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動き出した狂気の果てに【午後7時〜午後8時】
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当たり前であるが、晴美と春日の思考回路は全く同じというわけではない。春日は大きくカテゴリー分けをしたが、晴美はそれより細かくカテゴライズしたようだ。
「私がカテゴリーとして分別すべきだと思うものは、ヒント【A】【H】【L】よ。どうにもこれらのヒントが引っかかるのよね」
晴美に言われて春日はSGTに視線を落とす。春日は【対称系】と【数字系】――そして【どちらにも属さない系】でカテゴリー分けをしていた。なによりも確実にどちらかが本物であることが確定している【対称系】をメインに思考を進めたからなのかもしれない。むろん、同じような内容のヒントが存在することは分かっていたが、重きを置いたのが【対称系】だったため、春日は【どちらにも属さない系】として処理してしまっていた。
ヒント【A】 《答え 》が揃えば本物の【固有ヒント】も明らかになるだろう。
ヒント【H】 《真実 》が揃えば本物の【固有ヒント】も明らかになるだろう。
ヒント【L】 《嘘 》が揃えば本物の【固有ヒント】も明らかになるだろう。
晴美がカテゴリーとしてまとめたのは、これらのヒントだ。比嘉のヒントと深田のヒント、そして村山なる会ったこともない人物のヒントである。これらはいずれも、何かしらの条件により、本物のヒントが明らかになるといったものであるが――。
「確かに、引っかかると言われれば引っかかるな。ただ、これでこのシリーズが全てなのか、そして本当に《答え》《真実》《嘘》のいずれかが揃えば、本物のヒントが明らかになるのか。その辺りが不透明だな」
これらのヒントもまた【数字系】と同じ。どれかを否定することができたところで、残ったヒントが本物とは確定できない。全てが偽物である可能性だってあるだろう。
「私、これが気になる理由は《答え》《真実》《嘘》の後ろにある1文字分のスペースにあるのよ。そういう仕様だと言われてしまえばそこまでなんだけど、なんというか、パッとヒントの一覧を見た時、変なところにスペースが入ってるものだから、それがどうにも不自然に見えてね」
晴美の言葉に頷く春日。深田はもう諦めてしまったのか、耳を春日達のほうへ向けてはいるものの、口を挟まなくなっていた。
「それに関しては私も同感だな――。ただ、現状で気になっているヒントはこれくらいだな。やはり、全てのヒントが揃っていないだけに、確定できない部分も多い。残りのヒントを集めないと結論は出せないか」
「私がカテゴリーとして分別すべきだと思うものは、ヒント【A】【H】【L】よ。どうにもこれらのヒントが引っかかるのよね」
晴美に言われて春日はSGTに視線を落とす。春日は【対称系】と【数字系】――そして【どちらにも属さない系】でカテゴリー分けをしていた。なによりも確実にどちらかが本物であることが確定している【対称系】をメインに思考を進めたからなのかもしれない。むろん、同じような内容のヒントが存在することは分かっていたが、重きを置いたのが【対称系】だったため、春日は【どちらにも属さない系】として処理してしまっていた。
ヒント【A】 《答え 》が揃えば本物の【固有ヒント】も明らかになるだろう。
ヒント【H】 《真実 》が揃えば本物の【固有ヒント】も明らかになるだろう。
ヒント【L】 《嘘 》が揃えば本物の【固有ヒント】も明らかになるだろう。
晴美がカテゴリーとしてまとめたのは、これらのヒントだ。比嘉のヒントと深田のヒント、そして村山なる会ったこともない人物のヒントである。これらはいずれも、何かしらの条件により、本物のヒントが明らかになるといったものであるが――。
「確かに、引っかかると言われれば引っかかるな。ただ、これでこのシリーズが全てなのか、そして本当に《答え》《真実》《嘘》のいずれかが揃えば、本物のヒントが明らかになるのか。その辺りが不透明だな」
これらのヒントもまた【数字系】と同じ。どれかを否定することができたところで、残ったヒントが本物とは確定できない。全てが偽物である可能性だってあるだろう。
「私、これが気になる理由は《答え》《真実》《嘘》の後ろにある1文字分のスペースにあるのよ。そういう仕様だと言われてしまえばそこまでなんだけど、なんというか、パッとヒントの一覧を見た時、変なところにスペースが入ってるものだから、それがどうにも不自然に見えてね」
晴美の言葉に頷く春日。深田はもう諦めてしまったのか、耳を春日達のほうへ向けてはいるものの、口を挟まなくなっていた。
「それに関しては私も同感だな――。ただ、現状で気になっているヒントはこれくらいだな。やはり、全てのヒントが揃っていないだけに、確定できない部分も多い。残りのヒントを集めないと結論は出せないか」
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