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第一章 異世界に来ちゃいました
第28話
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…ちゃぽん
岩風呂に一つ水音が加わってきました。
変態トカゲ…もとい、シアこと水竜のルーテシアです。
「我も入らせてもらうのじゃ」
「すっかり気に入ったみたいだね、お風呂」
「そうじゃな!長い事生きて来たが、これほど良いものはない」
「それなら良かったよ」
それからしばらく会話はなくなり、身体にかける湯が水面に落ちる音だけが辺りに響きます。
「そっちに行っても良いじゃろうか?」
シアが唐突に問いかけてきました。
「いいよ?どうかした?」
「ありがたい。ネル殿も一緒にどうであろうか?」
「私も?ユーマと話がしたかったんじゃないの?別に構わないけど….」
そう言うと、ネルはゆったりと泳ぎながら近づいて来ました。
「出来たら我の方におって欲しい」
僕の膝に座りかけたネルにシアが頼みます。
「あら?そう?ちょっと手を伸ばしてよ」
ネルが伸ばされた手を掴むと、引き寄せられるままにシアの膝に乗ります。
「これでネル殿は我の本心がわかると思う。じゃから我も今から本心で話すつもりじゃ」
「わかった。まぁ隠したい事は秘密でいいさ。伝えるべき事なのかどうかはネルが判断してくれるからね」
シアはわざわざそうする事で、冗談で誤魔化せない様に、そして敢えてネルに総てを晒す事で、ネルからの反対意見が出にくい様に予防線を引いたんだと思う。
「では、聞いて欲しい。まずは、明日からの旅に我も同行させて欲しいのじゃ」
「理由は?」
「そうじゃな、もちろんいくつかある。まず一番は2人を気に入ってしまった事じゃな。
次にお風呂じゃ。
それからアレがクセになってしもうた事じゃよ」
「アレ?」
「あふぅ!それじゃよ、その我を嬲る感じよ。もしこのまま残れば決して二度と味わえないかと思うと…」
「ダウト!」
ネルが突然宣言しました。え?
「理由に間違いはないわ。でも順番は1と3が反対。まさかのド変態って事ね」
「はぁぁん!やっぱりいいのじゃあ!」
…絶対わざとじゃんコレ
「まぁ、嘘は言ってないわ。あまりの動機の不純さにドン引きしてるけど…」
「それならいいや。でシア、他にもまだあるんだよね?」
「もちろんじゃ。ユーマ…いやユーマ様!風羽花殿や銀殿からテイムの力があるのだと聞いた。どうか我を従魔に加えて頂きたい!
もちろん先の同行したいと言う話とも繋がるのじゃが…」
そうくるだろうなぁって思ってたけどさ。大丈夫なんだろうか?シアって結構力がある存在じゃなかったっけ?
「ユーマの思う通りにしたらいいわよ?テイムされたいっていうのも本心からだわ。
動機の不純さは相変わらずだけど、シアに関してはメリットの方が多いもの」
「…その不純さにそこはかとなく不安が残る」
「気持ちはわかるわ…」
「2人して酷い言われようなのじゃが…それもまた…はぅっ!」
…大丈夫かな?ほんとに
「ユーマ、テイムすれば強制力も発生するから、連れて行ってもいいならテイムしておきましょう?放置するよりは安心できるわ、多分」
「…確かにそうかも。じゃあ、シア。僕らはシアを受け入れるよ。どうかこれから先、シアの力を貸して欲しいな」
僕はシアに告げると、魔力を集中してテイムの意志を込めた塊を作り上げる。
シアは嬉しげに頷きながら目を閉じた。
「くふぅっ!これは凄いのじゃ…我の魂が歓んでおる!もちろん従うのじゃ…ユーマ様に服従する!」
シアの叫びと共に、確かに繋がったというのがわかる。
しかも、シア自身の格の高さのせいなのか、僕のテイム自体もより強力なモノに変化したように思えるんだよね。
そういえばレベルアップって仕組みはないけど、慣れや経験によって魔法の効果が上がるって話をネルがしてた。
どう変わってるのかは使わないとわかんないのが難点なんだけどさ。
「ユーマ?どう?上手くいった?」
「大丈夫みたい。あとなんとなくだけど、テイムの効果が強くなった?っぽい。
どう変わってるのかはわかんないんだけどさ」
「テイムが?うーん…契約魔法とかに近いとしたら、例えば隷属させたりとか、強制的にテイム出来るとかじゃないのかしら?
