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第三章 バーナムの街
第86話
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一汗流して風呂から上がる頃には、カマドの準備は万端でした。
周囲の哨戒に出ていた風羽花達も、それぞれ獲物を狩って帰って来ています。
さぁ、飛竜討伐記念の焼肉パーティーの始まりです!
収納から、切り出した肉の塊を取り出して、食べ易いサイズに切り分けていきます。風羽花や銀達には、大きめの塊を切り分けて配りました。
今日の主役は、殊勲賞もののシアですね!
「今日は、シアのおかげで誰一人としてケガもなく、こうしてワイバーン肉にありつく事ができます!
改めてシア!ありがと!みんなでシアに感謝しながら、思いっ切り食べましょう!」
僕の掛け声に合わせて、みんな一斉に焼肉を食べ始めました。
なかでもグラルなんて、涙を流しながらがっついてるし。
「旦那ァ!あっしはこんな旨いもん食べたの、初めてでさ。もう死んでもいい…」
「何バカな事言ってんのよ?アンタはこれから活躍して貰う予定なんだから、死なれたら困るじゃない。
たくさん食べてパワーつけなさいよね」
「ネル姐さん!ありがとうございます!」
グラルの発言を聞いてると、任侠ドラマ観てるみたいな気分になるよね。
「ユーマ様、ワイバーンなんて初めて食うたんじゃが、なかなか旨いもんじゃの。また機会があれば狩ってもいいかの?」
「シアが面倒じゃなければまた頼むよ。解体もマイラさんに教えてもらったし、僕もまた食べたいし」
「任せるのじゃよ!こんなトカゲごときなら、何匹来ても相手にならんのじゃからして」
うん、頼りにしてる。って言ってもそんな頻繁に出会いたくはないけどさ。
飛竜自体はわりとどこにでも生息してるらしいけど、基本的には縄張りを持って活動する為、この一帯で再び遭遇するとしたら恐らくこの肉の番のオス。しかもパートナーを失って気が立ってるヤツだそうで。
ちょっと可哀想な気もするけどね。
「ふぁぁぁ…もうお腹いっぱいー!もうしばらく、ワイバーン肉なんて見たくないわ」
「むしろその身体のどこにあの量が消えたのか知りたいんだけど…」
「何よ?元のサイズにならないと納得出来ないワケ?今は小さいけど、見かけだけなんだからね」
なるほど、そういうシステムでしたか。
「でもユーマのおかげで、好きな時にあの姿に戻れるっていうのはありがたいわ。移動の時には小さい方が楽なんだけどね」
「ずっと元の姿でいられる方がいいんじゃないの?」
「もしそれが可能になったら、ずっと抱っこして歩いてくれる?それだったらいいわよ?
それに、多分めちゃくちゃ目立つわね」
そっか、それを忘れてたよ。
まぁグラルみたいに、ネルの姿を知らない人もいるけど、大多数は気付いちゃうよなぁ。
あと、ずっと抱っこしてたら余計に目立ちます。
「でも結構長い時間維持出来るようになってたわね?改造した様子はなかったのに」
「維持する方法が全く思いつかなくて、とりあえずひたすら魔力を注ぎ続ける事にしたんだ。
基本的に、魔力余らせても勿体ないじゃない?だから回復量は全部アレに流し込む様にしてる。で、寝る直前に空っぽになるまで魔力を注ぎ込んで寝落ちって感じ」
「そんな事してたのね…そりゃバカみたいな魔力量になるはずだわ。
使い切ると、回復した時に総量が成長するの説明してたっけ?まぁ今更だけど」
うーむ、聞いた様な聞いてない様な…
まぁ、魔力はあって困るもんじゃないからいっか。
「ねぇ、そろそろお風呂準備しない?あの魔道具の見せ場よ?」
「そうだね。掛け流しの露天風呂なんて文化の極みだし。すぐ用意してくる」
僕はもう一度入るつもりだけど、マイラさんはどうするんだろ?とりあえず誘わない手はないけど。
湯船横に、魔導給湯器を設置してスイッチオン。様子を見ながら加熱魔石も起動。
朝と同じ様に、豊富な湯量がたちまち広い湯船を満たしていきます。
湯船の縁から、湯が溢れ出て小さな滝を作ると、立ち昇る湯気を篝火の灯りが照らし、揺らめく様が風情を感じさせてくれますね。
「ユーマ君も、もう一度入るのかい?アタシは入るつもりなんだけど」
