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第四章 プラム村
第103話
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集落内部には、十匹程のオークに加え、子オークが数匹ウロついていました。
どうやら繁殖が始まっていて、しかも、既に襲撃部隊が集落を立った後のようです。
「確かに小屋の割にオークの数が少ないのじゃ。
とりあえず、今居るオークは殲滅しておこうかの」
「そうだね。入り口の見張りは、さっきと同じパターンで行くから、見張りが倒れたら銀とシアは一気に突入して。
ネルは僕の方に」
「承知したのじゃ。タイミングはユーマ様に」
見張りに岩弾を撃ち込み、二匹が倒れるのと同時に、シアと銀が集落に駆け込んでいきます。
僕も、2人の後を追って集落に突入しましょう。
突入からおよそ30分程度。
突然の襲撃で、ほぼ為す術もないままオーク達は、シアと銀の手により倒されていきます。
僕も魔弾で三匹討ち取り、結局大人オーク十二匹、子オーク八匹を殲滅しました。
「どうやら今集落におるのは、これで全部のようじゃな」
「うん、後は小屋を全部潰して回ろう」
どの小屋の中も生活感があり、簡単な道具や食べ残しの食料などが散乱している状況でした。
僕は、小さな小屋を、一つ一つ魔法で燃やします。
最後に一際大きな小屋に近づくと、中から人の気配が。
「助けて…いや…もういっそ殺して…」
「もぅ、いやぁ…」
虚ろな表情で、ブツブツと呟く女性が2人。太い柱に両腕を紐で括られ、身に付けているのは、かろうじて防具だったとわかるほどボロボロになった革鎧らしい物の一部だけです。
「苗床じゃの…幸いな事に、今は空き腹のようじゃが…」
「多分冒険者だよね?とりあえず介抱しよう」
拘束を解いて地面に寝かしても、虚ろな表情に変化はありません。
とりあえず水を作り口元へ運ぶと、どうにか飲み込むことが出来たようです。
「ろくに水も食料も与えられてなかった様子じゃな」
「とりあえず回復をかけておくよ」
2人に回復の魔力を送り込むと、彼女たちの身体が淡く光って、全身の細かな傷や、恐らく逃亡阻止の為に折られたであろう足が、元に戻っていきます。
ぼろぼろ過ぎてわからなかったけど、1人はどうやらエルフみたいです。マイラさんと比べると、肌は色黒で髪も白っぽいから、もしかするとダークエルフとかなのかも。
回復の影響か、しばらくすると2人の目に光が戻って来た様にみえました。
「大丈夫?2人とも?」
「…!?ひぃっ!いやっ!来ないで!」
えーまじかー…
地味に傷つくやつじゃん…
「「助けて頂いたのに、すいませんでした!」」
「いや、仕方ないよ。事情が事情だし、気にしてないから」
あの後、2人用の服をシアに渡して世話を任せ、傷心の僕は、倒したオークを回収しながら銀をモフッて癒されてました。
2人は、詫びた後に名乗ってくれたんだけど、予想通り1人はダークエルフのレンジャーでライサ、もう1人は人族の軽戦士でミラだそうです。
「本当にありがとうございました!
身体はオークに汚されちゃったけど、命があるのは貴方のお陰です」
「私達、プラム村を拠点にしてる冒険者なんです。
あの…たくさんいたオーク達は、あなた方が退治されたんですか?他の方々はどこに行かれたんでしょうか?」
まぁ、普通そう思うよね。
僕は彼女達に、事の経緯を簡単に説明してあげました。
「凄い!2人だけで…でも、そうなるとプラムはもしかして…まさか」
「うん、可能性はあると思う。一応連れが村に先行して、襲撃の件は話してくれてるだろうから、奇襲を受けて全滅とかは無いと思うんだけどさ。
ちなみに、この集落にオークが何匹位いたかわかる?」
「正確にはわかりません。でも多分、50~60匹は最低でも居たと思います。
それから、オークジェネラルだと思う個体が一匹…間違いなくそいつがリーダーです…」
やっぱり特殊な個体がいたんだね。
以前殲滅したオークの群れに居た剣オークは、多分ジェネラルとかに進化する寸前の個体だったんだろうなぁ。
でも今、そのジェネラルがここに居なかったってことは、襲撃部隊を率いているって事になる。
…結構ヤバイんじゃないかな。
「ライサさん、ミラさん、辛い状況にいたのは承知の上で訊くけどさ、今から2人はどうする?僕達はプラム村に向かうつもりなんだけど」
「残るか行くかって事ですよね?私は行きます!」
「勿論わたしも!村には世話になってる宿のおばちゃんも、いつもサービスしてくれる道具屋のおっちゃんもいるもん」
まぁ、そう言うだろうなとは思ってたんだけどね。
実際、苗床にされてオークに凌辱されまくってた場所に、好んで残りたいわけはないし。
それに、村までの道が絶対に安全だなんて保証はないんだから、森を抜ける為にも戦力が欲しいはず。
「わかったよ。じゃあ一緒に行こう。
ちょっと強行軍になるけど、体力的にきつかったら言ってね」
「大丈夫です。意地でもついて行きます!」
「森は、ダークエルフにとって庭みたいなものだもん!私も大丈夫!」
よし、この感じなら問題なさそうだね。
でも、間違いなくオークに対してトラウマがあるはずだから、戦闘については戦力外っていうか、多分足手まといになるんだろう。
