88 / 170
第三章 バーナムの街
第86話
しおりを挟む
一汗流して風呂から上がる頃には、カマドの準備は万端でした。
周囲の哨戒に出ていた風羽花達も、それぞれ獲物を狩って帰って来ています。
さぁ、飛竜討伐記念の焼肉パーティーの始まりです!
収納から、切り出した肉の塊を取り出して、食べ易いサイズに切り分けていきます。風羽花や銀達には、大きめの塊を切り分けて配りました。
今日の主役は、殊勲賞もののシアですね!
「今日は、シアのおかげで誰一人としてケガもなく、こうしてワイバーン肉にありつく事ができます!
改めてシア!ありがと!みんなでシアに感謝しながら、思いっ切り食べましょう!」
僕の掛け声に合わせて、みんな一斉に焼肉を食べ始めました。
なかでもグラルなんて、涙を流しながらがっついてるし。
「旦那ァ!あっしはこんな旨いもん食べたの、初めてでさ。もう死んでもいい…」
「何バカな事言ってんのよ?アンタはこれから活躍して貰う予定なんだから、死なれたら困るじゃない。
たくさん食べてパワーつけなさいよね」
「ネル姐さん!ありがとうございます!」
グラルの発言を聞いてると、任侠ドラマ観てるみたいな気分になるよね。
「ユーマ様、ワイバーンなんて初めて食うたんじゃが、なかなか旨いもんじゃの。また機会があれば狩ってもいいかの?」
「シアが面倒じゃなければまた頼むよ。解体もマイラさんに教えてもらったし、僕もまた食べたいし」
「任せるのじゃよ!こんなトカゲごときなら、何匹来ても相手にならんのじゃからして」
うん、頼りにしてる。って言ってもそんな頻繁に出会いたくはないけどさ。
飛竜自体はわりとどこにでも生息してるらしいけど、基本的には縄張りを持って活動する為、この一帯で再び遭遇するとしたら恐らくこの肉の番のオス。しかもパートナーを失って気が立ってるヤツだそうで。
ちょっと可哀想な気もするけどね。
「ふぁぁぁ…もうお腹いっぱいー!もうしばらく、ワイバーン肉なんて見たくないわ」
「むしろその身体のどこにあの量が消えたのか知りたいんだけど…」
「何よ?元のサイズにならないと納得出来ないワケ?今は小さいけど、見かけだけなんだからね」
なるほど、そういうシステムでしたか。
「でもユーマのおかげで、好きな時にあの姿に戻れるっていうのはありがたいわ。移動の時には小さい方が楽なんだけどね」
「ずっと元の姿でいられる方がいいんじゃないの?」
「もしそれが可能になったら、ずっと抱っこして歩いてくれる?それだったらいいわよ?
それに、多分めちゃくちゃ目立つわね」
そっか、それを忘れてたよ。
まぁグラルみたいに、ネルの姿を知らない人もいるけど、大多数は気付いちゃうよなぁ。
あと、ずっと抱っこしてたら余計に目立ちます。
「でも結構長い時間維持出来るようになってたわね?改造した様子はなかったのに」
「維持する方法が全く思いつかなくて、とりあえずひたすら魔力を注ぎ続ける事にしたんだ。
基本的に、魔力余らせても勿体ないじゃない?だから回復量は全部アレに流し込む様にしてる。で、寝る直前に空っぽになるまで魔力を注ぎ込んで寝落ちって感じ」
「そんな事してたのね…そりゃバカみたいな魔力量になるはずだわ。
使い切ると、回復した時に総量が成長するの説明してたっけ?まぁ今更だけど」
うーむ、聞いた様な聞いてない様な…
まぁ、魔力はあって困るもんじゃないからいっか。
「ねぇ、そろそろお風呂準備しない?あの魔道具の見せ場よ?」
「そうだね。掛け流しの露天風呂なんて文化の極みだし。すぐ用意してくる」
僕はもう一度入るつもりだけど、マイラさんはどうするんだろ?とりあえず誘わない手はないけど。
湯船横に、魔導給湯器を設置してスイッチオン。様子を見ながら加熱魔石も起動。
朝と同じ様に、豊富な湯量がたちまち広い湯船を満たしていきます。
湯船の縁から、湯が溢れ出て小さな滝を作ると、立ち昇る湯気を篝火の灯りが照らし、揺らめく様が風情を感じさせてくれますね。
「ユーマ君も、もう一度入るのかい?アタシは入るつもりなんだけど」
湯気を眺めてぼんやりしていると、マイラさんから声がかかりました。マイラさんもお風呂気に入ってくれたんだなぁと思うとちょっと感動です。
