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第ニ章 ガルドの街
第61話
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こんにちは!僕です。
旅立ちの日ってもっとしんみりしたりするものかと思っていました。
…いや、しんみりする暇がなかっただけなんだけど。
昨日の夜は、マイラさんの歓迎会って事もあり、最終的にはマーサさんまで参加して結構盛り上がりました。
メアリなんて最後は寂しいって泣き出すし、ワインを飲んだマイラさんが僕に絡んでくるしで、大変ながらも楽しい時間をすごしました。
部屋に上がるとすぐにお風呂の準備をしたんだけど、その時もまだ酔っ払ってるマイラさんに非常識だと責められ、風呂に入っては、恥じらいがどうとか詰られ、結局一緒に入るんだという謎行動に。
マイラさん平たい。何がとかいいませんけど。
風呂上がりに酔いから醒めたマイラさんが、赤面しててかわいかったです。
「それで明日からはどうする?ネルの意見とかある?」
「特にはないわね。とりあえず街道沿いに移動してこの国の王都に向かうのはどうかしら?」
「王都ならアタシは何度も行ってるし任せてくれたらいいよ。
ただ、出来たらルフ王国の方にも行っては貰えないかな?」
マイラさんの依頼の件があるから、ルフ王国行きは予定に入れておかないとね。
ギルドで貰った地図にはルフ王国が載ってなかったから、マイラさんに書き足して貰いました。
「王都からルフ王国に向かう街道は、迷いの森の手前の街までしかなくてね。そこからは道無き道を行く事になるんだ。
もちろんハイエルフのアタシが居れば、森で迷う事もないから安心してくれ」
「じゃあ、方針は決まりだね。王都経由でルフ王国に向かうって事にしよう。
明日の昼過ぎには出発出来る様に、朝から食材の買い出ししなきゃね」
「それなら寝ましょ。シアは私達と一緒でいいわ。もう一つのベッドはマイラが使いなさい?」
「アタシはソファで…」
「いいのよ!どうせ別に寝たって、朝には潜り込むのがシアなんだから」
…最初からシアと同衾って、何の拷問?耐えるしかないな。
「ん?我はいつでもうえるかむじゃぞ?」
「うえるかまないで頼むから。さぁ寝よう。いやまじで!シアも指咥えてない!じゃおやすみ」
さっさと横になれば、今日もすぐに眠れます。おやすみなさい…
「いいのかい?なんとなくお風呂の流れでそういう感じになるもんだと思ってたんだけどねぇ…」
「今はいいのよ。いずれはそうなるかもしれない位に思ってなさい?
私だってもう少し力が戻れば参戦するわよ?」
「我も地道にアプローチするのじゃ。あの方も若いんじゃし、焦りはせぬよ。今はまだじゃの」
…寝てるので断じて聞いてません。マイラさんは意外だったけどね。
「みんなおはよー!朝食の準備は出来てるよっ!座って!」
窮屈なベッドで目を覚ますと、さっさと準備して食堂へ。
メアリが昨晩の泣き顔を引きずらない笑顔で案内してくれました。
「みなさん、今日ご出発でしたよね?またのご利用をお待ちしてますね。
それで、メアリがお世話になりましたから、コレお礼も兼ねてですけど旅路で召し上がって?」
なんと、マーサさんがサンドイッチに使えそうなパンと同じパンで作ったサンドイッチを用意してくれてたみたいです。
「メアリからジルさんのサンドイッチの話を聞かされてたのよ。せっかくだからと思って」
「ありがとうございます!コレほんとに嬉しいですよ!大切に食べますね」
ここに泊まれて良かったです。きっとこの街が拠点なら定宿にするだろうなぁと思うくらい、マーサさんの優しさには感謝しかないです。
「道中のご無事をお祈りしますね。いつかまた会いましょう」
こうして僕達は、マーサさんとメアリに見送られながら宿を後にしました。
「パン貰ったから予定変更かな?
あ、でも一応商業ギルドの市場にも寄ってみようか」
「何か買うの?まぁ保存は気にしなくていいのは助かるわね。そういう意味でもユーマは便利だわ」
…便利ゆーなし。
市場には初めて来ましたが、想像していたよりも店の数が多くて驚きました。
ギルド横の通りを入ると、肉や野菜を中心に小物雑貨なんかも扱ってる店もあり、ゆっくり見て行ったら半日位は時間をつぶせそうな雰囲気があります。
「あ、ユーマ!アレ買ってよ!」
ネルが指差している先には、銀製品ぽい金属の髪飾りがあります。
…アレつけたら立てないよ?
「いらっしゃいませ!おや、お兄さん美人さん何人も連れて羨ましいね。
どうだいプレゼントに?」
「コレは銀?綺麗な細工ですね」
「ここに置いてるのは銀だけど、真銀も少しあるぜ?」
「ほぅ、真銀も扱ってるのかい?店主、金はある、見せてくれるかな?」
マイラさんがミスリルという言葉に反応しました。
「おやエルフさんか、そりゃ変なもんは出せないな。まぁ、まがいもんじゃないから確かめてくれよ」
そう言いながら、奥に置いた小箱を持って来ます。
「うん、コレは間違いなく真銀だねぇ。細工も悪くないじゃないか」
「そうだろう?たまたま手に入れたんだが、特に付与もないから冒険者にも売れなくてな。
かと言って、ただの飾りなら銀で充分だからよ」
付与ってのはよくわからないけど、ぱっと見確かに銀とそんな違いがわからないから、普通なら銀製品買うだろうなぁ。
「ご主人、この髪飾り4個と指輪1個買いたいけどいくらですか?」
「お!兄さん男前じゃないの!まとめて買ってくれるなら全部で金貨10枚でいいぜ?大サービスの値段だ」
マイラさんの顔をチラ見すると、どうやら異常な値段ではないみたい。
「じゃあ買います。10枚ですね」
「ありがとうよ。不良在庫が掃けて助かった。また掘り出し物が入ったら兄さんなら声かけるぜ?たまに顔出してくんな」
「あははっ。わかりました。その時はよろしくお願いします」
こういう社交辞令も大切だよね。
旅立ちの日ってもっとしんみりしたりするものかと思っていました。
…いや、しんみりする暇がなかっただけなんだけど。
昨日の夜は、マイラさんの歓迎会って事もあり、最終的にはマーサさんまで参加して結構盛り上がりました。
メアリなんて最後は寂しいって泣き出すし、ワインを飲んだマイラさんが僕に絡んでくるしで、大変ながらも楽しい時間をすごしました。
部屋に上がるとすぐにお風呂の準備をしたんだけど、その時もまだ酔っ払ってるマイラさんに非常識だと責められ、風呂に入っては、恥じらいがどうとか詰られ、結局一緒に入るんだという謎行動に。
マイラさん平たい。何がとかいいませんけど。
風呂上がりに酔いから醒めたマイラさんが、赤面しててかわいかったです。
「それで明日からはどうする?ネルの意見とかある?」
「特にはないわね。とりあえず街道沿いに移動してこの国の王都に向かうのはどうかしら?」
「王都ならアタシは何度も行ってるし任せてくれたらいいよ。
ただ、出来たらルフ王国の方にも行っては貰えないかな?」
マイラさんの依頼の件があるから、ルフ王国行きは予定に入れておかないとね。
ギルドで貰った地図にはルフ王国が載ってなかったから、マイラさんに書き足して貰いました。
「王都からルフ王国に向かう街道は、迷いの森の手前の街までしかなくてね。そこからは道無き道を行く事になるんだ。
もちろんハイエルフのアタシが居れば、森で迷う事もないから安心してくれ」
「じゃあ、方針は決まりだね。王都経由でルフ王国に向かうって事にしよう。
明日の昼過ぎには出発出来る様に、朝から食材の買い出ししなきゃね」
「それなら寝ましょ。シアは私達と一緒でいいわ。もう一つのベッドはマイラが使いなさい?」
「アタシはソファで…」
「いいのよ!どうせ別に寝たって、朝には潜り込むのがシアなんだから」
…最初からシアと同衾って、何の拷問?耐えるしかないな。
「ん?我はいつでもうえるかむじゃぞ?」
「うえるかまないで頼むから。さぁ寝よう。いやまじで!シアも指咥えてない!じゃおやすみ」
さっさと横になれば、今日もすぐに眠れます。おやすみなさい…
「いいのかい?なんとなくお風呂の流れでそういう感じになるもんだと思ってたんだけどねぇ…」
「今はいいのよ。いずれはそうなるかもしれない位に思ってなさい?