判断が難しいところね…まぁ色々試すしかないんじゃないの?」
「隷属って?強制は何となく想像つくけど…」
「要は奴隷化って事よ。 人族に対してはテイミングは効果がないの。
対人族だと、奴隷契約を結ぶ時に隷属魔法を使うのね。
ただ、テイムと違うのはあくまでも契約条件として服従をさせる魔法なのよ。
つまり対象の同意がない場合は、契約そのものが無効になるわけ。もっとも、それすら強制する奴隷化魔法ってのもあるんだけどね」
「強制するって凄いな…そんなの悪いことに使い放題なんじゃないの?」
「もちろん、そういう悪い使い方もあるわよ。違法奴隷ってやつね。だから法としては犯罪奴隷にしか使わない様に決められてるけど、実際はねぇ…」
なんか、人としての道を外した話も少なくないって事に、ちょっと切なさを感じるよね。もちろん取り締まるにも限界あるんだろうけどさ。
それはさておき、さっきからシアがずっとハアハアしてるのが気になってます。
「テイムされた瞬間からこの放置感…あふぅっ!」
…あ、逝った
岩風呂に一つ水音が加わってきました。
変態トカゲ…もとい、シアこと水竜のルーテシアです。
「我も入らせてもらうのじゃ」
「すっかり気に入ったみたいだね、お風呂」
「そうじゃな!長い事生きて来たが、これほど良いものはない」
「それなら良かったよ」
それからしばらく会話はなくなり、身体にかける湯が水面に落ちる音だけが辺りに響きます。
「そっちに行っても良いじゃろうか?」
シアが唐突に問いかけてきました。
「いいよ?どうかした?」
「ありがたい。ネル殿も一緒にどうであろうか?」
「私も?ユーマと話がしたかったんじゃないの?別に構わないけど….」
そう言うと、ネルはゆったりと泳ぎながら近づいて来ました。
「出来たら我の方におって欲しい」
僕の膝に座りかけたネルにシアが頼みます。
「あら?そう?ちょっと手を伸ばしてよ」
ネルが伸ばされた手を掴むと、引き寄せられるままにシアの膝に乗ります。
「これでネル殿は我の本心がわかると思う。じゃから我も今から本心で話すつもりじゃ」
「わかった。まぁ隠したい事は秘密でいいさ。伝えるべき事なのかどうかはネルが判断してくれるからね」
シアはわざわざそうする事で、冗談で誤魔化せない様に、そして敢えてネルに総てを晒す事で、ネルからの反対意見が出にくい様に予防線を引いたんだと思う。
「では、聞いて欲しい。まずは、明日からの旅に我も同行させて欲しいのじゃ」
「理由は?」
「そうじゃな、もちろんいくつかある。まず一番は2人を気に入ってしまった事じゃな。
次にお風呂じゃ。
それからアレがクセになってしもうた事じゃよ」
「アレ?」
「あふぅ!それじゃよ、その我を嬲る感じよ。もしこのまま残れば決して二度と味わえないかと思うと…」
「ダウト!」
ネルが突然宣言しました。え?
「理由に間違いはないわ。でも順番は1と3が反対。まさかのド変態って事ね」
「はぁぁん!やっぱりいいのじゃあ!」
…絶対わざとじゃんコレ
「まぁ、嘘は言ってないわ。あまりの動機の不純さにドン引きしてるけど…」
「それならいいや。でシア、他にもまだあるんだよね?」
「もちろんじゃ。ユーマ…いやユーマ様!風羽花殿や銀殿からテイムの力があるのだと聞いた。どうか我を従魔に加えて頂きたい!
もちろん先の同行したいと言う話とも繋がるのじゃが…」
そうくるだろうなぁって思ってたけどさ。大丈夫なんだろうか?シアって結構力がある存在じゃなかったっけ?
「ユーマの思う通りにしたらいいわよ?テイムされたいっていうのも本心からだわ。
動機の不純さは相変わらずだけど、シアに関してはメリットの方が多いもの」
「…その不純さにそこはかとなく不安が残る」
「気持ちはわかるわ…」
「2人して酷い言われようなのじゃが…それもまた…はぅっ!」
…大丈夫かな?ほんとに
「ユーマ、テイムすれば強制力も発生するから、連れて行ってもいいならテイムしておきましょう?放置するよりは安心できるわ、多分」
「…確かにそうかも。じゃあ、シア。僕らはシアを受け入れるよ。どうかこれから先、シアの力を貸して欲しいな」
僕はシアに告げると、魔力を集中してテイムの意志を込めた塊を作り上げる。
シアは嬉しげに頷きながら目を閉じた。
「くふぅっ!これは凄いのじゃ…我の魂が歓んでおる!もちろん従うのじゃ…ユーマ様に服従する!」
シアの叫びと共に、確かに繋がったというのがわかる。
しかも、シア自身の格の高さのせいなのか、僕のテイム自体もより強力なモノに変化したように思えるんだよね。
そういえばレベルアップって仕組みはないけど、慣れや経験によって魔法の効果が上がるって話をネルがしてた。
どう変わってるのかは使わないとわかんないのが難点なんだけどさ。
「ユーマ?どう?上手くいった?」
「大丈夫みたい。あとなんとなくだけど、テイムの効果が強くなった?っぽい。
どう変わってるのかはわかんないんだけどさ」
「テイムが?うーん…契約魔法とかに近いとしたら、例えば隷属させたりとか、強制的にテイム出来るとかじゃないのかしら?
判断が難しいところね…まぁ色々試すしかないんじゃないの?」
「隷属って?強制は何となく想像つくけど…」
「要は奴隷化って事よ。 人族に対してはテイミングは効果がないの。
対人族だと、奴隷契約を結ぶ時に隷属魔法を使うのね。
ただ、テイムと違うのはあくまでも契約条件として服従をさせる魔法なのよ。
つまり対象の同意がない場合は、契約そのものが無効になるわけ。もっとも、それすら強制する奴隷化魔法ってのもあるんだけどね」
「強制するって凄いな…そんなの悪いことに使い放題なんじゃないの?」
「もちろん、そういう悪い使い方もあるわよ。違法奴隷ってやつね。だから法としては犯罪奴隷にしか使わない様に決められてるけど、実際はねぇ…」
なんか、人としての道を外した話も少なくないって事に、ちょっと切なさを感じるよね。もちろん取り締まるにも限界あるんだろうけどさ。
それはさておき、さっきからシアがずっとハアハアしてるのが気になってます。
「テイムされた瞬間からこの放置感…あふぅっ!」
…あ、逝った
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