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第ニ章 ガルドの街
第34話
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「それじゃあ宿から案内するねっ!絶対満足して貰える自信あるから任せて!」
少女は僕の手を握ると早速道案内を始めようとする。
「そんなに慌てなくても大丈夫だよ。
あっ!そうだ。自己紹介もまだだったね。僕はユーマ。で、こっちの女性がシア。僕の護衛をしてもらってる人ね。それから、この子が銀。僕の従魔だよ」
銀の姿を見て一瞬ギョッとしたみたいだけど、従魔だと聞いて安心したみたいだ。
「うわぁ…大きな狼ね!それにシアさん?もすっごい美人だし…それにユーマさんも凄くイケメン」
「え?ごめん。最後良く聞こえなかった」
「あーいや、いいの!なんでもないっ!…あっ!いけないっ!忘れてた!あたしはメアリ。改めてさっきはありがとう!」
メアリは見た感じ14~5歳に見える。
柔らかそうな茶色の髪をざっくりまとめただけの素朴な雰囲気だけど、笑顔がよく似合う溌剌な印象の少女です。
最近ネルとシアばっかり見てるせいで、美人度のハードルが上がってるなぁ…
僕達はメアリに連れられて、丁度冒険者ギルドの隣の区画の方にやってきました。
「この辺りには結構宿屋が集まってるんだけどさ、宿のサービスは今から行く所が絶対一番だから!」
そういいながら東通りに入ってすぐの路地を折れます。
「あ、そこの三軒目だよ!どう?キレイにしてるでしょ?」
路地に入っても日当たりは良好だ。
宿の入り口には先程メアリが売っていたのと同じ花が植えられていて、エントランスを明るく彩っています。
「さぁどうぞ!お入りくださーい!」
「いらっしゃいませー…ってメアリじゃない。おかえりなさい。どうしたの?」
「ただいま!ママ!お客様ご案内してきたのよっ!
この人がユーマさんで、こちらがシアさんね」
なんとなく想像してたけど、やっぱりメアリの実家だったね。でも雰囲気は全然悪くないと思います。
メアリの母親が女将さんってやつなのかな?カウンターなんかも隅々まで掃除が行き届いてて、清潔感がある。
ご本人も綺麗に皺の延ばされたエプロンがよく似合う小ざっぱりした印象で、メアリと同じ茶色の髪をハーフアップにまとめてる。
「皆さまいらっしゃいませ。メアリが無理押ししたんじゃありませんか?御宿泊でしたら嬉しいんですけど…」
「いや、そんな事ないんで大丈夫ですよ!
メアリさんに街一番の宿を案内するからって言われて連れてこられたんですけど、僕も一目で気に入りましたから!ぜひ宿泊させて下さい」
「あらあら、すいません。街一番だなんて全然思ってませんけど、メアリがそう言ったんなら精一杯おもてなししなきゃいけませんね」
柔らかく微笑みながらそう言ってくれる。
「わたくし、メアリの母親でこの宿の女将をしてるマーサと申します。
皆さま御宿泊は一泊でよろしいでしょうか?」
「すみません一泊はおいくらでしょうか?出来たら何日か泊まりたいとは思ってるんですけど、手持ちのお金で足りるかどうか」
「あらまぁ!メアリ?あなた、これは一体どういう事かしら?
前からお客様ご案内する時は、かならず料金説明しなさいって言ってあるわよね?」
マーサさんはメアリを睨む。…あ、これはマジで怖いやつだ。
「え?あ、うん…ごめん、忘れてた」
「何回言ったら覚えるのかしらね?あなたは。メアリ、後でお仕置きです。いいわねっ!」
「ひゃいっ!!」
メアリは涙目になりながら返事してる。
「あー、マーサさん。ちょっと今回は大目にみてあげ…」
「ダメです」
「いやほんと事情があり…」
「ダメですっ…って事情?事情ってなんですの?」
マーサさんって見た目は癒し系なのに結構キツい性格?まぁ、女性が仕切ってるんだからこのくらいじゃないといけないのかもしれないけどね。
「実はつい先程なんですけど…」
僕がさっきの騒動を説明すると、マーサさんの顔色が悪くなるのがわかる。
「まさかそんな事が…もう、なんてお礼を申し上げたらいいのか。
メアリ!ちゃんとお礼はしたのっ?」
「マーサさん!ほんと大丈夫ですから!そのおかげでこの宿にも来られたんですから」
「そんな訳にもいきませんっ!あ、そうだ!皆さま今晩だけ宿泊無料に…」
「それなら僕達別の宿を探しますよ?いつも通りの扱いにしていただけませんか?
僕も何かして欲しくてした訳じゃないんです。メアリさんにもしっかりとありがとうって言ってもらってますから」
「そんな…でも申し訳なくって…」
マーサさんはまだこだわってるみたいだ。うーん…面倒だけど仕方ないか。
「そんなに気にされると居づらくなりますから。
そうだ、それなら夕食もここで頂きますから、何か一品だけオマケしてくださいね?それでこの話はお仕舞いにしてください」
「ほんとにそんな事でいいんですか?…わかりました!それならお言葉に甘えますわね。
腕によりをかけて準備いたします。
メアリ?ママは皆様の食事の方にかかるから、後の事はあなたに任せるわよ!」
そういうとマーサさんは奥に戻っていきました。
なんていうか、すごいマイペースな人だね。
「あの、ユーマさん!あたしのウッカリで余計な面倒かけてごめんなさい!