私だってもう少し力が戻れば参戦するわよ?」
「我も地道にアプローチするのじゃ。あの方も若いんじゃし、焦りはせぬよ。今はまだじゃの」
…寝てるので断じて聞いてません。マイラさんは意外だったけどね。
「みんなおはよー!朝食の準備は出来てるよっ!座って!」
窮屈なベッドで目を覚ますと、さっさと準備して食堂へ。
メアリが昨晩の泣き顔を引きずらない笑顔で案内してくれました。
「みなさん、今日ご出発でしたよね?またのご利用をお待ちしてますね。
それで、メアリがお世話になりましたから、コレお礼も兼ねてですけど旅路で召し上がって?」
なんと、マーサさんがサンドイッチに使えそうなパンと同じパンで作ったサンドイッチを用意してくれてたみたいです。
「メアリからジルさんのサンドイッチの話を聞かされてたのよ。せっかくだからと思って」
「ありがとうございます!コレほんとに嬉しいですよ!大切に食べますね」
ここに泊まれて良かったです。きっとこの街が拠点なら定宿にするだろうなぁと思うくらい、マーサさんの優しさには感謝しかないです。
「道中のご無事をお祈りしますね。いつかまた会いましょう」
こうして僕達は、マーサさんとメアリに見送られながら宿を後にしました。
「パン貰ったから予定変更かな?
あ、でも一応商業ギルドの市場にも寄ってみようか」
「何か買うの?まぁ保存は気にしなくていいのは助かるわね。そういう意味でもユーマは便利だわ」
…便利ゆーなし。
市場には初めて来ましたが、想像していたよりも店の数が多くて驚きました。
ギルド横の通りを入ると、肉や野菜を中心に小物雑貨なんかも扱ってる店もあり、ゆっくり見て行ったら半日位は時間をつぶせそうな雰囲気があります。
「あ、ユーマ!アレ買ってよ!」
ネルが指差している先には、銀製品ぽい金属の髪飾りがあります。
…アレつけたら立てないよ?
「いらっしゃいませ!おや、お兄さん美人さん何人も連れて羨ましいね。
どうだいプレゼントに?」
「コレは銀?綺麗な細工ですね」
「ここに置いてるのは銀だけど、真銀も少しあるぜ?」
「ほぅ、真銀も扱ってるのかい?店主、金はある、見せてくれるかな?」
マイラさんがミスリルという言葉に反応しました。
「おやエルフさんか、そりゃ変なもんは出せないな。まぁ、まがいもんじゃないから確かめてくれよ」
そう言いながら、奥に置いた小箱を持って来ます。
「うん、コレは間違いなく真銀だねぇ。細工も悪くないじゃないか」
「そうだろう?たまたま手に入れたんだが、特に付与もないから冒険者にも売れなくてな。
かと言って、ただの飾りなら銀で充分だからよ」
付与ってのはよくわからないけど、ぱっと見確かに銀とそんな違いがわからないから、普通なら銀製品買うだろうなぁ。
「ご主人、この髪飾り4個と指輪1個買いたいけどいくらですか?」
「お!兄さん男前じゃないの!まとめて買ってくれるなら全部で金貨10枚でいいぜ?大サービスの値段だ」
マイラさんの顔をチラ見すると、どうやら異常な値段ではないみたい。
「じゃあ買います。10枚ですね」
「ありがとうよ。不良在庫が掃けて助かった。また掘り出し物が入ったら兄さんなら声かけるぜ?たまに顔出してくんな」
「あははっ。わかりました。その時はよろしくお願いします」
こういう社交辞令も大切だよね。
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