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第三章 バーナムの街
第92話
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男爵の屋敷に到着すると、真っ先に案内されたのはバローさんの執務室でした。
「待ち侘びたぞ、ユーマ君。買い物しておったそうじゃな。良いものは買えたかね?
それで本題なんじゃがな、この先王都に訪れる予定があるなら、ちと頼み事をしたいのじゃ。
もちろんタダでと言うつもりはない。報酬は金貨20枚出そう」
「内容次第です。王都には立ち寄るつもりなので」
「そうか!それはありがたい。是非ともお願いしたいの。
内容は届け物じゃよ。君の収納をアテにしておる。中身については知らない方が良かろう?もちろん封印してあるからの。
届け先はワシの古くからの友人での、クレイドル侯爵家の家宰をしておるモームという男じゃ。
紹介状とヤツ宛の手紙を添えておくでの」
なるほど、収納持ちなのがバレたからなんだね。中身がわからないのは多少不安だけど、運ぶだけなら手間でもないか。
「えーと、時間制限がなければお受けします。そんなに大きな物ではないんですよね?」
「もちろんじゃ。その棚にある箱と同じ大きさのものじゃよ。期日を切るつもりはないが、確実に届けてくれい。
報酬は半分前渡し、残りはモームから受け取れる様にしておくからの。
明日にはここを発つのじゃろ?それまでには用意しておく。
この後は男爵閣下が晩餐を段取りされとるでな、メイドが呼びに行くまでは部屋で寛いでおってくれい」
バローさんの執務室を出ると、アリーナさんがすっと近寄って来て、客室まで案内してくれました。
多分勝手に動くなって事なんだろうなぁ。
しばらく部屋で、アリーナさんが淹れたお茶を飲みながら雑談していると、呼び声がかかりました。どうやら食事の用意が出来たようですね。
エリーヌお嬢様の件があるので気が重いです。
食堂に着くと、前回とは違い男爵一家は後から来るみたい。先に着席を勧められました。
程なく一家が入室してきたんだけど、エリーヌお嬢様が当然の様に僕達側の末席に座りました。まじか。
男爵もそれに何も言わないって事は、すでに打ち合わせ済みなんですね?
「今日は、色々な意味でめでたい日になった。内輪の食事じゃから気楽にしてくれ。ユーマ君も最早身内みたいなもんじゃからの。
さぁ、始めてくれ」
男爵の声で次々と料理が運ばれて来ます。
「ユーマさん、エリーヌをよろしくお願いしますね?どうか幸せにしてやって下さい」
ジェシカさんが、にっこり笑いながら外堀を埋めて来ます。
「もちろん、お預かりの間楽しく過ごせるように全力を尽くします。不幸続きの旅路なんて楽しくありませんので」
「あらあら?人生を旅に例えるなんて詩人ねぇ。素敵な殿方で良かったわね、エリーヌ」
…ぐはっ。まさかの切り返し。どうあっても既成事実にするつもりらしいです。
「はい!お母様。わたくしもユーマ様の旅路に寄り添えるのが、一番の幸せだと思っていますわっ!」
「これ、エリーヌよ、身内の前で惚気るでない。ユーマ君も明日には出立と聞いておる。今夜は母と最後の夜を楽しむんだぞ」
ねぇ?貴族ってみんなこうなの?決定的な言葉を言わないわりに、もう既に決まったものとして話が進んでるし。
今朝聞いた話よりも進展してるとかこわい。
僕には厳しすぎる世界に、足を踏み入れてしまったような気がしてならないです。
「そういうわけでユーマ君、家族一同祝福しておるよ。わしからも末永くよろしく頼む。
本当なら、盛大な式と共に送り出してやりたかったんじゃが」
「いいえ、お父様。ユーマ様は貴族ではありませんもの。こうして最後に、家族と食事出来ただけで幸せですわ」
もう、やだこれ。ストレスでご飯の味がわかりません。
針のむしろの様な夕食会を終えて部屋に戻った時には、精神が瀕死でした。
「あーきょうもうむりーなんにもするきにならなーい」
柔らかなベッドに倒れこんだ僕の横に、
ネルがやって来ます。
「そうね、お疲れ様。今日はわたしが癒してあげるわよ。だから寝ちゃう前にアレ出して?」
豊穣の女神様は、癒しの女神様でもありました。
翌朝目を覚ますと、両隣に寝てるマイラさんとシアが、何故かしら一糸纏わぬ姿です。
ネルに癒されてる所までは覚えがあるんだけど…
「なによ?その顔。記憶飛んじゃった?凄かったのよアンタ」
…何が?
「代わる代わる何回も。だから2人ともグッタリしてるでしょ?」
…やだそれこわい。
「冗談よ。起きたら驚くかなってやらせただけ」
…やめて?まじで。
朝から心臓に悪い冗談を聞かされて、疲れた様な気がします。
癒して女神様!
「いいけど余計疲れるわよ?」
…そっちじゃねーわい。
結局精神は癒されることはありませんでした。
身支度をしていると、マイラさんが目を覚ましておはようの挨拶してきましたが、ハッと自分の格好を思い出してわちゃわちゃしたのが、ネルのツボに入ったみたいです。
「ネル様がしろと言われたんです!なんで笑うんですか!ユーマ君からも言っておくれよ…」
「そうだよ、ネル。ちょっとヒドイと思うな」
「だってー、普段からお風呂で平気なのに慌てなくたって」
まぁ、それはそうなんだけどさ。でも目の前の人が服着てる時に自分だけ裸だと、凄い恥ずかしいのはわかる。
マイラさんも、シアが起きてくるまで布団から出られませんでした。
みんなが身支度を済ませた頃、アリーナさんが朝食を呼びに来ました。どっかで見てるんじゃないの…
揃って食堂へ向かいます。
さぁ、新しい旅立ちの日だね!
