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第三章 バーナムの街
第74話
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部屋に戻ると、ネル達は先にお風呂も済ましていたようで、キングサイズのベッドにゴロゴロしながら寛いでいました。
「ユーマ、やっぱり貴族の屋敷はいいわね。
マイラが操作してくれたんだけど、お風呂にはお湯が出せる魔道具が設置してあったわ。それに身体洗うのに使う石鹸とかもいい香りがするのよ!」
「へぇ!そんなのがあるんだ?それはちょっと欲しいかも」
「ユーマ君、泥棒はダメだよ?さすがにそれを見逃す訳には行かない」
マイラさん…僕をそういう目で見てたのか。
「しませんからね?似たようなモノ作ろうかと思ってるだけですから!
作れてもマイラさんには使わせてあげませんから」
「え?いや、すまないユーマ君!そんな意地悪言わないでくれないかい?アタシにも使わせておくれよ」
「別に湯船だけ用意して差し上げますから、そっちにひとりでどうぞ!」
マイラさんは若干涙目になってます。
「湯船を満たすお湯なんてどうやって作ればいいんだい?
しかも1人だなんて寂しいじゃないか…ねぇお願いだよユーマ君、許して?」
「冗談ですから、泣かないでくださいよ。マイラさんも僕の事もう少し信用して下さいね?」
「うぅ…すまなかった。今後は気をつけるよ」
まぁ、そんなに気にしてないんですけどね。
けどマイラさんってエルフなだけあって、長く生きてる分少しだけ年寄り臭いんだよなぁ。
見た目は若いお姉さんなので、もっとかわいらしくしてもいいんじゃないでしょうか?言って直るもんでもないと思うけど。
「ユーマもいつまでもマイラで遊んでないで、さっきの事報告しなさいよ?」
「あー、そうだね。でも先にお風呂済ませていいかな?結構疲れたから」
お風呂で癒されてからお話させて頂きます。
「…ふーん。なるほどねぇ」
さっぱりした後、3人に先程の談話室での出来事を説明してみました。
「エリーヌの母がジェシカよね?そのジェシカは間違いなく転生者だわ。
ユーマの場合は転移だけど、彼女の場合は、魂が転生してユーマのいた世界からこっちの世界に生まれ変わったのよ」
実際のところ、ネルの意思に関係なく毎年それなりの数が世界間を移動しているんだって。
もちろん地球からの一方通行なわけではなく、ガイアスから地球への転生もあるっていうか、他にも世界は沢山あって、魂の移動はシステム的に行われるんだそうで。
「たまにジェシカみたいに前世記憶が残ってるケースもあるのよ。ちょっとしたシステムエラーね」
マイラさんはそんな話初めて聞きましたって、めちゃくちゃ興奮してたけど。
そういうエラーによって文明や技術が伝播する事も、世界のリソースを増やす要因でもあるから、上位存在も無理に修正しないで、一つの要因として認めてるんだろうっていうのがネルの考え方みたい。
地球の歴史でも稀に、時代背景からは考えられない様な技術的な進歩があったりするのが多分それなんだろうなぁ。
「それより問題はエリーヌをどうするかなんだけど…」
「いいじゃない。連れて行きましょ?」
…え?まじすか?
「ユーマのトンデモ魔力術で隷属魔法が使えるんですもの。
ダメトカゲとハイエルフしかいないヘンテコパーティよりもマシになるじゃない」
あ、マイラさんが凹んだ。
「ヘ、ヘンテコ…」
「普通の人族が入る方が見た目にもいいと思わない?」
マイラさんは放置なのね。
「ネルがいいんだったら僕は反対する理由はないけどさ、エリーヌにどこまで教えるかじゃない?
いくら隷属魔法使うって言っても、普段の態度とかに出ちゃったりしないかな?」
「確かにそうね。マイラだって私に変にへり下るから…いい加減慣れなさいよね」
「ネルさんとは呼びづらくて…やはり女神様でいらっしゃいますから」
まぁ、ハイエルフ自体が精霊王に対して最上の敬意を持ってるみたいだし、ネルはそれより上位だからなぁ…
「ともかく人前では敬語は辞めなさいよね。迷惑だわ」
うぉい!言い方!
あーあ、マイラさんまた凹んじゃったよ。
「ぜ、善処します…」
結局、マイラさんの心の生命力がピンチになったりはしたけど、エリーヌお嬢様は同行させる方針に。
彼女には隠し事をするより、特に何も伝えないでおいて、男爵に内緒で隷属魔法を使って絶対服従させようって事になりました。
ネルが決めたんだけどね。
「どうせ貴族って、プライドが高いんだからへし折ってあげた方がいいのよ」
…ネルの発言が過激でした。
こうしてエリーヌお嬢様の件も決めたので、明日に備えて休む事になったんですが…
「どう?素敵でしょ?ユーマが作った魔道具のおかげよっ!」
「ネールドリア様…」
マイラさんが思わず呟いたけどね。
そう、今のネルはおっきくなってます。
実はこの前「創世女神の髪飾り」を作った後ネルに依頼されたのがこれだったんですよね。
とは言ってもまだ未完成なのですぐに萎みます。
「あーん、もう終わっちゃったじゃない!早く完成させなさいよね」
なんつー無茶振りですか。
とりあえず髪飾りに魔力を込めまくって、ネルが姿を戻す為の力を髪飾りから供給するだけなんだよね。
僕が完成品って思ってないせいか前みたいに銘はなくて、マイラさんが鑑定したら神銀の髪飾りになってましたが。
寝る前にちょっとしたイベントをこなした僕は、広いベッドで初めてゆったりと眠る事ができました。
「ユーマ、やっぱり貴族の屋敷はいいわね。
マイラが操作してくれたんだけど、お風呂にはお湯が出せる魔道具が設置してあったわ。それに身体洗うのに使う石鹸とかもいい香りがするのよ!」
「へぇ!そんなのがあるんだ?それはちょっと欲しいかも」
「ユーマ君、泥棒はダメだよ?さすがにそれを見逃す訳には行かない」
マイラさん…僕をそういう目で見てたのか。
「しませんからね?似たようなモノ作ろうかと思ってるだけですから!
作れてもマイラさんには使わせてあげませんから」
「え?いや、すまないユーマ君!そんな意地悪言わないでくれないかい?アタシにも使わせておくれよ」
「別に湯船だけ用意して差し上げますから、そっちにひとりでどうぞ!」
マイラさんは若干涙目になってます。
「湯船を満たすお湯なんてどうやって作ればいいんだい?
しかも1人だなんて寂しいじゃないか…ねぇお願いだよユーマ君、許して?」
「冗談ですから、泣かないでくださいよ。マイラさんも僕の事もう少し信用して下さいね?」
「うぅ…すまなかった。今後は気をつけるよ」
まぁ、そんなに気にしてないんですけどね。
けどマイラさんってエルフなだけあって、長く生きてる分少しだけ年寄り臭いんだよなぁ。
見た目は若いお姉さんなので、もっとかわいらしくしてもいいんじゃないでしょうか?言って直るもんでもないと思うけど。
「ユーマもいつまでもマイラで遊んでないで、さっきの事報告しなさいよ?」
「あー、そうだね。でも先にお風呂済ませていいかな?結構疲れたから」
お風呂で癒されてからお話させて頂きます。
「…ふーん。なるほどねぇ」
さっぱりした後、3人に先程の談話室での出来事を説明してみました。
「エリーヌの母がジェシカよね?そのジェシカは間違いなく転生者だわ。
ユーマの場合は転移だけど、彼女の場合は、魂が転生してユーマのいた世界からこっちの世界に生まれ変わったのよ」
実際のところ、ネルの意思に関係なく毎年それなりの数が世界間を移動しているんだって。
もちろん地球からの一方通行なわけではなく、ガイアスから地球への転生もあるっていうか、他にも世界は沢山あって、魂の移動はシステム的に行われるんだそうで。
「たまにジェシカみたいに前世記憶が残ってるケースもあるのよ。ちょっとしたシステムエラーね」
マイラさんはそんな話初めて聞きましたって、めちゃくちゃ興奮してたけど。
そういうエラーによって文明や技術が伝播する事も、世界のリソースを増やす要因でもあるから、上位存在も無理に修正しないで、一つの要因として認めてるんだろうっていうのがネルの考え方みたい。
地球の歴史でも稀に、時代背景からは考えられない様な技術的な進歩があったりするのが多分それなんだろうなぁ。
「それより問題はエリーヌをどうするかなんだけど…」
「いいじゃない。連れて行きましょ?」
…え?まじすか?
「ユーマのトンデモ魔力術で隷属魔法が使えるんですもの。
ダメトカゲとハイエルフしかいないヘンテコパーティよりもマシになるじゃない」
あ、マイラさんが凹んだ。
「ヘ、ヘンテコ…」
「普通の人族が入る方が見た目にもいいと思わない?」
マイラさんは放置なのね。
「ネルがいいんだったら僕は反対する理由はないけどさ、エリーヌにどこまで教えるかじゃない?
いくら隷属魔法使うって言っても、普段の態度とかに出ちゃったりしないかな?」
「確かにそうね。マイラだって私に変にへり下るから…いい加減慣れなさいよね」
「ネルさんとは呼びづらくて…やはり女神様でいらっしゃいますから」
まぁ、ハイエルフ自体が精霊王に対して最上の敬意を持ってるみたいだし、ネルはそれより上位だからなぁ…
「ともかく人前では敬語は辞めなさいよね。迷惑だわ」
うぉい!言い方!
あーあ、マイラさんまた凹んじゃったよ。
「ぜ、善処します…」
結局、マイラさんの心の生命力がピンチになったりはしたけど、エリーヌお嬢様は同行させる方針に。
彼女には隠し事をするより、特に何も伝えないでおいて、男爵に内緒で隷属魔法を使って絶対服従させようって事になりました。
ネルが決めたんだけどね。
「どうせ貴族って、プライドが高いんだからへし折ってあげた方がいいのよ」
…ネルの発言が過激でした。
こうしてエリーヌお嬢様の件も決めたので、明日に備えて休む事になったんですが…
「どう?素敵でしょ?ユーマが作った魔道具のおかげよっ!」
「ネールドリア様…」
マイラさんが思わず呟いたけどね。
そう、今のネルはおっきくなってます。
実はこの前「創世女神の髪飾り」を作った後ネルに依頼されたのがこれだったんですよね。
とは言ってもまだ未完成なのですぐに萎みます。
「あーん、もう終わっちゃったじゃない!早く完成させなさいよね」
なんつー無茶振りですか。
とりあえず髪飾りに魔力を込めまくって、ネルが姿を戻す為の力を髪飾りから供給するだけなんだよね。
僕が完成品って思ってないせいか前みたいに銘はなくて、マイラさんが鑑定したら神銀の髪飾りになってましたが。
寝る前にちょっとしたイベントをこなした僕は、広いベッドで初めてゆったりと眠る事ができました。
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