そうこうしてるうちにシアもネルを抱えながらやってきます。
みんなの後を追う様に、グラルが巴を引いて来ました。
「旦那!巴嬢も入れて大丈夫ですかい?風羽花嬢が説明したみたいで」
「もちろん!巴もシアと同じだから大丈夫!とりあえず人化してね」
僕の声を聞くやいなや、巴は姿を変えて駆け寄ってきました。
うん、「裸」だね。わかってはいるけど。
「旦那様!風羽花ちゃんに聞いて超楽しみだったんですよね!水浴びしかした事なかったし、この姿も初めてだし、もうワクワクドキドキでした!もう入っていいですか?」
「待って、巴。ちゃんと決まりがあるんだよ。まずはこの手桶で掛け湯して…」
巴に入浴ルールを説明してる間に、みんな次々と入っていきます。あれ?僕最後になりそうだね。
説明をうずうずしながら聞いていた巴が、大雑把な感じで掛け湯すると湯船にイン。たちまち蕩けそうな顔になってます。
僕も急いで服を脱いで、ざっと掛け湯して入ります。
気付けば結構な人数になったなぁ。少し感慨深いものがありますね。
肩まで浸かって一息ついた時、マイラさんが近寄ってきました。そのままさりげなく隣に座り、頭を肩にもたれさせて無言です。
さっきのお風呂で距離感が縮まったかな?
それもまた嬉しいですね。
「あら?マイラもなかなかやるじゃない。私もして貰おうかな?ユーマ、アレ出して?」
…え?まじすか?いや、まぁ、嬉しいですけど。
髪飾りを渡すとすぐ、ネルは元の姿に戻ります。
わぉ!ネルは僕の腕を抱き抱えながら頭を肩に乗せてきました。
腕が幸せな事になってますって!
「どうよ?ユーマ。マイラには無い感触でしょー?」
いやまぁそうなんだけど…何張り合ってんのよ?女神様!
周囲の哨戒に出ていた風羽花達も、それぞれ獲物を狩って帰って来ています。
さぁ、飛竜討伐記念の焼肉パーティーの始まりです!
収納から、切り出した肉の塊を取り出して、食べ易いサイズに切り分けていきます。風羽花や銀達には、大きめの塊を切り分けて配りました。
今日の主役は、殊勲賞もののシアですね!
「今日は、シアのおかげで誰一人としてケガもなく、こうしてワイバーン肉にありつく事ができます!
改めてシア!ありがと!みんなでシアに感謝しながら、思いっ切り食べましょう!」
僕の掛け声に合わせて、みんな一斉に焼肉を食べ始めました。
なかでもグラルなんて、涙を流しながらがっついてるし。
「旦那ァ!あっしはこんな旨いもん食べたの、初めてでさ。もう死んでもいい…」
「何バカな事言ってんのよ?アンタはこれから活躍して貰う予定なんだから、死なれたら困るじゃない。
たくさん食べてパワーつけなさいよね」
「ネル姐さん!ありがとうございます!」
グラルの発言を聞いてると、任侠ドラマ観てるみたいな気分になるよね。
「ユーマ様、ワイバーンなんて初めて食うたんじゃが、なかなか旨いもんじゃの。また機会があれば狩ってもいいかの?」
「シアが面倒じゃなければまた頼むよ。解体もマイラさんに教えてもらったし、僕もまた食べたいし」
「任せるのじゃよ!こんなトカゲごときなら、何匹来ても相手にならんのじゃからして」
うん、頼りにしてる。って言ってもそんな頻繁に出会いたくはないけどさ。
飛竜自体はわりとどこにでも生息してるらしいけど、基本的には縄張りを持って活動する為、この一帯で再び遭遇するとしたら恐らくこの肉の番のオス。しかもパートナーを失って気が立ってるヤツだそうで。
ちょっと可哀想な気もするけどね。
「ふぁぁぁ…もうお腹いっぱいー!もうしばらく、ワイバーン肉なんて見たくないわ」
「むしろその身体のどこにあの量が消えたのか知りたいんだけど…」
「何よ?元のサイズにならないと納得出来ないワケ?今は小さいけど、見かけだけなんだからね」
なるほど、そういうシステムでしたか。
「でもユーマのおかげで、好きな時にあの姿に戻れるっていうのはありがたいわ。移動の時には小さい方が楽なんだけどね」
「ずっと元の姿でいられる方がいいんじゃないの?」
「もしそれが可能になったら、ずっと抱っこして歩いてくれる?それだったらいいわよ?