「待ち侘びたぞ、ユーマ君。買い物しておったそうじゃな。良いものは買えたかね?
それで本題なんじゃがな、この先王都に訪れる予定があるなら、ちと頼み事をしたいのじゃ。
もちろんタダでと言うつもりはない。報酬は金貨20枚出そう」
「内容次第です。王都には立ち寄るつもりなので」
「そうか!それはありがたい。是非ともお願いしたいの。
内容は届け物じゃよ。君の収納をアテにしておる。中身については知らない方が良かろう?もちろん封印してあるからの。
届け先はワシの古くからの友人での、クレイドル侯爵家の家宰をしておるモームという男じゃ。
紹介状とヤツ宛の手紙を添えておくでの」
なるほど、収納持ちなのがバレたからなんだね。中身がわからないのは多少不安だけど、運ぶだけなら手間でもないか。
「えーと、時間制限がなければお受けします。そんなに大きな物ではないんですよね?」
「もちろんじゃ。その棚にある箱と同じ大きさのものじゃよ。期日を切るつもりはないが、確実に届けてくれい。
報酬は半分前渡し、残りはモームから受け取れる様にしておくからの。
明日にはここを発つのじゃろ?それまでには用意しておく。
この後は男爵閣下が晩餐を段取りされとるでな、メイドが呼びに行くまでは部屋で寛いでおってくれい」
バローさんの執務室を出ると、アリーナさんがすっと近寄って来て、客室まで案内してくれました。
多分勝手に動くなって事なんだろうなぁ。
しばらく部屋で、アリーナさんが淹れたお茶を飲みながら雑談していると、呼び声がかかりました。どうやら食事の用意が出来たようですね。
エリーヌお嬢様の件があるので気が重いです。
食堂に着くと、前回とは違い男爵一家は後から来るみたい。先に着席を勧められました。
程なく一家が入室してきたんだけど、エリーヌお嬢様が当然の様に僕達側の末席に座りました。まじか。
男爵もそれに何も言わないって事は、すでに打ち合わせ済みなんですね?
「今日は、色々な意味でめでたい日になった。内輪の食事じゃから気楽にしてくれ。ユーマ君も最早身内みたいなもんじゃからの。
さぁ、始めてくれ」
男爵の声で次々と料理が運ばれて来ます。
「ユーマさん、エリーヌをよろしくお願いしますね?どうか幸せにしてやって下さい」
ジェシカさんが、にっこり笑いながら外堀を埋めて来ます。
「もちろん、お預かりの間楽しく過ごせるように全力を尽くします。不幸続きの旅路なんて楽しくありませんので」
「あらあら?人生を旅に例えるなんて詩人ねぇ。素敵な殿方で良かったわね、エリーヌ」
…ぐはっ。まさかの切り返し。どうあっても既成事実にするつもりらしいです。
「はい!お母様。わたくしもユーマ様の旅路に寄り添えるのが、一番の幸せだと思っていますわっ!」
「これ、エリーヌよ、身内の前で惚気るでない。ユーマ君も明日には出立と聞いておる。今夜は母と最後の夜を楽しむんだぞ」
ねぇ?貴族ってみんなこうなの?決定的な言葉を言わないわりに、もう既に決まったものとして話が進んでるし。
今朝聞いた話よりも進展してるとかこわい。
僕には厳しすぎる世界に、足を踏み入れてしまったような気がしてならないです。
「そういうわけでユーマ君、家族一同祝福しておるよ。わしからも末永くよろしく頼む。
本当なら、盛大な式と共に送り出してやりたかったんじゃが」
「いいえ、お父様。ユーマ様は貴族ではありませんもの。こうして最後に、家族と食事出来ただけで幸せですわ」
もう、やだこれ。ストレスでご飯の味がわかりません。
針のむしろの様な夕食会を終えて部屋に戻った時には、精神が瀕死でした。
「あーきょうもうむりーなんにもするきにならなーい」
柔らかなベッドに倒れこんだ僕の横に、
ネルがやって来ます。
「そうね、お疲れ様。今日はわたしが癒してあげるわよ。だから寝ちゃう前にアレ出して?」
豊穣の女神様は、癒しの女神様でもありました。
翌朝目を覚ますと、両隣に寝てるマイラさんとシアが、何故かしら一糸纏わぬ姿です。
ネルに癒されてる所までは覚えがあるんだけど…
「なによ?その顔。記憶飛んじゃった?凄かったのよアンタ」
…何が?
「代わる代わる何回も。だから2人ともグッタリしてるでしょ?」
…やだそれこわい。
「冗談よ。起きたら驚くかなってやらせただけ」
…やめて?まじで。
朝から心臓に悪い冗談を聞かされて、疲れた様な気がします。
癒して女神様!
「いいけど余計疲れるわよ?」
…そっちじゃねーわい。
結局精神は癒されることはありませんでした。
身支度をしていると、マイラさんが目を覚ましておはようの挨拶してきましたが、ハッと自分の格好を思い出してわちゃわちゃしたのが、ネルのツボに入ったみたいです。
「ネル様がしろと言われたんです!なんで笑うんですか!ユーマ君からも言っておくれよ…」
「そうだよ、ネル。ちょっとヒドイと思うな」
「だってー、普段からお風呂で平気なのに慌てなくたって」
まぁ、それはそうなんだけどさ。でも目の前の人が服着てる時に自分だけ裸だと、凄い恥ずかしいのはわかる。
マイラさんも、シアが起きてくるまで布団から出られませんでした。
みんなが身支度を済ませた頃、アリーナさんが朝食を呼びに来ました。どっかで見てるんじゃないの…
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さぁ、新しい旅立ちの日だね!
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