湯気を眺めてぼんやりしていると、マイラさんから声がかかりました。マイラさんもお風呂気に入ってくれたんだなぁと思うとちょっと感動です。
そうこうしてるうちにシアもネルを抱えながらやってきます。
みんなの後を追う様に、グラルが巴を引いて来ました。
「旦那!巴嬢も入れて大丈夫ですかい?風羽花嬢が説明したみたいで」
「もちろん!巴もシアと同じだから大丈夫!とりあえず人化してね」
僕の声を聞くやいなや、巴は姿を変えて駆け寄ってきました。
うん、「裸」だね。わかってはいるけど。
「旦那様!風羽花ちゃんに聞いて超楽しみだったんですよね!水浴びしかした事なかったし、この姿も初めてだし、もうワクワクドキドキでした!もう入っていいですか?」
「待って、巴。ちゃんと決まりがあるんだよ。まずはこの手桶で掛け湯して…」
巴に入浴ルールを説明してる間に、みんな次々と入っていきます。あれ?僕最後になりそうだね。
説明をうずうずしながら聞いていた巴が、大雑把な感じで掛け湯すると湯船にイン。たちまち蕩けそうな顔になってます。
僕も急いで服を脱いで、ざっと掛け湯して入ります。
気付けば結構な人数になったなぁ。少し感慨深いものがありますね。
肩まで浸かって一息ついた時、マイラさんが近寄ってきました。そのままさりげなく隣に座り、頭を肩にもたれさせて無言です。
さっきのお風呂で距離感が縮まったかな?
それもまた嬉しいですね。
「あら?マイラもなかなかやるじゃない。私もして貰おうかな?ユーマ、アレ出して?」
…え?まじすか?いや、まぁ、嬉しいですけど。
髪飾りを渡すとすぐ、ネルは元の姿に戻ります。
わぉ!ネルは僕の腕を抱き抱えながら頭を肩に乗せてきました。
腕が幸せな事になってますって!
「どうよ?ユーマ。マイラには無い感触でしょー?」
いやまぁそうなんだけど…何張り合ってんのよ?女神様!
周囲の哨戒に出ていた風羽花達も、それぞれ獲物を狩って帰って来ています。
さぁ、飛竜討伐記念の焼肉パーティーの始まりです!
収納から、切り出した肉の塊を取り出して、食べ易いサイズに切り分けていきます。風羽花や銀達には、大きめの塊を切り分けて配りました。
今日の主役は、殊勲賞もののシアですね!
「今日は、シアのおかげで誰一人としてケガもなく、こうしてワイバーン肉にありつく事ができます!
改めてシア!ありがと!みんなでシアに感謝しながら、思いっ切り食べましょう!」
僕の掛け声に合わせて、みんな一斉に焼肉を食べ始めました。
なかでもグラルなんて、涙を流しながらがっついてるし。
「旦那ァ!あっしはこんな旨いもん食べたの、初めてでさ。もう死んでもいい…」
「何バカな事言ってんのよ?アンタはこれから活躍して貰う予定なんだから、死なれたら困るじゃない。
たくさん食べてパワーつけなさいよね」
「ネル姐さん!ありがとうございます!」
グラルの発言を聞いてると、任侠ドラマ観てるみたいな気分になるよね。
「ユーマ様、ワイバーンなんて初めて食うたんじゃが、なかなか旨いもんじゃの。また機会があれば狩ってもいいかの?」
「シアが面倒じゃなければまた頼むよ。解体もマイラさんに教えてもらったし、僕もまた食べたいし」
「任せるのじゃよ!こんなトカゲごときなら、何匹来ても相手にならんのじゃからして」
うん、頼りにしてる。って言ってもそんな頻繁に出会いたくはないけどさ。
飛竜自体はわりとどこにでも生息してるらしいけど、基本的には縄張りを持って活動する為、この一帯で再び遭遇するとしたら恐らくこの肉の番のオス。しかもパートナーを失って気が立ってるヤツだそうで。
ちょっと可哀想な気もするけどね。
「ふぁぁぁ…もうお腹いっぱいー!もうしばらく、ワイバーン肉なんて見たくないわ」
「むしろその身体のどこにあの量が消えたのか知りたいんだけど…」
「何よ?元のサイズにならないと納得出来ないワケ?今は小さいけど、見かけだけなんだからね」
なるほど、そういうシステムでしたか。
「でもユーマのおかげで、好きな時にあの姿に戻れるっていうのはありがたいわ。移動の時には小さい方が楽なんだけどね」
「ずっと元の姿でいられる方がいいんじゃないの?」
「もしそれが可能になったら、ずっと抱っこして歩いてくれる?それだったらいいわよ?
それに、多分めちゃくちゃ目立つわね」
そっか、それを忘れてたよ。
まぁグラルみたいに、ネルの姿を知らない人もいるけど、大多数は気付いちゃうよなぁ。
あと、ずっと抱っこしてたら余計に目立ちます。
「でも結構長い時間維持出来るようになってたわね?改造した様子はなかったのに」
「維持する方法が全く思いつかなくて、とりあえずひたすら魔力を注ぎ続ける事にしたんだ。
基本的に、魔力余らせても勿体ないじゃない?だから回復量は全部アレに流し込む様にしてる。で、寝る直前に空っぽになるまで魔力を注ぎ込んで寝落ちって感じ」
「そんな事してたのね…そりゃバカみたいな魔力量になるはずだわ。
使い切ると、回復した時に総量が成長するの説明してたっけ?まぁ今更だけど」
うーむ、聞いた様な聞いてない様な…
まぁ、魔力はあって困るもんじゃないからいっか。
「ねぇ、そろそろお風呂準備しない?あの魔道具の見せ場よ?」
「そうだね。掛け流しの露天風呂なんて文化の極みだし。すぐ用意してくる」
僕はもう一度入るつもりだけど、マイラさんはどうするんだろ?とりあえず誘わない手はないけど。
湯船横に、魔導給湯器を設置してスイッチオン。様子を見ながら加熱魔石も起動。
朝と同じ様に、豊富な湯量がたちまち広い湯船を満たしていきます。
湯船の縁から、湯が溢れ出て小さな滝を作ると、立ち昇る湯気を篝火の灯りが照らし、揺らめく様が風情を感じさせてくれますね。
「ユーマ君も、もう一度入るのかい?アタシは入るつもりなんだけど」
湯気を眺めてぼんやりしていると、マイラさんから声がかかりました。マイラさんもお風呂気に入ってくれたんだなぁと思うとちょっと感動です。
そうこうしてるうちにシアもネルを抱えながらやってきます。
みんなの後を追う様に、グラルが巴を引いて来ました。
「旦那!巴嬢も入れて大丈夫ですかい?風羽花嬢が説明したみたいで」
「もちろん!巴もシアと同じだから大丈夫!とりあえず人化してね」
僕の声を聞くやいなや、巴は姿を変えて駆け寄ってきました。
うん、「裸」だね。わかってはいるけど。
「旦那様!風羽花ちゃんに聞いて超楽しみだったんですよね!水浴びしかした事なかったし、この姿も初めてだし、もうワクワクドキドキでした!もう入っていいですか?」
「待って、巴。ちゃんと決まりがあるんだよ。まずはこの手桶で掛け湯して…」
巴に入浴ルールを説明してる間に、みんな次々と入っていきます。あれ?僕最後になりそうだね。
説明をうずうずしながら聞いていた巴が、大雑把な感じで掛け湯すると湯船にイン。たちまち蕩けそうな顔になってます。
僕も急いで服を脱いで、ざっと掛け湯して入ります。
気付けば結構な人数になったなぁ。少し感慨深いものがありますね。
肩まで浸かって一息ついた時、マイラさんが近寄ってきました。そのままさりげなく隣に座り、頭を肩にもたれさせて無言です。
さっきのお風呂で距離感が縮まったかな?
それもまた嬉しいですね。
「あら?マイラもなかなかやるじゃない。私もして貰おうかな?ユーマ、アレ出して?」
…え?まじすか?いや、まぁ、嬉しいですけど。
髪飾りを渡すとすぐ、ネルは元の姿に戻ります。
わぉ!ネルは僕の腕を抱き抱えながら頭を肩に乗せてきました。
腕が幸せな事になってますって!
「どうよ?ユーマ。マイラには無い感触でしょー?」
いやまぁそうなんだけど…何張り合ってんのよ?女神様!
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