ママあんな感じの人だけど、料理は本当に美味しいから!」
「メアリも大変そうだね?ふふっ」
「笑わないでよー!もぅっ…イジワル」
来て早々にこんな感じになるとは思わなかったけど、異世界初の食事にも期待出来そうだし良かったって事にしようかな。
少女は僕の手を握ると早速道案内を始めようとする。
「そんなに慌てなくても大丈夫だよ。
あっ!そうだ。自己紹介もまだだったね。僕はユーマ。で、こっちの女性がシア。僕の護衛をしてもらってる人ね。それから、この子が銀。僕の従魔だよ」
銀の姿を見て一瞬ギョッとしたみたいだけど、従魔だと聞いて安心したみたいだ。
「うわぁ…大きな狼ね!それにシアさん?もすっごい美人だし…それにユーマさんも凄くイケメン」
「え?ごめん。最後良く聞こえなかった」
「あーいや、いいの!なんでもないっ!…あっ!いけないっ!忘れてた!あたしはメアリ。改めてさっきはありがとう!」
メアリは見た感じ14~5歳に見える。
柔らかそうな茶色の髪をざっくりまとめただけの素朴な雰囲気だけど、笑顔がよく似合う溌剌な印象の少女です。
最近ネルとシアばっかり見てるせいで、美人度のハードルが上がってるなぁ…
僕達はメアリに連れられて、丁度冒険者ギルドの隣の区画の方にやってきました。
「この辺りには結構宿屋が集まってるんだけどさ、宿のサービスは今から行く所が絶対一番だから!」
そういいながら東通りに入ってすぐの路地を折れます。
「あ、そこの三軒目だよ!どう?キレイにしてるでしょ?」
路地に入っても日当たりは良好だ。
宿の入り口には先程メアリが売っていたのと同じ花が植えられていて、エントランスを明るく彩っています。
「さぁどうぞ!お入りくださーい!」
「いらっしゃいませー…ってメアリじゃない。おかえりなさい。どうしたの?」
「ただいま!ママ!お客様ご案内してきたのよっ!
この人がユーマさんで、こちらがシアさんね」
なんとなく想像してたけど、やっぱりメアリの実家だったね。でも雰囲気は全然悪くないと思います。
メアリの母親が女将さんってやつなのかな?カウンターなんかも隅々まで掃除が行き届いてて、清潔感がある。
ご本人も綺麗に皺の延ばされたエプロンがよく似合う小ざっぱりした印象で、メアリと同じ茶色の髪をハーフアップにまとめてる。
「皆さまいらっしゃいませ。メアリが無理押ししたんじゃありませんか?御宿泊でしたら嬉しいんですけど…」
「いや、そんな事ないんで大丈夫ですよ!
メアリさんに街一番の宿を案内するからって言われて連れてこられたんですけど、僕も一目で気に入りましたから!ぜひ宿泊させて下さい」
「あらあら、すいません。街一番だなんて全然思ってませんけど、メアリがそう言ったんなら精一杯おもてなししなきゃいけませんね」
柔らかく微笑みながらそう言ってくれる。
「わたくし、メアリの母親でこの宿の女将をしてるマーサと申します。
皆さま御宿泊は一泊でよろしいでしょうか?」
「すみません一泊はおいくらでしょうか?出来たら何日か泊まりたいとは思ってるんですけど、手持ちのお金で足りるかどうか」
「あらまぁ!メアリ?あなた、これは一体どういう事かしら?
前からお客様ご案内する時は、かならず料金説明しなさいって言ってあるわよね?」
マーサさんはメアリを睨む。…あ、これはマジで怖いやつだ。
「え?あ、うん…ごめん、忘れてた」
「何回言ったら覚えるのかしらね?あなたは。メアリ、後でお仕置きです。いいわねっ!」
「ひゃいっ!!」
メアリは涙目になりながら返事してる。
「あー、マーサさん。ちょっと今回は大目にみてあげ…」
「ダメです」
「いやほんと事情があり…」
「ダメですっ…って事情?事情ってなんですの?」
マーサさんって見た目は癒し系なのに結構キツい性格?まぁ、女性が仕切ってるんだからこのくらいじゃないといけないのかもしれないけどね。
「実はつい先程なんですけど…」
僕がさっきの騒動を説明すると、マーサさんの顔色が悪くなるのがわかる。
「まさかそんな事が…もう、なんてお礼を申し上げたらいいのか。
メアリ!ちゃんとお礼はしたのっ?」
「マーサさん!ほんと大丈夫ですから!そのおかげでこの宿にも来られたんですから」
「そんな訳にもいきませんっ!あ、そうだ!皆さま今晩だけ宿泊無料に…」
「それなら僕達別の宿を探しますよ?いつも通りの扱いにしていただけませんか?
僕も何かして欲しくてした訳じゃないんです。メアリさんにもしっかりとありがとうって言ってもらってますから」
「そんな…でも申し訳なくって…」
マーサさんはまだこだわってるみたいだ。うーん…面倒だけど仕方ないか。
「そんなに気にされると居づらくなりますから。
そうだ、それなら夕食もここで頂きますから、何か一品だけオマケしてくださいね?それでこの話はお仕舞いにしてください」
「ほんとにそんな事でいいんですか?…わかりました!それならお言葉に甘えますわね。
腕によりをかけて準備いたします。
メアリ?ママは皆様の食事の方にかかるから、後の事はあなたに任せるわよ!」
そういうとマーサさんは奥に戻っていきました。
なんていうか、すごいマイペースな人だね。
「あの、ユーマさん!あたしのウッカリで余計な面倒かけてごめんなさい!
ママあんな感じの人だけど、料理は本当に美味しいから!」
「メアリも大変そうだね?ふふっ」
「笑わないでよー!もぅっ…イジワル」
来て早々にこんな感じになるとは思わなかったけど、異世界初の食事にも期待出来そうだし良かったって事にしようかな。
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