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第ニ章 ガルドの街
第46話
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マイラさん、なんていうか面白い人でした。
エルフだからっていうのもあるし、色々と知識も経験もありそうな雰囲気が気になります。
「ねぇネル、エルフってあんな感じなの?普通。僕の知識だとドワーフがあんなイメージなんだけど…」
「あー、アレは異常ね。もっと静かな種族よ?エルフは」
異常って…そんな身も蓋もない。
「そもそも街に住むようなエルフは変わり者よ?基本的に森の奥から出ない種族なんだから。
たまに冒険者やら研究者として森を出るのがいるけど、アレは普通じゃないわ」
「普通のエルフにも会ってみたいな。それにドワーフも」
「ユーマさん、ケビンと一緒にいたドルグさんはドワーフ族だけど、他のドワーフなら近くにいるよ?行ってみる?」
おぉ!メアリからのナイス提案。
ってゆーか、あのドルグってやつはやっぱりドワーフだったんだね。
「時間はまだあるし、案内してもらおうかな」
「はーい!じゃあ今度はあっちよ!ちょっと路地入るからはぐれないでねー」
メアリはまたしても僕の手を握って歩きだしました。
マイラさんの店を出て噴水の広場へと向かいます。メアリが進む方向は、丁度冒険者ギルドの真向かいの区画のようです。
「ついでに説明しちゃうね。北通りと東通りの間にあるのが生産ギルドで、西通りの方にあるのが商業ギルドなの。
今から行くのは生産ギルドの方の地区よ」
生産ギルドには、鍛治師や木工師、大工とか狩人など、様々な職人や農民などが所属しているそうだ。
生産ギルドがある東北地区では、一次産業以外の生産をほぼ全て担っているらしいです。
川に近い方が生産と出荷する上で都合良いので、この地区に生産を集中させた、というのが都市計画の理由のようだ。
「生産ギルドが、色んな物の作る量を決めてるんだってママが言ってたんだけど、必要なものがあれば、個人的に頼んで作って貰う事も出来るみたい」
「受注生産と計画生産は別って事か。
まぁどうしても作って欲しいものがあるわけじゃないんだけど、話のネタに何か考えとかないとダメかもね。
今から行くのドワーフの人は何を作る人なの?」
「その人は木工細工が専門の人だよ!
ウチの宿の椅子って、背もたれオシャレだったでしょ?あれがその人にしてもらったやつなんだ」
あー、あのマーサさんが握り潰しかけてたやつね。確かに彫刻みたいのがされてた様な気がする。
「ほら着いたよ!バルマンおじさーん!こんにちはー!」
「おや?メアリちゃんじゃないかい。
あの人なら、昨日一仕事終わったからって飲みに行ったっきり、まだ帰ってないんだよ」
「ジルおばちゃん!こんにちは!おじさんいないのかー」
中から出てきた女性とも顔見知りのようです。
ジルおばちゃんと呼ばれた女性は、身長の割にガッチリとした体つきで、恐らくドワーフなんだろうね。
ヒゲ生えてなくて良かった…
ジルさんは、家事の最中だったのかエプロンで手を拭きながらこちらに近づいてきました。
「初めて見る顔だね?メアリちゃんとこのお客さんかい?
せっかく来てくれて申し訳ないんだけどさ、ウチの人はどっかの店で飲んでると思うんだよ。
なんか注文なら、日を改めてくれたらありがたいねぇ」
「そうなんですね。マーサさんの宿の椅子がこちらの仕事だって聞いてるんですけど、他の作品でいいのがあればと思っただけなんで。また来ますよ」
ドワーフを見るって目的は果たしたし、まさかの女性ドワーフにも会えたしね。
「あら?そういう事ならちょっとだけ覗いていってくださいな。
気に入ったモノがあれば買って貰っても助かりますし」
「それはありがたいです。じゃあ失礼して拝見させて下さい。良さそうなのがあれば検討しますね」
「きっとお気に召すのが見つかりますって。
そしたら私は奥で家事仕事の続きをしてますから。
陳列はその角曲がったとこの小屋ですよ。ゆっくり見てって下さいな」
そう言ってジルさんは奥に入っていきます。
彼女なかなか商売上手かも。すっごい断りにくい感じになっちゃった。
小物一つでも買って帰るべきだろうなぁ…
「ユーマさんこっちだよ!あたしも何回か来た時に見せて貰ったけど、結構ステキな彫刻の小物とかもあったよ!」
「へぇ…じゃあ失礼します。あれかな?」
小屋に入ると、壁に付けられた棚に様々な小物が並び、置いてある机や椅子にも見事な彫刻が施されています。
ふと棚に目をやると、持ち手に見た事あるような像が浮き彫りにされた手桶があります。
「ネルじゃん。しかもすっごい精密だし、結構似てる」
「ほぅ、これはまた良い出来じゃの!ネル様の姿そっくりじゃ」
「実物の方が綺麗ですー!」
「うわぁほんとだ!なんでネルさんに似てるのかな?これ多分、女神ネールドリア様よ?」
メアリがドキっとする様な事を言う。
「きっと、たまたまネルがネールドリア様と似てるんじゃないかな?名前も似てるし」
「そっかー不思議な事もあるんだね!」
ふぅ….なんとか無事にやり過ごせたみたいだ。
けどこの手桶なかなかいいな。一つあると便利かもしれないからなぁ。他にいいのがなかったらコレだけ買っていこう。
と考えてたんだけど…
結果的にスプーンとフォークのセットを5組、マグカップも5個、手桶と併せて買う事になりましたとさ。
…だって気に入ったんだもん。
エルフだからっていうのもあるし、色々と知識も経験もありそうな雰囲気が気になります。
「ねぇネル、エルフってあんな感じなの?普通。僕の知識だとドワーフがあんなイメージなんだけど…」
「あー、アレは異常ね。もっと静かな種族よ?エルフは」
異常って…そんな身も蓋もない。
「そもそも街に住むようなエルフは変わり者よ?基本的に森の奥から出ない種族なんだから。
たまに冒険者やら研究者として森を出るのがいるけど、アレは普通じゃないわ」
「普通のエルフにも会ってみたいな。それにドワーフも」
「ユーマさん、ケビンと一緒にいたドルグさんはドワーフ族だけど、他のドワーフなら近くにいるよ?行ってみる?」
おぉ!メアリからのナイス提案。
ってゆーか、あのドルグってやつはやっぱりドワーフだったんだね。
「時間はまだあるし、案内してもらおうかな」
「はーい!じゃあ今度はあっちよ!ちょっと路地入るからはぐれないでねー」
メアリはまたしても僕の手を握って歩きだしました。
マイラさんの店を出て噴水の広場へと向かいます。メアリが進む方向は、丁度冒険者ギルドの真向かいの区画のようです。
「ついでに説明しちゃうね。北通りと東通りの間にあるのが生産ギルドで、西通りの方にあるのが商業ギルドなの。
今から行くのは生産ギルドの方の地区よ」
生産ギルドには、鍛治師や木工師、大工とか狩人など、様々な職人や農民などが所属しているそうだ。
生産ギルドがある東北地区では、一次産業以外の生産をほぼ全て担っているらしいです。
川に近い方が生産と出荷する上で都合良いので、この地区に生産を集中させた、というのが都市計画の理由のようだ。
「生産ギルドが、色んな物の作る量を決めてるんだってママが言ってたんだけど、必要なものがあれば、個人的に頼んで作って貰う事も出来るみたい」
「受注生産と計画生産は別って事か。
まぁどうしても作って欲しいものがあるわけじゃないんだけど、話のネタに何か考えとかないとダメかもね。
今から行くのドワーフの人は何を作る人なの?」
「その人は木工細工が専門の人だよ!
ウチの宿の椅子って、背もたれオシャレだったでしょ?あれがその人にしてもらったやつなんだ」
あー、あのマーサさんが握り潰しかけてたやつね。確かに彫刻みたいのがされてた様な気がする。
「ほら着いたよ!バルマンおじさーん!こんにちはー!」
「おや?メアリちゃんじゃないかい。
あの人なら、昨日一仕事終わったからって飲みに行ったっきり、まだ帰ってないんだよ」
「ジルおばちゃん!こんにちは!おじさんいないのかー」
中から出てきた女性とも顔見知りのようです。
ジルおばちゃんと呼ばれた女性は、身長の割にガッチリとした体つきで、恐らくドワーフなんだろうね。
ヒゲ生えてなくて良かった…
ジルさんは、家事の最中だったのかエプロンで手を拭きながらこちらに近づいてきました。
「初めて見る顔だね?メアリちゃんとこのお客さんかい?
せっかく来てくれて申し訳ないんだけどさ、ウチの人はどっかの店で飲んでると思うんだよ。
なんか注文なら、日を改めてくれたらありがたいねぇ」
「そうなんですね。マーサさんの宿の椅子がこちらの仕事だって聞いてるんですけど、他の作品でいいのがあればと思っただけなんで。また来ますよ」
ドワーフを見るって目的は果たしたし、まさかの女性ドワーフにも会えたしね。
「あら?そういう事ならちょっとだけ覗いていってくださいな。
気に入ったモノがあれば買って貰っても助かりますし」
「それはありがたいです。じゃあ失礼して拝見させて下さい。良さそうなのがあれば検討しますね」
「きっとお気に召すのが見つかりますって。
そしたら私は奥で家事仕事の続きをしてますから。
陳列はその角曲がったとこの小屋ですよ。ゆっくり見てって下さいな」
そう言ってジルさんは奥に入っていきます。
彼女なかなか商売上手かも。すっごい断りにくい感じになっちゃった。
小物一つでも買って帰るべきだろうなぁ…
「ユーマさんこっちだよ!あたしも何回か来た時に見せて貰ったけど、結構ステキな彫刻の小物とかもあったよ!」
「へぇ…じゃあ失礼します。あれかな?」
小屋に入ると、壁に付けられた棚に様々な小物が並び、置いてある机や椅子にも見事な彫刻が施されています。
ふと棚に目をやると、持ち手に見た事あるような像が浮き彫りにされた手桶があります。
「ネルじゃん。しかもすっごい精密だし、結構似てる」
「ほぅ、これはまた良い出来じゃの!ネル様の姿そっくりじゃ」
「実物の方が綺麗ですー!」
「うわぁほんとだ!なんでネルさんに似てるのかな?これ多分、女神ネールドリア様よ?」
メアリがドキっとする様な事を言う。
「きっと、たまたまネルがネールドリア様と似てるんじゃないかな?名前も似てるし」
「そっかー不思議な事もあるんだね!」
ふぅ….なんとか無事にやり過ごせたみたいだ。
けどこの手桶なかなかいいな。一つあると便利かもしれないからなぁ。他にいいのがなかったらコレだけ買っていこう。
と考えてたんだけど…
結果的にスプーンとフォークのセットを5組、マグカップも5個、手桶と併せて買う事になりましたとさ。
…だって気に入ったんだもん。
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