12 / 170
第一章 異世界に来ちゃいました
第11話
しおりを挟む
日が暮れる前に拠点を準備しないとね!
ネル達と一旦合流した後、改めて風羽花に先行偵察兼道案内をして貰いながら、さっき2人が見つけてくれた所までやってきました。
「うん、いい感じのところだね!さすがネル!風羽花もありがとう!」
「ふふっ 当然じゃない!私達に任せなさい!」
『ですです!ネルお姉さんの判断に間違いはないのです!』
それじゃあ早速拠点設営しちゃいますか!
てれれれってれー!小屋ー!
…はい。すいません。調子に乗りました。
で、昨日作った小屋も傷一つなく収納されてるし、驚いた事には食器や、寝具、あまつさえゴミも少しだけ、今朝収納した時のままの状態だったんだよね。
「ネル、質問いいかな?」
「いいけど、なぁにユーマ?」
「収納魔法って、しまった物の時間ってどうなるの?」
「基本的に外と変わらないわよ?でっかい鞄と同じ様なものなんだから」
「そっかぁ…やっぱりそうだよね」
「何よ?なんか思いついた?もしかして食料保管しとこうとか?ダメよ?時間経てば劣化しちゃうから」
「いや僕の収納、時間止まってるっぽい」
「…え?は?今なんて?時間止まってるとか聞こえたんだけど…」
「止まってるっぽい」
ネルに小屋の状態を説明してみると、彼女の時間も止まったっぽい。
「おーい…ネールー…ネルさんやーい」
「…はっ!?私ね今夢を見ていたの。夢なんて見たの初めてだわ…
ありえない事をみるもんなのね。あーびっくりした…」
「おーい…帰ってこーい」
…神様も現実逃避ってするんだねー
ネルが帰ってくるのにはしばらくかかりました。
「はぁ…アンタなんなのよ、いったい。もしかして私に対する嫌がらせかなんかなの?」
「いや、それ意味わかんないから」
「だって仕方ないじゃない!なんでことごとく常識の枠を飛び越えてくるのよっ!」
その気持ちはわからなくもないんだけどさぁ、できちゃったもんは仕方ないと思うし、収納に至っては僕だってさっき知ったんだけど…
「もう受け入れた方が楽な気もするのよ?
でも、私にだって管理者の意地があるの!だから私は諦めないわ!ユーマが常識を身に付けるその日まで!」
「…管理者の意地ってそこ?」
ネルの決意が重いです。
そんなやりとりもありながら無事に拠点設営は終了しました。
今は夕食の準備中です。
『ただいまですー!』
ちょうどいいタイミングで風羽花が夕食材料の魚を集めてきました。何が凄いかって、ちょっと教えただけで網を使った輸送を覚えたんだよね。ちなみに網は木の皮で作れちゃいました。
風羽花が言うには『運ぶのが楽になったから嬉しい』そうなので、他にも教えたら色々出来そうな気がします。
今夜の夕食は焼き魚と芋とキノコのスープです。
実は、食材探しに川縁の林に入ってキノコや野草を探して居る時に、例の魔力眼(ネル命名)が今までと違う反応をする様になりました。
今まではなんとなく「そんな感じが浮かぶ」だけだったんだけど、どうやら進化したのか「適食部位は赤、危険部位は青、不適食部位は灰色」に見える様になったんだよね。
ちょうど果実は赤だけど葉は青、他は灰色の木が見つかったんだけど、葉からは毒っぽい感じが浮かぶし、実からは食べられるって感じがするって事で、より精度が上がったのが確認できました。
で、より便利になった魔力眼にウキウキしながら探索してたら、葉や茎の部分は灰色なのに見えてないはずの地面の下から赤い光が上がってる草を発見しまして、掘り起こすとサツマイモみたいな根が赤く染まってたんだ。