それに、多分めちゃくちゃ目立つわね」
そっか、それを忘れてたよ。
まぁグラルみたいに、ネルの姿を知らない人もいるけど、大多数は気付いちゃうよなぁ。
あと、ずっと抱っこしてたら余計に目立ちます。
「でも結構長い時間維持出来るようになってたわね?改造した様子はなかったのに」
「維持する方法が全く思いつかなくて、とりあえずひたすら魔力を注ぎ続ける事にしたんだ。
基本的に、魔力余らせても勿体ないじゃない?だから回復量は全部アレに流し込む様にしてる。で、寝る直前に空っぽになるまで魔力を注ぎ込んで寝落ちって感じ」
「そんな事してたのね…そりゃバカみたいな魔力量になるはずだわ。
使い切ると、回復した時に総量が成長するの説明してたっけ?まぁ今更だけど」
うーむ、聞いた様な聞いてない様な…
まぁ、魔力はあって困るもんじゃないからいっか。
「ねぇ、そろそろお風呂準備しない?あの魔道具の見せ場よ?」
「そうだね。掛け流しの露天風呂なんて文化の極みだし。すぐ用意してくる」
僕はもう一度入るつもりだけど、マイラさんはどうするんだろ?とりあえず誘わない手はないけど。
湯船横に、魔導給湯器を設置してスイッチオン。様子を見ながら加熱魔石も起動。
朝と同じ様に、豊富な湯量がたちまち広い湯船を満たしていきます。
湯船の縁から、湯が溢れ出て小さな滝を作ると、立ち昇る湯気を篝火の灯りが照らし、揺らめく様が風情を感じさせてくれますね。
「ユーマ君も、もう一度入るのかい?アタシは入るつもりなんだけど」
湯気を眺めてぼんやりしていると、マイラさんから声がかかりました。マイラさんもお風呂気に入ってくれたんだなぁと思うとちょっと感動です。
そうこうしてるうちにシアもネルを抱えながらやってきます。
みんなの後を追う様に、グラルが巴を引いて来ました。
「旦那!巴嬢も入れて大丈夫ですかい?風羽花嬢が説明したみたいで」
「もちろん!巴もシアと同じだから大丈夫!とりあえず人化してね」
僕の声を聞くやいなや、巴は姿を変えて駆け寄ってきました。
うん、「裸」だね。わかってはいるけど。
「旦那様!風羽花ちゃんに聞いて超楽しみだったんですよね!水浴びしかした事なかったし、この姿も初めてだし、もうワクワクドキドキでした!もう入っていいですか?」
「待って、巴。ちゃんと決まりがあるんだよ。まずはこの手桶で掛け湯して…」
巴に入浴ルールを説明してる間に、みんな次々と入っていきます。あれ?僕最後になりそうだね。
説明をうずうずしながら聞いていた巴が、大雑把な感じで掛け湯すると湯船にイン。たちまち蕩けそうな顔になってます。
僕も急いで服を脱いで、ざっと掛け湯して入ります。
気付けば結構な人数になったなぁ。少し感慨深いものがありますね。
肩まで浸かって一息ついた時、マイラさんが近寄ってきました。そのままさりげなく隣に座り、頭を肩にもたれさせて無言です。
さっきのお風呂で距離感が縮まったかな?
それもまた嬉しいですね。
「あら?マイラもなかなかやるじゃない。私もして貰おうかな?ユーマ、アレ出して?」
…え?まじすか?いや、まぁ、嬉しいですけど。
髪飾りを渡すとすぐ、ネルは元の姿に戻ります。
わぉ!ネルは僕の腕を抱き抱えながら頭を肩に乗せてきました。
腕が幸せな事になってますって!
「どうよ?ユーマ。マイラには無い感触でしょー?」
いやまぁそうなんだけど…何張り合ってんのよ?女神様!
0
お気に入りに追加
535
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。
目覚めると彼は真っ白な空間にいた。
動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。
神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。
龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。
六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。
神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。
気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

劣等生のハイランカー
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す!
無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。
カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。
唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。
学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。
クラスメイトは全員ライバル!
卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである!
そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。
それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。
難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。
かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。
「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」
学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。
「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」
時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。
制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。
そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。
(各20話編成)
1章:ダンジョン学園【完結】
2章:ダンジョンチルドレン【完結】
3章:大罪の権能【完結】
4章:暴食の力【完結】
5章:暗躍する嫉妬【完結】
6章:奇妙な共闘【完結】
7章:最弱種族の下剋上【完結】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる