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第三章 バーナムの街
第84話
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「あーっはっはっは!そうだったね!ユーマ君は普通じゃなかったねぇ!」
…凄い笑顔でディスられなう。
マイラさんの頭から、僕の収納に関する情報がすっぽり抜けていた様だったので、目の前で丸々収納してあげたんです。
目の前から掻き消えた飛竜の巨体に、一瞬何が起きたのかとびっくりするマイラさん。
その次の瞬間に、全てを把握して大笑いしました。
「こいつはとんでもないねぇ!確か、時間の進行もゆっくりになるんだったよね?という事は、あのワイバーンも劣化させずに運べるわけだ。
ユーマ君、ワイバーンの肉はとても美味しいんだよ。
ただし恐ろしく足が早くてね。2日足らずでその旨さは損なわれるんだ。それを君は…
笑いが止まらないねぇ!」
マイラさんがとても悪い顔です。
「今夜はまだこの辺りで一泊する予定だったよね?すまないが、少し早めに拠点を決めて欲しいな。
明るい内に解体したい。
ユーマ君にも手解きしてあげようじゃないか」
それはありがたい。巴のパワーなら街道までそれ程かからないはずだし、いっそこの辺りで拠点設営してしまおうかな?
馬車に戻り、ネルにも了解が貰えたので、かなり早いですが今夜はこの位置で休む事にしましょう。
小屋の設営を済ませると、まだ明るいせいもあってなんだか非常に目立つ気もします。
とりあえず、風羽花と銀達に日が暮れるまで周囲の警戒と狩りをお願いしておきましょう。
「みんな頼むね。今日の晩はワイバーン肉食べさせてあげるから頑張って」
その一言に俄然ヤル気が出たみたい。これでひとまず安心かな。
「ユーマ君、解体を始めたいんだがね、ちょっとだけ欲が出てきてしまったんだよ。
一応念の為に確認しようかなぁと思って聞くんだけど、あのウッドデッキよりも広いスペースを用意出来ないかい?
可能であれば、あのワイバーンを置ける位のサイズで、且つ、砂汚れが付きにくいような…」
…マイラさんらしくない事聞くなぁ。あ、まさか。
「マイラさん、ネルになんか言われたでしょ?」
「う、なんでわかったんだい?」
だって、マイラさんだと絶対思い付かないから。
マイラさんが言うには、ネルと解体の話をしている時に、本来なら設備の整った解体場でやるべき事だと説明したそうだ。
するとネルからどんな設備か尋ねられたので、王都の冒険者ギルドにある解体場の説明をしたらしい。
その解体場は、大理石の床貼りに排水の溝が切られ、すぐに汚れを流せる給水装置と、傷みやすい素材を保存出来る保管庫が設置されているんだって。
そしたらネルに「作業するスペースを用意してくれ」と伝えてみればいいと言われたと。
「多分大丈夫だと思います。大理石じゃなくてもいいですよね?
とりあえず広さの目安にしたいので、僕のいる所を基準にして、必要なスペースを確保できる対角の位置に立って貰えます?」
「あぁ、わかったよ。それならちょうどこの辺りじゃないかな。
それでどうするんだい?」
どうするかは見てたらわかります。
僕はマイラさんまでの長さを対角線に取る様にイメージしながら魔力の線を引きます。以前のオーク戦でやったやつの応用編って感じですね。
その中点と直角に交差する様に同じ長さの線を引いて、それぞれの対角線の端を互いに結べば、正方形のエリアを魔力線で囲うことが出来ました。
次に囲ったエリアの中を魔力で包むと、地表に生えた草ごと耕す様にかき混ぜます。重量物を載せる予定なので、余裕を持って50㎝位までやりますか。
範囲全体が耕された畑の様になりました。
今度は土に魔力を浸透させて圧縮していきます。堀り下げた50㎝を半分くらいまで押し固めると板っぽい固まりになります。
さぁ、仕上げに板をガラス質の黒曜石をイメージして変質させれば…ほら出来上がり。
「ははは…こりゃ笑うしかないね。巻き込んだ草や生き物はどうなったんだい?」
「多分圧縮の過程で、大体の生き物関係は死んでるんじゃないですかね?まぁあとは分解されたと思います。わかんないけど」
「ネル様が言われた意味がよくわかったよ…
これなら十分に作業出来る。もし可能なら、この周りを掘り下げて排水できるようにしてくれないかい?
あとは何本か表面に溝を切ってくれたら完璧だよ」
マイラさんからオーダーが入るとは思いませんでした。
もちろん即対応がモットーです。
「うん、ばっちりだね。一応表面を流してからワイバーンの解体を始めようか」
マイラさんの注文に遠慮がなくなりました。
やりますけどね。
作業台の横に魔導給湯器を設置して、スイッチオン。しばらくすると勢いよく水が流れ出し、作業台の上を流していきます。
傾斜を考えてなかったけど水平が保たれてる分、均等に広がってくれました。
「じゃあ、ワイバーンを出してくれるかい?向きの調整が出来るなら腹を上にしてくれたら助かる」
飛竜はシアが上手く頸をへし折って絶命させてくれたので、ねじ曲がった首以外は無傷です。
マイラさんは作業台の上に仰向けで寝かされた飛竜の腹側に上がると、頸の付け根辺りから尻尾の付け根辺りまで一気に切れ目を入れて行きました。
さぁ、解体開始だね。
グロ耐性はある方だと思うけど、大丈夫かな?
…凄い笑顔でディスられなう。
マイラさんの頭から、僕の収納に関する情報がすっぽり抜けていた様だったので、目の前で丸々収納してあげたんです。
目の前から掻き消えた飛竜の巨体に、一瞬何が起きたのかとびっくりするマイラさん。
その次の瞬間に、全てを把握して大笑いしました。
「こいつはとんでもないねぇ!確か、時間の進行もゆっくりになるんだったよね?という事は、あのワイバーンも劣化させずに運べるわけだ。
ユーマ君、ワイバーンの肉はとても美味しいんだよ。
ただし恐ろしく足が早くてね。2日足らずでその旨さは損なわれるんだ。それを君は…
笑いが止まらないねぇ!」
マイラさんがとても悪い顔です。
「今夜はまだこの辺りで一泊する予定だったよね?すまないが、少し早めに拠点を決めて欲しいな。
明るい内に解体したい。
ユーマ君にも手解きしてあげようじゃないか」
それはありがたい。巴のパワーなら街道までそれ程かからないはずだし、いっそこの辺りで拠点設営してしまおうかな?
馬車に戻り、ネルにも了解が貰えたので、かなり早いですが今夜はこの位置で休む事にしましょう。
小屋の設営を済ませると、まだ明るいせいもあってなんだか非常に目立つ気もします。
とりあえず、風羽花と銀達に日が暮れるまで周囲の警戒と狩りをお願いしておきましょう。
「みんな頼むね。今日の晩はワイバーン肉食べさせてあげるから頑張って」
その一言に俄然ヤル気が出たみたい。これでひとまず安心かな。
「ユーマ君、解体を始めたいんだがね、ちょっとだけ欲が出てきてしまったんだよ。
一応念の為に確認しようかなぁと思って聞くんだけど、あのウッドデッキよりも広いスペースを用意出来ないかい?
可能であれば、あのワイバーンを置ける位のサイズで、且つ、砂汚れが付きにくいような…」
…マイラさんらしくない事聞くなぁ。あ、まさか。
「マイラさん、ネルになんか言われたでしょ?」
「う、なんでわかったんだい?」
だって、マイラさんだと絶対思い付かないから。
マイラさんが言うには、ネルと解体の話をしている時に、本来なら設備の整った解体場でやるべき事だと説明したそうだ。
するとネルからどんな設備か尋ねられたので、王都の冒険者ギルドにある解体場の説明をしたらしい。
その解体場は、大理石の床貼りに排水の溝が切られ、すぐに汚れを流せる給水装置と、傷みやすい素材を保存出来る保管庫が設置されているんだって。
そしたらネルに「作業するスペースを用意してくれ」と伝えてみればいいと言われたと。
「多分大丈夫だと思います。大理石じゃなくてもいいですよね?
とりあえず広さの目安にしたいので、僕のいる所を基準にして、必要なスペースを確保できる対角の位置に立って貰えます?」
「あぁ、わかったよ。それならちょうどこの辺りじゃないかな。
それでどうするんだい?」
どうするかは見てたらわかります。
僕はマイラさんまでの長さを対角線に取る様にイメージしながら魔力の線を引きます。以前のオーク戦でやったやつの応用編って感じですね。
その中点と直角に交差する様に同じ長さの線を引いて、それぞれの対角線の端を互いに結べば、正方形のエリアを魔力線で囲うことが出来ました。
次に囲ったエリアの中を魔力で包むと、地表に生えた草ごと耕す様にかき混ぜます。重量物を載せる予定なので、余裕を持って50㎝位までやりますか。
範囲全体が耕された畑の様になりました。
今度は土に魔力を浸透させて圧縮していきます。堀り下げた50㎝を半分くらいまで押し固めると板っぽい固まりになります。
さぁ、仕上げに板をガラス質の黒曜石をイメージして変質させれば…ほら出来上がり。
「ははは…こりゃ笑うしかないね。巻き込んだ草や生き物はどうなったんだい?」
「多分圧縮の過程で、大体の生き物関係は死んでるんじゃないですかね?まぁあとは分解されたと思います。わかんないけど」
「ネル様が言われた意味がよくわかったよ…
これなら十分に作業出来る。もし可能なら、この周りを掘り下げて排水できるようにしてくれないかい?
あとは何本か表面に溝を切ってくれたら完璧だよ」
マイラさんからオーダーが入るとは思いませんでした。
もちろん即対応がモットーです。
「うん、ばっちりだね。一応表面を流してからワイバーンの解体を始めようか」
マイラさんの注文に遠慮がなくなりました。
やりますけどね。
作業台の横に魔導給湯器を設置して、スイッチオン。しばらくすると勢いよく水が流れ出し、作業台の上を流していきます。
傾斜を考えてなかったけど水平が保たれてる分、均等に広がってくれました。
「じゃあ、ワイバーンを出してくれるかい?向きの調整が出来るなら腹を上にしてくれたら助かる」
飛竜はシアが上手く頸をへし折って絶命させてくれたので、ねじ曲がった首以外は無傷です。
マイラさんは作業台の上に仰向けで寝かされた飛竜の腹側に上がると、頸の付け根辺りから尻尾の付け根辺りまで一気に切れ目を入れて行きました。
さぁ、解体開始だね。
グロ耐性はある方だと思うけど、大丈夫かな?
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