てなわけで、スープの中には舞茸みたいなキノコと賽の目に切ったサツマイモみたいな芋がたっぷりと入りました。
ちなみに昨日とは比較出来ないくらいに充実した夕食の後には、デザートにさっき見つけた果実を食べたんだけど、甘くも酸っぱくもなく、単に食べられるだけだったというオチがつきました。魔力眼、ぜひ味の評価もお願いします…
そして夕食タイムを終え3人で雑談しながらまったりしてた時、事件は起こったんだ。
『主人様!外に何かいるですっ!』
風羽花が突然叫ぶと、天窓部分から器用に外へと飛び出して行きました。
『犬か狼っぽい獣が小屋の周りにたくさんいるですよー!』
恐らく匂いを辿って、森の獣か何かが集まって来たみたいです。
「どうやら狙われてるようね。どうする?ユーマ」
「うーん別にほっといてもいいけど、小屋壊されたら嫌だよね…威嚇したら居なくならないかな?」
「それはやってみないとわからないわね」
「そうだよなぁ…けど、このまま居座られたらお風呂入れなくなっちゃうしなぁ」
「殲滅よ!ユーマ、やっておしまい!」
お風呂と聞いてネルが物騒になりました。
「まぁ、お風呂ないのは僕も嫌だし、サクッと散らすしかないかな。
とりあえず逃げるやつは追わない方針で行くよ」
「却下ね!お風呂を邪魔されたら最低だもの、殲滅あるのみよっ!」
ネルに却下されました。女神様は好戦的です。
「…へいへい。行ってきまー」
「もっと気合入れてやれやー!」
…どこの鬼軍曹ですか?
「風羽花、状況報告お願い」
『はいはーい!いっぱいいるでーす!狼っぽいです!1匹だけちょっとおっきいのがいるですよー!』
それが群れのリーダーなのかな?
じゃあまず頭から潰しときますか!
ネル達と一旦合流した後、改めて風羽花に先行偵察兼道案内をして貰いながら、さっき2人が見つけてくれた所までやってきました。
「うん、いい感じのところだね!さすがネル!風羽花もありがとう!」
「ふふっ 当然じゃない!私達に任せなさい!」
『ですです!ネルお姉さんの判断に間違いはないのです!』
それじゃあ早速拠点設営しちゃいますか!
てれれれってれー!小屋ー!
…はい。すいません。調子に乗りました。
で、昨日作った小屋も傷一つなく収納されてるし、驚いた事には食器や、寝具、あまつさえゴミも少しだけ、今朝収納した時のままの状態だったんだよね。
「ネル、質問いいかな?」
「いいけど、なぁにユーマ?」
「収納魔法って、しまった物の時間ってどうなるの?」
「基本的に外と変わらないわよ?でっかい鞄と同じ様なものなんだから」
「そっかぁ…やっぱりそうだよね」
「何よ?なんか思いついた?もしかして食料保管しとこうとか?ダメよ?時間経てば劣化しちゃうから」
「いや僕の収納、時間止まってるっぽい」
「…え?は?今なんて?時間止まってるとか聞こえたんだけど…」
「止まってるっぽい」
ネルに小屋の状態を説明してみると、彼女の時間も止まったっぽい。
「おーい…ネールー…ネルさんやーい」
「…はっ!?私ね今夢を見ていたの。夢なんて見たの初めてだわ…
ありえない事をみるもんなのね。あーびっくりした…」
「おーい…帰ってこーい」
…神様も現実逃避ってするんだねー
ネルが帰ってくるのにはしばらくかかりました。
「はぁ…アンタなんなのよ、いったい。もしかして私に対する嫌がらせかなんかなの?」
「いや、それ意味わかんないから」
「だって仕方ないじゃない!なんでことごとく常識の枠を飛び越えてくるのよっ!」
その気持ちはわからなくもないんだけどさぁ、できちゃったもんは仕方ないと思うし、収納に至っては僕だってさっき知ったんだけど…
「もう受け入れた方が楽な気もするのよ?
