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第ニ章 ガルドの街
第52話
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去り際に一悶着ありましたが、食事自体には大満足だった僕達は店を出ます。
店員さんが深々と頭を下げていたのが印象的で、またここに来る時があれば寄りたいなぁと思わせてくれました。接客って大切だよね。
店の裏の預りスペースに回ると、オーク肉を平らげて満足したのか、銀と風羽花が寄り添って丸くなっていました。この2人も仲良しだよね。和む。
「銀、風羽花、帰るよ!おいで」
『主人様!おはようなのです!』
『お待ちしておりましたぞ!では参りましょう』
全然不満とかないあたり、2人とも健気でいいよね。
2人と合流して噴水広場に戻ります。何か忘れてるような…
あ、屋台だ!マーサさんのお土産にとか考えてたけど、ペールチェジュースはどうやらメアリのものになるようです。
そういえば、あのペールチェの入手先も確認してなかったなぁ…
それもこれもギルドでの騒動が原因だね。明日は慰謝料受け取りに併せて確認しないと。
広場にはまだいくつかの屋台が残って、遅めの食事やお酒のつまみに利用する人がそこそこいるようです。
「ねぇメアリ。マーサさんに何かお土産にしようと思うんだけどさ、マーサさんの好きそうなのってまだ売ってる?」
「ありがとう!ユーマさん!それなら商業ギルド横のクレープ屋さんのクレープ買ってあげて?
ママが好きなの知ってるんだけど、忙しくて買いに来れないって言ってたから!」
「クレープって何よ?」
ネルの反応が…まだ食う気かよ。
「えーと、薄焼きした生地で果物とかクリームとかを包んで食べるデザートだよ!」
「ほぅ、それは我も気になるのじゃ!」
みんな食い意地が張っているようです。仕方ないみんなで食べようか。
「ほらあのお店!ミゲルおじさーん!」
「あ、待って!メアリ!ほら、ユーマも急ぎなさいよ!」
小走りで屋台に駆けつけると、メアリが人の良さそうな小太りの男性と楽しそうに話しています。
「はーい、いらっしゃいませ!メアリちゃん、この人達?」
「そうだよ!みんなにミゲルおじさんのクレープの事話したら食べてみたいって」
「宣伝ありがと!お返しにウチもマーサさんの宿、また宣伝させてもらうよ。
で、みなさんご注文はおいくつですかね?」
メアリとミゲルさんは、お互いに宣伝する約束をしてるみたいだね。賢いやり方なんだろうなぁと思います。
「えーと…それじゃあ5個お願いします」
「ありがとうございまーす。しばらくお待ちくださいね!」
ミゲルさんは答えながらドンドン生地を焼いていきます。
焼きあがった生地を冷ますと、手際よくカスタードっぽいクリームと、何かオレンジ色の果物を刻んだ物を包んでます。
それを大きな葉で器用に包装して、あっという間に手渡して来ました。
しかも、5個で銀貨1枚と値段もお手頃。
「 あ、包みの葉っぱは食べられないやつだから、ゴミにしてくださいね」
なるほど、柏餅の柏の葉とか筍の皮みたいなもんか。
ミゲルさんに銀貨を手渡し、クレープを受け取ると急いで宿に向かいます。
宿は酒場営業でまだ賑わっているみたいだね。
表まで、陽気な歌声や楽しそうな話し声が漏れ聞こえていて、昨日の夜よりも客数が多いようでした。
「ママー!ただいまっ!ハイこれどうぞー!」
「おかえりメアリ。って、これミゲルのクレープじゃない!嬉しい!ありがとー!最近食べられなかったからそろそろ欲しかったのよねっ!」
マーサさんの顔が可愛らしい笑顔になりました。そんなに欲しかったんだなぁ…
「でも、これどうしたのよ?お小遣いそんなに残してたの?」
「ううん、違うの。ユーマさんが、ママにお土産買って帰るって言ってくれたから、ミゲルおじさんの屋台に案内したんだ!」
「じゃあこれユーマさんからなのね?ユーマさん、ありがとうございます。それから、おかえりなさいませ!」
マーサさんは凄く良い笑顔で頭を下げてくれます。
「ただいま、マーサさん。今日は一日メアリにも助けてもらったので、マーサさんの配慮へのお礼みたいなもんです」
「あらまぁご丁寧に。でもほんと嬉しいわっ!独身だったら惚れてたかもよ?」
なんて事をウインクしながら可愛らしく言ってきます。
美人の笑顔とウインクとか、もはや最強コンボじゃないかな?
この姿を見てると昔の事なんて全く想像でき…
「あら?何か今考えてなかった?気のせいかしら?」
「気のせいです!!」
…うわぁぁ怖ぇぇぇ。なんでわかるんだろうか?この人鋭過ぎでしょ。
「それならいいんだけど?クレープに免じて、見逃してあ、げ、るっ!」
…良かった。助かった。
「おーい!ユーマ殿!遅かったなぁ!」
ふと、聞き覚えのある声に顔をむけると、冒険者ギルドのサブマスターのジークロフトさんがいました。もうだいぶ飲んでる様子です。
「今日はありがとうな!ユーマ殿のおかげだよほんと」
「いぇこちらこそ!また明日ギルドに伺うんでよろしくお願いしますね。
僕達は先に上がって休ませていただきますんで、お付き合いできませんけど」
「いいって事よ!姐さんの旨い飯食べに来ただけだからな!ゆっくり休んでくれ。また明日な!」
赤い顔のジークロフトさんに見送られて、部屋に上がります。
今日は一日色々あったけど、凄い充実してたなぁ。
この街もあと一日の予定だし、明日もなんだか色々やる事が出来ちゃった気がします。
さっとお風呂入って休みますかね!
