眺めてみると、先程までとは打って変わって、木々の間から明るい光が垣間見えました。
どうやら、ようやく深い森の端まで辿り着く事が出来たみたいです。
「よし!このまま一気に村に向かおう!」
そう言いながら、抜け出たその先に見えたのは、村に続く草原に陣を構えた予想以上に多いオークの群れ。
そして時折上がる炎と共に、聞こえるのはオークの断末魔の叫び声と戦士を叱咤する誰かの叫び声。そして、門扉を破壊しようと何かが叩き付けられる衝撃音でした。
「間に合った…の?」
戦場に立ち昇る砂煙と、時折陽光を反射する武器の光が、激しい戦闘の様子を語っているようでした。
「そうね…グラルとエリーヌは一緒に避難しなさい。私はふーちゃんに乗って様子を見るわ。
マイラは、単独でもオーク程度なら倒せるんでしょ?」
「もちろんです。あれだけの数を相手にした事はないですけど、1対1なら負けはしません。
あとは、魔力が続く限りって感じですかねぇ。単独で動いてもいいんですか?」
マイラは任せても大丈夫ね。私も上から見ておけば間違いないだろうし。
「出来るだけ数を減らしなさいよね。
あ、そうだ!前にユーマに貰った髪飾り使いなさい?アレはいいものよ」
「あ、あれを使うんですか?恐れ多いですって!」
「何よ?私の名前が入った物にいちゃもんつけるわけ?元の持ち主がいいって言ってんだからいいのよ!私は使ってないけど」
全く、時と場合を考えて欲しいわね。マイラに万一の事があったら、ユーマに何言われるかわかったもんじゃないわ。
とにかく、安全第一にしておかないと…
「う…わかりましたよう。でもアレ存在感が半端ないんですよね…」
「つべこべ言うなー!それ付けてたらオーク程度の攻撃なら傷一つ付かないんでしょ?
それとも、オークに傷物にされた姿でユーマに会いたいわけ?
あ、まさか…わざとやられてユーマに慰めて貰おう、とか考えちゃったりしてるわけー?
マイラって意外とヤラシーのねぇ?」
「そ、その手がありました!って、言いませんからねっ!
オークに傷物にされた姿なんて、絶対見せられませんからっ!
着けますよぅ…」
髪飾りを身に付けたマイラは、いつも以上に輝いていて、ちょっとムッとしたのは秘密ね。
まぁ、みに着けた者をあれだけ引き立てる装飾品を作ったユーマが凄いのと、それになんたって私のだからね!初めて見たけど。
「あ、これ凄い!ものすごい安心感…」
なによ!その笑顔!羨ましいじゃない…言わないけど。
「では、アタシは村の外に向かいますね」
「存分に殺って来なさいよね!
グラルはエリーヌを頼むわよ?
エリーヌ!あんたも割り切って、今度はグラルに守ってもらいなさい?」
「うぅ…ですけど身体が勝手に反応してしまいます」
エリーヌの気持ちはわからないわけじゃないのよね。
無理矢理される寸前だった相手を受け入れるなんて、普通ならあり得ない話。
でも慣れて貰わないと困るし。
「未遂でしょうが。オークに初物捧げるのが夢だったって言うなら構わないけど」
「ひっ!?そんなのはダメですわ!せめてユーマ様に…」
「ユーマがどうするか知らないけど、その希望があるならさっさと行きなさい!
グラルは巴に夢中なんだから、心配ないわよっ!」
巴は巴でユーマに捧げたいらしいけど。
まぁ、これでどうにか全員対応できたわね。あとは私も動かなきゃだわ。ふーちゃん!いくわよっ!
朝の休憩からおよそ5時間。そろそろ森を抜ける頃のはずなんだけど、目の前にはまだ森が広がっています。
「ライサさん、ミラさん、そろそろじゃないんですか?」
「はい!もうすぐです!この森ギリギリまで植生が濃いんですよね。あっ!」
ミラさんが小さく声を上げかけたところで、慌てて手で口を塞ぎ足を止めました。
彼女は人差し指を唇の前に立て、その手で今度は空気を押し下げる様なジェスチャーを送って来ます。どうやらしゃがめと言っているみたい。
「さっきチラッとオークの姿が見えたような気がします。確認出来ますか?」
囁くような声でそう言うと、先の方を指差しました。
いた!太い木の横に、2匹のオークが立っています。でも何してるんだろう?
「きっと、本隊の背後を見張ってるんだと思います。って事は恐らく本隊が村に攻め入ってる…」
どうやら突撃前に追い付く事は出来なかったみたいです。まだ村が持ち堪えてくれてたらいいんだけど…
「じゃあ、とりあえずあの2匹は今僕が仕留めるよ。2人は動かないで」
「この距離でですか?そんな…外したら危険です!」
「大丈夫、見てて」
僕は、岩弾をいつもより細く硬く生成すると、魔力眼を発動しました。魔力眼の働きで、スコープの様にオークが大きく見えてきます。
2匹を視界に捉えると、ロックオンのイメージでターゲットを固定。岩弾を連動させるかのように目標に向けて発射します。
岩弾は、少しのタイムラグでオーク達の頭部に着弾し、2匹はほぼ同時に地に倒れ伏しました。
「銀、確認お願い。僕達も行こう」
オーク達の生死確認に銀を先行させながら、僕達も急ぎ駆けつけます。
『殿!お見事にござります!それがしがとどめを刺す必要もなく、絶命しておりました』
オークの側にたどり着き、改めて森の向こうを眺めてみると、先程までとは打って変わって、木々の間から明るい光が垣間見えました。
どうやら、ようやく深い森の端まで辿り着く事が出来たみたいです。
「よし!このまま一気に村に向かおう!」
そう言いながら、抜け出たその先に見えたのは、村に続く草原に陣を構えた予想以上に多いオークの群れ。
そして時折上がる炎と共に、聞こえるのはオークの断末魔の叫び声と戦士を叱咤する誰かの叫び声。そして、門扉を破壊しようと何かが叩き付けられる衝撃音でした。
「間に合った…の?」
戦場に立ち昇る砂煙と、時折陽光を反射する武器の光が、激しい戦闘の様子を語っているようでした。
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