でも、私にだって管理者の意地があるの!だから私は諦めないわ!ユーマが常識を身に付けるその日まで!」
「…管理者の意地ってそこ?」
ネルの決意が重いです。
そんなやりとりもありながら無事に拠点設営は終了しました。
今は夕食の準備中です。
『ただいまですー!』
ちょうどいいタイミングで風羽花が夕食材料の魚を集めてきました。何が凄いかって、ちょっと教えただけで網を使った輸送を覚えたんだよね。ちなみに網は木の皮で作れちゃいました。
風羽花が言うには『運ぶのが楽になったから嬉しい』そうなので、他にも教えたら色々出来そうな気がします。
今夜の夕食は焼き魚と芋とキノコのスープです。
実は、食材探しに川縁の林に入ってキノコや野草を探して居る時に、例の魔力眼(ネル命名)が今までと違う反応をする様になりました。
今まではなんとなく「そんな感じが浮かぶ」だけだったんだけど、どうやら進化したのか「適食部位は赤、危険部位は青、不適食部位は灰色」に見える様になったんだよね。
ちょうど果実は赤だけど葉は青、他は灰色の木が見つかったんだけど、葉からは毒っぽい感じが浮かぶし、実からは食べられるって感じがするって事で、より精度が上がったのが確認できました。
で、より便利になった魔力眼にウキウキしながら探索してたら、葉や茎の部分は灰色なのに見えてないはずの地面の下から赤い光が上がってる草を発見しまして、掘り起こすとサツマイモみたいな根が赤く染まってたんだ。
てなわけで、スープの中には舞茸みたいなキノコと賽の目に切ったサツマイモみたいな芋がたっぷりと入りました。
ちなみに昨日とは比較出来ないくらいに充実した夕食の後には、デザートにさっき見つけた果実を食べたんだけど、甘くも酸っぱくもなく、単に食べられるだけだったというオチがつきました。魔力眼、ぜひ味の評価もお願いします…
そして夕食タイムを終え3人で雑談しながらまったりしてた時、事件は起こったんだ。
『主人様!外に何かいるですっ!』
風羽花が突然叫ぶと、天窓部分から器用に外へと飛び出して行きました。
『犬か狼っぽい獣が小屋の周りにたくさんいるですよー!』
恐らく匂いを辿って、森の獣か何かが集まって来たみたいです。
「どうやら狙われてるようね。どうする?ユーマ」
「うーん別にほっといてもいいけど、小屋壊されたら嫌だよね…威嚇したら居なくならないかな?」
「それはやってみないとわからないわね」
「そうだよなぁ…けど、このまま居座られたらお風呂入れなくなっちゃうしなぁ」
「殲滅よ!ユーマ、やっておしまい!」
お風呂と聞いてネルが物騒になりました。
「まぁ、お風呂ないのは僕も嫌だし、サクッと散らすしかないかな。
とりあえず逃げるやつは追わない方針で行くよ」
「却下ね!お風呂を邪魔されたら最低だもの、殲滅あるのみよっ!」
ネルに却下されました。女神様は好戦的です。
「…へいへい。行ってきまー」
「もっと気合入れてやれやー!」
…どこの鬼軍曹ですか?
「風羽花、状況報告お願い」
『はいはーい!いっぱいいるでーす!狼っぽいです!1匹だけちょっとおっきいのがいるですよー!』
それが群れのリーダーなのかな?
じゃあまず頭から潰しときますか!
0
お気に入りに追加
536
あなたにおすすめの小説

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中
私の入る余地なんてないことはわかってる。だけど……。
さくしゃ
恋愛
キャロルは知っていた。
許嫁であるリオンと、親友のサンが互いを想い合っていることを。
幼い頃からずっと想ってきたリオン、失いたくない大切な親友であるサン。キャロルは苦悩の末に、リオンへの想いを封じ、身を引くと決めていた——はずだった。
(ああ、もう、)
やり過ごせると思ってた。でも、そんなことを言われたら。
(ずるいよ……)
リオンはサンのことだけを見ていると思っていた。けれど——違った。
こんな私なんかのことを。
友情と恋情の狭間で揺れ動くキャロル、リオン、サンの想い。
彼らが最後に選ぶ答えとは——?
⚠️好みが非常に分かれる作品となっております。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
少年神官系勇者―異世界から帰還する―
mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる?
別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行)
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
この作品は「pixiv」にも掲載しています。

やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる