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第ニ章 ガルドの街
第53話
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おはようございます。僕です。
せっかくツインのルームを借りたのに、シングルよりも狭い思いをしています。
次はダブルにしよう…
「ユーマ様、我と一緒は嫌かの?我は一緒におりたいのじゃ」
「嫌じゃないよ。嫌じゃないけど狭いわっ!」
「私もシアが同衾するのは、もう受け入れるわ。次からはもっと大きいベッドにしましょ?」
どうやら、ネルとシアの間ではそこらへんの折り合いはついたみたいです。
朝から言い合いしたりとか、ネルの口撃でシアが悶絶したりとかが無くなるのはいい事ですね。
「今日でこの街も最後だし、やらなきゃいけないことも色々あるし、ささっと支度して朝ごはん食べよう」
「そうね。私もお腹空いたわ!早く行きましょっ」
というわけで食堂に顔を出します。
「まぁ!ユーマさん。おはようございます。今朝はお早いですのね?何かご予定かしら?」
「おはようございます。今日は冒険者ギルドに朝一行って、あとは昨日のやり残しとお店巡りですかね。
もしよかったらメアリにまた案内お願いしても?」
「あの子、お役に立ててるんですね?ちょっと考えなしな所があるから心配なんです…」
マーサさんが、メアリを思う気持ちがよくわかります。まぁ心配し過ぎだと思うけどね。
「凄い助かってますよ!そこは信じてあげてください。
メアリも結構宿の事とか、マーサさんの事とかも考えて動ける子ですから」
「そう言って頂けると。やっぱり親なんて心配し過ぎてしまうんでしょうねぇ….
あら、ごめんなさい朝から!朝食召し上がるでしょ?すぐにご用意いたしますわ。座ってお待ちくださいね?」
そんなやり取りがあったとか知らないだろうメアリが、奥から朝食を運んで来てくれます。
「みなさんおっはよー!朝食お待たせしました!どうぞ召し上がれ!」
「ありがと、メアリ!あ、今日も銀達にコレ届けてあげて?」
「うん!わかったよ。任せて!あたしも銀君達にご飯あげるの楽しいし!」
今日も安定のオーク肉の塊をメアリに任せ、僕達も急ぎめで朝食を済ませます。
今朝は、柔らかくなるまで煮込んだ野菜のスープと、赤川亀のゆで卵。亀の卵って意外と濃厚な味で驚きました。
「ユーマさん、ママが今日もお手伝いしなさいって!よろしくお願いします!」
「よかった。こちらこそよろしくね!じゃあ、みんな出かけよっか」
今日はあちこち行きたい場所があるのでテンポよくまわらないといけません。
まずは冒険者ギルドに行って資金を調達しておきましょう。
「ユーマ様、昨日はありがとうございました!頂いたチャンスを無駄にしないように頑張りますね!
サブマスが奥でお待ちしておりますので、執務室にお入り下さい」
受付に復帰が決まったソフィさんの謝辞を受けたのち、ジークロフトさんの元へと向かいます。
執務室の扉を叩き名乗ると、すぐに入室の許可が貰えました。
「ユーマ殿、待ってたぞ。昨日のウチに計算も済んで全額用意させて貰った。ケビン達も意外と稼いでたな。
これが慰謝料の金貨250枚だ。数えてくれ」
「数えませんよ?信頼してますから。ありがとうございました。ついでに…」
ペールチェについて聞いてみると、意外な事にギルドの資料に群生地が載っていたみたい。というか、栽培はしておらず、流通しているのは100%採取依頼によるものらしい。
しかも屋台のダリルさんは自力で採取してくる腕前の持ち主なんだそうです。熊獣人だから強いんだってさ。
って事は欲しかったら、依頼を出すか自分で取れって事になるのか。
ジークロフトさんは、本来ならギルド員のみの情報だがなといいながら地図に印してくれたのは内緒です。
あ、あとギルド加入も無理なんで、縋り付かないで下さい。
ギルドを出て次はバルマンさんの工房に、というかジルさんにサンドイッチのソースのレシピを聞きに行きます。
「アレは美味しかったものね!教えてくれるかしら?」
「どうかな?聞いてみないとわからないけど交渉してみるつもりだよ」
工房に着くとバルマンさんが飛び出てくる所でした。…ん?
「バルマンおじさん!どうしたの?」
「おぉ!メアリちゃん!よう来たの!ってそれどころじゃないわい!」
「あんた!待ちなっ!たまの実入りを飲んじまおぅってのかい!逃げんじゃないよっ!
って昨日のお人じゃないさ!ちょっと、あんた!この人だよ!この人」
どうやらバルマン氏は、昨日の売り上げを飲み代にしようと企んだところをジルさんに見つかったらしいです。
「おぉ!あんたが!こりゃありがたい、あんたのおかげで臨時収入が入ったんじゃ!ぜひお礼がてら飲みに…」
「バカな事言ってんじゃないよ!ごめんなさいねぇ、その大馬鹿の言う事なんてお耳汚しだよねぇ?