店員さんが深々と頭を下げていたのが印象的で、またここに来る時があれば寄りたいなぁと思わせてくれました。接客って大切だよね。
店の裏の預りスペースに回ると、オーク肉を平らげて満足したのか、銀と風羽花が寄り添って丸くなっていました。この2人も仲良しだよね。和む。
「銀、風羽花、帰るよ!おいで」
『主人様!おはようなのです!』
『お待ちしておりましたぞ!では参りましょう』
全然不満とかないあたり、2人とも健気でいいよね。
2人と合流して噴水広場に戻ります。何か忘れてるような…
あ、屋台だ!マーサさんのお土産にとか考えてたけど、ペールチェジュースはどうやらメアリのものになるようです。
そういえば、あのペールチェの入手先も確認してなかったなぁ…
それもこれもギルドでの騒動が原因だね。明日は慰謝料受け取りに併せて確認しないと。
広場にはまだいくつかの屋台が残って、遅めの食事やお酒のつまみに利用する人がそこそこいるようです。
「ねぇメアリ。マーサさんに何かお土産にしようと思うんだけどさ、マーサさんの好きそうなのってまだ売ってる?」
「ありがとう!ユーマさん!それなら商業ギルド横のクレープ屋さんのクレープ買ってあげて?
ママが好きなの知ってるんだけど、忙しくて買いに来れないって言ってたから!」
「クレープって何よ?」
ネルの反応が…まだ食う気かよ。
「えーと、薄焼きした生地で果物とかクリームとかを包んで食べるデザートだよ!」
「ほぅ、それは我も気になるのじゃ!」
みんな食い意地が張っているようです。仕方ないみんなで食べようか。
「ほらあのお店!ミゲルおじさーん!」
「あ、待って!メアリ!ほら、ユーマも急ぎなさいよ!」
小走りで屋台に駆けつけると、メアリが人の良さそうな小太りの男性と楽しそうに話しています。
「はーい、いらっしゃいませ!メアリちゃん、この人達?」
「そうだよ!みんなにミゲルおじさんのクレープの事話したら食べてみたいって」
「宣伝ありがと!お返しにウチもマーサさんの宿、また宣伝させてもらうよ。
で、みなさんご注文はおいくつですかね?」
メアリとミゲルさんは、お互いに宣伝する約束をしてるみたいだね。賢いやり方なんだろうなぁと思います。
「えーと…それじゃあ5個お願いします」
「ありがとうございまーす。しばらくお待ちくださいね!」
ミゲルさんは答えながらドンドン生地を焼いていきます。
焼きあがった生地を冷ますと、手際よくカスタードっぽいクリームと、何かオレンジ色の果物を刻んだ物を包んでます。
それを大きな葉で器用に包装して、あっという間に手渡して来ました。
しかも、5個で銀貨1枚と値段もお手頃。
「 あ、包みの葉っぱは食べられないやつだから、ゴミにしてくださいね」
なるほど、柏餅の柏の葉とか筍の皮みたいなもんか。
ミゲルさんに銀貨を手渡し、クレープを受け取ると急いで宿に向かいます。
宿は酒場営業でまだ賑わっているみたいだね。
表まで、陽気な歌声や楽しそうな話し声が漏れ聞こえていて、昨日の夜よりも客数が多いようでした。
「ママー!ただいまっ!ハイこれどうぞー!」
「おかえりメアリ。って、これミゲルのクレープじゃない!嬉しい!ありがとー!最近食べられなかったからそろそろ欲しかったのよねっ!」
マーサさんの顔が可愛らしい笑顔になりました。そんなに欲しかったんだなぁ…
「でも、これどうしたのよ?お小遣いそんなに残してたの?」
「ううん、違うの。ユーマさんが、ママにお土産買って帰るって言ってくれたから、ミゲルおじさんの屋台に案内したんだ!」
「じゃあこれユーマさんからなのね?ユーマさん、ありがとうございます。それから、おかえりなさいませ!」
マーサさんは凄く良い笑顔で頭を下げてくれます。
「ただいま、マーサさん。今日は一日メアリにも助けてもらったので、マーサさんの配慮へのお礼みたいなもんです」
「あらまぁご丁寧に。でもほんと嬉しいわっ!独身だったら惚れてたかもよ?」
なんて事をウインクしながら可愛らしく言ってきます。
美人の笑顔とウインクとか、もはや最強コンボじゃないかな?
この姿を見てると昔の事なんて全く想像でき…
「あら?何か今考えてなかった?気のせいかしら?」
「気のせいです!!」
…うわぁぁ怖ぇぇぇ。なんでわかるんだろうか?この人鋭過ぎでしょ。
「それならいいんだけど?クレープに免じて、見逃してあ、げ、るっ!」
…良かった。助かった。
「おーい!ユーマ殿!遅かったなぁ!」
ふと、聞き覚えのある声に顔をむけると、冒険者ギルドのサブマスターのジークロフトさんがいました。もうだいぶ飲んでる様子です。
「今日はありがとうな!ユーマ殿のおかげだよほんと」
「いぇこちらこそ!また明日ギルドに伺うんでよろしくお願いしますね。
僕達は先に上がって休ませていただきますんで、お付き合いできませんけど」
「いいって事よ!姐さんの旨い飯食べに来ただけだからな!ゆっくり休んでくれ。また明日な!」
赤い顔のジークロフトさんに見送られて、部屋に上がります。
今日は一日色々あったけど、凄い充実してたなぁ。
この街もあと一日の予定だし、明日もなんだか色々やる事が出来ちゃった気がします。
さっとお風呂入って休みますかね!
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