村の近くに着いたら、他の街にでも伝令に行ってもらった方がいいかもしれないなぁ。
とにかくまずは全力で村を目指そう。
どうやら繁殖が始まっていて、しかも、既に襲撃部隊が集落を立った後のようです。
「確かに小屋の割にオークの数が少ないのじゃ。
とりあえず、今居るオークは殲滅しておこうかの」
「そうだね。入り口の見張りは、さっきと同じパターンで行くから、見張りが倒れたら銀とシアは一気に突入して。
ネルは僕の方に」
「承知したのじゃ。タイミングはユーマ様に」
見張りに岩弾を撃ち込み、二匹が倒れるのと同時に、シアと銀が集落に駆け込んでいきます。
僕も、2人の後を追って集落に突入しましょう。
突入からおよそ30分程度。
突然の襲撃で、ほぼ為す術もないままオーク達は、シアと銀の手により倒されていきます。
僕も魔弾で三匹討ち取り、結局大人オーク十二匹、子オーク八匹を殲滅しました。
「どうやら今集落におるのは、これで全部のようじゃな」
「うん、後は小屋を全部潰して回ろう」
どの小屋の中も生活感があり、簡単な道具や食べ残しの食料などが散乱している状況でした。
僕は、小さな小屋を、一つ一つ魔法で燃やします。
最後に一際大きな小屋に近づくと、中から人の気配が。
「助けて…いや…もういっそ殺して…」
「もぅ、いやぁ…」
虚ろな表情で、ブツブツと呟く女性が2人。太い柱に両腕を紐で括られ、身に付けているのは、かろうじて防具だったとわかるほどボロボロになった革鎧らしい物の一部だけです。
「苗床じゃの…幸いな事に、今は空き腹のようじゃが…」
「多分冒険者だよね?とりあえず介抱しよう」
拘束を解いて地面に寝かしても、虚ろな表情に変化はありません。
とりあえず水を作り口元へ運ぶと、どうにか飲み込むことが出来たようです。
「ろくに水も食料も与えられてなかった様子じゃな」
「とりあえず回復をかけておくよ」
2人に回復の魔力を送り込むと、彼女たちの身体が淡く光って、全身の細かな傷や、恐らく逃亡阻止の為に折られたであろう足が、元に戻っていきます。
ぼろぼろ過ぎてわからなかったけど、1人はどうやらエルフみたいです。マイラさんと比べると、肌は色黒で髪も白っぽいから、もしかするとダークエルフとかなのかも。
回復の影響か、しばらくすると2人の目に光が戻って来た様にみえました。
「大丈夫?2人とも?」
「…!?ひぃっ!いやっ!来ないで!」
えーまじかー…
地味に傷つくやつじゃん…
「「助けて頂いたのに、すいませんでした!」」
「いや、仕方ないよ。事情が事情だし、気にしてないから」
あの後、2人用の服をシアに渡して世話を任せ、傷心の僕は、倒したオークを回収しながら銀をモフッて癒されてました。
2人は、詫びた後に名乗ってくれたんだけど、予想通り1人はダークエルフのレンジャーでライサ、もう1人は人族の軽戦士でミラだそうです。
「本当にありがとうございました!
身体はオークに汚されちゃったけど、命があるのは貴方のお陰です」
「私達、プラム村を拠点にしてる冒険者なんです。
あの…たくさんいたオーク達は、あなた方が退治されたんですか?他の方々はどこに行かれたんでしょうか?」
まぁ、普通そう思うよね。
僕は彼女達に、事の経緯を簡単に説明してあげました。
「凄い!2人だけで…でも、そうなるとプラムはもしかして…まさか」
「うん、可能性はあると思う。一応連れが村に先行して、襲撃の件は話してくれてるだろうから、奇襲を受けて全滅とかは無いと思うんだけどさ。
ちなみに、この集落にオークが何匹位いたかわかる?」
「正確にはわかりません。でも多分、50~60匹は最低でも居たと思います。
それから、オークジェネラルだと思う個体が一匹…間違いなくそいつがリーダーです…」
やっぱり特殊な個体がいたんだね。
以前殲滅したオークの群れに居た剣オークは、多分ジェネラルとかに進化する寸前の個体だったんだろうなぁ。
でも今、そのジェネラルがここに居なかったってことは、襲撃部隊を率いているって事になる。
…結構ヤバイんじゃないかな。
「ライサさん、ミラさん、辛い状況にいたのは承知の上で訊くけどさ、今から2人はどうする?僕達はプラム村に向かうつもりなんだけど」
「残るか行くかって事ですよね?私は行きます!」
「勿論わたしも!村には世話になってる宿のおばちゃんも、いつもサービスしてくれる道具屋のおっちゃんもいるもん」
まぁ、そう言うだろうなとは思ってたんだけどね。
実際、苗床にされてオークに凌辱されまくってた場所に、好んで残りたいわけはないし。
それに、村までの道が絶対に安全だなんて保証はないんだから、森を抜ける為にも戦力が欲しいはず。
「わかったよ。じゃあ一緒に行こう。
ちょっと強行軍になるけど、体力的にきつかったら言ってね」
「大丈夫です。意地でもついて行きます!」
「森は、ダークエルフにとって庭みたいなものだもん!私も大丈夫!」
よし、この感じなら問題なさそうだね。
でも、間違いなくオークに対してトラウマがあるはずだから、戦闘については戦力外っていうか、多分足手まといになるんだろう。
村の近くに着いたら、他の街にでも伝令に行ってもらった方がいいかもしれないなぁ。
とにかくまずは全力で村を目指そう。
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