さぁさ、上がって行って下さいな?お茶の一杯でも飲んでって下さい。ほら!あんたも来るんだよ!」
このご夫婦の力関係がよくわかります。
「じゃあ、お言葉に甘えてお邪魔します。バルマンさん、良い品をお作りになるんですね!すっかり気に入りましたよ」
「そうかい!そいつは嬉しいね!ジル!兄さんにとびっきりのヤツ淹れてやってくれ!」
「はいはい。さぁさぁ、お待たせしました。あいにくと普通の葉っぱですけどね、遠慮なくどうぞ」
夫婦のやりとりをみながらお茶をひと啜り。
本題を切り出すタイミングを見計らわないとなぁ。
せっかくツインのルームを借りたのに、シングルよりも狭い思いをしています。
次はダブルにしよう…
「ユーマ様、我と一緒は嫌かの?我は一緒におりたいのじゃ」
「嫌じゃないよ。嫌じゃないけど狭いわっ!」
「私もシアが同衾するのは、もう受け入れるわ。次からはもっと大きいベッドにしましょ?」
どうやら、ネルとシアの間ではそこらへんの折り合いはついたみたいです。
朝から言い合いしたりとか、ネルの口撃でシアが悶絶したりとかが無くなるのはいい事ですね。
「今日でこの街も最後だし、やらなきゃいけないことも色々あるし、ささっと支度して朝ごはん食べよう」
「そうね。私もお腹空いたわ!早く行きましょっ」
というわけで食堂に顔を出します。
「まぁ!ユーマさん。おはようございます。今朝はお早いですのね?何かご予定かしら?」
「おはようございます。今日は冒険者ギルドに朝一行って、あとは昨日のやり残しとお店巡りですかね。
もしよかったらメアリにまた案内お願いしても?」
「あの子、お役に立ててるんですね?ちょっと考えなしな所があるから心配なんです…」
マーサさんが、メアリを思う気持ちがよくわかります。まぁ心配し過ぎだと思うけどね。
「凄い助かってますよ!そこは信じてあげてください。
メアリも結構宿の事とか、マーサさんの事とかも考えて動ける子ですから」
「そう言って頂けると。やっぱり親なんて心配し過ぎてしまうんでしょうねぇ….
あら、ごめんなさい朝から!朝食召し上がるでしょ?すぐにご用意いたしますわ。座ってお待ちくださいね?」
そんなやり取りがあったとか知らないだろうメアリが、奥から朝食を運んで来てくれます。
「みなさんおっはよー!朝食お待たせしました!どうぞ召し上がれ!」
「ありがと、メアリ!あ、今日も銀達にコレ届けてあげて?」
「うん!わかったよ。任せて!あたしも銀君達にご飯あげるの楽しいし!」
今日も安定のオーク肉の塊をメアリに任せ、僕達も急ぎめで朝食を済ませます。
今朝は、柔らかくなるまで煮込んだ野菜のスープと、赤川亀のゆで卵。亀の卵って意外と濃厚な味で驚きました。
「ユーマさん、ママが今日もお手伝いしなさいって!よろしくお願いします!」
「よかった。こちらこそよろしくね!じゃあ、みんな出かけよっか」
今日はあちこち行きたい場所があるのでテンポよくまわらないといけません。
まずは冒険者ギルドに行って資金を調達しておきましょう。
「ユーマ様、昨日はありがとうございました!頂いたチャンスを無駄にしないように頑張りますね!
サブマスが奥でお待ちしておりますので、執務室にお入り下さい」
受付に復帰が決まったソフィさんの謝辞を受けたのち、ジークロフトさんの元へと向かいます。
執務室の扉を叩き名乗ると、すぐに入室の許可が貰えました。
「ユーマ殿、待ってたぞ。昨日のウチに計算も済んで全額用意させて貰った。ケビン達も意外と稼いでたな。
これが慰謝料の金貨250枚だ。数えてくれ」
「数えませんよ?信頼してますから。ありがとうございました。ついでに…」
ペールチェについて聞いてみると、意外な事にギルドの資料に群生地が載っていたみたい。というか、栽培はしておらず、流通しているのは100%採取依頼によるものらしい。
しかも屋台のダリルさんは自力で採取してくる腕前の持ち主なんだそうです。熊獣人だから強いんだってさ。
って事は欲しかったら、依頼を出すか自分で取れって事になるのか。
ジークロフトさんは、本来ならギルド員のみの情報だがなといいながら地図に印してくれたのは内緒です。
あ、あとギルド加入も無理なんで、縋り付かないで下さい。
ギルドを出て次はバルマンさんの工房に、というかジルさんにサンドイッチのソースのレシピを聞きに行きます。
「アレは美味しかったものね!教えてくれるかしら?」
「どうかな?聞いてみないとわからないけど交渉してみるつもりだよ」
工房に着くとバルマンさんが飛び出てくる所でした。…ん?
「バルマンおじさん!どうしたの?」
「おぉ!メアリちゃん!よう来たの!ってそれどころじゃないわい!」
「あんた!待ちなっ!たまの実入りを飲んじまおぅってのかい!逃げんじゃないよっ!
って昨日のお人じゃないさ!ちょっと、あんた!この人だよ!この人」
どうやらバルマン氏は、昨日の売り上げを飲み代にしようと企んだところをジルさんに見つかったらしいです。
「おぉ!あんたが!こりゃありがたい、あんたのおかげで臨時収入が入ったんじゃ!ぜひお礼がてら飲みに…」
「バカな事言ってんじゃないよ!ごめんなさいねぇ、その大馬鹿の言う事なんてお耳汚しだよねぇ?
さぁさ、上がって行って下さいな?お茶の一杯でも飲んでって下さい。ほら!あんたも来るんだよ!」
このご夫婦の力関係がよくわかります。
「じゃあ、お言葉に甘えてお邪魔します。バルマンさん、良い品をお作りになるんですね!すっかり気に入りましたよ」
「そうかい!そいつは嬉しいね!ジル!兄さんにとびっきりのヤツ淹れてやってくれ!」
「はいはい。さぁさぁ、お待たせしました。あいにくと普通の葉っぱですけどね、遠慮なくどうぞ」
夫婦のやりとりをみながらお茶をひと啜り。
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